真・恋姫†無双〜恋と共に〜 #42
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#42

 

 

 

その光景は、一言で述べるならば異様だった。自軍の数倍もある敵に向かって、籠城という選択肢を採らずに撃って出る暴挙。通常ならば、攻城する側も呆れ果てるだろう。だが、この時ばかりはそうではない。突如現れた『天の御遣い』と名乗る存在。そしてその言葉に後押しされるかのように、ほんの僅かの迷いも怯みもない突撃。連合軍は混乱を極める。ただ2つの軍勢を除いては、であるが。

 

 

「落ち着けぃ!貴様ら、それでも曹操が精兵か!!何故敵の言葉を鵜呑みにする!敵が我らを混乱させる為の策と何故気づかない!!」

 

 

主の言葉と彼女の全身から放たれる覇気にすぐにでも落ち着きを取り戻す曹操軍。加えて夏候姉妹の視線で、その秩序は本来のものに戻る。それを近くに配置されていた馬の旗を掲げる軍も見て、時間はかかったがなんとか兵たちを抑え込んだ。

 

 

「なんじゃ、お前ら!敵さんの言う事なんぞ真に受けるな、阿呆共が!!大義は我らにある!敵を迎え撃つ準備をせいっ!!」

 

 

そしてもう一方は、王がその場におらずとも、宿将の叱咤に従う孫策軍。すぐに隊を整列させると、前線は槍を構える。

その2軍以外は、冷静さを取り戻すことが出来ないでいた。………いや、例外があと数人だけいる。

 

 

「なんじゃ、あやつは。『天の御遣い』なんぞと名乗りおって、まったく不遜な輩じゃのぅ」

「そうですねー。ま、前方は孫策さんに任せて、美羽様はどーんと構えちゃっていてくださいね」

「わかったのじゃ。では七乃、蜂蜜水を持ってくるのじゃ!」

「はいはーい」

 

 

右翼後方にいる袁術と張勲。そして―――。

 

 

「なんなんですの?あの男は?」

「ほらほら、麗羽様、董卓さんが洛陽に招致される前に、董卓さんの街に『天の御遣い』が降り立った、って噂があったじゃないですか」

「あら、そうでしたの?………覚えてないですわねぇ。まぁ、この名門袁家の当主である私に楯突こう等というのですから、よほど前の見えないおバカさんなのでしょうね。おーっほっほっほっほ!!」

「そっすよねー?声はデカかったけど、それだけだし。万が一こっちに来ても、あたいがドカーンとやっつけちゃいますよー」

「流石ですわ、猪々子さん!おーっほっほっほっほ!」

「もう、文ちゃんったら………でも、本物なのかなぁ?」

 

 

本陣に堂々と据えられた袁紹と軍の二枚看板である顔良と文醜であった。

 

 

 

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前線のさらに前方に出てきていた雪蓮・関羽・張飛の3人は、すぐに迎撃態勢をとる。雪蓮は腰の南海覇王を抜き、関羽は両手で青龍偃月刀を構えた。張飛は先の挑発のように蛇矛をぶんぶんと振り回して、そのやる気を見せている。

 

 

「さて、誰が華雄と当たる?」

「にゃにゃっ、鈴々が行きたいのだ!!」

「待ってよ、華雄はあたしの挑発に乗ったんだから、ここはあたしが行くべきでしょう?」

 

 

武器は構えてはいるが、呑気な会話が繰り広げられる。と、雪蓮が何かに気づいたように後方を振り返り、驚きの声をあげる。それに釣られて2人も首をひねって後ろに視線を向けた。

 

 

「げっ!」

「なんだ!?」

「どうしたのだ!?」

 

 

しかし、振り返った関羽と張飛が見たのはいまだ動揺を隠せない劉備軍の兵と、それを抑えようと奮闘する諸葛亮や趙雲であった。

 

 

「うっそよん。一番槍いただきっ!」

「にゃっ?ずるいのだ!!」

「もう遅いわよ!………ね、華雄?」

「あぁ、久しいな、孫策っ!!」

 

 

前を向き直った張飛が見たのは、既に初太刀をぶつけ合う孫策と華雄。周囲に、この戦で初めての剣戟の音が響き渡る。

追走しようとする張飛だったが、それを関羽が抑えた。

 

 

「待て、鈴々!私達は先に隊員を抑えるぞ!先陣を切ってくるくらいだ、華雄はおそらく孫策殿と一騎打ちに入る。我らは華雄の兵を抑えるのだ!!」

「にゃー、わかったのだ。………こらーー!!鈴々隊のくせに情けないのだ!さっさと構えないと敵が来ちゃうのだ!!」

「貴様らもだ、関羽隊!すぐに隊列を組み直し、迎撃態勢をとれ!迎え撃つぞ!!」

 

 

敬愛する将が走りながら命令を飛ばす。その様子に、劉備の軍勢もなんとか体勢を整えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

城壁―――。

 

 

「さて、敵はどう動くと思う?」

「そですねー、門は開かれていますし、皆が功を焦って、扉前は混み合うでしょうねー。華雄さんは止まらないでしょうし、どうしたものか………」

 

 

問いかける一刀。声をかけられた風は、悩む素振りを見せたが、一刀がその小さな頭を撫でた。

 

 

「駄目だよ、風。風は軍師なんだから、俺を駒と考えないと。俺の心配は嬉しいけど、戦略に私情を持ち込むのはよくないな」

「むー、私情で戦に参加した張本人がよく言うのです。………関羽さんも張飛さんも相当の手練れと噂がありますし、流石に華雄さんだけでは厳しいでしょうねー。というか、華雄さんなら孫策さんとの一騎打ちに集中して周りが見えない気がします。と言う訳で、おにーさんは関羽さんと張飛さんのお相手に行っちゃってください。前線をたった1人でやっつけちゃえば、他の隊も怯んで動きが遅くなりますのでー」

「言った途端にこれかよ………まぁ、いまはひと当てするだけだしな。適当に蹴散らして華雄と合流するよ」

「軽く言いながら、本当にそれをするからおにーさんは怖いのです。それではお気をつけて」

 

 

一刀は風をもう一度撫でると、行ってくると、一言残して地上への階段へと向かう。

 

 

「おにーさんなら、風が指示したこと以上の事をしてくれるのでしょうね、どうせー」

 

 

その背を見ながら、風は諦観の溜息を吐いた。

 

 

 

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「久しいな、孫策!以前戦った時の文台そっくりだ!」

「だったらまた私達に勝ちを譲ってよ。慣れてるでしょ?」

「ふっ、もうその様な挑発には乗らんさ!たとえ見た目が似ていようとも、貴様も一人の武人。なれば、同じく武人として手合せをするだけさ」

 

 

語り合いながらも互いの得物を振るう。華雄はその大振りの斧からは想像もつかないような速度で攻撃を放ち、対する雪蓮も、さして苦にした様子もなく弾き、避ける。なおも2人の会話は続く。

 

 

「それにしても、前に会った時よりも随分と腕を上げたじゃない」

「あぁ!目指すべき目標があるからな!あいつのおかげで、私の武も見違えたさ」

「それは私もよ!一度も勝てなかった相手なんて母様以来だわ!」

「それほどの者が世にはいるのか!大陸は広いな。………だが、お前の腕はかつての文台のそれを既に越えているように思えるが?」

「それ、祭にも言われたわ。でも外れ。残念ながら男よ」

「ほぅ、そっちもか………ん?」

「そっちも、ってことは貴女も………え?」

 

 

互いの気の抜けた疑問の声に、2人は同時に間合いを外す。武器は構えたままだが、どちらも動く気配はない。双方共に何かを考え込む素振りを見せ、そして先に口を開いたのは華雄だった。

 

 

「………孫策よ」

「なに?」

「よければ、その男の名前を教えてはくれないだろうか」

 

 

華雄の問いも当然のものであった。この大陸で歴史に名を残すのは、そのほとんどが女性であったからだ。武に関しても、智に関しても、あるいは稀代の名君と呼ばれた者でさえも、そのほぼすべてが女性というのが、この大陸の歴史の常識だ。

雪蓮も何か思うところがあるらしく、軽く頷くと、その者の名を伝える。

 

 

「北郷一刀よ」

「………やはりか」

「あぁ、貴女もなのね………」

 

 

華雄と雪蓮は同時に溜息を吐いた。あの男はどこまでその輪を広げるのだろうか。奇しくも2人の心には同じ思いが募っていた。

 

 

「つかぬ事を聞くけど、もしかして一刀って………」

「あぁ、今は我々のところにいるぞ?」

 

 

その答えに、雪蓮は口元を引きつらせながら再度問う。

 

 

「じゃぁ、さっき名乗りを上げた『天の御遣い』って―――」

「その通りだ。………なんだ、知らなかったのか?」

「知るわけないじゃない!だって一刀はそんなこと言わなかったし、それに幾らか滞在したけど、結局旅に戻っちゃったし」

「………大陸を見たいとは言っていたが、お前のところに居たとはな」

「あと、曹操のところにも居たわよ?黄巾党の討伐の時に会ったんだけど、そこでも客将をしていたわ」

「なるほどな。あいつの旅の目的が少しだけわかった気がする………それで、どうする?」

 

 

華雄は何事かを呟くと、僅かの沈黙の後に目の前の女性に問いかけた。

 

 

「どうする、とは?」

「なに、北郷と共にあったのならば、あいつの性格も人柄も知っているだろう。それを踏まえた上で、何故あいつが此方にいるのか考えてみろ、と言っているのだ」

「………………そうね。後でうちの軍師と話し合ってみるわ」

「後で、とは?」

「だって、このまま引き下がったらあたしが怪しまれちゃうじゃない。そんなのは御免よ。それに………」

 

 

雪蓮は口元に鋭い笑みを浮かべると、右手の剣でひとつ素振りをする。

 

 

「目の前に強い敵がいるのに、戦わない、っていう選択肢なんてあるわけないでしょ!」

「その通り……だっ!!」

 

 

雪蓮が言葉と同時に飛び出し、間合いを詰める。対する華雄もまったくだと言わんばかりに獰猛な笑みでそれを迎撃する。

 

 

「やっぱり、戦ってのはこうでなくちゃね!」

「そうだな。だが、陣に戻れなくなっても知らぬぞ?」

「よく言うわ!貴女こそ自分の心配でもしてなさい!」

 

 

雪蓮の鋭い斬りおろしを華雄は斧の柄で弾く。そのまま武器を回転させると、その勢いを利用して斬り上げた。

 

 

「それにしても………」

「何よ?」

「まったく、お前の母親を思い出させてくれる。その髪も、その瞳も、そしてその剣も。お前のすべてが私の中の苦い記憶を引き摺り出そうと狙っているのだよ………はぁっ!」

「ふっ!………だったら、あたし自身をその記憶に刻み込んであげようかしら。貴女ならわかると思うけど、一刀を見てるとね、自分にもいろんな可能性があることを教えてくれるのよ」

「ほぅ?例えば?」

「そうね…性格もそうだし、生き方にしてもそうだし………勿論剣もね!!」

 

 

言うや否や、雪蓮は後方に跳ぶと、着地と同時に再び間合いを詰める。しかし、その剣はこれまでのものと種類が異なっていた。これまで斬ることを主体としていた南海覇王の切っ先を向けると、鋭い突きを小刻みに打ち始める。

 

 

「ほらほら、こんな感じにね!母様は力技が好きだし、あたしもそれを重んじていたけど、こうやって別の型を受け入れられるくらいにはなるのよ………これは一刀の真似だけどねっ!」

「くっ、確かに……これではなかなか手を出せないな………」

 

 

様々な角度から、それでいた間断なく放たれる刺突に、華雄は時には刃で、時には柄で弾く。しかし、体勢を整える間を与えてはくれない。と、戦斧を構え直す僅かな隙を狙い、雪蓮は突如動きを変え、斬り払った。

 

 

「とまぁ、こうやってあたしが強くなってるのも一刀のおかげかもね。………妬かないでよ?」

「何を言う。一刀が入れ込んでいるのは呂布だろう。2人の仲を見てればそんな気持ちも起きないさ」

 

 

からかうような口調に、間合いを外すことで剣を躱した華雄はからからと笑いながら応える。

 

 

「あら、面白くないわね。でも、惚れていることは否定しないのね」

「まぁな。………そう言うお前もだろう?」

「否定しないわ。でもね、華雄?」

「なんだ?」

「一刀は昂ぶっているあたしを鎮めてくれるだけの器量は見せてくれたわよ?」

 

 

そう言って雪蓮はしなを作る。その意味を察した華雄は顔を真っ赤にした。

 

 

「ねぇ、自分には手を出さないで硬派な振りをしているのに、仇敵の娘には手を出しているのよ?ねぇねぇ、どんな気持ち?どんな気持ち?」

「…ふ……ふふふ………ふははははは!!!………………………コロシテヤル」

 

 

途端、華雄から先ほどとは比較にならない程の殺気が放たれる。その様子に、からかい過ぎたかしらと雪蓮は後悔するが、もう遅い。彼女は龍の逆鱗に触れてしまったのだ。

 

後に華雄隊の者たちは語る。その姿、まさに鬼神の如きなり、と………。

 

 

 

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華雄と雪蓮がじゃれついているのを横目に、一刀は愛馬で水関の扉から飛び出した。華雄隊が優秀であることはわかっているが、それでも関羽や張飛が相手だと荷が重い。一刀は、前線でぶつかり合う兵たちを目標に据えると、黒兎馬を一層加速させた。

 

 

「どうした!猛将華雄の兵というのはこれほどまでに弱卒揃いなのか!?誰かこの関雲長を討てるという猛者はいないのか!!」

「………ここにいるさ」

 

 

その武を牽制し、関羽を囲っていた華雄隊の後ろから低い声がかかる。彼女がそちらを向くと、白い仮面を被った男がその隙間から出てくるところだった。

 

 

「貴様は………」

「………………………」

 

 

一刀は仮面の隙間から、目の前の少女を無言で見定める。武に関しては別れる頃の春蘭くらいかと一刀は結論づける。ただ、一つだけ心に引っ掛かるものがあった。

 

 

「貴様が私の相手をするというのか?」

「如何にも」

「よかろう。ならば、全力でお相手致すっ!」

 

 

言葉を継ぐと同時に関羽は偃月刀を振りかぶり、斬りかかる。霞との鍛錬で偃月刀の闘い方もある程度は知っていた為、一刀はそれを難なく捌いた。そこに隙が生まれるが、一刀は斬りかかることをしない。それを舐められていると取ったか、関羽は更に激しい攻撃を加えるが、それでも防戦一方の目の前の男に、関羽は苛立ちを募らせて言葉を投げつけた。

 

 

「貴様、何故攻撃してこない!」

「………………」

「答えろっ!」

「………質問、していいか?」

「………………何を問うと言うのだ」

「君は、何のために戦っている?」

「洛陽で苦しんでいる民がいると言う。ならばそれを救うが義の道だ!」

「そっか、ありがとう………もういいよ」

「な………ぐぁあっ!?」

 

 

関羽の答えに、落胆の色で染めた声を漏らすと、一刀は降りかかる偃月刀を弾き、関羽の懐に入り込むと同時に彼女を蹴り飛ばした。

 

 

「(なんと……重い………)ぐっ………」

 

 

予想外の威力の攻撃を受けて、関羽は地面に転がったまま動くことが出来ないでいる。一刀はゆっくりと彼女に歩み寄ると、手に持つ刀の切っ先を、彼女の首に添えた。

 

 

「………くっ」

「君の主の望みは何だ?」

「………それを聞いてどうしようというのだ」

「今の君に拒否権はないんだよ?答えてくれ」

 

 

その光景に、劉備軍の兵だけでなく、董卓軍の兵士も動くことが出来ないでいる。先ほどまで攻撃を仕掛け続けていた女性が、たった一撃で地面に倒れているからだ。彼らは互いに敵を攻撃することも忘れ、その光景を見つめている。少し離れれば剣戟の音や雄叫びが聞こえるなか、その場所だけぽっかりと別の空間に切り取られたかのようだった。

 

 

「と、桃香様の願いは……民の、笑顔だ」

「それは、大陸全土の?」

「………そうだ」

「なら、何故君たちは此処にいる?」

「それは、先ほども言ったはずだ。洛陽で苦しんでいる民がいる。だから助けにいくと」

「でも、君がさっきまで斬り殺していた董卓軍の兵たちも、戦の時以外は普通に暮らしている民だ。そんな彼らの笑顔を、君たちは奪っていることに気がついているのか?」

「そ、それは………」

 

 

鋭い問いに、関羽は口籠る。目の前の男の言う事はもっともだ。戦だからとどこかで割り切ってはいるが、それでも彼らが民という側面を持つことを否定はできない。関羽が眼を逸らそうとすると、それを遮るかのように一刀は再度問いかける。

 

 

「君たちの主…劉備はどんな人?」

「………誰より優しく……尊い御方だ」

「そうか…だったら、こうして大軍に攻められている俺たちを助けてくれよ」

「なっ!?」

「優しいんだろう?だったら、こうやって弱い者虐めみたいに責められて苦しんでいる董卓と俺たちを救ってくれよ。この戦力差だ。普通に考えれば、俺たちに勝つ術なんてないだろう?」

「………………それは」

「どうするつもりだ?君たちが勝てば、なるほどそこには笑顔があるだろうよ。だがな、その笑顔はこうして君たちから洛陽の民を守ろうとする、数万の人間の死の上に成り立つんだ。それだけじゃない。彼らにだって家族がいる。息子の帰りを待つ母親。夫の帰りを待つ妻。父の帰りを待つ子供。兄の帰りを待つ妹………。君たちは数万の命と、そこに付随するその何倍もの笑顔を殺すんだぞ?そんな人たちに向けて、君に何が出来る?」

 

 

ふいに、自分たちがしようとしていた事が物凄く恐ろしくなり、関羽は微かに震え出す。このまま何も知らずに戦が終われば、主や自分たちの望む笑顔というものは得られたであろう。だが、その裏では、数多の命が蹂躙されているのだ。何故誰もそのことに疑問を抱かないのか。何故誰もそのことに恐怖を抱かないのか。彼らは本当にそのことを理解しているのか。関羽の頭の中で何度も問答が繰り返される。いや、返る答えなどないのだから、問答とすら呼ぶことは出来ない。

 

 

「答えろよ。劉備は俺たちを助けてくれるのか?それとも俺たちを見捨てるのか?」

 

 

彼の問いに、関羽は答えられない。いや、答えてはいけない。それは例えるならば、悪魔の審判。なんと答えようと、どのように判決が下されようと、その結果は誰も救われない。まさに糾弾。この大軍勢を前にして、それでいてその最小勢力である劉備軍を絡め取る言葉遊び。

 

 

「答えろ」

「しかし………苦しんでいる者がいるのならば、我々は、それを救わなければならない………………」

「俺たちを見殺しにしてもか」

「………その罪すら、私は背負ってみせ―――」

 

 

関羽の答えは最後まで紡がれることはなかった。

 

 

「がはっ!………ごほっ、ごほっ!!」

 

 

その細い身体を、一刀が蹴り飛ばしたからだ。苦しみに咳き込む彼女の結わえられた髪の束を一刀は無造作に握ると、その頭を持ち上げた。

 

 

「舐めたことを抜かすな。そんなもの、俺からの問いにもっともらしく答えようとしただけだろうが」

「ち、ちが…」

「違わねぇよ。いいか?お前が弱い理由は唯一つ。お前たちの信念がそんな薄っぺらなものだからだよ。一つの現実しか見ずに、そこに孕む真実から目を逸らす。だからこんな簡単に揺らぐんだよ。それは単に義という言葉に酔い、そして逃げているだけだ。この偽善者が」

「………ぐっ」

 

 

淡々とした、それでいて厳しい言葉を突き付けられ、関羽は呻く。

 

 

「考えてみろ。お前達がこのまま洛陽に到達したとして、そこでは民が何事もなく暮らしていればどうする?そこに、お前達の主が望む笑顔が既に存在していればどうする?」

「そ、それは―――」

「―――姉者から手を放すのだぁぁあっ!!」

 

 

関羽が答えようとすると、途端に浮遊感。一刀が手を放したのだ。彼がいたはずの場所を矛の刃が通り過ぎ、数瞬の後に彼女の背中が地面とぶつかる。痛みに顔を顰めながら視線を上げると、そこには彼女の義妹である張飛が、関羽を守るように立ちはだかっていた。

 

 

 

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「姉者、大丈夫なのだ!?」

「り、鈴々か…すまない、情けないところを見せた………」

「そんなの気にしないのだ!やい、そこのお前!愛紗を虐めると、鈴々が許さないのだ!」

「おいおい、俺は君の姉と話をしていただけだぞ?」

「だったらなんで愛紗は泣いているのだ!」

「え―――」

 

 

義妹の言葉に、関羽は自分の頬に手をあてる。そこには確かに、何かで濡れた感触があった。

 

 

「どんな理由があっても、姉者を泣かせる奴は絶対に許さないのだ!お前が『天の御遣い』だか知らないけど、お前は鈴々が倒してやるのだ!うりゃりゃりゃぁあっ!」

「…関羽よ、まだ張飛の方が理解しているぞ?」

「………な、に?」

「にゃにゃっ!?」

 

 

鋭い掛け声と共に蛇矛を繰り出すも、一刀は太刀筋をいとも簡単に見切り、その長い柄を掴み取ると、いまだ呆けている関羽に声をかけた。

 

 

「今回は見逃してやる。妹の言葉をしっかりと噛み締めろ。それと劉備にも伝えておけ。真実は唯一つであるが故に、唯一足り得ないと。そして、優しさだけでは誰も救えないと」

 

 

一刀は関羽にそう告げると、相当の重量がある筈の蛇矛を、張飛ごと持ち上げる。

 

 

「にゃっ!?は、放すのだ!」

「あぁ、すぐに放してやるよ」

 

 

そして少女を持ち上げたまま蛇矛をぶんと1周させると、その勢いのまま後方の劉備軍の旗目掛けて投げ飛ばした。

 

 

「にゃにゃあああぁぁぁ………」

 

 

張飛の叫び声が遠ざかる。後方の混乱を見るに、ちょうど劉備の近くに落ちたらしい。一刀は関羽に向き直ると、歩み寄り、そして彼女の傍に片膝を着く。

 

 

「なっ……」

「これでも劉備には期待しているんだ。失望させないでくれよ?それと―――」

 

 

一刀は更に顔を寄せて、少女の耳元で何事かを囁く。その言葉を茫然と聞いていた彼女だったが、その意味を理解すると途端に顔を赤くする。一刀はそんな様子に苦笑しながら、近くにいた華雄隊の副官に指示を飛ばした。

 

 

「そろそろいい頃合いだろう。皆は関へと戻り、城壁を死守しろ」

「はっ!北郷様は?」

「俺は、もう少しだけ蹴散らしてくるよ。うちの軍師の指示もまだ半分しかこなしていないからな」

「ぎょ、御意!華雄隊、華雄将軍と合流し、関に戻るぞ!」

 

 

周囲から響く、応という力強い返事を聞きながら口笛を吹いて黒兎を呼び寄せると、一刀はその背に飛び乗った。

 

 

「関羽、さすがに今日はこれ以上攻める気なんかないよね」

「………あぁ、ここまで力の差を見せつけられればな。今日のところは退かせてもらう」

「いい判断だ。それじゃぁ、劉備によろしく伝えてくれ」

「わかった」

 

 

関羽の短い返事を聞き、満足そうに頷くと、一刀は馬を走らせる。関羽とやり合っている間に雪蓮は自分の隊へと戻っていった。あの様子なら、問題はない。前曲に関しても、関羽の言葉通り、一旦隊を引き上げている。残るは右翼かと、一刀は遠くに見える曹や夏候の旗に想いを馳せた。

 

 

 

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「夏候惇様!前曲から単騎で突っ込んできます!」

「な、一人だと!?」

 

 

兵の報告を受けた春蘭は水関へと目を向けた。見れば、1頭の黒い馬に跨った男が駆けてくる。

 

 

「やけに小柄だな………っ!違うっ!」

 

 

遠目に見れば、馬の体躯とはバランスが取れないような身体の男であった。だが、かつて2頭の巨馬を間近に見ていた春蘭は、その乗り手の腰に挿された2本の刀を認め、すぐにその考えに至る。その間も猛スピードで駆ける馬は、どんどんと近づいてくる。

 

 

「伝令!華琳様に伝えろ!!あれは………北郷だ!!」

「なっ!?ぎょ、御意!!」

 

 

春蘭の短い命に、伝令の兵は後方へと走り出し、夏候惇隊の兵達がどよめく。当然だ。彼らは彼の者の武を知っていたし、また黄巾党本隊の討伐遠征の時には、その馬の力強さを間近で見ていたのだから。

かつての春蘭であれば、馬如きと思っていただろう。だが、今の彼女の頭の中では、普段の彼女に似つかわしくない程の回転速度で思考が廻っていた。あの馬は、如何に自分であっても止めることは出来ない。かと言って、退くことなど言語道断だ。ならば出来ることは………。

それはかつての師の教え。どんな状況でも思考を止めてはいけない。春蘭とて自分の弱点が智であることを理解していた。しかし、だからこそ彼女は考える。そして至った結論は―――。

 

 

「構えろ!あれを止めようと思うな。少しずつ削るだけでいい!」

 

 

それは、『止めない』ことだった。あの馬を止めようと思えば、この身体を捨てるくらいの事をしなければならない。しかし、今はその時ではないのだ。密集していれば、すべて蹴散らされるだろう。だから、彼女は隊をいくつかの隊列に分ける。一刀とあの馬ならば、どんな隙間でも突っ込んでくる筈だ。だからこそ、あえてその道を作り、そこに誘導する。そうして、自軍の被害を少しでも減らそうと。しかし、そこにはある感情が隠れていた。それは――――――

 

 

 

ドドッ、ドドッ、ドッ、トットト………。

 

 

 

「なっ!?」

「駄目だろう、春蘭。俺だと気付き、黒兎馬を突っ込ませると読んだのはよかったけど………別に俺一人だって、これくらいの数なら壊滅できるぞ?」

 

 

――――――甘えだった。彼ならば、かつての仲間である自分たちを気遣ってくれるだろう。兵達をむやみに攻撃することはしないだろう。そういった甘え。しかし、一刀は春蘭の意図を読み取ったうえで馬の脚を緩め、そして夏候惇隊の前で立ち止まったのだ。

 

 

「くっ………」

「まぁ、この位置なら袁紹からも見えないし、俺が挑発して逃げたことにでもしておいてくれ」

「………それで、北郷は何故立ち止まったのだ?」

「なに、ちょっと弟子の顔を見たくてね。………しっかり俺の教えを守っているようだな」

「あぁ、お蔭様でな」

 

 

会話を交わしながらも、春蘭は隙を窺っていた。そのようなものを、自分の師が見せる訳がないとはわかっていたが、それでも今は敵なのだ。ならば、討つ方法を考えなければならない。

 

 

「とりあえず、俺の目的は顔見せだけだし、今は華琳の軍を敵には回さないよ」

「…そうか」

「どうせ華琳のことだ。俺が居ると知ってもその手を緩めることはしないだろう。だから、伝えてくれ」

「なんだ?」

「俺の友であろうとするのなら、俺が君に何を望むのかを考えろ、ってね」

「………わかった」

「あと、稟と荀ケにも。水関には風がいるぞ、と」

 

 

一刀はそう告げると馬首を翻し、左翼の更に外側へと向かおうとする。その姿を見送りながら、春蘭は呟いた。

 

 

「分かってはいたが、どこにも隙なんかないじゃないか………お師匠様」

 

 

 

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「お姉様!なんかおっきい馬が単騎で突っ込んでくるよ!?」

「落ち着け蒲公英!大きかろうと同じ騎馬だ!西涼の馬家の騎馬隊が負けると思うのか!」

 

 

声を上げたのは馬岱、そして彼女の従姉でありこの軍の大将である馬超であった。瞬く間に駆け寄ってくる騎馬を見やりながら、馬超は部隊に構えをとらせる。しかし、かの西涼の騎馬隊はいとも簡単に蹴散らされる。

 

 

「なっ!?………行くぞ、蒲公英!あれは、あたし達以外には追いつけない!」

「え!?ちょ、待ってよ、お姉様!!」

 

 

前線から外側へと向けて斜めに突っ込む巨躯は、その速度を些かも弱めることなく走り抜ける。騎馬隊の中央にいた馬超は、従妹に声を飛ばすと、返事も待たずに馬を走り出させた。

あれが此処の大将か。一刀はその姿を横目に呟きながら、黒兎を走らせる。時には腰の刀を振るって近くの騎兵を馬から弾き落とし、時には黒兎自身が目の前の馬を蹴散らす。その姿はまさに漆黒の風。彼とその巨馬が通ったあとにはただ怯える馬と、地面で呻くその乗り手たちが膝を着いていた。

 

 

「喜べ黒兎。赤兎馬や霞の馬以外に、ようやくお前が本気で相手できそうな馬が来たぞ」

「ぶるるっ」

 

 

一刀が黒兎のたてがみを優しく撫でて声をかけると、黒兎は嬉しそうに息を振るわせる。彼にも、後ろから駆けてくる相手が久しぶりの好敵手であると感じられるのだろう。その証拠に、追走する2頭の馬のうち、1人の乗り手から声がかかった。

 

 

「いい馬だな!名前は?」

「あぁ、黒兎馬、って言うんだ。その馬は?」

「こいつは麒麟。相棒のうちの1頭さ」

「伝説の獣の名を冠するか………流石、その名に恥じない走りをするな」

「ありがと、よっ!」

 

 

交馬語かと思いきや、馬超はその手に持つ槍―――銀閃を振るう。一刀は左手の野太刀でそれを弾く。

 

 

「お前に聞きたいことがある!」

「なんだ?」

 

 

言葉を交わしながらも交差する刀と槍。後ろを追走する馬岱は必死に2頭を追いかけながら、その光景に目を丸くする。自分の姉が馬では負けることなどないと思ってはいるが、それにしても、彼女に対等に打ち合わせられる人間がいるとは。

 

 

「『天の御遣い』と名乗るお前がなぜ、暴君の下にいる!」

「最初にも言っただろう。董卓は俺の友だ、って。友を守って何が悪い?」

「その友を正そうとは思わないのか?」

「それも言った筈だ。下らぬ噂に流されている、とな。まさか、同じ涼州の出である君が、月の人柄を知らぬ訳はあるまい?」

 

 

久しぶりに聞いた真名に、馬超はその手を緩める。対する一刀も、その隙を狙うことはしない。

 

 

「俺からも質問だ。馬騰、いや、年齢的に………馬超か?」

「あぁ、母様は病でな。あと後ろの小さい奴は従妹の馬岱だ」

 

 

お姉様ひどいっ!?後ろを走る馬岱が反論する。

 

 

「そうか…。馬家は何故この連合に参加した?」

「母様に言われてな。事の真相を確かめて来い、と。あたし達だって月や詠の事は知っている。だからこそ、世に流れる噂を疑わざるを得ない。しかし、皇帝が囚われていると言われてしまえば、漢の臣としてこの呼び掛けに反対する訳にも行かなくてな」

「………それを聞いて安心した。責められている俺たちが言うのも信憑性がないだろうが、その噂は嘘だ。君たちが知る通り、月は今も変わらず優しい娘だよ。それに、洛陽は見違えている。洛陽の民からすれば、この連合こそが悪だ」

「そう、か………」

「それで、信じる信じないは別として、君たちはどうする?」

 

 

馬で旋回しながら、一刀は刀を振るう。この位置まで来てしまえば袁紹軍からも様子は見えるし、逆に剣を合わせなければ馬超の内通が疑われてしまう。彼女もそれを理解しているからか、槍を振るうもそこに殺気はない。

 

 

「袁紹を糾弾し、事の真相を明らかにさせる」

「まっすぐだな。だが、それでは駄目だ。この連合軍では袁紹たちが圧倒的な兵力を持っている。それに追随する諸侯も多く出る筈だ。そんなことをすれば、君たちが槍玉に挙げられるぞ」

「ならば、どうすればいい?」

「夜闇に紛れて、今夜会いに行く。詳しい話はその時に」

「わかった」

「じゃぁ、申し訳ないが………はっ!」

「え?………うわっ!?」

 

 

密会の約束を取り付けた一刀は、刀を振る。殺気こそ込められてはいないが、それは馬超を弾き落とすには十分の威力を持っており、彼女は馬上から飛ばされる。

 

 

「ちょ、お姉様!?きゃぁ!!」

 

 

その身体は後ろを走っていた馬岱にぶつかり、2人とも地面に転がる。2人がなんとか起き上がった様子を確認すると、一刀は馬首を左に傾け、遠くにひと際大きくはためく旗に狙いを定めた。

 

 

 

 

 

 

 

「なんなんですの!?馬超さんも情けないですわね。騎馬の勝負で負けられるなんて!」

「そっすねー。西涼の騎馬隊も大した事ないんじゃないっすか、麗羽様」

「もう、文ちゃん、そんなこと言っちゃ駄目だよ」

「だーいじょうぶだって、斗詩。こっちに来ても、あたいのこの斬山刀でどがーんと吹っ飛ばしてやるからさ!」

「その意気ですわ、文醜さん!おーっほっほっほっほ!」

 

 

 

 

 

 

 

「なぁんて会話でもしているんだろうが、此処からは本気でいくぞ、袁紹………黒兎、お前もしっかり暴れてくれよ?」

 

 

背の上の主に檄を飛ばされ、黒兎馬は再び息を振るわせると、その速度をいっそう速める。久しぶりの大平原だ。彼もまた暴れ違っているのだろう。一刀も背を丸めて姿勢を低くする。

 

 

 

 

 

 

 

「見て見て、お姉様。あの黒兎馬って馬、ものすっごい速さだよ!」

「………あぁ、さっきまでのが本気じゃなかったのは分かってたけど、ここまでとはなぁ」

 

 

遠ざかる馬を見ながら、馬家の姉妹は感嘆の声を漏らすのであった。

 

 

 

-8ページ-

 

 

 

「伝令です!先ほど馬超様を返り討ちにした騎兵が、左翼後方より単騎でこちらに突撃してきております!」

「あらあら、この私の軍に単騎とは、身の程知らずも過ぎますわねぇ。顔良さん、文醜さん!そのお莫迦さんを軽くひねってあげなさいな」

「あらほらさっさー!斗詩、行くぜ!」

「あ、待ってよ文ちゃん!」

 

 

伝令を受けて、袁紹軍の2枚看板が本陣左側へと向かう。それぞれの手には大剣と大きな鎚が抱えられているが、それを軽々と持ち上げて運んでいる。ふざけた様子はあっても、彼女たちが相当の実力者だということがわかる。

しかし、2人が戦場に向かうにつれて、その表情は堅くなる。一歩進むたびに血の臭いが濃くなり、耳に届く悲鳴が大きくなる。その視界の先には、遠目ではわからなかった巨馬に蹴散らされる兵士と、身体の一部が斬り飛ばされる兵士たち。顔良と文醜の2人はついに走り出した。

 

 

「はぁぁああああっ!!」

「ぐぁあっ!」 「ぎゃああっ!」 「た、助けて………」

 

 

果たして、そこには両手に槍を携えた仮面の男がいた。彼一度腕を振るうと最低でも3人の兵士の命が刈り取られる。数回振るえば槍は折れ、もう片方の槍で近くの兵士の腕を斬り飛ばし、その腕から新たな槍を手に入れる。袁紹軍の装備はそれなりに金をかけてある事もあり、相当な強度を誇る。その武器が、たった数振りで使い物にならなくなるとは、その男はどれだけの力を籠めているのだろうか。

 

 

「おいお前!派手にやってくれたじゃねぇか!」

「文ちゃん………あの人、相当強いよ?」

「あぁ、わかってるって、斗詩」

 

 

文醜の声に、彼が視線を向ける。露わとなっている口元は獰猛な笑みを湛え、仮面の隙間から除く眼光は鋭い。その視線を受け、2人は同時に武器を構える。自分たちの将軍が来たことに僅かに安堵の溜息を吐くも、馬の周囲の兵士たちは距離を開け、一刀を囲むように円を作ると、道を文醜たちに譲った。

 

 

「………お前たちは?」

「あたいは文醜!袁紹軍の将軍だぜ!」

「同じく顔良!その命、此処で貰い受けます!!」

 

 

その言葉に彼は一層口元を歪めると、なんと馬の背から飛び降りた。

 

 

「おいおい、馬から降りて大丈夫なのか?」

「なぁに、問題ないさ………黒兎。ひとっ走りして来い。好きなだけ暴れていいぞ」

「ぶるるっ!」

 

 

一刀が馬の腹を撫でると、馬は一度前足を高く上げ、その馬蹄が地に着くと同時に走り出す。途端、再び響き渡る悲鳴。彼は無造作に槍を投げ捨てると、腰にさした2本の刀を抜いた。両腕をだらんと垂らしたその先には妖しく刀身が光る。しかしそこに隙はない。文醜たちが攻めあぐねていると、彼はそのまま走り出した。

 

 

「来るぞ、斗詩!」

「気をつけて、文ちゃん!」

 

 

2人の間合いに入る直前に一刀は飛び上がり、身体を捻った。顔良が斬撃に備えると、彼女の予想を裏切り彼は回し蹴りを放つ。なんとか耐えるも、力に負けてその足は地面を擦る。文醜は彼が着地する前に飛び出すと、その無防備な背中に大剣を振り下ろした。

 

 

「斗詩に何しやがるっ!」

「ふっ!」

 

 

しかし、一刀は左手の小太刀を大剣に当てると、その軌道を逸らす。ガガッと鋭い音が鳴ると同時に彼は大剣を避けるように片脚を高く上げ、勢いよく振り下ろした。

 

 

「なっ!?」

 

 

斬山刀は峰を踏みつけられ、その刀身を地中に埋める。一刀は大剣を足場にもう一方の脚を上げると、文醜を蹴りつけた。

 

 

「ぐぁあっ!」

「文ちゃん!!」

 

 

一刀が一度間合いを外すと、文醜が声を荒げた。

 

 

「………お前、どういうつもりだ!」

「どういうつもり、とは?」

「なんでその剣で斬らないんだよ!今のあたい、隙だらけだったじゃねーか!」

「………なに、簡単なことだ。お前達が斬るに値しないだけさ」

「な、この野郎っ!!」

「文ちゃん、駄目っ!」

 

 

一刀の挑発に、文醜が埋まったままの斬山刀の柄を握り地面から引き摺り出す。それと同時に一刀に向かって走り出すと、真横から水平に斬りつけた。彼は退くことはせず、逆に間合いを詰めると、彼女の腕を手刀で弾きあげる。文醜が痛みに顔を顰める一瞬の隙に一刀は彼女の後ろに回ると、その首筋に短刀を突き付けた。

 

 

「動くな」

「………ぐっ」

 

 

顔良は動けない。下手に動くとその切っ先が親友の首を抉ってしまう。周囲の兵も動けない。将軍が軽くあしらわれる程の相手だ。その力量差は天と地ほどのものだと理解している。

 

 

「さて、どうしてやろうか………?」

「くっ、殺せよ……生き恥を晒すほど、あたいは腑抜けてはないんだよ!」

「だったら………これはどうかな?」

 

 

彼女の武人としての誇りに内心賞賛の意を抱えると、その脇腹に片手を添える。そして――――――

 

 

 

「くっ……くはっ………はは、あーっはっはっはっは!だめだめだめだめ!あたい脇弱いんだよっははははははっ!!」

 

 

―――徐にその柔らかい腹をくすぐり始めた。

 

 

「ほらほら、これは斬られるより辛いだろう?ここなんかどうだ?」

「いや、無理無理無理無理………あはははははっ!!」

「ぶ、文ちゃぁん………」

 

 

その光景に、顔良は情けない声を出す。つい先ほどまで殺気を放ち、兵たちを惨殺していた男が、なんともくだらない事をしているのだ。それは絶対的な力の差を理解してのことではあるだろうが………。

 

 

数分の間、戦場に似つかわしくない笑い声が、その場に響いた。

 

 

 

-9ページ-

 

 

 

「ぜぇ…ぜぇ………もぅ………無理………………」

「な?簡単に殺せなんて言うもんじゃないぞ?相手によってはこんな辱めを与えられるからな」

「………勘弁、してくれよぅ………」

「ま、俺の目的は果たせたし、そろそろ戻らせてもらうよ」

 

 

一刀はそう言うと、文醜を持ち上げ、離れて見ていた顔良に投げつけた。

 

 

「きゃぁっ!?」

 

 

なんとか受け止めるも、勢いを殺しきれずに転がる顔良。その様子を見ながら一刀が口笛を吹けば、どこからともなく黒兎馬が走り寄る。一刀はその背に飛び乗ると、なんとか起き上がった顔良に声をかけた。

 

 

「顔良!袁紹に伝えろ!この連合が、お前が発端なのか、それともどこかの莫迦に唆されたのかは知らないが、俺たちを巻き込むつもりならそれ相応の力を示して見せろ、とな」

「くっ………わかり、ました」

「じゃぁな………袁紹軍の兵士たちよ!死にたくなければ道を開けろ!我はこれよりもう一つの袁家に向かう!止めたくば………その命を捨てて見せろ」

 

 

言葉と同時に殺気を放つ。袁紹軍の兵士たちはその殺気に震え上がり、右翼への道を空ける。一刀は満足そうに頷くと、黒兎の背を挟む脚に力を籠め、瞬く間に走り抜けた。

 

 

「………文ちゃん、大丈夫?」

「駄目……も、無理………」

「強かったね………」

「………あたいは、どっちかって言うと………怖いよ」

 

 

顔良の問いかけに、文醜は息も絶え絶えに答えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「さて、あとは袁術だな………疲れたか、黒兎?」

「ぶるっ」

 

 

一刀の問いかけに、まだまだ余裕だと黒兎は答える。一刀は流石だと一声伝えると、もう1つの袁の旗へと向かった。

 

 

「七乃、麗羽姉様の陣からこっちに向かってくるのじゃ!」

「あらあら、麗羽様でも止められないとは………美羽様、ここは逃げますよっ!」

「わわわ分かったのじゃ!」

「それじゃ、あとは任せましたよ?」

 

 

その姿を認めた袁術と張勲は、瞬く間に陣の後方に逃走する。残された兵士たちが混乱している間にも、巨馬は近づいており、すぐに袁術軍に突撃した。

 

 

 

 

 

 

 

「姉様!袁術の陣に先ほどの男が乗り込んだようです!」

「そうなの?………ちょうどいい機会だし、袁術の軍を削ってもらいましょう」

「しかし、我々が援軍に向かわなかったと知られれば、何と言われるか………」

「大丈夫よ、袁術軍の数が多すぎて間に合わなかった、って言えば。ね、冥琳?」

「そうだな。ところで、どうしてそんなにも嬉しそうなのだ?」

 

 

孫権の報告に、何ともないように答える雪蓮。彼女の顔には笑みが浮かんでいるが、それは独立の可能性が早まったことに対するものだけではないことを、彼女の親友は見抜いていた。雪蓮も、その問いに嬉しさを隠せないというように答える。

 

 

「だって、あれ一刀よ?」

「なっ、本当か!?」

「えぇ。さっき華雄に聞いたわ。夢の応援をしてくれるとは言っていたけど、まさかこんな時にやるとは思いも寄らなかったわ」

「………そうだな。ならば、我々はここで傍観させてもらおう」

 

 

珍しく優しい笑みを浮かべる軍師に、孫権は不思議そうに首を傾げるのであった。

 

 

 

 

 

 

「………旗には来たけど、なんで袁術がいないんだ?」

 

 

袁の牙門旗に到着した一刀は首を傾げる。彼の周りには幾人もの兵士が血を流して倒れてはいるが、その旗が象徴する張本人が見当たらない。彼はすぐ近くで震えながらも武器を構える女性兵士に問いかけた。

 

 

「袁術はどこに行った?」

「………い、言わぬ!」

「へぇ?」

 

 

その強気な物言いに、一刀は殺気を強める。ガタガタと震えが大きくなるも、彼女はその武器を捨てることも、袁術の居場所を言うこともしない。一刀は眼を細め、薄く笑うとさらに問いかける。

 

 

「いい兵だな………お前、名前は?」

「き、紀霊だ!」

「(武の腕は沙和や真桜には劣るな。だが資質的には………)勘違いするなよ?別にここにいるすべての兵士を殺してもいいんだぞ?皆が倒れれば、残っている者が袁術だ。言った方が楽になるぞ」

「………お、脅しには屈しない!」

「ならば交換条件だ。紀霊、俺と共に来い。そうすればこれ以上袁術軍にも袁術にも手は出さない」

「………その言葉、何に誓う?」

「我が冠する天の御名において」

「………………わかった。ならばこれよりお前に下ろう。だが忘れるな。もしお前が約を違えれば、どんなことをしてでもその首を刎ねる」

「………やはり、いい眼をしている。乗れ」

 

 

一刀が手を差し伸べると、紀霊と名乗った兵はその手を掴む。一刀はその腕を引き上げると、自分の後ろに乗せた。

 

 

「………後ろに乗せてもいいのか?」

「聞く、ってことは何もする気がない、ってことだろ?君はいい眼をしている。その眼を信頼しているだけだ」

「そうか………」

 

 

紀霊はそれきり言葉を切り、空を見上げた。

 

 

「(申し訳ありません、袁術様………どうか御無事で………………)」

 

 

 

-10ページ-

 

 

 

一刀が右翼を大きく迂回して水関に戻ろうとすると、右翼前方の陣から1騎の馬がかけてきた。その背には桃色の髪をたなびかせた女性が乗っている。一刀は黒兎の速度を緩めると、その騎馬が並走するままにさせる。

 

 

「久しぶり、雪蓮」

「そうね。敵として相見えるかもしれないとは言っていたけど、まさかこんな舞台でとはね………それで、その娘は?あれ?確か貴女………」

「俺の殺気にも屈せずに袁術の居場所を隠し通した。いい眼をしていたからな。袁術に手を出さないことを条件に引き抜いた」

「………紀霊だ」

「へぇ?あたしの誘いは断る癖に、自分は仲間を増やしていくのね」

「睨むなよ。それより、雪蓮たちの夢に関してだが………」

「わかってるわよ。貴方はこれ以上手を貸さない、って言うんでしょう?別に構わないわ」

「話が早くて助かる。それと、その夢が叶うという時になったら―――」

 

 

一刀は言葉を切り、後ろに乗る女性を見やる。雪蓮は苦笑しながらもそれに応えた。

 

 

「それもわかってるわ。命まではとらない」

「ありがとう。頼んでる俺が言うのもなんだが、丸くなったな」

「まぁね。貴方のせいなんだから」

「俺、なんかしたか?」

「いいのよ、わからなくて。それに、私達を虐めるところ以外はただの世間知らずな女の子だしね。もしかしたら仲よくなる道もあるかもしれないわ」

「そうなることを祈ってるよ。それじゃぁ、この辺りで」

「相変わらず優しいわね」

 

 

雪蓮は困ったような笑みを浮かべると、腰から南海覇王を抜く。一刀も合わせて腰の野太刀を抜いた。

 

 

「行くわよ!」

「体裁とはいえ、本気できそうで怖いな」

「あら、本気でいくわよ?」

 

 

その言葉と共に剣を繰り出す。一刀もそれに合わせて刀を振るう。後ろに乗る紀霊は、間近で見る元配下の女性の武に、圧倒されていた。

幾合か撃を重ねると、またね、と一言残して雪蓮は戻っていった。

 

 

「えぇと、御遣い…様、今のは………」

「そんな呼び方しなくていいよ。俺の名前は北郷一刀。姓が北郷で、名が一刀だ。好きに呼んでくれ。あと様付けもいらない」

「わかりました。北郷さん」

「それでいい。さっき言った通り体裁だよ。会話が目的だったとはいえ、何もせずに戻ったら他の陣に怪しまれるからな。なんとか追撃しようとしたが、逃げられた。そういうことだよ」

「なるほど…」

「さて、これからは君は董卓軍の兵………というより、俺の副官だ。よろしく頼む」

「………御意」

 

 

短い返事に頷くと、一刀は僅かに開かれている水関の扉へと入っていく。彼が入ったのが確認されると、門は音を立ててしまった。門前に詰め寄る兵はいない。すべての陣が、彼の強さを目の当たりにし、ただその後ろ姿を見つめる事しか出来ないでいた。

 

 

 

説明
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コメント
一刀が居ない時の比率で言えば曹>>>>孫>>>>>>>>>>>>超えられない壁>>>>>>>劉って感じかな(Alice.Magic)
北郷一刀の居ない劉備軍なんぞこんなもんです。 ・・・まあ、曹も孫も一刀がいるといないとじゃ大違いだけど。(M.N.F.)
>>cena様 なんだろう。義勇軍という性質もあり、その理想を第一に置いてここまで来たので、関係もそれを元にできているから、不文律のようなものがあるのだと思います。(一郎太)
>>cena様 そこは一刀君の言った通り、期待の裏返しだと思いますぜ(一郎太)
>>ロンロン様 嫁は恋ちゃんだけだ!………と信じたいwww(一郎太)
>>M.N.F.様 5人目ということでwwwちなみに作者はジュウレンジャー世代ですwww(一郎太)
いや名前へのツッコミ遅いよ、こるど犬。 そして一刀の嫁がまた一人増えた。(龍々)
さあ? っていうか、北郷軍て書いてるのになんでレンジャーになるんですかぃw(M.N.F.)
いめ?(運営の犬)
>>こるどいめ まぁ頑張れ(一郎太)
>>M.N.F.様 何レンジャーになるんだ?w ヒュソダイか………どうなるのでしょうね(一郎太)
それに俺は一刀は好きじゃねーし         w(運営の犬)
mて!それはまだ最初だからだ!それにあれは先を見て判断したんだ!そんなに大量には出さんぞっ!!(運営の犬)
北郷軍 大将:一刀 副官:紀霊 将軍:呂布 軍師:程c これはホントに翠が5人目ありうるかも。  海外でヒュンダイの評価高まっているようでヤバいね・・・。(M.N.F.)
>>sai様 どうなるかは次回のお楽しみということでwww(一郎太)
今回一刀大暴れですね。そして紀霊をお持ち帰りするとは・・・風が嫉妬しそうですねw(sai)
>>ZERO様 そこでですかwww 次回は………出るのかなぁ………………(一郎太)
>>砂のお城様 仕方がない。恋ちゃんはいま仕込みの最中………おっと口が滑るところだったwww(一郎太)
>>こるどいめ いや、お前の作品なんかオリキャラしかいねーじゃんwww(一郎太)
>>PON様 いえいえ、こちらこそ分かり難くて申し訳ない。次回、がっつり仕込むつもりです(ドS発言)(一郎太)
>>氷屋様 おぉうっ!?お恥ずかしいorz 愛紗さんのシーンのネタバレは次回でwww(一郎太)
恋がいないだと! 少し悲しかったですね。(ZERO&ファルサ)
・・・オリキャラ、多く出しすぎると大変なことになんだよね・・・気をつけろよ・・・ (運営の犬)
2回目失礼。ああなるほど。"今は"部隊長レベルだったのか。何故だか変な風に誤解していたようです。納得しました。袁術軍では最強の存在であろう紀霊。大事にしたげてください。続き楽しみにしています。(PON)
コメ返しが何気に誤字ってるw、雪連はあの勘の良さで一刀がくるのを感じそうだなぁんで同盟組んだ劉備つれてきそう、戦闘中の時、関羽に無自覚種馬スキル発動かな?w(氷屋)
>>とり様 さて、ここで帰ってくれればいいのですがwww(一郎太)
そういえばまだ水関か。連合は虎牢関抜けないなこれw(とり)
>>320i様 鬼神と化しているので、次回を書くのが怖いですwww(一郎太)
>>氷屋様 もう少し我慢してくださいw 馬超と馬岱は密談に参加するとして、あとは誰が競うですかねw(一郎太)
>>きのすけ様 今回でわかってるのは、義に厚いということくらいですね。一応は捕虜の身なので、言葉遣いは普通ですが、打ち解けたら少しずつ変わっていくかもw(一郎太)
>>はりまえ様 少し頑張ってみました。ぶっちゃけると元々予定にはなかったオリキャラなので、活躍の場を作るのが難しそうですねorz というかまずは強くさせないとw(一郎太)
>>東方武神様 まさにそのような感じですね。現実と理想の間の溝を如何に埋めるかが劉備たちの成長のカギでしょう。袁紹たちは………フォローできる気がしない。だってこれは袁紹√じゃないからwww 袁術は個人的に好きなので甘やかしてますorz(一郎太)
>>poyy様 後悔はしていない。そして反省もしていない。またどこかで使うかもしれないwww(一郎太)
>>aki様 あの2人こそ「あらほらさっさー」って感じですねw ただ、今回紀霊を引き抜いたことにより、袁術軍への攻撃は少しだけ弱まると思われます。まぁ、雪蓮たちはそんなことないんですがねw(一郎太)
>>名無し様 バレたかwww 恋ちゃん成分が欲しければ外伝でも読んでいてくださいwww もうちょっと出て来ませんのでorz ………オチには使うかも(一郎太)
>>タタリ様 どこかで書いた気もしますが、劉備が大成するには数十年をかけましたからね。まだまだ若くて、成長途中ということなのでしょう(一郎太)
>>nameneko様 意味深な言伝をしてますからね。華琳様が友情をとるのかそれとも………(一郎太)
>>TK様 あざっす!これからも読んでやってください(一郎太)
>>M.N.F.様 まぁ諸葛謹に関しては名前と口癖だけですけどねwww(一郎太)
>>クラスター様 関羽にはちょっとキツく当たったけど、それも風の言った威嚇行動かもしれませんね。袁紹軍に関しては、その数を頼りにしているところが大きいので、その数を減らすことで武力を示したのかも。劉備軍には次回か次々回にでも成長させたいところですw(一郎太)
>>kashin様 突発的に思いついて書いた。後悔はしていない(一郎太)
>>柾棟さま様 ←なんか変だwww 一刀君も言った通り、劉備には期待していたからこその態度でしょうね。まぁ、最後に関羽に何か言ってますので、そこに真相が!………と先延ばしにするほどでもないんですけどね(一郎太)
>>流狼人様 まぁ、実際にはエロいことは何もないんですけどねwww(一郎太)
>>O-kawa様 とりあえずは一刀君が言ったように、『天の御遣い』の信憑性ですね。見えないからこそ人は畏れる的な。後、次回へのちょろっとだけ仕込みです(一郎太)
>>KU-様 華雄さんの反応が怖いですね。また増やしたのかー的なwww(一郎太)
恋の出番まだ〜?(笑)次回は夜にこっそり連合軍と密談になりそうですねい、面白いことになりそうです(^^(氷屋)
紀霊さんが副官か。どういうキャラになるのかな?(きの)
ゲームでいろいろといてほしかった人がいないってなかなかに辛いな。とくに袁家いっぱいいたでしょうに・・・・・作者さん是からもオリキャラ出してね。(黄昏☆ハリマエ)
大義を貫くにはそれ相応の犠牲を支払わねばならない。劉備軍は民の笑顔を守りたいというただ漠然とした理由で動いているから、どの外史でも甘いと称される。袁紹は自己権力の自慢と嫉妬によって動いているため、いかに大軍といえど脆く崩れやすい。袁術は召集されたから来ただけ、という風に見ることが出来るだろう。(東方武神)
華雄ヤン化www(poyy)
美羽と七乃の撤退判断の早さに吹いたwww紀霊は一刀のもとで存分に能力を開花・活用してほしいです。(aki)
何か劉備軍強化フラグ発生? これをきっかけにしっかりと成長してもらいたいものです。後、恋ちゃん成分をくださいよ〜〜!(名無し)
やはり劉備は甘ちゃんだったな。華琳がどう動くのか楽しみですね(VVV計画の被験者)
更新お疲れ様!次回も楽しみにしてます^^(TK)
4人目だと!?(M.N.F.)
紀霊か。一応演義で関羽と互角に打ち合ったりしてるんだけどな。あと武器は三尖刀であるという記述があるので(PON)
華雄が雪蓮と一騎打ちの最中、一刀は大暴れだな。劉備軍の関羽・張飛を皮切りに、曹操軍の春蘭、西涼の馬従姉妹、袁紹二枚看板を次々に相手取り、どれも圧倒してみせるとは。更には、袁術軍の紀霊を戦利品としてお持ち帰りとは…。正に一刀無双! …さて、袁紹の更生は無理として、劉備軍はどう変わるかな?一刀同様、期待したい所だが?(クラスター・ジャドウ)
NDK?NDK?・・・これはうぜぇww(kashin)
一刀くん余裕で愛紗をボッコボッコにしてましたねwwwwww。・・・・・・オソロシイコ!?(劉邦柾棟)
・・・雪蓮、ウゼェ丸化www(流狼人)
・・・これ仮面つけた意味あるのか?後々響くのか?(O-kawa)
劉備軍がどうなるのか、曹操がどう動くのか、敵を連れ帰った一刀に董卓軍はどういう反応をするのか楽しみですね。(KU−)
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