真・恋姫無双 魏が滅亡した日 Part17 守るべきもの
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「どう考えても、罠、だよな」

 

「うむ、姉者の処刑が目的なら、猶予を与えたりせん」

 

「意図的に時間を与えたってことか?」

 

「恐らく、司馬懿の狙いは我ら魏の生き残りの燻り出しだろう。姉者を餌に、救出作戦を実行させたいのだ」

 

「開いた虎の口に自分から入っていくようなもんか」

 

「・・・・だが、姉者を見捨てることなどできん。罠だろうとなんだろうとやってやるさ」

 

「秋蘭、無理はやめてくれよ」

 

「・・・・保障はできない」

 

秋蘭との付き合いはそろそろ長いと思ってる

けど、こんなに怒ってる秋蘭は始めてだ

無理はない、だけど、こういう時こそ俺が冷静でなくちゃいけないんだ

 

「後6日、せめて、春蘭がどこに囚われているのかわかれば手を打てるのに」

 

「都の警備は厳重だ。それに、北郷と私の顔は都に知れ渡っているからな。口惜しいが動きが取れん・・・・」

 

ちょっとした偵察は出来ても、本格的な行動を起すには難しい状況だ

何より、たった二人しかいないのがさらに厳しい

 

「せめて、季衣と合流できれば・・・・」

 

その時だった

 

ドンドン ドンドン

 

扉を叩く音が聞こえる        

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「・・・・北郷」

 

「ああ」

 

秋蘭は弓を構えた

本気の秋蘭を見るのはいつ以来だろう

俺は秋蘭に頷くと、扉に近づいた

 

ドンドン ドンドン

 

鼓動が激しくなる

喉もからからだ

 

ドンドン ドンドン    シュウランサマー

 

この声・・・・

 

「季衣か?」

 

「兄ちゃん?僕だよ兄ちゃん!」

 

俺は勢いよく扉を開けた

 

「しーっ!しーっ!大きな声出しちゃだめだ!」

 

「北郷、お前が大きな声を出してどうする」

 

「うっ・・・・」

 

「兄ちゃん、秋蘭様、無事でよかった・・・・グス」

 

「季衣、心配かけたね」

 

「うむ、季衣、寂しい思いをさせてすまなかった。・・・ところでその髪型はどうしたのだ?」

 

「あ、これはですね、あれから蜀の白蓮さんにお世話になってて、それで白蓮さんと同じ髪型にしてるんです」

 

「蜀の白蓮さん?」

 

「う〜む、蜀の白蓮・・・・はて、聞いたことがないのだが」

 

「はは・・・僕も人のこと言えませんけど・・・ほら、公孫賛さんですよ、白馬将軍の」

 

「公孫賛?・・・・秋蘭」

 

「うむ、名は聞いたことがあるのだが、姿が思い出せん。季衣、その方は信用できるのか?」

 

「あ、会えば思い出すと思います・・・。少なくとも、僕は心から信用してます!」    

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季衣の案内で白蓮さん?が滞在している屋敷に来れた

季衣も慣れた物で、警備の手薄な道を選んでくれたから楽だったよ

 

「白蓮さん!思ったとおり合流できましたよ!」

 

「おおおおお季衣!お手柄だぞぉ〜グリグリ」

 

「やめてくださいよぉ〜」

 

季衣の頭をグリグリするその人

どっかで見た気がするな

 

「御仁、季衣がお世話になっているようで感謝致します。私は夏侯淵、以後お見知りおきを」

 

「おいおい、冗談がきついぞ秋蘭」

 

「御仁・・・」「え?」

 

一瞬だった

一瞬で公孫賛さんは秋蘭に腕を決められた

 

「あいでででででちょっとまって!まってえええええ!」

 

「御仁、季衣の恩人とは言え、初対面で真名を呼ぶとは許しがたい。返答次第では折らせていただくが」

 

「いだだだだだ、ごめん!謝るから!折れる!折れるーーーー!」

 

「秋蘭様!だめです離して!!」

 

「季衣?」

 

季衣が秋蘭に怒ってる?あの季衣が??

 

「いだだだ、つぅーーーーっ」

 

「白蓮さん、大丈夫ですか?早く冷やさないと」

 

「うぅぅ・・・大丈夫・・・と言いたいとこだけど・・・・・腕が・・・・・」

 

「痛めちゃったかも・・・・秋蘭様!謝ってください!!」

 

「う、うむ・・・・すまなかった御仁」

 

あ、あの秋蘭が・・・謝った???      

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それから俺達は公孫賛さんを運び手当てを施した

腕は折れていなかったけど痛めてしまったようで、これでは剣は振れない

 

「白蓮殿、本当に申し訳なかった!真名を交換した相手を勘違いで・・・・私はなんと軽率な」

 

「はぁ・・・もういいよ、慣れてるからさ。それより、この腕じゃ救出作戦に参加できないか・・・・すまん季衣」

 

「僕のほうこそ・・・もっとしっかり説明しておくべきでした。ごめんなさい」

 

秋蘭らしくないミスだ

秋蘭もかなり無理が響いてるみたいだな

このまま当日を迎えて救出がうまく行く可能性は低いか

 

「三日・・・三日だけ完全休養にしよう。救出作戦のために動くのはそれからだ秋蘭」

 

「何を言う北郷!姉者の処刑までもう6日しかないのだぞ、休んでいる暇など」

 

「秋蘭、無理しすぎて注意力も散漫になってきてるよ。今は動くことよりも休むことを優先した方がいい」

 

「しかしだな!」

 

「その方がよさそうだな。冷静な秋蘭なら私も腕を怪我することはなかったよ・・・・手加減なしだもんなぁ」

 

「うっ・・・」

 

「情報収集はうちの部下に任せて、秋蘭と北郷はゆっくり疲れを癒すといい」

 

「公孫賛さん、助かります」

 

「それから、北郷、私のことは白蓮と呼んでくれ」

 

「良いんですか?」

 

「北郷の噂は聞いてるよ。たった一人で国を揺るがす男に真名を預けるのは当然さ」

 

「そんな・・・俺はそんなんじゃないです」

 

「ははは、季衣や秋蘭の北郷を見る目を見れば、噂が本当だってわかるさ。

それと秋蘭、救出作戦の準備は進めている。だから安心して休んでいいぞ」

 

「進めている?どう言うことですか」

 

「ふふーん、これを見てくれ」             

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「ここに来る前、朱里からこれを預かっていてな」

 

「・・・・これは、煙幕弾ですか?」

 

「そう、三国会議で真桜が使って見せてさ、それを見た朱里が真桜に製造方法を教えてもらい

蜀に帰って研究してたんだ。これは朱里特製の火薬入り煙幕球さ」

 

「火薬入りですか」

 

「うん、護身用だから殺傷能力はないけど、煙幕と同時に大きな音を出すんだ。初めて使った時は腰が抜けたぞ」

 

「それでですね、火薬入り煙幕球を僕が高いとこから投げ込んで、大混乱にしてやるんです」

 

「季衣の力ならかなりの距離から投げ込めるはずだ。後は、刑場内部に潜入させた別働隊が春蘭を救出するって寸法さ」

 

これならいけるかもしれない

いくら司馬懿でも火薬入り煙幕球の存在は知らないはずだ

 

「秋蘭!これならいけるかも。後は細かい部分を詰めて行けば、春蘭を救える!」

 

「姉者を救える・・・・姉者を・・・・・・あね・・・・」

 

「秋蘭」

 

春蘭を救えると聞いて張り詰めていた気が切れたのだろう

秋蘭は意識を失い、俺の腕の中で眠っている

 

「北郷、秋蘭のこと頼むぞ。こっちはこっちで進めとくよ」

 

「はい、本当にありがとうございます白蓮さん」

 

「はは、お礼は春蘭を助けた時にしてくれよ」

 

「それでも、本当にありがとうございます」

説明
コメントいつもありがとうございます。
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コメント
結局白蓮さんはこういう扱いか・・・・・・。(mokiti1976-2010)
んー・・・もう少し・・・もう少し初対面?でいい待遇をさせてあげてください・・・(よーぜふ)
白蓮が主役級の活躍をしているΣ(゚Д゚;)(シグシグ)
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真・恋姫†無双

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