かなかなかな?その3
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「よ、京介!」

「おう、加奈子」

 待ち合わせ場所に着き、加奈子とハイタッチをする。

 傍から見たらアホらしい光景だが、最近の俺達はこんな感じなのである。

 何んでこんな感じになっているのか。全ては加奈子の発言からだった。

『京介。おめー今日から加奈子の奴隷な♪』

 この発言から全てが始まって、今に至るわけなんだが。

 加奈子に奴隷扱いをされるのは最初ムカついたけど、今となってはそこまで嫌でもなくなった。

 あれ? 俺ってもしかして、奴隷の素質が…………

 いやいや、意味分かんねぇよ。そう、これはあれだ。桐乃とかの我儘に慣れてるからであって、

俺自身がドM精神満載ってわけじゃねぇからな。

 いや、マジだからな。俺にそんな性癖はないかんな!

 ――って、そんな事よりも、

「今日は一体、何をするんだ?」

 今回の予定を聞いておこうか。

 別にどんな用でもいいけど、金を使うような用は勘弁して欲しいな。

 ここ最近、コイツとばかり遊んでるわけだが、その分結構の額の金を使ってるんだよな。

「にひひ♪ デートだよ。デート♪」

「で、デート!? お、おお、俺とお前が!?」

「そうだよ。嬉しいだろ♪」

「あ、いや、俺は――」

 ちょっ、何動揺してるんだよ。こ、子供とデートをするくらい……

「照れてんのかヨ京介」

「て、照れてねぇよ?」

 ちょっと驚いただけだっつーの。

「にひひ。京介は女の子とデートとかしたことなさそうだもんな」

「うるせえよ」

「まぁ、そんなわけで特別に加奈子様とデートさせてやんよ」

 偉そうにデートに誘ってくる加奈子。

 ほんと相変わらず上から目線だな。

「へいへい。ありがとうございます」

 喜んで加奈子様とデートをさせていただきますよ。

「じゃ、行くぞ京介♪」

「お、おう」

 頼むからお手柔らかにしてくれよな。

 

 加奈子とのデート。コイツの事だから金のかかる所に行くのかと思いきや、

「……公園?」

 何処かの施設に行くわけではなく公園に来ていた。

「なんだよ。デート先が公園でおかしいかヨ」

「い、いや、変じゃないけど……」

 予想外っつーか、意外というか……まぁ、驚いただけだな。

「金を持ってない京介のためにわざわざ公園にしてやったんだよ。そういうわけだから京介は

加奈子の心の広さに感謝するんだな」

「そーかよ」

 貧乏で悪かったな。

「まぁ公園で静かにデートするのも悪くはないし」

「あ? 今、なんか言ったか?」

「なんも言ってねーよ」

「そうか?」

 今何かボソッと言ってたような気がしたんだがな。

 気のせいなんだろうか。

「とりあえずブラブラしようぜ京介」

「おう」

 ゆったりとしたデート。

 我儘の無い静かな時間。

 デートとしたら少し物足りないデートのはずなのに――

 

 なぜかな。こんな時間が楽しいって思えるのは。

 来栖加奈子。コイツといるとほんと、退屈をしない。

 まったく不思議な奴だよ。

 

説明
加奈子のお話、三話めですな。
そんな感じですよーっと。
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俺の妹がこんなに可愛いわけがない 来栖加奈子 高坂京介 

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