私と君と鳥籠その5
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 私の家の中の世界しか見る事が出来なくなった君。

 それは鳥籠の中の鳥のようで、永遠に外の世界に羽ばたく事は出来ない。

 いや、させないって言った方がいいかな?

 まぁ結局、君は私だけの物ってわけなんだけど……

 

「ねぇ……君は今、しあわせ?」

 私はね、すっごく幸せなんだよ。

 大好きな人と一緒にいられる。その事実は私の心を温かく満たしてくれる。

 そして、君がもう何処にも行けない。

 誰にも見られないし、誰も見ない。

 私だけの所有物。

 そんな現実が私を幸せにしてくれる。

 だけど、君はどうなのかな?

 食べる物にも寝る所にも困らない。そして性欲にも困らないよね?

 つまり……幸せってことでいいのかな?

 

「……」

 そっか。そうだよね。君も幸せを感じてくれてるよね。

 愛される事への喜び、生きる事への喜び。

 それを感じれるのはきっと、幸せなことなんだよね?

 よかった。実は少しだけ不安だったんだよね。

 私ばかりば幸せな思いをして、君は幸せを感じてないんじゃないかって。

 だけど、それは私の思いすごしだったみたいだね。

「えへへっ♪ だ〜い好きだよ」

「…………」

 世界中の誰よりも君が好き。

 君さえ居れば他に何もいらないくらい君が好き。

 ねぇ、君はどうかな? 私のこと好き? 愛してる?

「……」

 あはは♪ ありがと。

 君にそこまで言ってもらえて私、嬉しいな。

 私達ってほんと、相思相愛なんだね♪

「あ、そうだ。ご飯とお風呂、どっちにする?」

「………………」

「うん、分かったよ。まずはご飯なんだね」

 今日も君が満足するようなご飯を作るから待っててね。

「……」

 え? 君の嫌いな物を入れないで欲しいって? ダメだよ。嫌いな食べ物もきちんと

食べられるようにならないと。

 好き嫌いはよくないんだよ。

 だから、頑張って嫌いな食べ物を克服しようね。

「…………」

 あはは♪ そうだね。君がちゃんと食べられたらご褒美をあげるよ。

 今日もたくさん私の身体を可愛がっていいからね♪

 もう、ほんと君はエッチなんだから。

 でも、そんなところも好きなんだよね。

 さてさて、それでは張りきって美味しいご飯を作りましょうかね。

 

 

 最初は家族ごっこのような感じのやり取りだったけど、今はもう完全な家族だ。

 私と君……そして、もうすぐ生まれてくる赤ちゃん。

 私達、幸せな家庭を築けるかな?

 ううん。違うよね。絶対に幸せな家庭を築くんだよね。

 大丈夫。私達ならきっと大丈夫だよ。

 だって、私達は世界一のベストカップルなんだから。

 

 そう。この鳥籠の中に居るうちは、世界一幸せなんだから。

 君もそう思うよね?

  

説明
最終話ですぞ。
一応のハッピーエンドです。
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