名家一番? 第10.5席
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「はぁ……」

 

宿の主人が入れてくれた安物のお茶に一度口をつけ、物憂げな溜息をついているこの少女の名は、陳宮。真名を音々音という。

 

朝廷からの使者として、これから主と共に謁見に出席することになっている。

 

現在、大陸各地を荒らし回っている黄色い布を巻いた匪賊“黄巾党”。

 

彼らの目的は、腐敗しきった漢王朝に対する人民蜂起かと、当初は思われていたが、黄巾党から声明などが出されることは一切無かった。

 

崇高な理念を掲げているわけでもないのに、黄巾党に加入する数は止まることをしらない。

 

こうなってくると朝廷の黄巾党への認識は、蝗の大量発生と大差が無くなってきた。

 

だが彼らは蝗とは違い、殺し・盗み・壊す。

 

非生産的な行動しか取らない彼らは、害しかもたらさない。佃煮にして食べることができる蝗の方が、よっぽどマシに思えてくる。

 

増え続ける黄巾党に比例するように被害は拡大し、もはや官軍のみでは暴動を抑えることができない状況にまできてしまっている。

 

そこまで追い詰められたことで、官軍の総司令官である何進大将軍は、ようやく各地の有力者達に黄巾党討伐の檄文を飛ばした。

 

ここ南皮を治めている袁紹に檄文という名の救援を求めにきた使者は、“天下の飛将軍”と名高い、呂奉先。

 

袁家とは、四代にわたって三公を輩出した名門中の名門。

 

使者もそれなりに地位のある人物が赴く必要があった為、女の身でありながら、己が武だけで何進に次ぐ地位にまで昇りつめた呂布に白羽の矢が立った。

 

地位だけでみれば、名門袁家への使者として申し分の無い人選なのだが、彼女には使者に向かない致命的な欠点があった。

 

その欠点とは、非常に口数が少ないこと。

 

その少なさときたら、布団の上で末期を迎えようとしている老人の方がまだ、口数が多いと思えるくらいだ。

 

何進将軍はその大きな穴を取り繕う為、音々音を呂布の補佐として付けたが、当の音々音は大いに不服だった。

 

不満の種は、使者の補佐に自分が選ばれたことに対してではなく、救援を求めざるを得ない状況にまで事態を悪化させた何進将軍に対してだ。

 

(恋殿が直接指揮を執っていれば、袁紹ごときに救援を頼む必要もなかったのです……あの、出しゃばりめ! 

肉屋は肉屋らしく、そのダブついた自分の腹の肉でも、店頭に並べてろってんですよ!)

 

軍師として仕える時に己の真名である“音々音”を呂布に預け、呂布も真名“恋”を預けてくれた。

 

その大器を支えたいと思い続けた人物に軍師として仕えることができただけでなく、真名まで預けてくれたことに、音々音は喜びに打ち震えた。

 

もはや、音々音の恋に傾倒するその感情は、異性に寄せる恋慕に近いモノになっていった。

 

それゆえ、何進のド下手な指揮のせいで、敬愛する主が使いっぱしりにされたことに怒りがこみ上げてしまう。

 

(……軍人は、どんな無能な上官でも命令されたら拒否する権利はないのです。今は、愚痴らず、無事に謁見を終えることだけを考えた方が建設的ですね。

……しかし、恋殿遅いですねぇ?)

 

お茶を口に運びつつ、主がいる二階の寝室に音々音は目をやった。

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「……ねね、準備できた」

 

触覚のように生えた二本のアホ毛をピコピコと揺らし、恋は寝室から出てきたが……。

 

「恋殿ぉ〜、いくらなんでもその格好で謁見するのはマズイかと」

 

自身満々で準備できたと言い張るその姿は、どこからどう見ても寝巻き姿だった。

 

「……ダメ?」

 

「あうぅ〜〜」

 

恋の幼子のような澄み切った瞳に見つめられ、音々音は思わず“大丈夫なのです、問題ありませんぞっ!”と、答えそうになったが、

 

(いかんいかん! 寝巻きで謁見する使者など前代未聞なのです!

恋殿の寝巻き姿がいくら愛らしいからといって、この姿のまま謁見すれば、何進の奴に後でどんな嫌味を言われることか……)

 

頭を振って、必死に邪念を払い落とす。主のことを思えばこそ、ここは心を鬼にして間違いを正すべきだと音々音は考えた。

 

「申し訳ありませんが、その格好では謁見はできないのです。

恋殿、いつもの格好で構わないので着替えてもらっていいですか?」

 

「……………………わかった」

 

恋は少し間を空けてから頷き、寝室に戻っていった。

 

(あぁ、ねねをお許しください……。けど、これが恋殿のためなのです)

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 そんなやりとりを行ったのが一刻(約30分)ほど前。服を着替えるだけにしては随分と時間がかかっている。

 

「……まさか!?」

 

胸に芽生えた不安。音々音は椅子から立ち上がると、二階の寝室へと続く階段を駆け上がった。

 

(使者などと慣れない任務で心労が溜り、倒れていられるのでは!? いや、そうに違いない! 

主の体調の変化にも気付かないとは、この陳公台、一生の不覚! 恋殿、今助けに参りますぞぉー!)

 

その小さな体の一体どこに、そんな脚力が秘められていたのか? 音々音は、驚異的な速度で寝室の前にたどり着くと、扉を叩きながら中にいる恋に声をかけた。

 

「恋殿! 恋殿!? ご無事ですか!?」

 

「………………」

 

寝室の中から返答はない。音々音の不安は、ますます大きくなる。

 

「失礼しますぞっ!」

 

扉を勢いよく開けると、そこには寝台の上でうつ伏せに倒れている主の姿が。音々音の顔は、みるみる青ざめていく。

 

「だ、誰か急ぎ医者をーー!!」

 

音々音は恋の側まで駆け寄ると、一階で待機していた護衛の兵士に声をかけた。

 

(あぁ、嫌な予感が的中してしまったのです)

 

「はっ! 直ちに」

 

音々音の懇願するような声を聞いた兵士は、あえて何も聞かずに宿を飛び出して行った。

 

「恋殿! ねねの声が聞こえますか!?

お腹痛いのですか? お腹かゆいのですか? それとも、お腹痛がゆいのですか!?」

 

音々音が体をゆすりながら耳元で声をかけ続けていると、ようやく恋の両の目が開かれた。

 

「……ねね」

 

「は、はい! 何でしょうか!? 医者ならまもなくやってくるのです。気をしっかり持ってくだされ、恋殿!」

 

「少し静かにしてて……ぐぅ…」

 

それだけ言うと、恋は再び瞼を閉じた。

 

「え? ちょ、ちょっと恋殿ぉー!?」

 

音々音は体を揺すったが、恋は一向に目覚める気配がない。

 

「ゼェーゼェー……ち、陳宮殿、医者を…ゲホッ! つ、連れてまいりました!」

 

先程、音々音の命を受けた兵士が、息も絶え絶えに扉の前に立っていた。その背中には、小さな老人が背負われている。

 

「おお! 待ちかねたのです。先生、早く恋殿を診てくだされ」

 

医者は、兵士の背中から滑るように降り立つと、曲がった腰でゆっくりと恋に近づき診察を始めた。

 

医者が脈をとったり、口の中を覗いたりとしている間、恋が目を覚ますことは一度もなかった。

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「特に悪いところは、無いようだねぇ。この娘は、いたって健康じゃよ」

 

「なんですとー!? では何故、恋殿は目を覚まさないのですか!」

 

医者の診断結果に納得のいかない音々音は、声を荒らげる。

 

「さぁ? 健康ならそれでいいんじゃないかい? それじゃあ、儂は帰らせてもらおうかの」

 

いそいそと帰り支度を始める医者。

 

「お、お前はそれでも医者なのですか!? 薬を処方するとか、やることは色々あるでしょうがっ!」

 

「……じゃあこの娘さん、昨日変わったことはあったかい?」

 

心底どうでもよさそうに問診を始める医者。

 

「ふっ、恋殿に何か異変があれば、ねねがたちどころに解決しているのです」

 

音々音のその答えと得意気な顔に、少しイラッとこみ上げるモノがあったが、早く帰りたい気持ちの方が強かったので、問診を続けることを優先した。

 

「……特に変わったことはないわけじゃな。それじゃあ昨日、布団に入ったのはいつ頃かな?」

 

医者の質問に対して、音々音は少し考え込む。

 

「確か昨日は……子の刻(0時)ぐらいだったような?」

 

「……何で、そんなにも遅い時間まで起きておったんじゃ? 何か大事な用事でもあったんかのう?」

 

灯に使う油がもったいないため、日が落ちると早々に眠ってしまうのが常識である。ゆえに、夜中まで起きているのは珍しいことだった。

 

「恋殿は南皮に来るのは初めてだったので、気分が高揚してなかなか寝付けなかったようなので、恋殿が眠くなるまで枕元で寝物語を語ってさしあげていたのです」

 

夜中までわざわざ起きていたのが、夜泣きする赤子の寝かしつけと同じ様な理由と聞いて、医者は呆れ返った。

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だがこの時、この年老いた医者に、電流走る――!

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 この、いつ終わるとも知れない茶番劇に幕を下ろし、かつ、自分にとって最高の終わらせ方。

 

その圧倒的な閃きが脳全体に染み渡ると、はるか昔に枯れたはずの脳細胞の一つ一つを甦らせていく。

 

「あ〜、小さいお嬢ちゃん?」

 

「“小さいお嬢ちゃん”って、何なのですか! ねねには“陳宮”という立派で可愛らしい名前があるのですよっ!?」

 

「すまん、すまん。そう年寄りを怒鳴りつけんでやってくれ。心の臓に響いてかなわん」

 

詰め寄る音々音を医者は両手で制す。

 

「陳宮ちゃんよ、この赤い髪の娘に特別な薬を処方して進ぜよう」

 

「本当なのですか!?」

 

子供扱いされて膨れっ面をしていた音々音の表情が一転、花を咲かせたように明るくなる。

 

「おお、本当だとも。ちょいと、手をだしなされ」

 

音々音の掌に乾燥しきった藻草のようなモノをのせた。

 

「これを香炉に入れて、枕元で焚きなされ。さすれば、煙にまかれ少し眠りに落ちると、たちどころに病魔を退散することができよう」

 

「たった、それだけで良いのですか?」

 

音々音は、自分の掌に盛られている香草をまじまじとみつめる。

 

「左様。それは儂が若い頃に泰山で出会った、さる高名な仙人から頂いた大変ありがた〜いお香でな。

あらゆる病に効果があるんじゃが……」

 

医者はそこまで言うと言葉を濁す。

 

「じゃが?」

 

「なにせ希少なモノなので、診療代がべらぼうに高くなってしまうがかまわんかの?」

 

「……先生、馬鹿にしないでくだされ。恋殿の病気が治るならば、お金など惜しくはないのですっ!」

 

「その言葉が聞きたかった」

 

音々音の力強い答えを聞いた医者は、香を焚く準備を始める。

 

「そこの娘さんが早く良くなるように儂も祈っておるよ。それと、その香炉は差し上げよう」

 

「先生、何から何までありがとうなのです!」

 

音々音は、医者に高額な診療代を渡し礼を述べた。

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 香が良く効いているのか、恋はすやすやと心地よい寝息を立てている。

 

「あぁ、恋殿。寝顔も愛らしすぎるのです……」

 

「あの、陳宮殿? そろそろ宿を出ないと、袁紹殿との謁見に間に合わなくなってしまうのですが……」

 

恋の寝顔を見て、頬をだらしなく緩めている音々音に、護衛の兵士がためらいがちに声をかける。

 

「そ、そんなことは百も承知なのです!」

 

兵士の声でようやく音々音は、我に返る。

 

「(ぜってぇーコイツ忘れてたよ) はぁ、ならば呂将軍を起こさないと……」

 

「な、何を言うのですかお前は!? 恋どのは病人なのですよ! 

病人は絶対安静と、相場は決まっているのです。謁見になど行く必要などないのですっ!」

 

「いやいやいや! それは、いくらなんでもマズイですって! 朝廷の使者が約定を違えたりすれば、帝の御顔に泥を塗ることになるんですよ!?」

 

「ぐぬぬ……」

 

兵士の諫言に音々音は、口を尖らせる。

 

大将軍から直々に下された任務を放り出したりすれば、愛しの主共々、首が飛ぶ事態になりかねない。

 

「恋殿を起こさずに袁紹と謁見するための策……う〜む?」

 

「いや、そうじゃなくて。将軍を起こす方法を考えましょうよ」

 

兵士のツッコミを無視して、両腕を組んで思考を巡らせる。

 

「そうだ!」

 

何か思いついたのか、音々音は手を軽く打つ。

 

「恋殿の代わりに、ねねが謁見の全てを執り行えばよいのですっ!」

 

「えぇ!? 陳宮殿はあくまで将軍の補佐でしょ? 使者を勝手に変えるのはマズイんじゃあ……」

 

「何がマズイのです? 恋殿が体調不良で謁見に出ることができないならば、補佐のねねが変わりに出ても問題ないのです。いわゆる現場の判断ってヤツですよ」

 

自分の考えにまったく穴がないと思い込んでいるのだろうか、音々音は晴れやかな表情をしている。

 

「えぇ〜? せめて、何進大将軍と袁紹殿に一報入れておいた方がいいんじゃ?」

 

「ねねが大丈夫といったら大丈夫なのですっ! ほら、さっさと行きますよ」

 

いまだ不安そうな兵士の背中をせっつき、

 

「それでは恋殿。ねねは、袁紹のところに行ってまいります。ねねが戻るまで大人しくしておいてくだされ」

 

眠っている恋に声をかけ、寝室を出て行った。

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 謁見を無事に終えた音々音は今、恋が待っている宿に向かっている。

 

恋が使者として来なかったことに袁紹は少し引っかかっていたが、特に追求されることもなかった。

 

それもこれも、自分の見事な話術が成せる業だと、自賛する音々音。

 

(……それにしても、“あれ”が袁紹か。人を見下したようなあの態度は、何進と通じる嫌らしさです。

あんな奴に援軍を要請しないといけないようでは、漢王朝も長くはないですね)

 

袁紹の横に控えていた将はおそらく、袁家の二枚看板で有名な文醜と顔良だろう。

 

文官の音々音には、一目見ただけでは彼女達がどれ程の武力を持っているかは分からなかったが、おつむの方はある程度理解できたと思っている。

 

黒髪はまだまともだが、袁紹とぼさぼさ髪はノータリンだ。

 

……そういえば、玉の間に入った時から音々音のことを舐め回すように視姦してきた変な服を着た男。

 

正直、その醜悪な顔面に必殺のちんきゅーキックを叩き込んでやりたかったが、謁見の場であった為、自重しておいた。

 

「兵士でもないようでしたが……まぁ見るからにボンクラそうでしたし、特に気に留めておく必要もないでしょう。

むしろ、あんな全身猥褻物陳列罪のことなど、今すぐ記憶から消したいのです」

 

(それに、今は一刻も早く宿に戻って、恋殿の様子を看なければ)

 

音々音は、宿に向かう足を速めた。

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 宿に戻ると恋は何事もなかったように食事をしており、音々音は、あの医者と医者がくれたお香に感謝した。

 

恋と音々音はその後、南皮をたっぷり観光してから洛陽に戻ると、即、何進将軍の呼び出しを喰らう。

 

恋が謁見に出席せず、音々音が独断で代理として出席したことに対しての、お叱りだった。

 

袁紹から無事に援軍を要請することができたので、厳重注意と三ヶ月の減俸の処分で済まされたが、音々音はこのお裁きに怒り心頭。

 

「何が“今回は私の温情で、減俸のみで済ましてやろう”だっ! あー! とんだ災難なのですっ!!」

 

音々音が柱に向かって八つ当たりのちんきゅーキックをかましていると、

 

「とんだ災難なのはウチの方やで」

 

背後から、気怠そうな声をかけられた。

 

「あ、霞」

 

「“あ、霞”やない! なんでウチが、あんたと恋のお守りせなアカンねん」

 

音々音に声をかけた霞と呼ばれた少女は、神速の用兵術を用いると聞こえ高い、張文遠。彼女も音々音と同じく何進将軍の部下として、官軍に身を置いている。

 

「今後、恋が使者として出向くたびにウチがお目付け役で付いていかなアカンとか……とばっちりも、いいとこやでホンマ」

 

今回の一件で何進将軍は、恋の補佐に音々音だけでは不安と判断し、二人のお目付け役として霞を選んだ。

 

お目付け役のお目付け役など、貧乏くじもいいところ。霞の表情は、音々音以上に曇っている。

 

「し、霞には悪いと思っているのです」

 

「悪いと思っとるんなら、昼飯ぐらい奢ってんか?」

 

「あ……その。食事をご馳走するのは、次の給料日まで待っていただけませんか?」

 

音々音は、ばつが悪そうに俯く。

 

「なんやアンタ? もう給金使い切ったんかいな!? 次の給料日まで、だいぶ日数あんで?」

 

「まぁ、今月は色々と入用でして……」

 

音々音はそう言うと、懐から医者からもらったお香を取り出した。

 

(ねねのお給金、この前の恋殿の診療代に消えてしまったのです……手元に残ったのはこのお香だけ)

 

一応、領収書は切ってもらったのだが、高額過ぎて経費として落ちなかった為、治療費は音々音が自腹を切るハメになった。

 

なんだか、お香の匂いが目にしみてくる……。

 

「ん〜? ねね、何や随分と懐かしいモン持っとんなぁ」

 

霞は音々音の掌にのっているお香をひとつまみすると、思い出を確かめるように匂いを嗅いだ。

 

霞のその態度に驚く、音々音。

 

「霞も泰山の仙人に出会ったことがあるのですか!?」

 

「はぁ? 泰山の仙人〜!? あんた何言うてんの? これは夜泣きする赤ん坊が、良く眠れるために焚くお香やで?

ウチも夜泣きようしとったから、オカンもこのお香を焚いとったわ。ん〜♪ ホンマ懐かしいわぁ」

 

思い出の品に再会できた霞は上機嫌だが、音々音は自分の視界が徐々に暗くなっていくのを感じた。

 

「そ、それではこのお香は高価なモノではないのですか!?」

 

「ん? そない高くはなかったと思うで。子供の小遣いでも結構な量を買えるんちゃうかな?

じゃあ、ウチはこれから警邏やから。昼飯奢ってくれるの楽しみにしてんでぇ〜」

 

霞は自分の得物である飛龍偃月刀を肩に担ぐと、足取り軽やかに去って行った。

 

一人とり残された音々音は、顎を打ち抜かれたかのように膝から崩れ落ちる。

 

「ねねの、ねねのお給金が……。あんのぉお、ヤブ医者がぁーーーっ!!!」

 

音々音の雄たけびが、宮廷内にむなしく木霊した……。

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あとがき。

 

私をお気に入りに登録して頂いた人数が、50人超えましたっ! いやぁ〜、これは嬉しい! そして、ただただ感謝です!

この作品を読んで、お気に入りに登録してくれるような、物好k……じゃなくって、心の広い方がこんなにもいてくれるなんて、日本もまだまだ捨てたもんじゃないですね!

これからも、頑張らせて頂きますので、応援よろしくお願いします。

 

さて、10話の音々音sideのお話でしたが、いかがだったでしょうか?

閑話のつもりで書いたら、本編よりも長くなっちゃった……。

一刻とか、子の刻とか時間の単位とか合ってますかね? 一応調べてから書いてみたんですが、恋姫世界だと、また違ってくるかも……。

 

今回は兵士とか医者とか、モブキャラの台詞書くのが楽しかったです。物語に大して絡んでこないから、好き勝手に書けるのは、楽でいいですね。

逆に大変だったのが、霞の関西弁。私、関西人なんですが、意識して関西弁を書こうとすると、やたら難しく感じました。というか、あんなコテコテな関西弁、関西人もせーへんっちゅーに。

 

霞といえば、原作の魏√で華琳が黄巾党討伐の功で、西園八校尉に任命されたエピありますよね?

あの時、どうして霞が付いてきたのか私、不思議だったんですよ。音々音がいれば、別に霞いらなくね? と。

そこで、霞が付いて来ざるを得ない出来事があったんじゃないかなぁ? という妄想から生まれたのが、今回の10.5席です。

ネタが思いつけば、こういう閑話をまたやりたいですけど、全然思いつかないッス……。

 

次回は、本編に戻りますので、よろしかったら、また読んでやってください。

ここまで読んで頂き、多謝^^

説明
この話は『名家一番! 第十席』のB面です。
先に、第十席を読むことをオススメします。

ご飯食べるの忙しくて、恋が謁見をサボったと思ってた人は、ごめんなさいしないといけないよね(´・ω・`)

よろしければ、今回もお付き合い下さい。
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コメント
>>PONさん、XOPさん 修正してみましたが、どうですかね? おかしかったら、またお願いします(他力本願すぎてスミマセン)(濡れタオル)
『「兵士のもっともな諫言」に不満が出るのか?』と思ったので・・・修正不要とお考えでしたら無視して下さい。(XOP)
口を尖らせるは意味として合わないわけではないけれどしかなかった、という終わり方が文章としておかしいですね。尖らせることしかできなかった、あるいは尖らせる。その上で「むう、しかしですな……」などと不満のセリフを言わせておくと更にgoodかと思います。(PON)
>>ねこじゃらしさん ほとんど台詞が無いのに、この存在感……。(濡れタオル)
>>hokuhinさん どっちにしても酷い欠席理由ですよねw あー、確かに七乃と通じる物がありますね。音々音と七乃を並べたらおもしろいかも……。(濡れタオル)
(続き)“口を尖らせる”は不平とか不満の類義語なんですけど、あんまり使わないのかな? 音々音立ち絵的には、アッチョン○リケに似たやつを想像してもらえたらよいかとw(濡れタオル)
>>XOPさん イージーミス多いよ、私っ! 報告ありがとうございます。“お腹痛がゆい〜”は、“痛い+カユイ”って事です。ちょっと、分かりにくいボケだったか……。(続きます)(濡れタオル)
>>こるど犬さん 確か張三姉妹の拠点で、一刀が高級料亭で奢らされて、領収書切ったけど経費で落ちなかった――みたいなことがあったので、流用させてもらったんですが、やっぱり違和感がありますよね……。(濡れタオル)
>>PONさん ほー、あれってバッタだったんですね。初めて知りました。けど、バッタにしろ蝗にしろ、私は食べたくないですw(濡れタオル)
よく食べ、よく寝て、よく遊ぶ…恋は可愛いなぁ。(ねこじゃらし)
恋の病気は唯の寝不足でしたかwネネもある意味七乃さんに近い感じだな(有能なのに主がらみだとダメなところ)w(hokuhin)
恋慕に近かいモノに→近い:お腹痛がゆいのですか→お腹が痛い:口を尖らせるしか→黙るしか(意味が合いません):足を早めた→速めた(XOP)
領収書?・・・この時代に?(運営の犬)
ところで蝗害を起こすのはバッタであってイナゴではないというのは知っていましたか?トノサマバッタかサバクトビバッタ。それらが食べられないというわけではありませんが不味いらしいですしイナゴに比べ大型で骨太なので堅いかもしれません。逆に言えば食べ応えがあるかもしれませんが。(PON)
今回は幕間としてはいいお話でした。なんだろう、冷静になって考えてみるとなんてことのない話なのにほのぼのとしていいなぁ、と思ってしまいます。(ごめんね音々音)(PON)
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