ふわふわり
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 ふわふわ。

 ふりふり。

 耳と尻尾が揺れるたび、先輩の視線もそれに合わせて動く。

 まったく……先輩は本当にどうしようもない雄だわ。

 

『頼む黒猫! この動く猫耳と尻尾をつけてくれ! この通りだ!』

 私の顔を見るなり土下座をしつつ、そんなお願いをしてきた。

 どうして先輩がここまで必死なのかは分からないけど――

 

「ほんと、先輩はどうしようもないわね」

「うぐっ、これは違うんだ。これは――」

 何が違うというのかしら?

 ぜひ教えて欲しいわね。

「お、俺にはこんな趣味は無かったんだが、猫耳と尻尾をつけた黒猫があまりに可愛すぎる

から、だから俺は――」

「やめてちょうだい」

 そんな恥ずかしい事、いちいち声にしないでよ。

「ただでさえ黒猫は可愛いのに、猫耳と尻尾は凶悪すぎるだろ」

「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」

 こ、この男はさっきから何を言ってるのよ?

 あ、ああ、頭でもおかしくなったんじゃないのかしら!?

「いーや、止めないね。お前がどんだけ可愛いか説明をしてやる」

 変なスイッチでも入ったのかしら、さっきから先輩の言動がおかしい。

「いいか黒猫。黒猫に猫耳と尻尾。この組み合わせはなぁ――」

 先輩が語りだしたわ。

 もうダメかもしれない。

 こんな恥ずかしい台詞、ずっと聞き続けるなんて出来ないわ。

 なんとかして止めさせないといけない。

 

「あのね、先輩――」

「なんだ黒猫。まだ俺の話は終わってないぞ」

 まだ語ろうとする先輩。

 止めて、本当に止めてちょうだい。

 このままだと私がおかしくなってしまうわ。

「あぁ、猫耳と尻尾をつけた黒猫。可愛いな」

 まだ言うのね……

 はぁ。どうして私は先輩のお願いを聞いてしまったのかしら。

『バカを言わないで』そう言ってあしらえばよかったのに、どうして聞き入れてしまったのかしら?

 バカだわ。私は大バカ者だわ。

 

 ふわふわ。

 ふりふり。

 

 意識してないのに猫耳と尻尾が揺れる。

 そしてその揺れに合わせて、先輩の視線も動く。

 猫耳も尻尾も嫌いじゃないけど、先輩の喰い付き方が怖いわ。

 今までにないくらいにテンションが高い。

 初めて見るような興奮の仕方。

 先輩にこんな一面があるだなんて驚きだわ。

 変態な先輩。だけど――

 

 それでも、先輩に可愛いって言ってもらえるのは嬉しい。

 そう思ってしまう私も、もしかしたら…………

 

説明
どうしてこうなった!?
そんな感じですよ。
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コメント
可愛い・・・黒猫がいつも以上に愛らしく見える!! 京介GJ!! (w(天使 響)
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二次創作 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 黒猫 高坂京介 

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