真・恋姫夢想 とある桂花のデレ日記 〜九の記〜 |
「とある桂花のデレ日記 〜九の記〜」
■月●日
今日は華琳さまと一緒に、街に買い物に出かけた。
春蘭と秋蘭は仕事で手が離せないため、久しぶりの二人きりでのお出かけである。
でもって、嬉々として華琳さまの腕にしがみつき、街を散策している私。
けど、これがごまかしの手段でしかないことを、華琳さまがお知りになられたら、どう思われるだろうか。
ごまかしているのは、私自身。
三日前から、あいつの顔を見れていないことへの、私自身に対する慰め。
それが私の、荀文若の、笑顔の裏の真実の心情。
三日前。
あいつは定例の三国巡りの為、都を離れて蜀へと旅立った。そして、その後は呉を周り、魏領を通って帰ってくることになっている。
・・・都に戻ってくるのは、順調に行けば、およそ三ヵ月後。
三ヶ月。
そんなにもあいつの顔が見れないなんて。あの声が聞けないなんて。
ついて行きたかった。
でも、仕事の補佐とお目付けならば、月と詠がいるわけだし。ただ一緒に居たいから、なんてことはこの口が裂けても言えっこない。暇をもらってたまたま同じ場所に旅行に行く。・・・そんな余裕があるわけない。今日だって、たまたま早く作業が終わっただけ。明日からはまた、大量の書類との格闘が待っている。
・・・目を盗んでこっそりと?
ばれたらどんなお仕置きが待ってるやら。いやまあ、華琳さまのお仕置き自体は、かえって嬉しいんだけど。何でそこまでして、あいつについて行きたがるのかと。問い詰められたら、それはそれで困るわけで。
(早く、帰ってこないかな、一刀・・・)
華琳さまと、一応は楽しく過ごしつつも、そんなことばかり考えていた一日だった。
〇月∵日。
あいつが旅に出てから一月がたった。
おそらく今頃、呉の領地に入っている頃だろう。
・・・どうせあいつのことだし、蜀では相当な歓待を受けたんだろうなー。・・・それこそ昼夜問わず。ま、まあ、あの種馬のことだし、それはいつものことだから気にしても仕方ないんだけど。・・・蜀の連中が、心底うらやましい。
と、そんなことを考えていたとき、華琳さまからお呼びがかかった。・・・なんかあったのかしら?
「・・・は?魏領に戻られるんですか?」
「ええ、そうよ。もう一月もしたら、今度は我が国に、一刀が到着するでしょうから、その出迎えの準備をしないとね」
うん。それはもちろんもっともだった。けど、合点がいかないことがある。
「・・・なぜ、私は都に居残りなんでしょうか?」
「だって貴女まで居なくなったら、都の政をつかさどる人間が、冥琳と穏だけになっちゃうでしょ?」
う。・・・それはごもっとも。蜀の連中はまだ戻ってないし。でもでも・・・!!
「それとも〜、桂花ちゃんはー、そんなにお兄さんに会いたいんでしょうかね〜?」
ぎく。
『なんでえ。口ではなんだかんだといいながら、愛しのあの人に早く会いたいわ〜か?なかなか乙女じゃね〜かよ。え?』
ぎくぎく。
「これこれ宝慧。桂花ちゃんがそんな筈ないでしょう。今だって、顔を見なくてせいせいするとかいってるんですから。ねえ?」
「あ、当たり前じゃないの!わ、わたしは華琳さまに置いてけぼりにされるのが嫌なだけよ!あんなやつの顔なんて、見ないで済むに越したことはないんだから!!」
・・・どんだけ鋭いのよ、この娘は。まあ、私も私で、よくもまあ、とっさにもっともらしいことが言えるけど。
「じゃあ、桂花?そういうことだから、後は頼んだわね」
「あ、は、はい・・・・・・・・・・」
うう。またおあずけ・・・。一刀ぉ・・・早く会いたいよう・・・。くすん。
●月□日。
あいつが帰ってきた。
・・・なんか、ずいぶんやつれているように見えたけど。でもって、何故か一緒に戻ってきた、呉と蜀の面子と、華琳さまたちは、お肌のノリがずいぶん良さそうである。・・・羨ましい。
でもって。
そんな感じのあいつなものだから、すぐさま自室に直行。面会謝絶と相成った。
自業自得。
いつもの私なら、目の前に寝込んでいるそいつに、そんな辛辣な言葉を投げかけるところなんだけど、今回ばかりは、とてもそんな心境じゃなかった。
なお、こいつの看病は私が行っている。他のの面子は、都を留守にしていた間の事後処理やら何やらで、目の回るような忙しさだからだ。
そういう意味では、役得といっていいかもしれない。
けど、ようやく顔の見れた、顔の見たかった相手は、文字通り精根尽き果てて、寝台でうなされていたりするわけで。
「・・・・・・この、馬鹿」
こんなになるまで、いちいち相手をしなければいいのに。
ほんと。優しいんだから。・・・誰が相手であっても、いつでも笑顔で応えるこいつ。
どれだけ罵られても、どれだけ罵倒されても、どれだけずたぼろにされても、どれだけ搾り取られても(笑)。
こいつはみんなに、いつでも、わけ隔てなく、素の自分で、向かい合う。
「・・・・・・私には、どう転んだって、できないわね・・・・・・」
そいつの額に乗った手ぬぐいを、桶に汲んだ水で再度濡らし、再び額の上に乗せる。
「・・・・・・ほんと、節操なしの、種馬の、全身性液男なんだから。・・・ちょっとは、加減することぐらい、覚えればいいのに」
それができないことぐらい、私にだってよくわかってる。ていうか、そんなことを覚えたら、こいつがこいつで無くなるけど。
「・・・・・・元気になったら、今度は、私を、愛してよね・・・・・・馬鹿一刀」
聞こえていないことは百も承知。
てか、もしも聞かれていたら、ほんと、恥ずかしさだけで死ねるわね。
「・・・わたしは、あんたが、心底嫌い。そうじゃないと、いけないから、ね」
荀文若は男嫌い。
中でも、北郷一刀は天敵。
そんな関係を保つからこそ。
私は、こいつの傍に居続けられる。
「あんたなんて、大嫌い、なんだから」
安らかに寝息を立てるそいつに、そっと唇を寄せながら。
(あなたが、大好き、なのよ)
心とは反対の言葉を、私はそっと囁く。
暖かい、彼の唇の、そのぬくもりを感じながら。
えんど。
で。
ラウンジでもぼやきましたが。
北朝伝のデータが入ったUSB。
幕間二本と、五章の序幕、および二幕目まで入ったやつ。
ぼ−ん!
しました(;;)
バイト帰りに荷物をいじっていたら、USBが道にころん。
でもって、そこに車が走ってきました。
・・・どうなったか、いわずもがなという奴です。
データのコピーとか、その辺一切無し。
全部書き直し決定です。
なので、完成するまでの間、これをちまちま入れようかなと思っている今日このごろ。
こっちは基本、その場の思いつきで書いてるので、データボーン!の心配は無いので。
というわけで、
北朝伝の続きは当分お待ちください。
いつになるかは未定です。
じゃ、そゆことで。
・・・・・・・・・・・・・・しくしく。
説明 | ||
デレ日記です。 なんでこっちが続いているのかは、 最後のページをご覧あれ。 ・・・俺が一体何をした!? ちっくしょーーー!!(某太夫風) ・・・・・・・あうorz 追伸: 最後のページに関して。 コメの対象からは外して下さい。 お慰めはありがたいですけど、 コメはあくまで、作品に対してお願いします。 では。 |
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コメント | ||
俺はiPodが車にひかれたことありますよw(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) ギャァァァ、俺もトラウマを思い出しちまった・・・(東方武神) まぁ、なんでしょう。ご愁傷さまでした。(紫炎) ドンマイ! 北朝伝の更新楽しみに待ってます。(信号) ・・・ご愁傷様。今後はデータを二つ三つ取ることをお勧めします。(J2) …………取りあえず、飲めや。(峠崎丈二) 心からご冥福を祈ります 記憶を受け継ぐ次代のメモリは同じ最後にならないよういのってます (紗詞) 執筆お疲れ様です。一刀が寝ている時まで意地張って・・・心の中でしか話せない・・・うっ、涙が・・・そして、華琳&風めぇぇ・・・ 十の記期待! P.S USBに関しては慰め以前に心からご愁傷様でしたとしか・・・何事も余裕を持って、余裕が無くなった時には止まってみる事も大事ですよ(クォーツ) 作品一気に読ませていただきました桂花も北朝伝もとても楽しみにお待ちしています。USBはストラップになってるやつとかは落としたり無くしたりしなくて便利ですよ(ヴィヴィオ) 桂花のデレデレは読んでて考えさせられるな。おもろいからいっか(VVV計画の被験者) USBって持ち運びには便利なんですが落としたり無くしたりし易いのが難点、なので自分はそればっかりのをまとめて袋に入れて持つようにしてます。北朝伝再開を楽しみに待ってます。(アロンアルファ) 二人きりでも一刀の意識がない時だけ素直になれると。…いじらしい。(乱) ああ、やっちゃいましたね。鞄の中の荷物だったのか分かりませんが、今後はポケットの多いものを選ばれた方が良いかもしれませんね。あるいはキーホルダーに付けておくとかですね。(KU−) ご愁傷様です・・・・。(;−;)(無双) 狭乃 征様、USB物理的破損御愁傷様です。 現実逃避にこっちに力を入れる気持ちは良く分かります。(うたまる) まあ、双六でいうところの「ふりだしに戻る」とかいう感じですかね。そういう事情であるなら気長にお待ちしています。でも出来るだけ早めにね!(mokiti1976-2010) |
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