『偽・悲恋姫†異聞録』33 |
アタシは・・・親切で忠告してやったんだ。
だのに、誰も聞きゃーしない・・・水関のときもそうだ。
「だから、お前はアタシを舐め過ぎだってんだっ、三つ編みっ」
幽の怒鳴り声は・・・
左構えから右構えに変えた凪の・・・
頭上ではなく・・・
右側から聞こえた・・・
同時に、鈍い衝撃が凪の右脇腹を穿ち抜き・・・
遅れて真紅の液体が脇腹から・・・空間を染めるように派手に噴出す。
ゴボリとくぐもった音を立て、口からあふれ出した鮮血が足元の地に流れ落ちると
・・・まるでそこを隠すように、ゆっくりと力の抜けた凪の膝が静かに地を打つ。
それを見下ろすように立っていた幽が、ペッと吐き出したのは同じく真紅の液体。
・・・重いのを二発もらったが、まだ戦える。
これが、鈍器と鋭利な刃物の差だよ、三つ編み。
戦場で一番恐いのは出血
お前なら格闘でもできそうだけど・・・いつもは難しいだろ
しゃがみ込み、地面に一本だけ打ち込んだ鉤爪を捻りながら抜き取る。
全てが最後の一撃のためのに積み上げた罠。
空中から斬りかかったのは、相手に空中では動けないと思わせる為の、先入観
心理の盲点をつくための捨て身の罠・・・
5本の鉤爪を凪に向かわせ、その影で一本地面に打ち込み、頭上から振るった一撃と右からの挟撃と見せかけ・・・
凪の攻撃が来る寸前に、鎖を引いて凪の右へと移動する。
攻撃が早すぎて、食らうのは計算外だったけどね・・・
「・・・一人目、次っ」
座り込むような姿の凪に聞こえるようにそう告げると、すばやく四方に目線を配る。
幽は油断しない・・・勝ったと思った瞬間が、もっとも危険だと、嫌に成程に一影に叩き込まれている
故に・・・構えすら取れない凪にも、隙を見せない。
凪を将と認めているから・・・決して舐めない
『魔王の片腕』は一影の最初の命令を、決して忘れることは無い
説明 | ||
被災地の作者様方がup出来ない穴埋めに |
||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
3446 | 3172 | 26 |
コメント | ||
>うたまる様 コメントありがとうございます。相手がどう返してくるのか解らないという点に於いて、私も読み手の方も実は同じ立場だったりします。絶影さんはどう返すのか気長に想像しながら待つのが、楽しみ方なのかと(Night) うふふふっ♪ Night様の作品は戦場の息づかいか聞こえてくるようで、何時もとても楽しみにしています。 この後絶影様がどう返すのかわくわくする展開です (うたまる) >サラダ様 コメントありがとうございます。31話で襲いかかった鉤爪が『五本』?と思われていたら、幽もかなり危険だったかと…作戦勝ち、ですかね。(Night) >ねこじゃらし様 コメントありがとうございます。幽はある意味で、凪のアンチテーゼなキャラなので、余計に凪にはキツクあたってしまうのだろうなと思っております。(Night) >村主7様 コメントありがとうございます。絶影さんが御無事だと確認がとれた記念という一側面も。本編では水上戦闘なので、津波で亡くなった方も居る現状、不謹慎すぎると考え現在自粛中ですのでtinamiさんにて『偽』を。(Night) 流石『魔王の片腕』。幾重モノ罠を目の前で気付かせずに張る。一影流が叩き込まれておりますね……。(R.sarada) 凪脱落〜(T_T)しかし幽は実に有能ですな(ねこじゃらし) 特別寄稿って事ですかね ともあれNightさんの作品が読めたのは嬉しい限りです(村主7) |
||
タグ | ||
悲恋姫 異聞録 続・コラボ企画 真・恋姫†無双 | ||
Nightさんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |