凪(心と体の傷) |
どうも皆さんカイです
最近花粉症の方を良く見ます、皆さんも花粉症には、気をつけて気を付けてくださいね
それでは、凪のもしもシリーズどうぞ
警邏の終わった一刀は、凪と一緒に帰る途中であった
一刀「今日のところは、異常無しだな」
凪 「そうですね、前は、引ったくりなどがあった地区も今では静かですからね」
一刀「また起こるかも知れないから、念のために重点的に見回りした方が良いだろうな」
などと、一刀と凪が話していると
??「北郷様!!」
一刀「はい?て、親父さんじゃないか」
一刀に話しかけたのは、よく一刀が行く居酒屋の主人であった
主人「北郷様!!お願いです力を貸してください」
一刀「お、落ち着いて親父さん」
凪 「そうですまず落ち着いて、何があったんですか?」
主人「は、はいですが此処では、ちょっと話しにくいのであっしの店に来て頂けませんか?」
一刀「何か、重い話みたいだね」
凪 「そのようですね」
主人の表情から簡単な問題では無いと悟った一刀と凪は、主人の店に移動した。
店に着いた一刀と凪は、主人から話を聞いていた。
主人「実は、娘が自害しようとしたんです」
一刀・凪「「!?!?」」
一刀「ば!バカなこと言うなよ親父さん!!」
凪 「そうです!!あんなに明るくて、頑張り屋の娘さんがそんな事するはずが無い!!」
二人は、主人の娘を知っている、店の手伝いをしたり時には買出しに出たりと、働き屋でとてもいい子だと知っているだからこそ今主人が言った言葉が信じられなかった
主人「嘘じゃないんです、本当です」
一刀「例えそれが本当だとしても彼女が何で?」
凪 「そうですよ、理由は何ですか?」
主人「それは、「私の日記を読んでしまったんです」母ちゃん」
一刀・凪「「女将さん」」
主人の妻である女将がお茶を持って現れ主人の隣の席に座る
一刀「女将さんその日記には、いったい何が書かれてるんですか?」
女将「はい、あの子を今日まで育ててきたことが、書かれてるんです」
凪 「それの何処に問題があるんです?」
主人「そ、それは・・」
主人は、話を止めてしまう
一刀「本当の子じゃないからですか?」
一刀以外「「「!?」」」
一刀の一言で空気が凍りつく
女将「北郷様どうして分かったんですか!?」
一刀「女将さんの、今の話の中に答えがありました。女将さん今日まで育ててきたって、言ったよね?」
女将「はい」
一刀「でも、女将さん一度も自分が産んだって、言わなかったよね」
凪 「あっ!」
凪は、直ぐに理解した。育ててきた事を記した日記なら読んでも何の問題も無い
主人「お察しの通りです、あの子はあっし達の本当の子じゃあ、ありません」
凪 「捨て子ですか?それとも本当の親が亡くなったとかですか?」
女将「最初のほうです、あの子は、捨てられた子なんです」
一刀「まさか!!今まで黙っていたのですか!!」
主人「はい・・・」
女将「何時か話そうとは、思っていたんですが」
一刀・凪「「・・・」」
沈黙だけが長き続いた。
一刀「で、肝心の娘さんは、何処に?」
沈黙を破ったのは、一刀であった
主人「二階で寝ていますが」
凪 「隊長まさか、会う積もりですか?」
一刀「ああ、会って話をする」
女将「ありがとうございます!!北郷様」
一刀「ただし!!俺は話をするだけです、そこから先は、彼女しだいです」
女将は立ち上がり、深々と頭を下げる
コンコン
??「誰?」
一刀「北郷です」
??「えっ!北郷さま!?」
一刀「入って良いですか?」
??「どうぞ・・・」
一刀「失礼します」
ドアを開けた先には、寝台で横になっている1人の少女が居た
少女「北郷様、どうして此処に?」
一刀「自害しようとしたと、親父さんに聞いて」
少女「えっ!?父上から聞いたんですか?」
一刀「ええ、まあ」
一刀は、少し苦笑い気味で答えた。そしてそれと同時に、彼女の右手首に巻かれている包帯を見た
一刀「悪いことは言わない、自害なんて止めたほうがいい、後悔しか生まないよ」
少女「・・・」
凪 「隊長の言う通りです」
少女「楽進様!?」
凪 「死んでも何の意味も無いですよ」
少女「お言葉ですが、お二人に何が分かるんですか?経験したことも無いのに!!」
凪 「それは「分かりますよ」えっ!?隊長?」
凪が答えようとした時に、一刀がそう呟いた
少女「北郷様?」
少女は、豆鉄砲を食らったような顔になる
一刀「だって、俺も同じ事をしたから」
そう言い終わると一刀は、自分の右手首を見せたそこには、刃物で切った後が残っていた
一刀「2年まえに俺も自害しようとしたんです」
凪・少女「「!?!?」」
一刀「あれは、俺が父さんの部屋の掃除を手伝っていたときです、一冊の日記帳が出てきたんです、何だろうと思って読んでみたら、俺は心臓が止まりそうになったんです。
その日記帳には、俺が養子だって書いてあったんです。
そのことを知った俺は、父さんを問い詰めたんです、それで分かったのは、本当の北郷一刀て名前を付けられるはずだった子が生まれて直ぐ病気で亡くなった事だったんですそして俺は、その日の夜手首を切ったんです」
凪・少女「「・・・」」
二人は、黙って聞いていることしか出来なかった
一刀「目が覚めると、自分の寝台でした。
横には、父さんが居て涙を流していましたそして何度も何度もゴメンて謝ってきたんです、その後は、母さんや妹に怒られましてね、でも一番堪えたのは、爺ちゃんの言葉でした」
少女「お爺ちゃん?」
一刀「ええ、(お前が死んだら、お前のことを大切に思って待っていてくれる人は、どうなる?)て、その時に自分がバカなことしたって改めて気が付いたんです。
例え本当の身内じゃなくても、一緒に過ごした時間は、間違いなく家族だったんだて、思ったんです」
少女「北郷様・・・」
凪 「隊長・・・」
一刀「君にも、大切な人が、家族が居るでしょホラ」
一刀がドアの方を指差すと、主人と女将が立っていた
少女「父上、母上」
主人「すまない!!本当にすまなかった!!」
女将「黙っていて、ゴメンなさい」
少女「私こそ、本当にゴメンなさい」
一刀(もう大丈夫だな)
凪 「・・・」
泣きながら謝る三人の姿を見て一刀は、凪を連れて部屋を出て行く
その夜
一刀「さて、もう寝るか」
コンコン
一刀「ん?はい開いてますよ」
ガチャ
凪 「し、失礼します隊長////」
一刀「なっ!?凪!!どうしたの?こんな遅くに、それにその格好」
明かりを消して寝ようとした一刀の部屋を訪ねたのは、寝巻き姿(パジャマ)で枕を持った凪であった
凪 「あ、あの隊長、今晩此処で寝かせてくれませんか?////」
一刀「へっ!?」
凪の言葉に一刀は、言葉を失った
凪 「実は、隊長に聞いてもらいたい話があるんです」
一刀「お、俺にか?良いけど、と、とりあえず入れよ」
凪 「は、はい////」
そう言うと一刀は、部屋に凪を入れる
一刀「それで、話って何?」
凪 「はい・・・実は、私も自害しようとしたんです」
一刀「!?!?」
一刀は、凪の告白に息を呑んだ、そして言い終わると同時に、凪は右の手首を見せる
凪 「隊長が居なくなった事が信じられなくて、何度もこれは悪い夢なんだと思って、気が付いた時には、自分の寝台の上でした。その時に、真桜や沙和に殴られまして自分が何て事をしたんだと」
一刀「凪・・・」
凪 「隊長私は、怖いんですまた、隊長が居なくなるんだと思うとだから・・・」
しばらくの間二人に長い沈黙の時間が訪れた。そんな沈黙を破ったのは、一刀だった
一刀「凪は、医学の本を読んだことある?」
凪 「え?、医学の本ですか?無いです」
一刀「俺なあ、向こうに居た間に、いろんな本を読んだんだ、その中にある一冊の本がとても印象的だったんだ、それが医学の本だ」
凪 「はあー」
凪は、一刀が何が言いたいのか分からなかった
一刀「その本には、こう書かれていたんだ、体の傷は、薬で直ぐ治るものもある、だが心の傷を完全に治す薬は無い、有ってもそれは、一時的に抑えただけで、直したわけではないてね」
凪 「抑えただけで、直した訳ではない・・・」
一刀「そう、そしてもし薬が有るとしたらそれは時間しかないて、書いてあった。だから」
そう言い終わると、一刀は、寝台に腰掛て両腕を凪に伸ばす
一刀「俺が、その時間になってやる、おいで凪」
凪 「た、隊長・・・はい////」
そう言い終わると、凪は、一刀の腕の中に身を委ねる。そして二人一緒に横になる
次の日の朝に、凪は今まで生きてきた中で一番気持ちのいい朝を迎えた