真・恋姫†無双 武と知の2人の御遣い伝 第18話
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この物語は真・恋姫†無双という外史に、

CRISIS CORE FINAL FANTASYZのジェネシス・ラプソードスが来たいう設定です。

作者である私、黒山羊が原作を何度もやりなおし、(CCFF7:現在4周目のジュノン前)

登場人物を原作通りにしたつもりです。

ですが、解釈が幾らでも可能であるように、登場人物が皆様のご期待にそえるかどうかはわかりません。

また、作者は関西人なので、気をつけているつもりですが、

セリフが関西弁臭くなってしまうかもしれません。

あらかじめご了承ください。

読者の皆様が楽しめたら幸いです

 

 

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視点:一刀

 

ジェネシスさんと雛里が発った次の日。

 

先ほどまで、袁紹が水関を攻めていたが、袁紹軍が激弱なので、未だに水関攻略に成功していなかった。

攻めることに飽きた袁紹は曹操に水関を攻めるように命じた。

このまま袁紹が水関を攻め続けていたら、時間がかかり過ぎて兵糧の心配が出てくるところだった。

袁紹が水関攻略に飽きてくれてホント助かった。幾ら袁紹を煽てて大量の兵糧を手に入れたと言っても、その兵糧にも限りがある。

これでとりあえず、兵糧の問題は解決した。

 

 

次に問題なのはジェネシスさんがこの陣に居ない良い訳だ。

 

散歩継続中が一番無難だろうな。

だが、どんだけ長い散歩なんだよと突っ込まれた時の為に、もう少し普通の言い訳を考えとくか……。

どうしよう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「林檎酒飲みに平原に帰ったでいいか。」

 

俺はボソッと呟く。

 

「何のこと?ご主人様?」

 

桃香は竹簡を読むのを止めて、顔を上げて俺に聞いてくる。

 

「ああ、ジェネシスさんが此処に居ない理由をどうしようかなと思って。

散歩じゃ不自然かなと思ったから、」

 

「でも、普通の人じゃ酒を飲むって理由で自国に帰ったりしないよ?」

 

「それはそうだが…。

でも、林檎酒飲みに帰るってジェネシスさんらしくないかな?」

 

「確かにジェネシスさんらしいね…。」

 

「そうだろ…。」

 

「アハハハハ」

 

「ハハハハハ」

 

俺と桃香は苦笑いしか出てこない。

林檎酒で本気であの人帰りそうだったからだ。

 

 

 

 

バサッ

 

突然天幕が開いた。

入ってきたのは、愛紗だった。

 

「どうしたの?」

 

「ご主人様、桃香様。

孫策殿が面会したいと言って来ているのですが、如何いたしましょう?」

 

「え?雪蓮が?」

 

何だろう?

このタイミングで何の用事だ?

水関で戦っているのは、曹操軍。

雪蓮は今俺らのように暇なはず、だったら大した用事じゃないな。

俺はそう判断し、愛紗に雪蓮を通すように言った。

 

雪蓮は先日一緒に来た女の人と俺達の天幕にやってきた。

雪蓮の紹介で女の人は周喩だと知った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「武の御遣いとお供1人で洛陽に行くとは知の御遣いは何を考えておられる?」

 

「「「!!!」」」

 

周喩は鬼の首を取ったようにニヤリと笑い言った。

俺と桃香、愛紗は周喩の言葉に驚いた。

 

「俺達のところに間諜でも送っていたの?」

 

「想像に任せる。」

 

 

 

考えろ! 北郷一刀!

 

情報漏洩は完璧に防いでいたはず、何処から漏れた?

だが、今の問題はそれではない。

 

どう言い訳する?

 

さっき考えた言い訳はできない。さっきの言い訳は平原に帰ると言うものだったからだ。

どう言い訳する?雪蓮が董卓の味方なら、董卓の事を話しても問題ないのだが、全く分からない。

では、どうする?

最適で筋の通った言い訳は何だ?

俺達が穏便に且つ不自然でなく、武力で解決したい問題が洛陽にあれば良いのだが……。

 

 

 

 

あった!

 

俺とジェネシスさんを暗殺しようとした張譲!

 

張譲を言い訳に利用させてもらおう。

 

 

 

「わかったよ。雪蓮。周喩さん。

俺達がこの連合に参加した本当の理由を話すよ。」

 

「「!!」」

 

桃香と愛紗は戸惑っている。

ごめんな。桃香、愛紗。

悪いけど、動揺してくれ。

敵を欺くにはまず味方からって言うからな。

 

「俺達は董卓を打ちたいのもあるが、他の目的がある。」

 

「他の目的?董卓討伐とは別にか?」

 

 

桃香達はさらに混乱している。

本当の連合参加理由を言うと言っておきながら、嘘を言ったからだ。

本当の参加理由は洛陽の暴君を倒す事で董卓を倒すことではないからだ。なのに俺は董卓を倒すと言ったのだ。

 

いいぞ。桃香、愛紗。

もっと混乱してくれ。君達が混乱して顔が百面相にでもなってくれば、それを見た雪蓮達に本当の目的を悟られることは無い。

普通なら嘘だと疑うだろ。だが、俺が知の御遣い。雪蓮達なら桃香達の動揺が何らかの策だと考えるだろう。

 

桃香、愛紗。

混乱して、雪蓮達を混乱させてくれ。

雪蓮達が混乱すれば、「董卓救出」という目的を悟られにくくなる。

 

ハーーーーッハッハッハッハ!

 

 

「実は俺と武の御遣いは張譲に命を狙われている。

実の安全の確保や仕返しをしたかったのだが、俺達で張譲を討ち取るのは困難だったため、今回この連合を利用させてもらったんだ。」

 

「張譲にか?

なるほど、『天の御遣い』という言葉がヤツにとってに不都合だったと考えれば納得いくな。」

 

ここで、嘘の中に少し真実を混ぜる。

嘘の内容は多すぎると論理的に破綻する恐れがある。

だから、嘘は真実に論理的に混ぜると良い。

 

「武の御遣いとお供で張譲を確保もしくは討伐するために、洛陽に行かせたんだ。」

 

「そうか。

まあ、今の言葉が本当か嘘かは、武の御遣い達をつけさせている者が居るから分かるだろう。」

 

「本当か!?」

 

俺は驚いた仕草を見せる。

だが、武の御使いがここから出て洛陽に行くのを知っていたら、普通はつけるだろう。だから、雪蓮達が何らかの手を打っているのは分かった。

 

 

今の問題はジェネシスさんがその追跡者に気付くかどうか。そして、雛里が俺と同じ言い訳をしてくれるかどうかの2つである。

今の状況を考えたら、今の言い訳が一番自然だろ。

頼みます! ジェネシスさん!雛里!

 

それが無理だったら、俺が今頭から発信している電波を受信してくれ!

そうしてくれると最高だ!

周波数は801でいいのか?

とアホな事を考えてみる。

 

 

「で、俺達は何をすればいい?」

 

今の洛陽に間諜を送ったという事をネタに雪蓮は俺を脅そうとしているのだろう。だからここに来て、こんなことを言ったのだろう。

 

「知の御遣いは話が分かる御仁で助かる。」

 

周喩さんはそう言った。

 

 

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「虎牢関を攻める時に囮になってもらう。

我ら孫呉が虎牢関に一番乗りで入るためにな。」

 

「「!!」」

 

「やはりか…。」

 

周喩さんの言葉に桃香と愛紗は驚き、俺は納得してしまった。

 

「わかった。

董卓軍と戦わないと有らぬ疑いがかけられてしまう。ここで、疑いをはらすためにも虎牢関を攻める態度を皆に見せないとな。

そのかわり、武の御使いが洛陽に行ったことは秘密にしてもらうよ。」

 

「分かったわ。一刀のお願いなら聞いてあげる。

それに、反董卓の態度を見せてくれたら、噂を流したところで効果は無いし、逆にこっちが変な疑いをかけられるわ。」

 

雪蓮はそう言って天幕から出て行った。

 

呉の油断ならないのは隠密と軍師の周喩の2つ。

 

 

 

 

 

「ご主人様、囮なんて大丈夫かな?」

 

桃香は俺の服を掴み、心配そうな声で聞いてくる。

 

「ああ、今直面している問題はそれだ。」

 

 

考えろ! 北郷一刀!

 

囮をしないという方法はあり得ない。なぜなら、雪蓮達に弱みを握られている。

武の御遣いが洛陽に行ったという情報が連合内部で広がれば、俺達は連合と戦わなければならなくなる。

それだけは回避したい。

被害を最小限にするためには、囮をしてなお且つそれなりの戦績を治め、被害を最小限にすることだ。

 

 

待てよ?

雪蓮の言う囮って何だ?

 

普通囮をするなら、何らかの策があって成立するモノもしくは、策を考えるためのモノが囮である。

だが、雪蓮は策の提示をしなかった。

策はこっちで考えればいいのか?それとも、何らかの策を提示してくるのか?

前者は良いように考え過ぎか?

だが、こちらが先に何らかの策を先に提示すれば、思い通りに事が運ぶかもしれない。

だとすれば、朱里と相談だな。

 

方針は決定だな。

 

 

「なあ、桃香。朱里は何処に居るか分かる?」

 

「うん。向こうの天幕に居るよ。」

 

「ありがとう。桃香。

ちょっと、俺朱里と相談してくる。」

 

「いってらっしゃい。ご主人様」

 

その後、朱里と話し合うために朱里の居る天幕へと向かう。

天幕へと向かう最中に虎牢関の囮の策を考えた。

この策が上手くいけば、俺の軍の被害は最小限にでき、別の軍が大損害を受ける。だが、朱里と相談が必要だな。

この策の成功率が低すぎる。

 

 

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視点:馬超

 

私は今劉備陣営に向かっている。

理由は7日前の水関攻めに遡る。

 

― 回 想 ―

 

あたしは父様馬騰から重大な指令でこの反董卓連合に参加している。

指令の内容は董卓の真実を見抜いて、董卓が善なる者ならば董卓を救えとの事だ。

だが、あたしは頭が良い方ではない。

蒲公英もそんなに頭良くないし…。

 

ああ、どうやって董卓の真実を見抜けって言うんだよ。

ウチには頭の良い奴が居ないから、無理難題を言われると困るんだよ。

 

「父様だったらどうするんだろう?」

 

「どうしたの?お姉さま?」

 

従姉妹の蒲公英が聞いてくる?

 

「ああ、父様だったら、董卓の真実をどうやって見抜くんだろうと思ってな。」

 

「ホントだよね。

伯父様ったら、無理難題言うよね。

『困った時は筋肉に頼れって』言うし…。

お姉さまと同じ脳筋なのかな…?(ボソッ)」

 

「何か言ったか?」

 

「何も言ってないよ。(サラッ)」

 

「そうか…。」

 

 

「「はあ……。」」

 

 

あたし達はため息がでた。打つ手なし。

どうしよう?

 

 

バサッ

 

「申し上げます。」

 

そう言って兵士が1人天幕に入ってきた。

何だろう?

 

「董卓軍の将、華雄が劉備軍の武の御遣いに捕えられました。」

 

「本当か!」

 

私は座っていた椅子から立ち上がり叫んだ。

 

「報告ご苦労。

すまないが、劉備陣営に使いを出してくれ。

劉備や華雄に面会したいと。」

 

「はっ!」

 

兵士は返事をすると天幕を出て行った。

 

「董卓軍の華雄から情報を得ようってことだよね。お姉さま。」

 

「ああ、ついでに、天の御遣いも見に行こう。

知の御遣いをあたしは見たけど、見た目は普通の男だった。」

 

「そうなの?」

 

「ああ、どう見ても、強そうには見えなかったぞ。」

 

「そりゃ、知の御遣いって言うんだから、知略に長けていて、武に長けている訳ないでしょ。お姉さま。

そんなこともわからないなんて、やっぱり脳筋だね(ボソッ)」

 

「何か言ってたか?」

 

「何のこと?」

 

「まあ、いいや。」

 

あたしはニヤついている蒲公英に何か悪口を言われた気がしたが、気のせいだろう。

あたしは蒲公英を共に劉備陣営との面会を取り付け、劉備の天幕へと向かった。

 

 

 

 

 

「あたしは馬超。涼州の領主馬騰の娘だ。

こっちは従妹の馬岱だ。」

 

「こんにちは、馬超さん、馬岱ちゃん。

俺達に面会って何の用事かな?」

 

声をかけてきたのは知の御遣い北郷だった。

 

「ああ、董卓軍の華雄と武の御遣いに面会したいんだ。」

 

「華雄さんがジェネシスさんに捕縛されたのを聞いてきた訳か。

会わせてあげたいんだけど、華雄さんは意識不明の重症で、ジェネシスさんは昼寝中でちょっと無理かな。」

 

「はあ!?

華雄に会えないのは分かるけど、武の御遣いは昼寝中!?」

 

「ああ、悪いけど、面会は俺達だけにしてくれ。

すまない。」

 

知の御遣いの北郷は申し訳なさそうに言う。

昼寝で面会を断るって正気か? あたしは少し腹が立った。

だが、ここで問題を起すのは今後の為にも良くないから、怒らない。

でも言いたいことは言わせてもらう。

 

「起こしてきてくれよ。武の御遣いを。

あたしは武の御遣いに会いたくて来たのに、」

 

「昔、あの人の昼寝の邪魔をしたことがあって…」

 

北郷は言葉を濁すと、両腕で自分を抱きしめるとガタガタ震え始めた。

それを見た劉備は「ご主人様、大丈夫だよ。あれは夢だよ。」と言って北郷の背中をさすっている

昼寝を邪魔されると何をするんだ? 武の御遣いは?

あたしは怖いもの見たさで、昼寝をしている武の御遣いを見たくなった。

 

「なあ、起こさなくて良いから、武の御遣いの昼寝姿を見せてくれないか?」

 

「良いけど、その代り、絶対起こさないと絶対に約束してくれ。

あの人の昼寝の邪魔をするということは、重傷の全裸で武器を持たずにトラの群れの紛れ込むのと同じだと覚悟をしてくれ。

ウチの将が全員で掛かっても瞬殺されるほどの実力を持っているから、」

 

「「ゴクリッ」」

 

あたしと蒲公英は同時に生唾を飲む。

美髪公関羽や燕人張飛、昇り龍趙雲といった名立たる将が全員で掛かって来られても瞬殺させる程の力を持っているという『赤き天災』武の御遣いに対して畏怖してしまう。

でも、逆にそんな武の御遣いの強さを肌で感じたいと思ってしまうのは、武にかかわる人間としては当然の反応だと思う。

 

 

 

あたしは北郷に連れられて、別の天幕へと入っていった。

 

 

 

 

「コイツが武の御遣い…。」

 

どう見ても北郷と同じように変わった服装をした男それだけだった。

武人としてどのような立ち振舞いをするのか気になった。起きている姿を見たかったな。

 

武の御遣いは長椅子に横になり規則正しい寝息をたてて寝ている。

というか、コイツが本当に武の御遣いなのか?

 

「本当にコイツが武の御遣いなのか?」

 

「ああ。」

 

「変わった服装を見ればそうに決まっているよ。お姉さま。」

 

あたしと蒲公英は声を小さくして北郷と話している。

すると、武の御遣いは目を覚まし、体を起こした。

それを見た知の御遣いは顔を青くする。

 

「北郷、何の用だ?」

 

武の御遣いは椅子から立つと知の御使いに言った。

 

「ああ、ちょっとジェネシスさんに会いたいって人が居たから…。

良かった。今日は機嫌よさそうだ。(ボソッ)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、そっちのはお前の新しい愛人か?」

 

「「「へっ?」」」

 

 

 

 

 

武の御遣いは何を言ったんだ?

あたしが知の御使いの愛人?

 

 

 

「ジェネシスさん、違いますよ。」

 

「違うのか?お前が年頃の可愛い娘を連れていると、9割ぐらいの確率で、愛人だと思っていたのでな。」

 

「俺ってそんなに気が多いように思いますか?」

 

「違うのか?

仮に違うとしたら、お前に迫ってくる娘をお前はどう対処しているのか説明してもらいたいものだな。」

 

「……。」

 

 

知の御遣いは右手の人指し指で右ほほを掻きながら、あさっての方向を見る。

 

あたしが可愛い!?

 

「○%&&$#*@†」

 

私は頭が沸騰して気絶した。

 

― 回 想 終 了 ―

 

 

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その後、気絶したあたしは3日ほど起きなかったらしい。

そして、昨日、華雄が目を覚ましたから会いたかったら、来ていいよと知の御遣いに言われたので、今劉備陣営に向かっているのだ。

頼むぞ。今度こそ武の御使いとちゃんと会話して、アイツの強さを見てやる。

そして、董卓の真実を見極めてやる。

 

 

 

 

 

 

「はあ!?

武の御使いが酒を飲みに帰った!?」

 

「ああ、今日起きたら、こんな置手紙が…。」

 

知の御遣いから竹簡を渡された。そこには林檎酒取りに帰ると書かれていた。

あたしは頭痛がした。

くそ、今度こそ武の御遣いと手合わせ出来ると思ったのに、

これから洛陽に攻めようとしているのになんてやつだ。

 

今は華雄と話してみるか。

あたしは知の御遣いに聞いてみる。

 

「華雄に会いたいんだけど、大丈夫か?」

 

「大丈夫だよ。でも、まだ重症だから、面会時間は短めに頼むよ。」

 

「分かった。ありがとう。」

 

あたしと蒲公英は華雄の居る天幕へと通された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天幕の寝台では華雄が本を読んでいた。

知らない文字の題名の本だった。

 

『LOVELESS −らぶれす−』

 

と書かれている。

あたし達が入ってきたのに気付いたのか。本を逆さまにして横の机の上に置く。

 

「お前は誰だ?」

 

華雄があたし達に聞いてくる。

 

「あたしは馬超。字は孟起。西涼太守の馬騰の娘だ。

こっちは従妹の馬岱。

あんたが董卓軍の猛将華雄か?」

 

「華雄とは私の事だが、私は猛将か…。少し照れるな……

お前馬超と言うことは西涼において黄巾党討伐に活躍した白銀の流星の錦馬超ってのはお前の事か?」

 

「そんな名で呼ばれているのかあたしは…。

背中が痒くなってきたな。黄巾党も賊みたいなものだから、西涼の民達を護るために戦っていただけなんだけどな。」

 

「ねえ、蒲公英は何て呼ばれているの?」

 

「お前の通り名は知らないな。」

 

「ええ!本当に!」

 

「ああ」

 

「要するにまだまだってことだ。蒲公英。

これが終わったら、西涼で鍛錬な。」

 

「うへぇ…。」

 

蒲公英は項垂れている。

 

「なあ、馬超よ。

董卓様をお前ら西涼の軍は討ち取るのか?」

 

「それについて話をしに来たんだ。

父様、董卓に会った事のある馬騰は董卓が暴君であるという話を信じきれないらしい。」

 

「あの、馬騰殿がな。」

 

「父上を知っているのか?」

 

「ああ、董卓様の護衛で一度会ったことがある。かなりの豪傑だ。

もしかして、董卓様が暴君であると信じないのは…」

 

「ああ……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺の筋肉が言っているだってさ。」

 

「やはりか。」

 

華雄は失笑する。

 

「間諜の話によると洛陽で暴政が行われているのは事実。

董卓の真実を見極めて、暴君なら討ち取れと、そして良き君主なら保護しろと言われているんだが、どうしようか悩んでいたところなんだ。

そんな時にアンタが劉備軍の捕虜になったという話を聞いてな。此処に来たんだ。

董卓はどんな人物なんだ?」

 

「お前らも劉備陣営と同じ考えで来たのか。」

 

「ええ!劉備も同じ考えなのか?」

 

「ああ、長安では善政をしていたのに、洛陽で暴政を行っている君主がどんな人物なのか分からないと言っていた。

洛陽の現状は一応教えた。」

 

「まあ、良いや。ありがとう。華雄。

劉備と話しあってみるよ。その時に洛陽の話も聞くよ。長時間の会話は重症患者には疲れるだろう。」

 

「すまない。」

 

あたしと蒲公英は華雄の天幕から出て、劉備の天幕へと向かった。

 

劉備と話し合い、洛陽の事も聞いた。

洛陽の暴君が董卓ではなく、張譲だったとは…。

 

今、知の御遣いと軍師が今後の事について話し合っているらしい。あたしもそっちの方に行くことになった。

 

 

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視点:一刀

 

 

考えろ! 北郷一刀!

 

今、虎牢関攻めの囮について朱里と話し合っている。

方針としては、囮はする。そして、虎牢関の門より敵軍が出て来たら、退却。

退却して、敵軍を後ろに流し、他の軍に押し付けるのが、良いだろう。

 

だが、退却方法について悩んでいる。

なぜなら、普通に退却すれば、追いつかれる恐れがある。

なぜなら、敵の将は

 

 

神速の張遼

 

飛将軍、呂布

 

 

おそらく、兵の錬度も高いだろう。

追いつかれたら、部隊のほとんどは持たないだろう。

 

 

他の退却方法は?

左右に分かれ、絶壁を背にして迎撃態勢をとり、戦うか?

たたでさえ、7千弱と俺達の軍は少ない。万が一、張遼軍と呂布軍の全軍が後ろに流れずに、俺らを撃破しに来たらどうする?

左右の絶壁を背にして背水の陣を引き、挟み撃ちでも、持たないだろう。

後ろの軍に押し付ける役割が必要だ。

 

だが、そんな役割のできる将が我が軍にはいない。

 

「朱里、どうする?」

 

「ご主人様?囮は引きずり出すまででは駄目なのですか?」

 

「それでも良いけど、袁紹が総大将である以上な……」

 

「そうですね……。

総大将が袁紹さんですからね。」

 

袁紹が総大将である以上、無理難題を押し付けられてもおかしくない。

計画の最後まで考えないと、袁紹が訳のわからない策を考えるかもしれない。

袁紹が訳のわからない事を言いださない様な非の打ちどころのない策を考えないとな。

 

問題は、俺らが反董卓連合の中で最弱の分類であること。発言権は無いに等しいから、共に囮をやってもらうように頼むことはできない。

袁紹の口に言わせて誰かに囮を手伝って貰うように言えば良いのだが、それだと雪蓮のところが囮になる恐れがある。

囮は雪蓮に握られている弱みをなくすために行うのだ。雪蓮が囮になっては意味が無い。

だから、囮は自分達で成功させないければならない。

 

どうする?

 

 

 

天幕が開いた。

入ってきたのは桃香と馬超さんだった。

 

「ご主人様。馬超さんが私達と同じ目的で連合に参加しているかもしれないよ。」

 

「本当か?馬超さん?」

 

「ああ、父様の馬騰が董卓は暴君だと信じきれないって言うから、董卓を助ける方法を探っていたんだが、間諜は洛陽から帰ってこないし、困っていたんだ。

そんな時に華雄からアンタ達があたし達と同じ目的でここに来ているって聞いて、劉備さんや知の御遣いなら信用できると思ったから劉備さんに相談してみたんだ。」

 

「そうだったんだ。」

 

連合の中で董卓を助けようとする勢力である可能性が一番高いと思っていた馬超さんのところがそうだったか。

 

「なあ、馬超さん。

今、武の御使いが居ないのは、洛陽に送りこんで華雄さんの話が本当かどうか確かめているんだ。

さっきは嘘をついてごめん。

でも、馬超さんが董卓を救おうとしている事を知らなかったから、嘘をついたんだ。

それで、武の御遣いを洛陽に送った以上、董卓は大丈夫だと思うよ。」

 

俺はさっきまで付いていた嘘をばらす。

こうすることで、相手は自分を信用してくれているんだなと安心させることが出来る。

 

「それで、相談なんだけど。

孫策さんの所に武の御使いが洛陽に行ったことがばれてしまって弱みを握られているんだ。

それで、虎牢関で囮をするように言われているんだけど、手伝ってくれないかな?」

 

相手の本音は董卓の保護だと分かった以上こちらの希望を隠す必要は居ないと見た俺は希望を言ってみる。

 

「なんで、水関じゃなくて、虎牢関の話をしているんだ?」

 

「今、水関を攻めているのが曹操だからだよ。

曹操軍は強いから俺達の軍が水関を攻めることは無いだろう。それに、攻め落とせなかったとしても、兵糧が減れば、董卓軍は退却するだろう。

華雄の話だと後もって10日って言ってたし、

だから、孫策さんは虎牢関を攻める時に囮になれって行って来たんだろう。」

 

「なるほど。

囮の手伝いの件だが、策によるな。あたし達の軍に大きな損害が出るなら、手伝わない。」

 

よし、馬超さんは俺の話を聞いてくれるようだ。

 

 

その後、馬超さんと話し合った結果、馬超さんは囮の手伝いをしてくれることになった。

 

華雄から聞いた兵糧が無くなる時に俺達の軍と馬超軍が虎牢関を総攻撃する。

董卓軍は一当てしてから退却するだろうから、打って出てくるだろう。そして、俺達は左右に分かれ、馬超軍はその機動力を生かして、董卓軍を引き連れて、後ろに退却する。

そして、その董卓軍をどこかに馬超さんが押し付ける。

 

この方法だと、俺と馬超軍の損害はほぼゼロ。

そして、時間稼ぎになるだろう。

 

その間にジェネシスさん達が目的を達成できればいい。

 

 

 

フッフッフッフッ……

 

ハーーーッハッハッハッハッハッハッハッハッハ

 

 

 

 

 

ここまで完璧な策を考えたのだ。笑いが止まらない。

俺達はほぼ無傷で虎牢関を落とすことが出来るかもしれないからだ。

 

おっと、心の中でこんなバカ笑いをしていたら、そのうち口から洩れてしまい、皆に変人扱いされる。

 

落ち着け俺!

頭のレベルは段違いだが、袁紹と同じ扱いは勘弁してもらいたいものだ。

深呼吸。深呼吸。

 

 

 

 

 

 

 

そして、5日後の早朝。

 

前日まで水関に掲げられていた『張』の牙門旗が無くなっていた。

それを見た曹操軍は水関の門を壊し、水関に一番乗りで入った。

 

 

-7ページ-

 

 

どうも、黒山羊です。

どうだったでしょうか?

 

自分の考えている論理を文章化するって難しいですね。

今回書いてて一番苦労したと思います。

他にも苦労したことは…

 

 

 

馬騰。

 

 

一応、姿はアニメの馬騰と同じのつもりですが、

 

性格の設定に困りました。

悩んだ挙句、リト○スの井ノ原○人をベースにしました。

翠の性格を考えると親は同じような脳筋系になり、

曹操が欲しがるぐらいの豪傑となると……。

 

 

 

 

井○原真人しかいないじゃないですか。

 

まあ、今回の話は書いてて難しかったので、文章がグチャグチャになっています。

修正した方がいいと思った所があれば、言ってください。

 

 

説明
どうも、黒山羊です。
この話はめちゃめちゃ苦労しました。

うpに遅れてすみません。

第1話
http://www.tinami.com/view/201495
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コメント
「readman」さん、一瞬ルルーシュ入ってましたww(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊)
一刀良い性格だなぁ。(readman )
「ジョージ」さん、俺も馬騰と飲んでみたいですな。熱燗がいいなw 一刀は一級フラグ建築士なので、すぐフラグ立てますもんね。 蒲公英の通り名は恋姫では出てこなかったかと…。 (聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊)
「タタリ」さん、踊りましょう!それでは御唱和ください。筋肉筋肉!筋肉筋肉!(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊)
馬騰とは美味い酒が飲めそうだ(真剣) 一刀、それはフラグだ。蒲公英に通り名ってあったっけ……?(峠崎丈二)
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