真・恋姫†無双〜赤龍伝〜第47話「宴」
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真・恋姫†無双〜赤龍伝〜第47話「宴」

 

 

 

玉座の間の方からにぎやかな声が聞こえる。

 

雪蓮「やっぱり始めてるわ!」

 

赤斗「本当だ」

 

もう玉座の間で宴会が開かれている事が分かった赤斗と雪蓮は、駆け足で玉座の間へと向かう。

 

雪蓮「待っていてくれてもいいのに……本当に、あの不良母様は!」

 

赤斗「はは……」

 

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―――玉座の間―――

 

雪蓮「こらー! 私のお酒は残しているんでしょうねぇ!」

 

大きな声と共に玉座の間に入った。

 

火蓮「おっ! 何だ雪蓮、赤斗。もう来たのか。意外と早かったな。まあいい、二人ともこっちに来て座れ」

 

火蓮は、すでに結構な量の酒を飲んでいる様子だった。

 

赤斗「あっ、はい」

 

雪蓮「まったく……」

 

赤斗と雪蓮は火蓮の両隣りに座る。

 

火蓮「これで皆揃ったな」

 

そう言って火蓮は杯を置き、その場に立ち上がり玉座の間にいる全員を見渡した。

 

皆も手を止め、黙って火蓮に注目する。

 

火蓮「豪族たちによる内乱も平定した。そして、赤斗も無事に帰ってきた。ここからが、孫呉の天下統一への再出発だ。皆、力を貸してくれっ!!」

 

一同「御意っ!!」

 

火蓮「堅苦しい話はこれでお終いだ。さあ皆、飲むぞ!!」

 

火蓮が話し終えると宴会が再開された。

 

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小蓮「せーきと! 一緒に飲もう♪」

 

赤斗「シャオ」

 

火蓮の話が終わって、いち早く赤斗のもとに小蓮がやってきた。

 

小蓮「遅かったじゃない。今まで雪蓮お姉ちゃんと何してたの?」

 

赤斗「ウトウトしてたら、いつの間にか寝ちゃってた♪」

 

赤斗は余計な事は話さずに、寝てしまっていたという事実だけを話した。

 

小蓮「ふーーん。本当?」

 

赤斗「本当さ。それより、シャオも一緒に飲むの?」

 

小蓮「シャオ、大人だもん! 赤斗と一緒に飲むに決まってるでしょ!!」

 

赤斗「ゴメンゴメン。許して、シャオ」

 

小蓮「いいよ♪ シャオ、大人だもん。許してあげる♪」

 

赤斗「そうか、ありがとう」

 

嶺上「ひーめ。私と飲もーぜ♪」

 

いきなり嶺上が、後ろから小蓮に抱きついてきた。

 

赤斗・小蓮「り、嶺上?」

 

嶺上「一人で飲むのは寂しい。あっちで一緒に飲もうぜ姫」

 

小蓮「ちょっと、嶺上離して! 私は赤斗と飲むんだからーー!」

 

小蓮は抗議するも、嶺上に連れ去られてしまった。

 

嶺上「まあ姫。ここは少し我慢してやれ」

 

嶺上が小さな声で小蓮に耳打ちした。

 

小蓮「え?」

 

嶺上「姫が横にいると、他の奴らが遠慮して赤斗に話しかける事ができないからな」

 

小蓮「どういう事?」

 

嶺上「私や姫、それに火蓮さん、蓮華様、藍里、思春はいいが、他の奴らの中には赤斗と挨拶もしていない奴らもいる。ここはそういった奴らに譲ってやった方がいいだろ」

 

小蓮「……しょうがないわね。嶺上、飲むわよ!」

 

不満そうな顔で小蓮は言った。

 

嶺上「応っ」

 

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穏「赤斗さ〜ん♪ おひさしぶりですね〜。元気でしたか〜心配してたんですよ〜♪」

 

赤斗のもとに穏がやってきた。のほほんとした雰囲気は相変わらずだった。

 

今はすでに酒を飲んでいたようで、少し頬が赤くなっている。

 

赤斗「やあ穏。心配かけたね♪ そっちも元気だった?」

 

穏「はい〜。私も元気でしたよ〜♪ また一緒にお勉強ができますねぇ」

 

赤斗「ああ、そうだね」

 

穏「赤斗さんは魏に居たんですよねぇ?」

 

赤斗「そうだよ」

 

穏「なら、あの『孟徳新書』を書いた曹孟徳と話をしたんですよねぇ?」

 

赤斗「孟徳……新書…?」

 

穏「あの曹孟徳が、『孫子』に自ら注釈を加えたという本ですよ〜」

 

赤斗「へー、曹操が……そんなにすごい本なの?」

 

穏「……中身を見た事はないんですよ〜」

 

赤斗「ああ、なるほど…………。冥琳に止められているのか」

 

赤斗は穏の癖について思い出した。

 

穏「しかし、素晴らしいものは断固として素晴らしいのですぅ〜っ!」

 

赤斗「……読んだ事もないのに、よく分かるね」

 

穏「曹孟徳は歴史に名を残す傑物です。あの方が、駄作を残す為に筆をとるものですか。はあぁ……一体、どのような解釈を? 心が躍ります、締め付けられます」

 

赤斗「そうですか……。でも、ゴメン。曹操とはそういった事を話さなかったな」

 

実をいうと、赤斗は魏の街で『孟徳新書』を何度か見かけた事があった。

 

この本を通じて、曹操自らの考えを広めるのが狙いらしい。

 

そして、赤斗は『孟徳新書』を持って帰ってきていた。

 

赤斗(あれは穏には見せない方がいいかもな……。あとで冥琳や藍里に相談しよう)

 

穏「え〜〜。穏、つまんなーーい」

 

思いっきりがっかりした様子で、穏は先ほどまで座っていた場所に戻っていった。

 

赤斗(……穏、許せ)

 

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明命「あ、あの赤斗様っ!」

 

穏が戻り、次に赤斗のもとにやってきたのは、明命と亞莎だった。

 

赤斗「明命、亞莎っ!! 心配をかけてゴメンね」

 

明命「い、いえ。赤斗様がご無事で何よりですっ!」

 

亞莎「…………」

 

明命は元気良く応えてくれたが、亞莎は黙ったままだった。

 

明命「どうしたんですか、亞莎?」

 

赤斗「亞莎?」

 

亞莎「は、はひっ! すすすみませんっ」

 

赤斗が亞莎の顔を覗き込むと、亞莎は取り乱した。

 

赤斗「ご、ごめん。びっくりさせた? そんなに驚くとは思わなくて」

 

亞莎「そうじゃないんですっ! 赤斗様の顔を見たら安心してしまって…その……何も考えられなくなって……」

 

赤斗「そうなんだ。でも良かったよ。二人とも元気そうで♪」

 

明命・亞莎「//////////」

 

赤斗の笑顔を見て、二人は顔を赤くした。

 

祭「何じゃ? 二人とも顔を真っ赤にして、もう酔ってしまったのか?」

 

明命・亞莎「祭さまっ! 何でもないです。失礼します!」

 

そう言って足早に二人は戻っていってしまった。

 

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赤斗「祭さん!」

 

祭「帰ってきたか赤斗。元気そうで何よりじゃ」

 

赤斗「はい。ご心配をおかけしました。祭さんもお元気そうで何よりです」

 

祭「何、私は心配などしておらんかったぞ。お主なら必ず戻ってくると信じておったからの」

 

赤斗「ありがとうございます。そう言って貰えると嬉しいです♪」

 

祭「何じゃ、まだ全然飲んではいないではないか。ほれ飲め♪」

 

祭は赤斗がまだ酒に手をつけていない事に気がつき、自分の酒を勧めてきた。

 

赤斗「あ、はい」

 

赤斗は渡された杯に入っている酒を飲む。

 

赤斗には強い酒だったが全て飲んだ。

 

祭「ほう。この酒が飲めるようになったか。ほれ、もう一杯」

 

赤斗「うっ……出来れば、もっと弱いお酒をお願いします」

 

祭「ふっ、まだまだじゃのぉ」

 

火蓮「おい祭。そんなに赤斗を虐めるなよ。赤斗、この酒なら飲めたはずだよな?」

 

火蓮がそう言って、違う酒を赤斗の杯に注いだ。

 

赤斗「あっ、どうも。ありがとうございます」

 

赤斗は新しく杯に注がれた酒を飲んだ。

 

赤斗「そういえば火蓮さん。恋のことは皆に説明してくれました?」

 

火蓮「ああ。説明しておいたぞ。皆、かなり驚いていたがな」

 

雪蓮「母様、赤斗。誰のこと?」

 

聞きなれない名前を聞いて雪蓮が尋ねてきた。

 

火蓮「雪蓮には紹介がまだだったな。おーい、恋! 悪いがこっちに来てくれ!」

 

そう言って火蓮は隅の席で黙々と食事をしていた恋を呼んだ。

 

恋「……火蓮。なに?」

 

雪蓮「えっ、呂布!?」

 

雪蓮は玉座の間に入ってきた時に、恋が座っている事に気づかなかったようで、すごく驚いているようだった。

 

火蓮「恋よ。こいつは私の娘の孫策だ。雪蓮、知っているとは思うが呂布だ。仲良くしてやってくれ」

 

雪蓮「何で……呂布がここにいるの?」

 

火蓮「赤斗についてきたそうだ」

 

雪蓮「…………はい?」

 

赤斗「僕が一緒に来ないかって誘ったんだ」

 

雪蓮「ぷっ……あはははっ、何よそれ?」

 

雪蓮はお腹を抱えて笑い始めてしまった。

 

雪蓮「あの飛将軍呂布を赤斗が、あはははっ……。お、お腹くるし、い……赤斗やるじゃない。あはははっ……」

 

赤斗「それはどうも……って言うか笑いすぎだぞ!」

 

雪蓮は笑いが止まらないようだった、気がつけば恋は再び料理を黙々と食べ始め、火蓮と祭は酒盛りを再開していたのであった。

 

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藍里「冥琳様は雪蓮様や赤斗様のところに行かないのですか?」

 

少し離れて赤斗の様子を見ていた藍里は、顔を赤くしていた。

 

元々、酒に強くなかった藍里だったが、今日はかなりの量の酒を飲んでいた。

 

冥琳「私は後でいいさ」

 

小さく笑いながら冥琳は酒を飲む。

 

藍里「そうなんですか。てっきり私は、冥琳様も雪蓮様と一緒にあちらに混ざりたいのかと思っていました♪」

 

冥琳をからかうように藍里は言った。

 

冥琳「そう言うお前は行かないのか?」

 

藍里「私や嶺上は、皆さんより早く赤斗様と再会できたので、今は遠慮しておきますよ♪」

 

冥琳「フッ、殊勝な心がけだな」

 

藍里「そんな事はありませんよ。本当なら、今すぐにでも行きたいんですから……」

 

藍里の身体が少しずつ震え始めた。

 

藍里「……なのに、蓮華様や思春ちゃんが中々赤斗様のところに行こうとされない! これは一体どういう事ですか。冥琳様っ!?」

 

冥琳「……藍里。……お前、飲みすぎだぞ」

 

酔っぱらった藍里は、いつもなら考えられないような剣幕で冥琳に詰め寄る。

 

詰め寄られた冥琳は、何とか藍里を落ち着かせようとする。

 

藍里「私は全然酔っ払っていませんよ!! 冥琳様は私が酔っているって言うんですか?」

 

冥琳「いや……そうじゃなくてだな」

 

冥琳(藍里、からみ癖があったのか……)

 

その後、冥琳は藍里が酔い潰れて眠ってしまうまでの暫くの間、藍里にからみ続けられるのであった。

 

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蓮華「…………」

 

思春「蓮華様」

 

蓮華「えっ! 何、思春?」

 

思春「蓮華様は行かれないのですか?」

 

蓮華「私は…………」

 

思春「雪蓮様や他の者に遠慮しているなら、もう大丈夫だと思いますが」

 

蓮華「私は、別に遠慮なんて……してないわ」

 

思春「はぁー」

 

素直にならない蓮華に対して、思春はため息をつく。

 

結局、蓮華と赤斗は一切話をする事はなく、宴会は終わってしまった。

 

 

 

つづく

 

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〜あとがき〜

 

呂です。読んでくださって、ありがとうございます。

 

次回は拠点フェイズに入ります。

 

説明
この作品は、基本的に呉√にそっては行きますが、他√に
脱線することもあります。また、主人公も含めてオリジナルキャラクターが出てきます。
未熟なため文章におかしな部分が多々あるとは思いますが、長い目で見てくださると助かります。

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コメント
↓火蓮ではなく、雪蓮の間違いでした。(ryo)
2p[火蓮]自分で自分を呼ぶ? 素直じゃないね〜wwwwwww(スターダスト)
あいもかわらず蓮華は意地っ張りだな(VVV計画の被験者)
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