蒼天 |
ただ、空が好きだった
それだけだ・・・・
俺は一人だ
親なんてものは知らないし、見たこともない
物心ついた時には既にこの場所で戦うことだけを教えられた
何も興味がなかった・・・唯一つ、空を除いては・・・・
この世界は武力と政治という名の平和が辛うじて均衡を保ってる
だが、どこの国でも他国より有利でありたいと他者より優勢でありたいとわかりやすく機能している
俺が居た場所も似たようなことを平然とやっていた・・・・
あの科学者があんなものを出してくるまでは・・・
『インフィニット・ストラトス』通称IS
自称天才科学者、篠乃野なんていったかな・・・覚えてない
とりあえずその科学者がそんな物・・・ISとやらを開発発表したものだから
今までの兵器はお払い箱だ・・・・モチロン俺も・・・だそうだ
まぁ、ISには特性やら愛称やらがあるらしく・・・
女にしか基本動かせないのだ
つまりいくら多く持っていようと、女がいなければ話にならないってことらしい
例外はどこにでもあるがな・・・
空以外で少しばかり興味があったIS
まぁ興味本位で触ってみたんだが・・・運が悪く起動できてしまった
このことは瞬く間に司令部に報告され
お払い箱から一転、IS操縦者となった
そして半ば強引な命令で・・・いつでもそうだが
日本にある、IS学園に強制的に入れられた
理不尽だ・・・
周りは女だらけ・・・・そんな中に同じ境遇のやつがいた
名は織斑一夏
あいつも俺と同じ、IS操縦者らしいのだが・・・俺とは違う
実の姉がこの学園の教官で、元世界大会チャンピオンらしい
まぁ、俺には関係のないことだがな・・・
「いつまでも飛んでいたいな・・・この大空を」
「鋼、こんなところにいたのか・・・・授業はじまるぞ」
「一夏か・・・・毎度毎度、ご苦労なことだな」
「そうか?・・・まぁ、お前と俺じゃぁ基礎が違うからな」
「俺はいいよ・・・授業受けてこいよ・・・」
「一緒にいかないか?その・・・暇だと思うが」
「パス、俺は空を眺めてるよ・・・」
「そうか・・・なぁ、「遅刻するぞ」うわぁ、やべぇ!そっそれじゃぁ・・・昼飯一緒に食おうぜ」
「覚えてたらな「迎えにくるよ」わーったよ」
そそくさと教室に戻る一夏を見送り、また空を見る
「おせっかいなのか優しさなのか・・・わからん」
一人小言を言いながら・・・・よく晴れた空を眺めて・・・・
「zzz」
「おーい、鋼」
「zzz」
「返事がないと思ったら・・・気持ちよさそうに寝てるな・・・・」
「・・・・うぅ・・・ぐぅ・・・」
「ん?鋼?」
「・・・やめろ・・・・俺に構うな・・・・やめろ・・・・」
「おい!鋼!大丈夫か!?」
「・・・・やめ・・・はっ・・・一夏?」
「またいつもの夢か?」
「ああ、いつもの悪夢だ・・・」
「そうか・・・飯行かないか?」
「ん?もうそんな時間か・・・よし、いいだろう」
「よし、いくか」
おまけ?
織斑「こらっ!鋼!」
鋼「やべぇ、千冬だ」
織斑「ここでは織斑先生と言えと何度言ったら・・・・」
鋼「あ、一夏だ」
織斑「何!?どこだ!」
鋼「・・・今の内に・・・」
織斑「一体どこに・・・しまった!ええい、また逃げられた」
一夏「あれ?・・・千冬姉、どうしたの?」
織斑「いっ一夏!?なんでもないぞ・・・なんでも・・・あは、あはははははは」
一夏「変な千冬姉ぇだな・・・処で鋼しらないか?」
織斑「鋼か・・・私も用があるのだがな・・・今しがた逃げられたところだ」
一夏「千冬姉に怒られると思ってるんだろ・・・ISの特訓に付き合ってもらおうと思ったんだがな」
織斑「いっ一夏、よかったら私が「いいよ、鋼に頼むから・・・じゃね、千冬姉」一夏・・・行ってしまったな」
鋼「残念・・・」
織斑「なっ・・・キサマ、今すぐ降りて来い!」
鋼「嫌だ・・・それに何で俺を追いかける?」
織斑「お前が授業に真面目に出ないからだ!」
鋼「真面目に出れば、追いかけてこないのか?」
織斑「まぁ、そうだな」
鋼「なら、明日から出るよ・・・・「鋼」一夏」
一夏「鋼、頼みたいことがあるんだが」
鋼「ISの特訓か?」
一夏「ああ・・・ってどうしてそれを?」
鋼「なんとなくだ・・・では行くとするか」
一夏「ああ、よろしく頼む」