そらのおとしものf 番外編 『カオスのとある日常(いちにち) お守り編』 |
ある日の事である。
「それじゃあ、行ってくるな」
「いってらっしゃ〜い」
いつものように学校に行く智樹、イカロス、ニンフ。
そしてその3人と一緒に行くそはら。
4人を見送るカオス。
そして家の中に入る。
それから数十分後。
「今日はどうしようかな……」
カオスは学校に行ってないので、智樹達が学校に行っている間は家で留守番をしているのだ。
とは言っても家でする事があまりなくなってしまい、少々退屈な日々を過ごしている。
「外に行こうかな〜」
しかしカオスは家の鍵をまだ持っていない。そのため戸締りが出来ない。
「どうしよう〜」
カオスが居間で寝転がっていると……。
「すみませーーーーん!」
玄関の方から女性の声がしてきた。
「はーーーーーい!」
カオスは声を聞いて、玄関に出て行き玄関のドアを開けた。
「はーい、なんですか?」
玄関には一人の女性。その後ろには少し立派な車が止まっており、女性の腕には赤ちゃんが一人抱えられていた。
「あ、良かった。本当に子供がいた」
「はい?」
「今日1日だけでいいからこの子を預かって欲しいの」
「なんで?」
「実はね、いつも預けている託児所の人が今日は体調崩しちゃって……。
それで託児所の人が家の近くにいつも1人子供がお留守番してるって聞いて、頼んじゃおって思って……。
大丈夫かしら?」
カオスは少し考えるが……。
「うん、いいよ」
「良かった〜。それじゃあ、この子お願いね」
女性はカオスに子供を預ける。
「あ、それとこの子のお守り、結構大変だからこのメモ参考にして。遊び道具を預けておくわ。
それとこの哺乳瓶を使ってミルクを作ってあげて」
「うん」
「それじゃあ、午後の4時くらいに引き取りに来ます。
それじゃあお願いね。それとこれ名刺ね。何かあったらこれで連絡してね」
女性は名刺を渡して車に乗り込んだ。
女性が乗った車は家から立ち去った。
「……」
「だあ、だあ」
赤ちゃんがカオスの顔を触る。
「宜しくね」
カオスは笑顔を赤ちゃんに向ける。
『カオスのとある日常(いちにち) お守り編』
カオスは居間で赤ちゃんのお守りをする。
「この子の名前は……」
カオスはもらったメモを見て赤ちゃんの名前を確認する。
「千紫郎(せんしろう)……千紫郎君」
「たあ?」
カオスが名前を呼んで千紫郎という名の赤ちゃんは反応した。
「えへへへ〜」
「うんうん」
カオスも何となく嬉しくなる。
カオスが千紫郎と遊んでどのくらいか遊んでいると……。
「うっ、うっ…ええ〜ん」
千紫郎は突然泣き出す。
「どうしたんだろう?」
カオスがもらったメモを見てみる。
「おむつかな?」
カオスがまず千紫郎のおむつを確認する。
おむつからは特にこれと言ったことはなかった。
つまりはお腹がすいているのだ。
「ええ〜と、ミルク作らなきゃ…」
カオスは急いでミルクを作る。
作ったミルクを千紫郎に飲ませ、千紫郎は落ち着きを取り戻したかに見えたが……。
「ええ〜ん、ええ〜ん」
千紫郎は再び泣き出す。
「どうしたんだろ? おむつかな?」
カオスが再びおむつを確認する。
「あ、黄色い。変えなきゃ…。ちょっと我慢してね」
カオスが新しいおむつを取り出し、悪戦苦闘しながらもおむつを取り替えた。
「これでいいね」
しかし千紫郎はまだ泣き続けていた。
「うう〜ん……」
カオスは千紫郎がまだ泣き続けるわけが分かっていなかった。
そんな時であった。
「おじゃまするぞ」
そこに智樹達の学校の臨時教員として働いているはずの秋山がやって来た。
「あ、秋山お兄ちゃん」
「お? 赤ん坊の面倒か」
「ねえ、秋山お兄ちゃん、なんでこの子泣いてるの?」
カオスが秋山に尋ねる。
「どれどれ?」
秋山が千紫郎の頭に手を添える。
これは秋山が人の頭を覗き、何を考えているのかを見る行動の一つである。
「なんかおっぱい欲しいんだと」
「おっぱい?」
「簡単に言うと胸だ。どうやらその子、よくお母さんの胸を触って遊んでるらしい」
「ふぅ〜ん。でも私そんなにないよ」
カオスが今の自分の胸を触る。
「今のお前ならな。だけど大人になればイカロス達くらいにはなるだろ。
つうか、その子の好みの大きさはちょうどお前が大人になった時の大きさみたいだからな」
「でも私、あの力今使えないよ」
カオスはダイダロスの処置により自己進化機能が封印されているのだ。
「大丈夫だ。俺の力使えば封印とは別にお前の力を使うことが出来る」
「ほんとに?」
「ただし、俺の力だから制限は色々あるけどな」
「分かった」
秋山は自身の闇の力をカオスに分け与えるかのように、黒いオーラのようなものをカオスに与えた。
「まあオーラは黒いけど、与えた力はお前の体に定着するようになってるから別に闇の力にはならないさ。
やってみな。どういう要領でやってるかは知らないけどな」
「分かった」
カオスは秋山に言われて自身の力を発動させた。
すると見る見るうちにカオスは大人の姿になった。
「本当になれた……」
「それでその子を抱いてやれ」
「うん」
大きくなったカオスは千紫郎を抱く。
すると千紫郎はすぐに大きくなったカオスの胸を触り始める。
「あ…」
カオスは顔を赤らめるが、そんなに悪くなさそうな反応であった。
千紫郎はカオスの胸を触っているうちに眠っていった。
「眠ったね」
「ああ」
カオスは千紫郎を布団に寝かせる。
「子育てどうだ? 俺は経験ないけどな」
「う〜ん、楽しかったかな」
「まあ俺も子供は普通に好きだけどな。でも俺はお前なら子供の姿より今の大人の姿の方が好きだな」
「え?」
「まあこれはあくまで俺の意見だ。智樹がどう思ってるかは分からないけどな」
二人が智樹の事を考える。
「どうなんだろうね。よくアストレアお姉様の胸触ってるけど、ニンフお姉様にも同じことしてるよね」
「だから俺からなんて言えばいいのか分からん」
秋山は呆れながら答える。
「お兄ちゃん、いろんな人にセクハラしてるもんね」
「ああ」
カオスもその様子には少しあきれ返ることもあった。
「でもお兄ちゃんのそんなところも好きかな」
「う〜ん……」
カオスのその言葉で少し戸惑う秋山。
「まあそれはそうと今日はその姿でいたらどうだ?
その千紫郎か…。その子がまた求める可能性あるし……」
「分かった。でも寝ちゃったから何して遊ぼう」
「適当に俺と遊べばいいだろ」
「じゃあ何して遊ぶ?」
「うかつに起すわけにはいかんだろ。
だから……俺達も寝よう」
「ええ〜私眠れないよ」
「ああ、そうだったな…。う〜ん……」
秋山は真剣に考える。
そうこう考えて数時間、いつの間にか千紫郎は起きていた。
「あ、起きた」
「うん? もうこんな時間か」
秋山は時計を見て既に午後の2時になっていることに気付く。
「うう……」
千紫郎が泣き出そうとする。
「あ、ミルク作らないと」
「安心しろ」
秋山が力を使ってすぐにミルクを作り上げた。
「ほらよ」
哺乳瓶をカオスに渡し、カオスは千紫郎を抱いて、ミルクを与える。
千紫郎は哺乳瓶を咥えてミルクを飲みながら、カオスの胸を触っていた。
「ああ……」
「器用な奴め」
「なんかお兄ちゃんみたい……」
「……否定できそうにないな」
秋山は苦笑いする。
「だあ、だあ」
千紫郎はカオスの胸から手を放し、秋山の方に手を伸ばす。
「うん?」
秋山が指を伸ばす。
すると千紫郎は秋山の指を握る。
「だあだあ」
千紫郎が握った秋山の指を上下に振る。
「だあだあ」
「はいはい」
秋山が挨拶のようにお返しをする。
そして指を抜こうとしたが、中々離してくれない。
「離してね〜」
秋山が無理矢理指を抜く。
「うう……」
千紫郎が泣きそうになるが……。
「泣かないで〜」
カオスが優しく泣くなと言う。
それでも千紫郎は泣き止まないので、カオスはどうしたものかと考える。
「あ、そうだ」
カオスは千紫郎の頭を自分の胸に埋めさせる。
「ほ〜ら、泣かないで〜」
カオスが優しくなだめる。
千紫郎はカオスの豊満な胸、そして鼓動を聞いて再び眠りにつく。
「寝ちゃったね」
「赤ん坊って心臓の鼓動音とかを聞くと寝る時もあるらしぞ」
「心臓の鼓動…」
「お前の場合は動力炉になるが、人間から言わせれば心臓だ。
こんな俺でも心臓は普通にある。っても心臓やられてもすぐに再生するけどな」
「でも何か、あったかいね……」
千紫郎を抱くカオスはそう答える。
「これが命なんだね」
「ああ」
「そんな命を私は……」
カオスの目から涙が流れてくる。
カオスは思い出しているのだ。
イカロスの力で深海で動けなくなった際に間違った愛を教えるとして深海にいた魚や海の上を飛んでいた鳥を大量に殺した。
今となってはカオスにとってそれはつらい思い出の一つであった。
「あんまり気にするな。誰にだって間違えることはある」
「でも…」
「それにな、人間だって色々命は奪ってるさ。食べるためにな…。
というよりな、生き物全部に言えるんだ。食物連鎖って知ってるか?」
「うん」
「それと同じだ。お前達だって何かを食べる。その何かとは絶対生きてたものだ。
野菜だって植物。植物も生きてるんだ。後、俺から見たらエンジェロイドだって生きてる存在。
人間や生き物と何にも変わらないのさ。
俺達は命をもらって生きてるんだ。そのもらった命のためにも一生懸命明るく生きる。
それが一番だと俺は思うぜ」
「秋山お兄ちゃん………ありがとう」
カオスが礼を言う。
「礼を言われる気はなかったが、言われると嬉しいもんだな」
秋山も少し照れた。
そして午後の4時になり、千紫郎の母親が引き取りに来た。
カオスは力を解除してまた元の子供の姿になっていた。
「どうもありがとうございます!」
母親が頭を下げてカオスや秋山に礼を言う。
「俺はたいしたことはしてないさ。やったのはこの子さ」
「あのところであなたは、この家の人ですか?」
「いえ、この家の人間の親友です」
「そうですか。それじゃあ、お譲ちゃん」
「?」
「何か欲しいのない? 出切る事なら何でもいいわよ」
「ううん、いいよ。ただ……また来てください」
「もしかしたらね……」
母親は車に乗り込み、家を立ち去った。
車が立ち去ると同時に智樹達が学校から帰ってきた。
「なんだあれ?」
「あ、お兄ちゃんにお姉様達」
「秋山、あんたまたサボってたの」
「いいだろ」
「ところで秋山さんにカオスさん、あの人は一体?」
「俺はよく分からん。カオス、何か身元が分かるもんない?」
「う〜んと、これもらった」
カオスが女性の名刺を取り出す。
「どれどれ」
そはらがその名刺を見る。女性の名前を見た瞬間に固まった。
「どうしたの? そはら」
ニンフがそはらが持っている名刺を覗き込むように名前を見る。
するとニンフまで固まった。
「お前達どうしたんだ?」
「どうしたんでしょう?」
智樹とイカロスが名刺を取り上げて見てみた。
「ってこの人は……」
「知ってるのか?」
「有名な女優さんだよ。昼ドラで何度もメイン張ってたけど、最近ハリウッド進出って話題にもなった人だよ」
「へぇ〜」
「秋山、全然気付かなかったの?」
「ああ。昼ドラ、興味ないから」
「何でサインもらわなかったのよ!」
「知るか!」
ニンフに責められる秋山。
そんな中、カオスの頭を優しくなでるイカロス。
「頑張った」
「うん♪」
カオスも笑顔で答えた。
おまけ
作者「カオス主役回の第3弾だ」
一刀「後半の一部がおかしくないか?」
作者「まあ俺もそう思う。だって寝ている間静かにする遊びって地味じゃないか。だからああした。しかし命うんぬんのくだりは前々から考えていたものだ。ちょうどいいかなと思って書いた」
一刀「ふぅ〜ん」
作者「しかし今回でネタが少し尽きた。
今度は前に書いたグレイセスのそらおとでも書こうかと思うが、本編は時間がかかりすぎるからサブイベントの一部にしようかと思う」
一刀「どんな奴だ?」
作者「水着ネタとか、白雪姫ならぬシェリ雪姫とか」
一刀「配役の関係上ニンフがはぶられるぞ」
作者「そこはなんとかするしかないな。
それと実はだがさっきまでこの後のおまけの事を書いていたのだが、どういう操作をしたのかネットを閉じてしまい、またこうやって投稿しなおしている」
一刀「? どういうことだ?」
作者「何故かネットを閉じてしまい、投稿しなおしているということだ。本来なら書こうとしたものがめんどくさいからここまでということだ。それでは」
説明 | ||
この作品はアニメ「そらのおとしものf」の最終回後を二次創作で考えたものです。 そのため映画に出てくるであろう要素は一切入りません。 原作キャラクターの性格や口調が一部変わっていたりするかもしれませんが、その事はご了承下さい。 またこの小説には作者の分身とも言えるオリジナルキャラクター(秋山総司郎)も出てきます。 今回の話の台詞の一部は他の作品でよくあるようなものを使ってます。 |
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コメント | ||
オムツ替えたりミルク飲ませたりってカオスのスペック高いなあ(枡久野恭(ますくのきょー)) 今回の作品今までに比べると夢小説にかなり近いなぁ。(アーマイル) |
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