上手な彼女 |
「へぇ〜ここがさやかの部屋かぁ」
「恥ずかしいから、あんまジロジロ見ないでよ」
「いいじゃんかよ。可愛らしくてあたしは好きだぞ」
「す、好きって何言って――っ!?」
「さやか……?」
「――っ、何でもない!」
杏子があたしの部屋に居る。
何でこんな事になってるんだろ? ほんと――
『よっ、さやか』
『杏子!? 何であたしの家に!?』
『何でって、あたしがさやかの家に来たらおかしいか?』
『別におかしくはないけど……』
『じゃ、いいだろ』
『ちょっ、杏子!?』
『勝手に上がらせてもらうからな♪』
『杏子!』
――と、まぁこんな感じで今に至るんだけど……
来るなら、ちゃんと連絡して欲しいよ。
あたしにだって色々と準備って物があるのに……
「どうしたんださやか。変な顔して」
「何でもないわよ。てか、変な顔って何よ」
人の顔を見て、変って表現は止めてよ。
これでも一応あたしだって女の子なんだから、そんな風に言われたら少なからず
ショックを受けるわよ。
だからせめて、思い悩んでる顔って言って欲しいわね。
「うおっ!? さやかお前、凄い下着持ってるんだな」
「ちょ――っ!? な、ななな、何してんのよ!?」
ひ、人の下着を漁るなんて…………
「悪い、悪い。ちょっと気になってな」
「気になったからっていっても、漁るのはダメでしょ……」
そこは乙女の秘密の場所なんだから。
「あーすまん。でもあれだよな、この下着って……俗に言う勝負下着って奴だよな?」
「ち、ちち、違うわよ!」
しょ、勝負下着なんかじゃないし、そもそも勝負する予定もないわよ!
だからお願いだから早くその下着仕舞ってよ。
さっきから、すっごく恥ずかしいのよ。
「へー」
「ちょ、ニヤニヤするなっ!」
「ほんと、さやかは可愛いな♪」
「ば――っ!?」
へ、変な事ばかり言わないでよ。
「さ〜やか♪」
「きゃっ!? きゅ、急に抱きつかないでよ……」
ビックリするじゃない。
「別にいいだろ。それに――」
「さやかも満更じゃないって顔してるぞ」
「にゃっ!? そ、そんなことは――」
「ははは、顔が真っ赤になってるぜ」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」
ばか。杏子のバカ。
分かってるくせに、いちいち口に出すなんて……
「さやかはどんな表情でも可愛いな♪」
「む〜〜〜〜〜〜っ」
さっきからずっと、杏子に遊ばれてるよ。
こんなのは、あたしのキャラじゃないはずなのに……
「好きだよ、さやか」
「うぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」
杏子の前ではいつもこうだ。
絶対に勝つ事が出来ない。
でもでも、いつか。そういつか絶対に――
杏子を恥ずかしがらせてやるんだから!
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さやかは乙女なのさ♪ | ||
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