真・剣帝夢想〜魏の章〜11話
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「外への布陣、か…」

 

 

レーヴェは外に布陣している呂布、張遼、華雄の軍を見て呟いた。レーヴェが考えるのも無理はない。普通こういう場合はセオリー通りに篭城すると踏んでいたのだが、相手はあえて外への布陣…野戦を選んだ。レーヴェとしては主の命を遂行するのにやりやすいのだが。

 

 

「どうした?そんなに難しい顔して」

 

「………」

 

 

横からこの状況を何とも思わない者が話しかけてきたが無視する。一応程度の差はあるとはいえ同じ命を受けたはずなのだが……。ここまでくると逆に大物なのかもしれない。

 

 

「隊長!春蘭様!布陣完了致しました!」

 

「布陣終わったの〜!」

 

「こっちも準備万端やで!」

 

 

レーヴェたちの後方から凪、真桜、沙和が報告に来る。こんな時でも三人一緒なのは褒めるべきなのだろうか?とレーヴェが考えていると。

 

 

「隊長、春蘭様。華琳様は作戦についてはお二方に任せるとおっしゃってましたが……」

 

「………」

 

 

レーヴェはまだ考えていたのだが、春蘭がレーヴェにお構いなし(気にしてない)にこう言った。

 

 

「正面突破に決まっておろう」

 

 

「……はい?」

 

 

その言葉にあまり動揺しない凪も動揺し思わず聞き返してしまった。後ろでは真桜と沙和が目を点にして固まっていた。静観していたレーヴェも「それはないな…」と頭を抱える。

 

 

「……えーと、春蘭さま。向こうの敵さん少しおかしい思いませんか?」

 

 

真桜は凪に変わってそれとなく気づいてもらえるように催促した。

 

 

「別に何もないだろう?いつも通りだ」

 

 

そのいつも通りなのがおかしいわけなのだが春蘭はそれに気づく様子はなかった。

 

 

「ありえないの……」

 

「………」

 

 

沙和は後ろの方で上司を見て呟いていた。この状況を見かねてレーヴェは口を挟むことにした。

 

 

「春蘭、正面突破もいいが……やつらは逃げる気だ」

 

「逃げる?どういうことだ?」

 

 

春蘭は不思議そうにレーヴェを見た。春蘭はあれほどの部隊、それも天下の呂布が逃げるとは思いつかないらしい。

 

 

「外に布陣している理由は知らないが……。やつらは呂布を中心とした精強な部隊で強力な一撃を入れて退却する気だ」

 

 

普通なら堅牢な関を捨てて外に布陣するなど考えられない……とまでは言わなかった。春蘭のプライドのために言わなかった。

 

 

「……よくわからないがあやつらは最初から逃げる気なのか!」

 

 

春蘭は少し不機嫌そうな声で言った。春蘭の気持ち的には、最初から退却など快く思わないのだろう。

 

 

「ああ。そこで作戦だが……普通ならここで様子見するところだが……」

 

 

その言葉に4人は耳を傾ける。

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「普通なら……ってことは隊長は他の作戦を?」

 

「ああ。まずは正面から突撃する……ように見せかける」

 

「見せかける?」

 

 

沙和は額に手を当てながら質問した。

 

 

「そうだ。実際に突撃してくるのは向こうだ。オレ達がやるのは相手の突撃を受け止めることだが……。受け止めるのはオレと春蘭、凪だ」

 

 

「え?じゃあうちらは?」

 

「真桜には右翼、沙和には左翼を任せる。オレ達は正面から相手の攻撃を受け止めながら後ろに下がる。そのうちにお前たちは敵を左右から突き崩し、挟み撃ちにするんだ」

 

 

「ええー!?そんな大事なこと沙和たちに任せていいの!?」

 

「そやそや!うちらには少し荷が重いっちゅうか……」

 

「一応それなりの兵は預けるが……。お前たちならできると信じているからな」

 

 

レーヴェの言葉に二人は少し沈黙すると目を合わせて頷いた。

 

 

「……隊長がそこまで言うならしゃーないな」

 

「……わかったの。沙和に任せろなの!」

 

 

真桜と沙和はレーヴェのほうを見て顔を綻ばせながら言った。

 

 

「いい返事だ。期待してるぞ」

 

 

「……つまりこの作戦だと敵は逃げることはないのだな?」

 

 

春蘭はあまりわかってないような顔でそう言ったが……。まあ、そこの所をわかっているならいいだろう。

 

 

「ああ。春蘭も張遼を捕らえるの頑張ってくれよ」

 

「貴様に言われんでも華琳さまの命は絶対に成し遂げる。貴様こそ呂布相手に負けたりせんだろうな?」

 

 

春蘭は戦の時はかなり張り切っているが、今回はいつも以上にも張り切っているように見えた。やはり華琳から直接言い渡された命令だからだろう。

 

 

「安心しろ。オレは誰にも負けるつもりはない。……さて、そろそろ配置に着け」

 

 

レーヴェがそう言うと全員各々の配置に向かっていった。それを見届けるとレーヴェは前方に見える呂布の旗を見た。

 

 

「……久しぶりに少し力を出せそうだ」

 

 

そう言ってレーヴェは懐の剣を握った。

レーヴェは久しぶりに本当の戦いを楽しめると言外に語っていた。

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「華雄将軍。連合の先陣が進軍を開始しました」

 

「そうか。ならば我らも出撃するぞ。レオンハルトと言えど百戦錬磨の我らの敵ではない。先ほどの戦いの汚名を返上させてもらうとしよう。」

 

「了解です!」

 

「全軍出撃!連合の先陣を粉砕し、総大将の首を落としてくれようぞ!」

 

 

華雄の号令に兵が前進を始めた。

 

 

そしてそれを遠くから見ているものが居た。

 

 

「ちょっ!あの馬鹿また突っ込んでいきおる!」

 

「………行く」

 

「恋まで何言うとるんや!」

 

「………でも、放っておけない」

 

 

恋はそう言って華雄の方を見た。

 

 

「……っ!しゃあない!敵に一発ぶちかましたらさっさとあの馬鹿連れて退却するで!」

 

「ん、恋、頑張る」

 

「よし!…ええか!連合軍の雑兵に一発ぶちかましてやるで!そんでもって堂々と退却や!」

 

「応っ!!」

 

 

張遼の檄に兵士たちは士気の高い声で返した。

 

 

「全軍突撃!敵の鼻っ面におもいきりぶちかましたれ!」

 

 

その声と同時に華雄の後を追うように兵士たちは突撃を開始した。

 

 

「敵軍、突撃を開始しました!」

 

「ああ。思ったより早いな。よし、凪。春蘭。敵の攻撃を受け止めるぞ。」

 

「了解しました!」

 

「貴様に言われずとも!」

 

 

レーヴェの言葉に二人ともやる気十分な返事を返した。

 

 

「よし。……レオンハルト隊、これより敵の攻撃を受け止め、少しずつ後退を始める!」

 

 

レーヴェの言葉に兵士達は即座に行動を開始した。

 

 

「華雄将軍!敵が徐々に後退していきます!」

 

「ふん!ならばこのまま押し切ってくれる!」

 

 

華雄の言葉に兵士達はさらに勢いを強めた。

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始めましての方は始めまして また見に来たぜ!って方はお久しぶりです。待たせてしまってすいません。

 

世間は地震で大変みたいですね・・・ まぁ、自分もいろいろありましたがそれをいい訳にはしたくないですね 

 

とりあえずぼちぼち投稿を開始しますのでこんな駄文でよければまた見に来てやってください

 

それではまた次の話で会いましょう

 

 

 

 

 

説明
皆様お久しぶりです。
地震でいろいろごたごたしてますがとりあえず書き溜めといた分を少ないですが投稿しときます。
地震で大変な人もいるかと思いますが頑張ってくださいね
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コメント
続き楽しみにしてます(ハクア)
続きが気になりますねぇ。特に呂布との戦いが。(なっとぅ)
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