真・恋姫†無双〜赤龍伝〜第50話「緊迫!勉強会」 |
真・恋姫†無双〜赤龍伝〜第50話「緊迫!勉強会」
その日、赤斗の部屋には穏、亞莎、藍里の軍師三人がやってきていた。
目的は孫子の勉強で、先生が藍里と穏。生徒が赤斗と亞莎である
藍里「では、次の頁を亞莎ちゃん、読んでみて下さい」
亞莎「は、はい!」
藍里に言われ、亞莎は呉孫氏兵法を読み始める。
穏「亞莎ちゃん、いいですね〜。孫子を手にとって読めるなんて」
穏が頬を赤く染めながら羨ましがる。
赤斗「あのさ、穏。……退いてくれないかな?」
穏「どうしてですか〜? 遠かったら声が聞こえないでしょう〜」
穏は赤斗の膝の上に座りながら、色っぽく言った。
勉強会が始まると同時に、穏は赤斗の膝の上に座ってきたのである。
赤斗「お気づかいありがとう……けど、耳は良いから、こんなに近くなくて大丈夫かなぁ。と思うだよね」
穏「本当に〜、退いてほしいの? ふぅ〜」
穏が赤斗の耳元で囁き、息を吹きかける。
赤斗「み、耳に息を吹きかけない! ……確かに、良いにおいがするから、心残りがないというと嘘になるけど……」
穏「なら、いいじゃないですか〜♪」
赤斗「……このままじゃ、良くないよ」
穏「どうしてですか〜?」
赤斗「いや、だって……。藍里が……」
穏「藍里様?」
穏は赤斗に言われて、藍里の方に目を向けた。
藍里は、亞莎の勉強を見ながらニコニコとこちらを見ていたが、目は決して笑っていない。
今の藍里に効果音をつけるなら、“ゴゴゴゴゴゴゴオーー”などと地響きのような音だろう。
それほどのプレッシャーを赤斗は、藍里から受けていた。
もう一方の亞莎は、そんな藍里にすっかりと怯えていた。
穏「あ〜、そういう事ですか〜」
ようやく穏は、事態を把握してくれた。
しかし、穏は赤斗の膝の上からは退こうとしない。
赤斗「わ、分かってくれたら、退いてくれるかな?」
穏「ふ〜〜ん。しょうがないですね〜」
ここでやっと穏は、赤斗の膝の上から下りた。
赤斗・亞莎「ほっ」
穏が膝から下りた事により、藍里のプレッシャーが弱くなった事を感じた赤斗と亞莎は安堵する。
そして、赤斗は緊張で喉がカラカラになっていた。
穏「では、藍里様。どうぞ〜♪」
藍里「えっ、何です?」
穏が藍里の元に来て、藍里の背中を押す。
穏「赤斗さんの膝の上が空きましたから、どうぞ〜、お使いくださ〜い♪」
いきなり穏はとんでもない事を言い始めた。
赤斗「ぶっ! ゴホッ、ゴホッ!」
赤斗は飲んでいたお茶を吹き出し、激しく咽込んだ。
藍里「ええええええええええええーーーーーーーっ!」
穏「何をそんなに驚いているんですか〜?」
藍里「だ、だって、そ…そんないきなり」
穏「私が赤斗さんの膝の上に乗っているのが、お気に召さなかったから、藍里様はあんなに怒っていらしたのでしょ〜」
藍里「そそそそそそんな事は、あああああああありません!」
穏「本当ですか〜?」
藍里「…………」
藍里が恥ずかしそうに赤斗を見る。
穏「さ、藍里様。亞莎ちゃんのお勉強は私が見ますので〜」
藍里「…………」
赤斗「………藍里?」
藍里「……り…せん」
聞こえないぐらい小さな声で藍里は言った。
赤斗「……えっ?」
藍里「乗りません乗りません乗りません乗りません乗りませんっ! 乗りませんたら、乗りませーーーーんっ!!」
先ほどの声とは比べ物にならない大きな声で藍里は叫んだ。
赤斗「藍里さん、落ち着いて」
藍里「はぁ、はぁ、はぁ…………。申し訳ありません。取り乱しました……」
藍里は息を整えながら、落ち着きを取り戻す。
穏「本当は赤斗さんの膝に乗りたいのにね〜」
穏が亞莎に小声で言う。
亞莎「え、えっと私は……」
藍里「何か言いましたかっ!」
亞莎「い、いえ、何も」
穏「何でもありませんよ〜」
藍里「まったく……」
赤斗「あのー、勉強はこれぐらいして、一休みしようか」
亞莎「そ、そうですね。私お茶のおかわりを持ってきます」
そう言うと亞莎は駆け足で部屋を出て行った。
赤斗「あっ、亞莎っ!」
赤斗(しまった。逃げそびれた……)
藍里「…………」
赤斗「…………」
穏「〜〜〜♪」
部屋に残った赤斗、穏、藍里の間には妙な空気が漂っている。
藍里「穏ちゃん」
穏「はい。何でしょ〜?」
藍里「勉強中に、赤斗様の膝の上に乗る必要があるんですか?」
穏「うふふ〜〜、穏は赤斗さんとくっついているのが大好きなんですよぉ」
可愛らしい笑顔で穏は、藍里に言う。
藍里「なっ……」
穏「赤斗さんは穏とくっついてるの、嫌ですか?」
赤斗「……嫌ではありません」
赤斗がそう言うと同時に、藍里は赤斗を睨みつけられた。
赤斗「ぅっ……」
藍里「よ、ようするに、勉強を教えるのに関係なく、くっつくのが好きだからくっついていると……」
赤斗(声が震えてる……)
穏「はい〜♪」
藍里「……そうですか」
穏「藍里様も赤斗さんの事がお好きなら〜、もっとくっつけばいいじゃないですか〜♪」
藍里「そ、そ…そそそんな事できるわけないじゃないですかっ!」
穏「正直じゃありませんねぇ♪」
藍里「穏ちゃん。…………いい加減にしないと怒りますよ♪」
そう言いながら、藍里は今日一番の笑顔を見せる。
やはり、先ほどと同じで目が笑っていない。
しかし、今の藍里のプレッシャーは、先ほどまでの比ではなかった。
穏「あははっ、それが良いみたいですねぇ」
穏もそれ以上何か言うと、自分に危険がおよぶ事を察知したようだった。
亞莎「お、お待たせしました。お茶とお菓子を持ってきました」
そこに亞莎が恐る恐る扉を開けた。
赤斗「亞莎、おかえり。待ってたよ!」
部屋の隅で事の成り行きを、小さくなって見守っていた赤斗が、帰ってきた亞莎をすかさず迎え入れた。
赤斗「さあ、お茶が来たよ。二人とも、お茶にしよう。それがいい! 亞莎、二人にお茶淹れてあげて!」
亞莎「は、はいっ! 今すぐ淹れます!」
亞莎は慌ててお茶を淹れ始めた。
亞莎「ど、どうぞ」
亞莎は淹れたお茶とお菓子を配る。
赤斗「二人ともいただこう。ほら、亞莎も座って」
亞莎「し、失礼します」
藍里「…………」
穏「…………」
藍里と穏の二人は笑顔だったが、その笑顔がかえって怖かった。
赤斗「じゃあ、いただきます」
亞莎「い、いただきます」
穏「いただきま〜す」
藍里「……いただきます」
その後、勉強会はお茶会へと変わった。
しかし、お茶会は無言のまま進んでいった。
そして、赤斗と亞莎はお茶会が終わるまでの間、まったく生きた心地がしなかった。
つづく
〜あとがき〜
呂です。読んでくださって、ありがとうございます。
真・恋姫†無双〜赤龍伝〜に出てくるオリジナルキャラクターの紹介
オリジナルキャラクター@『風見赤斗』
姓 :風見(かざみ)
名 :赤斗(せきと)
字 :なし
真名:なし
武器:花天と月影……二振りの日本刀(小太刀)。赤色の柄で赤銅の鞘に納まっているのが“花天”で、黒色の柄で黒塗りの鞘に納まっているのが“月影”。
本編主人公の少年。
身長168a。体重58`。年齢17歳。黒髪黒眼。
放課後に道場で古武術の達人である先生に稽古をつけてもらうのが日課だったが、ある日道場で黒尽くめの男に襲撃される。
その際、赤い光に包まれて恋姫の世界に飛ばされる。
死にかけていた所を、火蓮によって保護され“江東の赤龍”という異名を付けられる。
古武術 無双無限流を学んでおり、その奥義を使えば恋姫の世界の武将とも闘えることができる。
無双無限流には、『全ての奥義を極めしとき、その身に龍の力が宿る。』という伝承がある。
奥義には“疾風”“浮葉”“流水”“月空”“烈火”“絶影”“龍鱗”“狂神”などがある。
奥義の同時発動は可能だが、奥義単体の発動以上に身体に負担がかかる。
好きなもの:肉まん
能力値:統率3・武力4・知力4・政治2・魅力4
オリジナルキャラクターA『孫堅』
姓 :孫
名 :堅
字 :文台
真名:火蓮(かれん)
武器:南海覇王……やや長めの刀身を持つ、両刃の直刀。派手な装飾はないものの、孫家伝統の宝刀。
孫策(雪蓮)たちの母親。
身長173a。腰まで伸びる燃えるような赤い髪の持ち主。
血を見ると雪蓮以上に興奮してしまう。
孫尚香(小蓮)には非常に甘い。周りの人間が呆れるほどに甘い。
この外史“赤龍伝”では孫堅は死んでいない。
好きなもの:娘たち(特に小蓮♪)と酒
能力値:統率5・武力5・知力3・政治4・魅力5
オリジナルキャラクターB『諸葛瑾』
姓 :諸葛
名 :瑾
字 :子瑜
真名:藍里(あいり)
武器:風切羽(かざきりばね)……火蓮から受け取った護身用の短刀。諸葛瑾(藍里)の実力が低いので、あまり役に立っていない。
諸葛亮(朱里)の姉。
諸葛亮(朱里)とは違い、長身で胸も大きい女性。髪は金髪でポニーテール。
温厚で気配りのできる性格で、面倒見も良い。赤斗の世話役として補佐につく。
一時は、自分たちとは違う考え方や知識を持つ赤斗に恐怖心を持っていた。
政治、軍事、外交と様々な仕事をこなすが、諸葛亮(朱里)には僅かに及ばない。
苦手なもの:酒(飲めるが、酔うと周りの人間にからむようになる)
能力値:統率3・武力1・知力4・政治4・魅力4
オリジナルキャラクターC『太史慈』
姓 :太史
名 :慈
字 :子義
真名:嶺上(りんしゃん)
武器:雷電(らいでん)……二本の小型の戟。
非常に勇猛かつ、約束に律儀な武将。銀髪レゲエの女性。
孫策(雪蓮)と一騎打ちして引き分けたことがある。
それ以来、孫策の喧嘩友達になっており、よく喧嘩をしている。
孫尚香(小蓮)や諸葛瑾(藍里)と仲が良く、孫尚香(小蓮)の護衛役をしている事が多い。
子供好きで、よく街の子供たちと遊んでいる。
弓の名手でもあり、その腕は百発百中。
好きなもの:子供
能力値:統率4・武力4・知力3・政治2・魅力3
オリジナルキャラクターD『司馬懿』
姓 :司馬
名 :懿
字 :仲達
真名:不明
武器:不明
黒尽くめの衣装を身に纏った、曹操軍の軍師。
曹操軍に属しているが、曹操からの信頼はないといっても良い。
色々と裏で暗躍しており、虎牢関では張遼を捕え、術により自分の傀儡にしている。
今は、魏から姿を消している。
能力値:統率5・武力?・知力5・政治5・魅力?
オリジナルキャラクターE『玄武(げんぶ)』
姓 :不明
名 :不明
字 :不明
真名:不明
武器:魏軍正式採用剣……魏軍に配備されている剣。
司馬懿の部下。
普段は何の変哲もない魏軍の鎧を身に纏い、普通の兵士にしか見えない。
しかし、眼の奥からは異質な気を醸し出している。
鎧の下には黒の衣を纏っており、素顔は司馬懿に似ている。
虎牢関では、鴉と一緒に張遼を捕えた。
能力値:統率2・武力4・知力3・政治1・魅力2
オリジナルキャラクターF『鴉(からす)』
姓 :不明
名 :不明
字 :不明
真名:不明
武器:爆閃(ばくせん)……司馬懿から受け取った回転式拳銃。
司馬懿の部下。
性格は軽く、いつも人を馬鹿にしているような態度をとる。
司馬懿と同じ黒い衣装だが、こちらの方がもっと動きやすい軽装な格好をしている。
寿春城では、孫堅(火蓮)を暗殺しようとした。
能力値:統率2・武力4・知力2・政治1・魅力3
オリジナルキャラクターG『氷雨(ひさめ)』
姓 :不明
名 :不明
字 :不明
真名:不明
武器:氷影(ひえい)……氷のように透き通った刃を持つ槍。
司馬懿の部下。
青い忍者服を着た長い白髪の女。
背中には“氷影”を携えている。戦闘時には全身からは氷のように冷たい殺気が滲み出す。
洛陽で董卓(月)と賈駆(詠)を暗殺しようとした所を、赤斗と甘寧(思春)に妨害される。
官渡の戦いでは、呂布の部下を連れ去り、それを止めようとした陳宮を殺害する。
能力値:統率2・武力4・知力3・政治1・魅力3
オリジナルキャラクターH『宮本虎徹』
姓 :宮本(みやもと)
名 :虎徹(こてつ)
字 :なし
真名:なし
武器:虎徹……江戸時代の刀工が作った刀。
赤斗の古武術の師匠。
年齢は50歳。実年齢よりも、肉体年齢は若い。
赤斗と一緒に、恋姫の世界に飛ばされたと思われる。
最初は河北に居て、それからは用心棒をしながら、色々と辺りを転々としている。
赤斗曰く、『無双無限流の妙技を見せてやるっ!』が口癖で、その実力は呂布(恋)以上。
能力値:統率?・武力6・知力5・政治?・魅力?
※能力値は「5」が最高だが、呂布の武力と劉備の魅力は「6」で規格外。
説明 | ||
藍里たちと勉強会を始めた赤斗だったが、大変な事になります。 この作品は、基本的に呉√にそっては行きますが、他√に 脱線することもあります。また、主人公も含めてオリジナルキャラクターが出てきます。 未熟なため文章におかしな部分が多々あるとは思いますが、長い目で見てくださると助かります。 |
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たしかに怖い!(かんがるーO) あはははは。藍里が怖い(VVV計画の被験者) |
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