真・恋姫無双 〜黒天伝〜 #2
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緑髪の少女「それで?こいつはいったい何なのよ」

 

どこかのホールだろうか。よく音の響く荘厳なつくりの広間の中、六人の少女たちが輪をなして、その中心を覗き込んでいた。その中心にはまだ幼さの残る顔の少年が、剣を抱えて倒れていた。

 

赤髪の少女「・・・かくかくしかじか」

 

紫髪の少女「せやなぁ〜、恋はかわい〜な〜」

 

緑髪の少女「分かる訳ないでしょっ!」

 

はかなげな少女「詠ちゃ〜ん」

 

詠「月ぇ〜」

 

恋「・・・賊を、みんなやっつけた。

 

・・・・

 

 

突然の黒い稲妻に少女が驚き、目を開けるとそこには大きな穴とその中心に1つの人影があった。

少女が近寄ると空色の髪をし、光を放つ漆黒の服をまとった少年が倒れていた。

よく見るとその少年は、六本の剣を抱えていた。それぞれ二本ずつ対を成しているようで1mほどの黒い鞘の剣。2mほどのこれまた黒い鞘の剣。50cmほどの赤いダガーのような剣。

すると少女はその少年を肩に担ぎ、そのまま町へと向かい歩いていった

 

 

・・・・」

 

詠「それでこいつをここに連れてきたと」

 

恋「・・・(コクコク)」

 

銀髪の少女「何故そうなる!?確かに珍妙な格好をしているが、それは逆に怪しいだろう!五胡の妖術使いだったらどうするんだ!」

 

詠「そうだよ!こんなことして万が一、月に何かあったらどうするのよ!」

 

紫髪の少女「ま、それはうちらがおるからありえへんけどな!」

 

恋「・・・泣いてた。とっても寂しそうだった。だから、つれてきた。悪い人じゃない、と思う」

 

月「大丈夫だよ。詠ちゃん。恋ちゃんのいう通りだよ。きっとこの人は悪い人じゃない。それに・・・。どこか寂しそうな顔をしてる。一人ぼっちみたい」

 

水色髪の少女「詠と華雄は恋殿を疑うというのですかー!」

 

詠・華雄「そ、そんなことはないけど(ないが)」

 

月「じゃあ決まりだね。この人を保護しましょう」

 

紫髪の少女「せやなぁ。ほんまに占いの天災かどうか確かめなあかんな」

 

恋「・・・占い?ねね、占いって?」

 

ねね「恋殿忘れたのですかー!あの管輅の占いですよー!」

 

華雄「それは『眩き流星と共に、天より遣いの者がこの大陸に降り立つ。天の御遣いは天の智とその大徳を以て、世に太平をもたらすであろう』というあれか?」

 

詠「その続きよ!『黒き雷光と共に天より来るものあり。そのもの天災にして孤独にて大いなる災難を受けようとするものを救うであろう』華雄も忘れてたのね・・・はぁ。」

 

ねね「華雄にそれを期待するのは無茶な話なのです。最初のを覚えてただけでも驚きなのです。それで、どうやって確かめるのですか?」

 

詠「直接聞き出すしかないでしょうね。ま、ボクはこんなのいなくてもなんともないけどね!」

 

月「霞ちゃんはどう思う?」

 

霞「せやなぁ。前例があるしなぁ。可能性はあるんちゃう?それになんというかコイツ見とるとどんどんと庇護欲が・・・。それに六本も剣もっとるんはどういうこっちゃ。まさか同時に使うなんていうことはないやろな?」

 

華雄「た、たしかに。少し呂布に通ずるものがあるな。しかしそんなに強そうではないぞ。覇気もまったく感じられない」

 

恋「・・・恋も、この人助けたい。」

 

詠「それはおいといて、その前例がなんともいえないのよね。確か、劉備だっけ?天の御使いが現れたっていうのは。でもたかが義勇軍のところの噂じゃあ・・・」

 

ねね「そこなのです。ねねもそこがひっかかるのです」

 

霞「まぁまぁ。その話はもうええんとちゃうか?結局コイツが起きんとどーにもならん」

 

月「そうですね。じゃあ詠ちゃんはこの人の部屋の手配をお願い」

 

詠「分かったわ」

 

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友哉「・・・ここは?」

 

女の子の声が聞こえる。少し目を開けると目の前には知らない空間が広がっていた。天井はかなり高く独特の色使いをしている。そして何より・・・

 

??「・・・起きた」

 

声のほうを向いてみると赤い髪の美少女がこっちを向いていた。驚いて体を起こそうとしたが、なぜか体に力が入らなかった。何とかして起き上がったがひどい脱力感を感じる。

 

??「・・・大丈夫?」

 

少女はなおも友哉の目をじっと見つめてくる。その目を見つめ返すことはできなかった。顔が熱くなるのを感じ思わず下を向いてしまう。慣れていなかったのだ。女の子という生き物に。中学から男子校に通っていたため高1になった今ではすっかり女子抗体はなくなってしまっていたのである。顔をあわせる女といえば母親と中の下以下の学校の教師。それが今は間違いなく上の部類に入る美少女に見つめられているのだ。

 

??「お前名前はなんと言う」

 

突然後ろから声をかけられた。先ほどまでとは違う鋭い声音に思わずビクッと反応してしまう。後ろを向くと銀色の髪のこれまた美少女がこちらをにらんでいた。

 

友哉「天城友哉です・・・」

 

??「そうか。私は華雄だ字はない。では天城貴様に問おう。貴様は天災か?」

 

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友哉「べ、勉強はそこそこできるつもりですけど・・・」

 

??「ニャハハハー!それ本気でゆうとるん?こら傑作やわ!」

 

友哉「本気ですけど・・・」

 

??「その『てんさい』じゃないわ!」

 

先ほどとはまた違う鋭い声がした。声の主を見ると緑色の髪をしたまたまた美少女だった。

 

??「私は賈?。字は文和。私たちが言ってるのは頭脳明晰の方の『天才』じゃなくて、災いのほうの『天災』よ」

 

友哉「???」

 

理解不能だった。いきなり目が覚めると見慣れぬ光景を目にして、いきなりお前は雷とか自身とかと同じあれなのか?とまで聞かれたのだ。頭をいくら高速回転しても、いくら進学校にかようそこそこの優等生でもそれは理解できなかった。それが当然の結果なのだ。

 

??「ちょっと詠ちゃん!天城さん困ってるよ?起きていきなりそんなこと聞かれても、普通は困るでしょ?」

 

また違う声だった。しかしそれは最初に聞いたものに近く、とてもやさしさにあふれる声だった。

声の主はやはり美少女だが、これまでとは違うはかなげな雰囲気を醸し出していた。

 

??「最初はみんなで自己紹介しよ!ね?」

 

賈?「月ぇ〜。しょうがないわね。私と華雄以外ね。ほらさっさとやって!」

 

??「分かったのです!ねねは陳宮、字は公台なのです。よろしくなのです!」

 

突然最初の赤い髪の女の子の後ろから水色の髪をした女の子が声をかけてきた。これもやっぱり美少女なのである。

 

??「次はうちやな!うちは張遼、字は文遠や!よろしゅうな!」

 

??「・・・恋は呂布、字は奉先、真名は恋」

 

華雄「ほぅ。呂布は真名まで許すか」

 

真名?またまた理解不能だった。こればっかりはとても重要そうなので、恐る恐る聞こうとする。

しかしそんな友哉の必死の挑戦も陳宮の声によってあっけなく打ち砕かれるのであった。

 

陳宮「恋殿ぉー!?どういうことですか!?こんな見ず知らずのどこの馬の骨とも知らぬやつに!」

 

呂布「・・・さっき会って、ここに運んだ。だから見ず知らずじゃない」

 

陳宮「恋殿ぉー・・・」

 

??「フフッ。仲がいいね、恋ちゃんとねねちゃんは。じゃあ私が最後かな?私は董卓、字は仲穎。よろしくお願いします!」

 

友哉「・・・。」

 

ここでやっと頭がホワイトな世界から帰ってきた。

 

友哉「・・・董卓っ!?」

 

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賈?「っ!?・・・なによいきなりうるさいわね!」

 

友哉「も、もしかしてここ天水とか・・・?」

 

華雄「当たり前ではないか。なにおいっとるんだお前は」

 

またまた頭がホワイトな世界にゴーバックしたところでそのまま友哉は固まってしまった。

 

董卓「だ、大丈夫ですかっ!?」

 

呂布「・・・大丈夫。気絶、してるだけ」

 

華雄「私は何か悪いことを言ってしまったのか?」

 

霞「なんやよう分からんけど、面白いやっちゃなー。よし!ウチ決めたで!ウチはコイツを仲間にするのに賛成や!」

 

賈?「どうやったらその結論に至るのよ!?」

 

霞「そんなもん勘にきまっとるやないか!なぁ、恋」

 

呂布「・・・恋、この人の空気好き。だから仲間なる」

 

華雄「私も同感だ。なんとなく勘でだが、コイツは面白い。武術も少しはできるようだ。先ほどは勉学もできるようなことも言っておったし、仲間にしてもよいのではないか?」

 

陳宮「ねねは反対ですぞー!勘に頼るなんて言語道断なのです!」

 

賈?「私もよ!明らかに怪しすぎるわ。まぁ、最終的な判断は月に任せるけど・・・」

 

董卓「分かりました。それじゃあ今日はゆっくり休んでもらって。明日、目が覚めたらしっかりお話をしてそれで判断しましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
稚拙な文章にお付き合いください。
今回から董卓が出てきます。
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コメント
そうゆうことになりますね〜(cherub)
白い御使いと黒い天災、の対といったところでしょうか。・・・だから白い流星に対して黒い稲妻、とか。(華狼)
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