そらのおとしものf 超番外編 『暴れん坊会長』 |
浅瀬の川を駆ける黒く巨大な馬とその馬に乗る女性美香子。
タイトルコール「暴れん坊会長」
タイトル文字が大きく現れる。
「暴れん坊会長」
川を走る馬と美香子。音楽も流れるとともににキャストが出てくる。
キャスト
五月田根美香子(主演レギュラー)
守形英四郎(レギュラー)
ニンフ(レギュラー)
アストレア(レギュラー)
見月そはら(ゲスト)
桜井智樹(ゲスト)
イカロス(ゲスト)
空美中の学生の皆さん(ゲスト)
カオス(超ゲスト)
秋山総司郎(超ゲスト)
川を渡り終えると同時に音楽がやむ。
ここ豊筑(ぶちく)国(豊前国と筑前国を合わせたものが現在の福岡県となるため名前を合体させてます)。
ここに日本全土を治めている幕府があり、その幕府を治める長、会長が住んでいた。
現在の会長は8代目会長。名を五月田根美香子と言った。
そしてその豊筑国にある藩、「空美藩」ではあることが起ころうとしていた。
ある日の夜のことであった。
ここは空美藩にある、とある屋敷。
そこには空美藩の藩主である桜井智樹が中年の男と何かを話していた。
「それは本当か?」
「はい。3日後には彗星がこの空美藩の近くに直撃します」
「う〜む、それは困った」
智樹が困り果てた顔をするが…。
「何を申されます。今こそ好機ではございませんか」
「好機……とな?」
「はい。彗星が衝突するのを利用し、上様を葬り去るのです」
「何と、上様を」
「その通り。さすればあなた様の敵はもはやございません。
この空美藩だけでなく豊筑国…いえ、日本はあなた様のものになります。
そうなれば、日本の女どもをあなたの手篭めにする事も可能でございます」
「おおう」
その言葉に智樹は揺らぐ。
「ふふふ…そうか……」
智樹がスケベな事を考えている顔をし始める。
「しかし、あの上様が簡単に引っかかるとは思えません」
「ではどうするのだ?」
「ご安心を。もしものために用心棒を雇っておきました」
中年の男が手をならす。
「入ってまいれ」
智樹達のいる部屋の隣の引き戸が開けられ、そこから一人の長い白髪の男が入ってくる。
「こやつは?」
「俺の名は秋山総司郎」
「こやつは戦うものを求めるさすらい人。相手が強ければ強いほど闘志に火が付き、戦ってくれます。上様は剣の腕はかなりのものと聞いておりますゆえ…」
「それは頼もしいな」
「………」
「秋山、3日後までその体を休ませよ」
「はっ」
秋山はそう言って部屋から去っていった。
秋山が去ると同時に智樹に仕える女性、イカロスが料理を出してきた。
「マスター、料理が出来ました」
「イカロスか。そこにおいてくれ」
「はい」
イカロスは智樹に言われたとおりに料理を置く。
「ではごゆっくり…」
イカロスは料理を置いて部屋を後にした。
「今の娘は?」
中年の男が智樹に尋ねた。
「俺に仕えてくれてるイカロスって娘(こ)だ」
「なかなかいい娘ではございませんか」
「とんでもない。見た目は確かにいいが、幾分と問題があってな…」
「ほぅ、それは聞いてみたいものですな」
智樹と中年の男の会話は続いた。
同時刻。
彗星衝突の件は既に幕府にも届いていた。
「それは本当かしら?」
幕府8代目会長、五月田根美香子が部下であるニンフに尋ねる。
「ええ、専門家の話によれば、3日後に彗星がこの豊筑国の空美藩の近くに落ちてくるそうよ。
私の方でもそれは確認したわ」
「それでその衝突の時の被害は?」
「あくまで予想だけど、彗星が衝突した地点から半径30km(本来の計測は違うが)が壊滅するものだと思うわ」
「それって大変じゃないですか、ニンフ先輩!」
同じく美香子の部下であり、ニンフの少し後輩のアストレアが慌てる素振りをする。
「すぐに避難しないと〜〜〜〜」
「そう焦るな」
そこに美香子の老中として仕える守形英四郎がアストレアをなだめる。
「だって〜」
「俺達が逃げるよりも先に町民達の避難が先だ」
「そうね。私達が生き残っても人がいなきゃ国はできないわね〜」
「それじゃあ早速避難指示を…」
「あ、そう言えばもう一つ報告しないといけない事があったわ」
「何かしら? ニンフちゃん」
「最近、空美藩で不審な動きがあるらしいの」
「不審な動きってどんなのかしら?」
「具体的なことはまだ分からないけど、最近藩主の桜井智樹がある屋敷に入り浸ってるの」
「ある屋敷?」
「まあそれは普通の料亭なんだけど、藩主の桜井智樹と一緒に怪しい中年の男が入るの。
それも頻繁に…。その男の事は今も調べてる最中よ」
「そう。引き続き警戒をお願いね」
そして翌日になり、幕府による町民達の避難誘導が始まった。
町民達は幕府の役人達の指示に従い、避難をしていた。
そんな時であった。突如と町のどこかで爆発音が聞こえ、その爆発とともに小規模な家事が起きた。
『きゃああああああ!』
『爆発だーーーー!』
『この世の終わりだーーーーー!!!』
爆発がしただけでこの騒ぎ。
人々は彗星衝突という事実により、人々は恐怖に襲われ、爆破騒ぎにより人々は恐怖に煽られた。
爆破騒ぎは何とか静まったが、人々はあることに気が付く。
「娘がいない!」
「うちの娘もだ!」
「こっちもよ!」
何と町民の娘達が突如といなくなったのだ。
「これは一体……」
幕府の役人達も流石の事態に戸惑いを隠せない。
「お役人様! 娘を探してください!」
「もうだめだ……この世の終わりだ」
「ああああ、とよ〜〜〜」
町民達は娘達の消失により絶望に打ちひしがれていた。
暗い中、いなくなった娘達は目を覚ます」
「ここは……って動けない」
娘達は自分達が縄で縛られていることに気付く。
「……破れない!」
娘の一人、見月そはら。
彼女はとんでもない力の持ち主で普段なら縄を破るのは容易なのだが、何故か破れない。
「ひょひょひょ、無駄だよ〜」
その暗い中、一人の男が入ってきた。
「だ、誰?」
男は覆面をしているため顔が分からない。
「さあ? 誰でしょうね〜?」
男は縛られているそはらの胸を鷲掴みにした。
「きゃあっ!」
「ひょひょひょ、いい声だ。そしていいおっぱいだ〜」
男はとても嬉しそうであった。
「さあて、次はどの子にしようかな〜」
男は次に別の娘達を襲う。
娘達は抵抗できぬまま、男のなすがままになっていった。
そんな混乱などが起こりながらも運命の3日目となった。
その日の夜。
「では手筈どおりに」
「はい。上様はちょうど彗星の衝突地点付近へとおびき寄せました」
「そしてこの国は俺のもの…」
「はい…ふふふふ」
「ふふふふふ」
智樹と中年の男は笑う。
「しかし避難せねばな」
智樹と中年の男、そして智樹の連れる部下達は彗星の衝突地点近くから避難をしようとしていた。
そして自分達の前には門があり、門の扉は閉ざされていた。
「開けよ」
「はっ!」
部下達が門を開ける。
すると門の前には一人の女性が立っていた。
「何奴だ!」
女性の姿は暗くて見えなかったが、月が雲から出てき、月明かりでようやくその女性の姿が現れた。
「誰だ?」
「桜井智樹、私の顔を見忘れたかしら?」
「うん?」
智樹達がその女性の顔をよく見てる。
そして全員ようやく気付いた。
目の前にいるのは何と8代目会長、五月田根美香子であったのだ。
「上様!」
その場に全員がその場で跪き、頭を下げる。(ただ二人を除いては…)
「彗星の飛来に乗じて、人々の恐怖を煽って、爆破騒ぎを起して町民の娘達を誘拐するなんて言語道断よ」
そう。町民の娘達が突如と姿を消したのは智樹の部下達が爆破騒ぎに乗じての誘拐であったのだ。
そして娘達の胸を触るなどのセクハラ行為をしていたのは智樹であった。
「まあ、攫われた娘達はもう解放してあげたけどね」
「なっ!?」
「さらには、幕府に弓引くなんて断じて許されることじゃないわね。潔く腹を切りなさい」
美香子の腹きり宣言に智樹達は顔を上げ、立ち上がる。
「誰が腹など……。腹を切るのは俺じゃない。会長、あんたの方だ!」
「であえ! であえ!」
中年の男が智樹の部下や自分が雇っていた浪人達を使い、美香子を斬らせようとする。
「斬れー! 斬れー!」
浪人達が刀を抜いて構える。
「どこまでも腐った人たちね」
美香子の後ろからニンフとアストレアがやって来る。
「やむをえないわね」
美香子は刀を抜く。
「皆殺しにしてあげるわ」
美香子は構えた!
美香子が構えたと同時に浪人達は美香子達に斬りかかる。
しかし美香子、ニンフ、アストレアは巧みに敵の攻撃を避け、逆に返り討ちにした。
美香子は刀、ニンフは短刀、アストレアは大剣で斬りかかってきた浪人達を逆に斬り倒した。
三人の圧倒的な力の前に、残っているのが智樹と中年の男だけであった。
「な、なんと……」
「あの用心棒はどうしたんだ!?」
「成敗!」
美香子が智樹と中年の男を斬ろうとしたその時!
「!」
美香子の目の前に一人の男が刀で美香子の攻撃を防いだのだ。
そう、智樹達が頼りにしていた用心棒、秋山総司郎であった。
「おお、秋山!」
「今まで何をしていた?」
「会長の力を見極めるため、隠れていたまで」
「秋山お兄ちゃん」
秋山を呼ぶ声が聞こえてくる。
その声の主は黄緑色の長い髪の毛をした女の子であった。
「カオス、そこで待っていろ」
「うん」
カオスは言われたとおり待つ。
「あの二人…もしかして…」
「知ってるんですか? ニンフ先輩」
「強者(つわもの)と仕合うことを求めて旅をする子連れの男がいると聞いたわ。確か名前は秋山総司郎」
「言っておくが、あの子は俺の子じゃない。拾い子だ」
「そう…あなたが秋山総司郎。相手にとって不足はないわね」
美香子と秋山は鍔競り合いを続けている。
「それはこちらの台詞。さすが幕府8代目会長、相手にとって不足はないようだな」
二人は鍔競り合いをやめ、一歩後ろに下がった。
「……」
「………」
二人は膠着状態になる。
「今のうちに……」
智樹達がこの隙に逃げようとするが……。
「どこへ行くんだ?」
智樹達の目の前にいきなり秋山が移動し、現れた。
「ど、どこって…逃げるんだよ」
「逃げる事は許さん」
秋山が刀を二人につきつける。
「この戦いの発端はお前達だ。お前達はこの戦いを最後まで見届ける義務がある。
このまま逃げるなら俺が斬るまで」
「そんな……」
秋山の強い殺気に二人は思わず跪く。
「さてと、では続きだ」
秋山が振り返り、美香子の方を見る。
二人は再び膠着状態になる。
しばらくし、二人は同時に駆け出した。
「はっ!」
「ふぅん!」
二人は刀と刀をぶつけ合う。
それは一合、二合と続き、そして五合目になったときであった。
「えぁあっ!」
秋山が美香子の手から刀を弾き飛ばした!
「!」
秋山が刀を美香子に突きつける。
「終わりだな」
「やったぞ!」
「よくやった、秋山。このまま会長を殺せ!」
秋山はそう言われると刀を鞘に納める。
「な!?」
「どういうつもりかしら?」
「俺はお前を殺す気はない。それだけだ」
「なんだと!? 貴様! 金を払った恩を忘れたのか!?」
「忘れてなどいない。だが俺は最初から会長を殺す気がなかっただけだ」
「貴様……」
「詫びといっては何だが、ここに落ちてくる彗星をどうにかしてやろう」
「え?」
その言葉にカオス以外が戸惑う。
秋山は智樹と中年の男の後ろに立つ。
そして秋山は二人の後ろ襟を掴み、二人は浮き上がる。
「「へっ?」」
「うぉおおおおおおお!!」
秋山は思いっきり二人を投げ飛ばした!
その方角はなんと彗星の方であり、二人は彗星に向けて投げられたのだ。
「「うわぁあああああああ!!」」
二人はそのまま彗星に衝突。
投げられた二人は彗星を粉々に砕いていき、彗星は地球の大気圏で完全に燃え尽きるほどにまでなっていき、彗星衝突の危機は回避された。
秋山は両手をはたく。
「さてと、悪党退治も出来て彗星衝突も回避、一石二鳥だな」
「秋山お兄ちゃん」
カオスが秋山の側にやって来る。
「それじゃあ行くか」
「うん♪」
秋山とカオスが何処かへと去ろうとするが…。
「待ちなさい!」
美香子が秋山を呼び止める。
その美香子の側には武器を構えるニンフとアストレアもいる。
「何だ?」
「何故私を殺さなかったの?」
「簡単な話だ。あんたが悪人じゃないだけだ。
ま、よく城を抜け出して下々の生活を見ているらしいけどな」
「何故そこまで?」
「風の噂……とでも言っておこうか」
「これからどこへ?」
「さあな。また会うかもな」
「あなたもその人と一緒に?」
「うん♪」
「じゃあな」
秋山とカオスは一緒に何処かへと去っていった。
「随分変わった人ね」
「上様といい勝負ですよ〜」
アストレアが笑いながらそう言った。
「ところでニンフちゃん、彗星の方はどうなったのかしら?」
「ちょっと待って……」
ニンフが確認する。
「あ」
「どうかしたの?」
「さっきの秋山の言ったとおり、彗星がなくなってる」
「それって…」
「本当に彗星衝突は避けられたってことよ」
「えええ〜〜〜」
ニンフ達は秋山達の後姿を眺める。
「あいつ一体…」
「まあ、悪い人じゃないってことは確かね〜」
「上様、その理由は?」
「剣を交えたもの同士にしか分からないってことかしら〜」
自分ではどうにも出来ないことを他の人間はどうすることも出来る。
それを改めて知った美香子であった。
説明 | ||
今回の話は有名な時代劇「暴れん坊将軍」を元にしたというより暴れん坊将軍をまんま「そらのおとしもの」キャラでやってしまおうというものです。 ただし作者は「暴れん坊将軍」をあまり見ているわけではなくMADで得た知識などが元なので原作まんまではない事をご了承下さい。 |
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「懲らしめる」んじゃなくて「皆殺し」という所が実に会長らしいなぁw(tk) 智樹に捕まった街娘達は無事だったのでしょうかね?(枡久野恭(ますくのきょー)) |
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