真・恋姫無双 〜黒天伝〜 #5
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友哉は自室で詠に勉強を教えてもらっていた。莉空と仕合した次の日恋と霞に仕合を持ちかけられて、コテンパンにされたのは言うまでもない・・・

 

霞「ニャハハ〜♪」

 

友哉「あ〜れ〜」

 

恋「・・・エイッ」

 

友哉「ひでぶ!」

 

莉空とはあのあと何回かやって、なんとか3勝3敗で引き分けている。そんなこんなでもう一カ月がたとうとしていた。

 

詠「あんたいつになったら、『孫子』を読み終わるつもりなの?」

 

友哉「・・・すみません(汗」

 

詠「まったく。あんたも一応将軍なんだから少しは兵法をおぼえてよね!」

 

友哉「そういえば、最近恋達を見かけないけど・・・」

 

詠「あなた以外の将軍はみんな賊退治に行ってるわよ、あとねねもね」

 

友哉「そうなんですか・・・え?もしかして今ここにいるのは俺だけですか?」

 

詠「そーゆーことよ!あんたんとこの部隊はぼろぼろだから出陣できないのよ!さっさと練兵してよね。このままじゃただのごくつぶしよ!」

 

友哉「・・・すみません」(謝ってばっかなのは気のせいかな・・・)

 

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友哉は街を歩いていた。

 

友哉(う〜ん。やっぱり黒天は置いてきたほうが良かったかな?邪魔だ・・・)

 

それは考えてみれば当たり前のことである。身長160センチの友哉に対して、黒天の長さは2メートル。そんなものを腰に差していたら、正直言って邪魔以外の何物でもない。周りの人の視線が痛い。この理由が広まってしまった『六刀の天災』の噂のせいだとは友哉は全く気づかない。

 

ドン!

 

友哉「うわっ!」

 

いきなり子供が走ってきてぶつかった。

 

子供「うわ〜ん!」

 

なんで泣いてるんだ?

 

子供「おかあさ〜ん!」

 

迷子か・・・どうしよう?親を探さないと・・・

 

友哉「ねぇ、お母さんはどこ?」

 

子供「わかんな〜い」

 

なんてやつだ。とりあえず街を回ってればそのうち見つかるか・・・

 

2時間後・・・

 

子供「あ!おかあさん!」

 

母親「早くこっちに来なさい!まったくあなたは何してるの!?そんな人と一緒にいたらだめでしょ?」

 

子供「え〜。なんで〜?このお兄ちゃんいい人だよ?肉まん買ってくれたし、一緒に遊んでくれたんだよ?ねぇどうして?」

 

母親「あなたはまだしらなくていいの!早く帰るのよ!」

 

当然だよな・・・天災なんて呼ばれてちゃ・・・それにこんな巨大な刀を持った奴だもんな・・・

 

友哉はどうしようもない暗い闇に引き込まれていくような気分になっていった。その時体の奥が熱くなり、何かがふつふつと沸き立つような感覚に襲われる。耐えられなくなりそうになった瞬間

 

詠「何一人でボーっと突っ立ってんのよ!邪魔でしょ?」

 

そういいながらどこからともなく現れた詠がゲシゲシと友哉の脛をけり続ける

 

友哉「ちょ、痛いですからね?詠さん」

 

さっきの感覚は何だったんだろう?疲れてるのかな?まぁ、あの子と一緒に散々歩き回ったからな。仕方ないか。今日は早く寝よう・・・

 

詠「気持ち悪い呼び方してんじゃないわよ!」ゲシッ!

 

なんなのよさっきの母親は!あんな言い方しなくてもいいじゃない!あんなにコイツが悲しい眼をするなんて・・・一瞬眼が紅くなったような気がしたけど、ボクの見間違いかな?こんなに綺麗な空色の目をしてるのにそんなわけないわよね・・・

 

友哉「じゃあ、一緒に帰りましょうか?え・い・さ・ん♪」

 

詠「いい加減にしなさい!」ゲシゲシゲシゲシ!

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場所は変わって玉座の間・・・

 

友哉「おかえりなさい。恋、霞、莉空、ねね」

 

恋「・・・ただいま」霞「お〜、友哉や〜ん!会いたかったでぇ!」莉空「おう!帰ったぞ!」

ねね「ただいまなのです!」

 

月「ごくろううさまです。首尾はどうでしたか?」

 

霞「それがやな〜変なんや」

 

詠「変ってどういうこと?」

 

ねね「賊が全員黄色い布を身に着けていたのです!」

 

詠「黄色い布って・・・」

 

月「そういえば、前に友哉さんが言っていましたよね?『黄色い布には気をつけろ』って」

 

恋「・・・いってた」

 

友哉「はい。俺が言ってたのはこのことです。この動乱はかなりの規模になります。今はまだ小規模の反乱が多いですが、その全兵力は万を超えると思います。そして各諸侯はこの本拠地をこぞって叩こうとします。ここからは僕の提案ですが、この本拠地を我々も叩いてみてはどうでしょうか?」

 

もともと董卓軍は黄巾党の討伐にかかわっていないはずだ。歴史を変えてしまうかもしれない。しかしどうしても歴史を変える必要があった。歴史通りならこの動乱の後、反董卓連合が出来上がってしまうからだ

 

莉空「それは本当か!?どうする?」

 

詠「万を超えるですって!?確かに、そんな危険な存在を放置しておくわけにはいかないわね」

 

ねね「そうなのです!ここは一気に叩くべきですぞ!」

 

友哉「なら、次からは俺も出ていいですか?練兵も終わりましたし」

 

月「そうですか。詠ちゃんはどう思う?」

 

詠「いいんじゃない?だいぶ部隊としての完成度も上がってきているようだし。そろそろごくつぶしも卒業してもらはないとね」

 

霞「ええんか?友哉まで出てもうたら天水はすっからかんやで?」

 

ねね「その心配はいらないのです!万を超える規模ならばめぼしい賊はみんなそこに集まっているのです!」

 

詠「その通りよ!それに私の部隊は天水に残るわ。小規模の賊なら将軍がいなくても制圧できるわ」

 

月「それじゃあ決まりですね。恋さん、霞さん、莉空さん、ねねちゃん、友哉さんは黄巾党の本拠地に出向いてこれを殲滅してください」

 

霞・莉空・友哉・恋・ねね「おう!(・・・おう)(おうなのです!)」

 

見守っていてくれよ・・・友奈

 

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ねね「着いたのです!」

 

友哉「あの砦が黄巾党の根城か、でかいな・・・」

 

霞「なんやゆうやぁ〜、びびったんか?」

 

友哉「そ、そんなことは!」

 

莉空「まぁいいじゃないか。初戦だ。少々おじけるのは仕方ないだろう。」

 

恋「・・・友哉強い、大丈夫」

 

友哉「恋、ありがとう」

 

霞「そういやぁ、なんで恋にだけタメ口なん?うちらには敬語やのに」

 

友哉「なんででしょう・・・僕にも分かりませんね」

 

霞「もしかして、お二人さん、そういう関係なん?」ポッ

 

友哉「そんなわけないじゃないですか!」

 

霞「うちもそうなってもええねんで?」

 

ねね「ちーんーきゅーうーキーック!黙りやがれなのです!今は軍議中なのですぞ!」

 

莉空「わたしも、かまわん・・・コホン!敵は約三万。そして集まった諸侯の牙門旗は、公孫、曹、劉、孫、袁、そして・・・十文字!?だれだこれは」

 

ねね「それはおそらく天の御遣いのものなのです!つまり劉備軍のものと考えておけばいいのです!おそらく明日の朝袁紹軍が何も考えず、数に物を言わせて突っ込みます。我々はその後ろについて、袁紹軍を風除けに使うのです!」

 

霞「たぶんやけど、ほかの諸侯もおんなじように考えとるんやろなぁ」

 

莉空「まぁ、いいんじゃないか?最小の犠牲ならば」

 

恋「・・・頑張る」

 

ついに明日の朝か・・・今日は眠れそうにないな・・・よし!あそこの丘の上から月でも見よう

 

漆黒に浮かぶその満月は、どこまでも優しくそしてどこまでも明るい光をこの大地に注いでいるのだった。まるで董卓のように。

 

友哉「月、絶対に生きて帰るよ・・・」

 

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??「あっ!いたよ!愛紗ちゃん!」

 

関羽「桃香様!どこですか!もう、ご主人様早くしてください!」

 

一刀「ごめんごめん。どれ。お?あれが噂の『六刀の天災』か」

 

関羽「そのようです。噂通り、六本の剣を腰に挿し、空色の髪と目をしています」

 

劉備「綺麗だね。でもまだ小さいね。鈴々ちゃんほどじゃないけど。それになんだか悲しい眼をしてるね・・・。あ!誰か来たみたいだよ!」

 

関羽「(何で隠れるんですか?)」

 

劉備・一刀「(なんでだろ?)」

 

劉備たちが茂みに隠れると、反対側から金髪の少女が二人の女性を連れてやってきた。

 

劉備「(誰かな?あのひと)」

 

関羽「(おそらく、陳留の曹操かと)」

 

??「あなたが『六刀の天災』かしら?」

 

友哉「誰ですか?あなたは」

 

??「貴様ぁ!華琳様に向かって!」

 

??「よせ姉者!ややこしくするな!」

 

??「私の名は曹操。そしてこっちが」

 

??「夏侯惇だ」

 

??「妹の夏侯淵だ」

 

友哉「あなたが、曹操さんですか」

 

少しというかかなり驚いた。治世の能臣、乱世の奸雄とまでうたわれたあの曹操が、またまた金髪美少女となって現れたのだ。それに夏侯姉妹まで・・・さすがに月でなれていたがここまでとは…現実は小説より奇なり、という言葉を実感したものだった

 

曹操「あら、知ってくれてるのね。それであなたが『六刀の天災』?」

 

友哉「一応、そういうことになりますね。俺の名前は天城友哉です」

 

曹操「綺麗な空色ね。六本も剣を使うというからどんなごついのかと想像していたけど。なかなか可愛いじゃない。欲しくなっちゃうわ」

 

友哉「か、可愛い!?」

 

夏侯惇「か、華琳さま!?」

 

曹操「あなた、私のところに来るつもりはない?」

 

友哉「残念ですが、それはできません。天水は俺の家で、家族もできました。どんなに優れた大将に誘われても、俺はその誘いを受けるつもりはありません」

 

曹操「そう。それは残念ね。じゃあ、また戦場で会いましょう。そうだわ。あなたその六本の剣を本当に全部使うの?」

 

友哉「さぁ?どうでしょう?戦場で分かるんじゃないですか?」

 

曹操「それもそうね」

 

そういうと曹操は覇気を滲ませながらもときたほうへと帰っていった。その時一瞬こっちをにらんでいたような気がした

 

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劉備「(何話してたんだろう?)」

 

関羽「(どうやら、あの天城とやらを引き抜こうとしていたようですが失敗したようですね)」

 

一刀「(さっき曹操こっちに気づいてなかったか?)」

 

関羽「(確かに、一瞬こっちを睨んだような・・・)」

 

劉備「(また誰か来たよ!)」

 

関羽「(今度は江東の孫策のようですね)」

 

??「何してるの?」

 

友哉「今度は誰ですか?」

 

今度は桃色の髪の女性が眼鏡をかけた黒髪の女性を連れてやってきた

 

??「あら冷たいのね。私は孫策。」

 

??「周瑜だ」

 

友哉「今度は呉の方々ですか。俺は天城友哉です」

 

孫策「ま、今は袁術の配下だけどね♪」

 

友哉「で、何の用ですか?」

 

周瑜「『六刀の天災』と呼ばれる奴がどんな奴かと思って見に来ただけだ」

 

孫策「そゆこと。ま、思いのほかごつくなくて可愛かったわね。空色も綺麗だし」

 

友哉「またそのパターンですか・・・」

 

孫策「ぱたーん?」

 

友哉「なんでもないです。それで本当は何しに来たんですか?」

 

孫策「ありゃりゃ、ばれちゃったか」

 

周瑜「そんなに不敵な笑みを浮かべておいてなにを言う」

 

孫策「まぁいいわ。あなたうちに来ない?呉の独立のために」

 

友哉「またまたお断りです」

 

孫策「またまた?」

 

友哉「さっき曹操さんにも誘われました」

 

孫策「あら、モテモテじゃない。まぁ、こんなにすっぱり断られたんじゃしょうがないわね」

 

周瑜「ところでお前、本当に六本使うのか」

 

友哉「またまた戦場で分かるんじゃないですか?」

 

孫策「これも曹操と同じ?もう少し早く来ればよかったわね。じゃあね、おやすみなさい」

 

友哉「おやすみなさい」

 

そういうと孫策も来た方向に向かって帰っていった。またまたこっちを睨んだ気がした

 

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関羽「(どうやら、孫策も断られたようですね)」

 

劉備「(なんて声かけようかな?)」

 

関羽「(ご主人様!?)」

 

一刀「君は日本から来たのかい?」

 

友哉「そうだよ」

 

これが天の御遣いと黒天の天災の最初の出会いだった・・・

 

 

 

 

 

 

説明
第五話です。
今回ついに友哉は戦場へ!?
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コメント
一刀と友哉の会話の初めに一言入れてもよかったかなと思います(博多のお塩)
劉備・一刀から友哉・曹操、また劉備・一刀から孫策・友哉、と場所が移り変わる場面の場合、地の文で補足した方がいいかと。あと友哉と一刀の対面場面も地の文で盛り上げたほうが。あえて簡素にしたならすいません。(華狼)
はたして、一刀と友哉はどのような化合物を生み出すのか、楽しみです。It is very sweet Fortune(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊)
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恋姫 黒天伝  董卓 友哉 

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