真・恋姫†無双?堕天使の降臨〜
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 董卓。

 真名は、月。

 特徴といえば細い手足や、ふわふわした白髪、色の白い肌に透き通った瞳など、まさしく『美少女』という言葉で略せる少女。

 彼女の仕事は、皇帝の代理として政治すること。

 人の見方次第では『権力支配』という力の政治に見えるため、あまり喜ばしい体制ではない。が、客観的に見れば、董卓の政治自体はそれほど人々を困らせるものではなかったため、洛陽に住む人々はあまり不満を抱くことはなかった。

 だが、董卓の政治に不満を抱く諸侯は増えていった。

 理由は簡単である。

 

『自分こそが大陸を支配したい』

 

 その願望を抱く力ある諸侯は、董卓を倒して自分こそが支配者にと望む。

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第二話

 

『絶望』

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 董卓の政治に反発した袁紹・袁術などの有力者が、反董卓連合軍を組織した。

 それを聞いた董卓は反董卓連合軍を迎え撃つ姿勢をとり、先陣として華雄という武将が出撃することとなった。

「何も心配する必要はない。すぐに勝利の報告しに、洛陽に戻ってくるさ」

 そう吉報を待つように、言った華雄は殺された。

 今度は呂布が行くこととなった。これでもし、呂布も殺されれば洛陽どころか董卓の運命も決まってしまう。

「……わたし、戦場に出ます」

 ポツリと、董卓は呟いた。

 それを聞いた途端、賈駆が猛反対するが癇癪を起こしたように、彼女は叫ぶ。

「嫌ですっ! これ以上何も出来ずに大切な人達が殺されるなんてっ!」

 最大の恐怖。

 華雄という大切な仲間が殺されたことで、引き金となって敗北を前提として思い描いてしまったのか。それともかつてあの見せしめという名目で、吊り上げた張角を思い出したのか。それとも……。

「………大丈夫」

 ポンッと呂布は董卓の肩に乗せた。

「恋は誰にも負けない。霞も詠もいるから問題ない」

「でも……もしも……」

「……約束」

 呂布は小指を董卓に出す。

「部下から聞いた。小指同士で交じり合いの誓いを立てたら絶対に叶うって」

「恋さん……」

 その指を、絡める。

「……月を守ってほしい。どんなことがあっても」

 呂布は傍にいる部下に董卓の護衛を命じる。

「心得ました。……どんな手を使っても私、北郷は、董卓様を永遠に守りいたします」

 北郷は手を合わせ、呂布に約束した。

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 董卓と別かれてから数日後、呂布軍は反董卓連合軍を蹴散らした。その圧倒的な呂布の武力と軍の力の前に誰も太刀打ちできなかったからだ。

 勢いは日に増していきとうとう連合が率いる本陣まで追い詰めた。

「敵はもはや風前の灯ね。後は総大将の袁紹倒せば終わりね」

 賈駆は笑顔で呂布に言葉を交わす。

「………」

 しかし、一方の呂布は浮かない顔をしていた。

「どうしたのよ? 何か気になることでもあるの?」

「………」

 呂布は答えない。

「恋っ! 詠っ!」

 そこへ呂布の部下、張遼が斥候から帰ってきた。

「恋と戦いたいという武将が現れよった!」

「………」

「ふんっ! そいつ命知らずの馬鹿ね。恋に勝てるわけないじゃない」

 戦う前から結果がわかっているように賈駆は鼻で笑った。

「………どんな奴?」

 賈駆自身は笑みを見せるが、実際に戦う呂布は真剣な表情で相手の名を尋ねた。

「……そいつ、華雄を殺した奴や」

「!!」

 すると、呂布は微笑んだ。

 誰が見ても寒気が立つ笑みを。

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そして―――。

 

 

最終話へ続く……

説明
スト−リー
これは、その董卓が呂布に殺されるまでの物語。
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