猫すきだったら
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「うーん、風がきもちいいねぇ」

 

 アティーシャは春の陽気に誘われて、聖楽学院の敷地の中を散歩していた。

 

庭の草花がその色を濃くし、初夏の訪れを予感させるものであった。

 

「今日のお昼ご飯はおいしかったなー。おかげで食べすぎたかも」

 

そんな彼女の独り言を聞いてしまい、ほほえましく見る院生、笑っている院生達と挨拶を交わしながらも食べすぎたお腹を気にしながら歩くアティーシャの前を黒い影が目に入った。

 

「あっ!にゃんこだー」

 

目の前を横切っていく猫を見て、追いかけるアティーシャ。

 

実は、彼女は大の猫好きで猫を見ると追いかけてしまう事が数多くあった。

 

「きれいな毛のにゃんこだなー。でも、なんか毛の色が金色に見えるんだけど」

 

猫と一定の距離を取りつつ歩くアティーシャ。猫はアティーシャが追いかけて来ている事に気がついていないのか優雅にゆっくりとした動きで歩いていく。

 

「なんか、このにゃんこの毛の色といい、優雅さといいなんかサリアンさまみたい」

 

などとアティーシャが考えていると、猫は歩くのをやめアティーシャの方を振り返った。

 

「にゃ?(呼んだかい?)」

 

そんな鳴き声が聞こえてしまい、アティーシャは一瞬心を読まれたのかとドキッとしてしまった。

 

「まさかね、にゃんこが心を読むなんてことはないよね。あはははは‥‥君、猫だよね?」

 

アティーシャは猫に問いかけるかのように声をかけた。なにを隠そうアティーシャは怪談のようなお化けの話は大の苦手である。

 

「にゃー、にゃー」

 

といいながらすりよってきた猫にアティーシャは微笑んで猫を撫でようとした。

 

と、その時だった。

 

 

 

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初作です。
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聖鐘の乙女 アティーシャ 

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