董乃章 董旻・牛輔伝
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北郷は月軍の一武将です。

月軍は群雄の一人として長安で割拠してます。

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〜董旻伝〜

 

 

「へうう〜へうう〜へうううう〜〜//」

長安の主、月は締まり無い顔をしながら、歓喜の月語(へうう〜)を締まりなく垂れ流していた。

 

「なんか今日の月、ずいぶんご機嫌だね?」

そんな月の様子を若干引きながら横目で眺めていた、月の重臣北郷はもう一人の重臣である詠に理由を尋ねる。

 

「ああ・・今週ここ(長安)にびんちゃんが到着するからね」

「びんちゃん?」

 

「ああ、董旻(とうびん)略してびんちゃん・・月の妹よ」

「妹・・?月に妹なんていたんだ全然知らなかった」

 

「数ヶ月前にうちに来たアンタが知らないのも当然よ、びんちゃんは数年前から安全な辺境に避難させてたから」

「そうなんだ」

 

「韓遂、黄巾、宦官、袁紹、曹操・・ここ数年危険な類が頻出してたからね」

詠がため息を吐きながらそう応じる・・たしかにここ数年のこの世界は危険に溢れていた。

特に国の指導層たる詠にはその事を重く受け止めているらしく・・苦労性で元々ため息が多い詠だが先ほどのため息は更に深かった。

 

 

「でも、避難させてたんでしょ・・大丈夫?前に比べればまだましだけど、今でもここは安全とはいいきれないと思うけど」

「まあ、それはそうだけど・・びんちゃんがここにいるのは短期間の予定だから大丈夫でしょ、それに・・」

 

「それに・・?」

「月がそろその我慢の限界なのよ」

 

「限界?」

「・・嫌でもそのうち分かるわよ」

「え、詠?」

詠が再びため息を吐きながらそう応じる・・しかも、先ほどの国を憂うため息よりも更に重いため息を吐きながら。

北郷は・・そのため息と同時に出た異常なほどの悲哀オーラを感じ、それ以上質問を続けるのは止めた。

 

 

「へうう〜へうう〜//ねえ〜ねえ〜詠ちゃん」

そんな風な詠の様子を知ってか知らずか、相変わらずご機嫌の月が詠が話しかけ始めた。

 

「なに?月」

「びんちゃんをどう歓迎しようかな〜?」

「まあ・・うち(月勢)の身内の話だし内々で小さい歓迎会ひらけばいいんじゃない」

詠が淡々と応じる・・苦労人モードから事務官モードに移行したようだ。

 

「へうう〜!!そんなの駄目だよ、びんちゃんが来るんだし盛大に歓迎しないと」

「月、たしかにびんちゃんが来るのは歓迎するけど・・まだまだ予算が厳しいなかそれはむずか・・」

 

「そうだ、民の皆さんに頼んで万歳三唱で出迎えてもらおうよ」

「・・月、無視なのね。それより民に出迎えってそれはやりすぎじゃ・・」

 

「そんなことないよ!びんちゃんの可愛さを鑑みればこれぐらい当然だし、民もびんちゃんをみれば喜んで納得してくれるよ!!」

「そ、そうかなー」

 

「ちがいないよ!それでも納得しない人は相応の罰を与えて無理矢理にでも!」

「ゆ、月!ちょっとそれは!!」

 

「びんちゃんの可愛さを認めない人間は人間じゃない!!だから皆極刑だよ!!」

「ゆ、ゆえ〜!!!」

 

詠が月しがみつきながら、何かに戻ってくるように月の名を呼びかけるが。

その何か・・月はその日一日飛んじゃってたそうで戻ることは結局無かった。

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結論・・月は『妹萌(狂い)』であった。

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〜牛輔伝〜

 

 

「へうう〜」

「にうう〜」

久々の姉妹の触れ合いで馬鹿ぽいぐらいご機嫌のようで。

月と月の膝に上に座るミニ月(董旻)が同時に董語(へうう〜&にうう〜)を垂れ流す。

その姿は、まったくもって群雄の姿とは思えないチーズのように蕩けまくりの締りの無さだ。

 

ただ・・。

「めっちゃ可愛い!!」

その姿に萌きった北郷には関係ない話のようで・・思ったことをそのまま口にしてしまった。

 

「へうう〜一刀さん!?」

「にうう〜北郷お兄様!?」

もちろん・・そのいきなりの絶叫に月姉妹が「どうかしてしまったのか」と思い、北郷の名を呼ぶ。

 

「い、いや・・ご、ごめん。だって二人が可愛いから」

「へうう〜(にうう〜)//」

その哀れ者も見るような目に我を取り戻した北郷だが・・ジゴロ独特の臆面の無さは続いていた。

こればかりは死んで治るレベルであろう。

 

「ほ、北郷お兄様からかわないでください・・月お姉様ともかく、びんは可愛くなんか・・」

「いやっ〜!びんちゃんも可愛いよ〜」

「・・・(月が「ビクッ」とする)」

 

「そ、そんな事無いですよ〜」

「いや〜逢引に誘いたくなるぐらいだよ」

「・・・(月が「ビクッ」とする2)」

 

「にうう〜北郷お兄様からかわないでください//」

「いや・・半分本気だよ〜」

「・・・(月が「ビクッ」とする3)」

 

「にうう〜月お姉さまに悪いですよ」

「びんちゃんはお姉さん思いでいい娘だね〜」

「に、にうう〜//」

董旻が恥かしさのあまり顔を真っ赤に染める。

ほんと一回死ねばいいのに・・このジゴロは。

 

「・・一刀さん」

「ん?どうしたの月?」

 

「申し訳ないんですが、牛輔ちゃんを呼んできてくれませんか?」

「牛輔ちゃん?」

初めて聞いた名前に北郷は若干首をかしげる。

 

「私をここつれてきてくれた親戚のお姉様です、北郷お兄様」

「びんちゃんを連れてきた人?」

 

「ええ、私の親族の一人で、今日はびんちゃんの警護のため私の地元から来てくれたんですが・・」

「まだここ(歓迎会の会場)に来てないの?」

 

「ええ・・それで呼んできて欲しいんですが」

「別にいいけど・・」

「じゃあ・・お願いします」

 

 

 

 

「(呼びに行くのはいいけど・・なんで牛輔さんと初対面の俺なんだろ?)」

北郷がそんな事を思いながら、外に出ると歓迎会の準備役を務める詠と鉢合わせする。

 

「やあ・・詠」

「あんた、もうそろそろ歓迎会始まる時間なのにどこ行くつもりよ?」

 

「いや・・月に牛輔さん呼んで来いって言われて」

「牛輔って・・あんた月になにしたの?」

詠が牛輔の名を聞いて突然嫌そうな顔をする。

 

「へっ・・い、いや特になにも」

「やっぱいいわ・・鈍感馬鹿のあんたなら下手したとしても気づいてないでしょうし」

 

「い、いや・・そんな事は」

「まあ・・死なない程度に頑張りなさいよ」

詠はそんな不吉な事を言い残し場内に入っていった。

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「・・死なない程度かー」

数分後、牛輔の部屋の前に着いた北郷は汗を垂れ流しながら・・詠の先ほどの台詞を呟いていた。

その理由は・・牛輔の部屋の表には部屋に入りきらないぐらい巨大な処刑台と五右衛門風呂(しかも、真の意味の高熱湯入り拷問・処刑用の)が置かれていたからだ。

 

それに加えて筋肉隆々の護衛(しかも、上半身裸の)が10数人居る事も北郷の心に負担を与えていた・・。

 

「ぎ、牛輔さん・・あっどうも・・入りますよ〜・あっどうも・・」

そんな某筋肉オカマ以外は忌避感しかわかない肉林を越えて、あと肉林に挨拶されながら北郷は部屋の中に入る。

中は以外にシンプルで・・その真ん中に白い清潔そうな服をきた人物・・牛輔が座っていた。

見た目なかなか可愛いらしい女性だ・・ただ。

 

「大丈夫、大丈夫・・私は強い子、そう・・強い子」

頭を抱え三角座りをしながらブツブツ・・と自己啓発をしていなければもっと良かっただろに。

そして北郷ももっと話し掛けやすかったであろうに。

 

「え、えーと、牛輔さん」

数秒後・・覚悟を決めた北郷は牛輔に声をかける。

 

「きゃ!な、なんですか!」

「い、いや・・牛輔さんを迎え・・」

 

「ちょ、ちょっと待ってください!正装に着替えますから」

「えっ・・と・・は、はぁ・・」

 

「お、おまたせしました・・い、いや待たせたな!!!」

着替え終わった牛輔はボンテージに、蝶の形の仮面に刺の鞭と・・。

Mの人、大喜びのテンプレート一杯の姿をしていた。

 

ただ・・月一族の定めか、胸の肉が足りずプカプカしてたが。

まあ、ともかく関係になりたくない種の人であることは変わりないだろう・・。

 

「があぁはっははは・・この閻魔大王の生まれ変わりと恐れられる牛輔様に!!な、なんのようだ貴様!!」

・・更に上の台詞で余計避けたくなる。

 

「えーと、俺、北郷と言います・・月の命で牛輔さんを迎えに来ました」

正直、北郷もその様な人とあんまり深く付き合いたくないらしく・・シンプルすぎる自己紹介をした後にさっさと用件を伝える。

 

「な、なに貴様が北郷だと」

がっ・・なぜか牛輔は大げさに反応する。

正直、メンドクサイことになりそうな予感だ。

 

「お、お前!月様の寵愛をかさに色々とやってるらしいいな!!」

「そんな事ありませんよ」

 

「とはいえ、この私に逆らうのはいかんぞ!!私は月様の親族であるのに加え、月軍随一の武勇と知力を持ちそれでいてとても残虐な性格なのだ」

北郷の珍しい淡々とした(関わりたくない一心の)返答は甲斐なく・・牛輔は絡み続けだした。

 

 

そして・・。

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「そ、その時だ、分身し100人になった呂布をこの私が一撃で撃破したんだ」

あの後、北郷は延々と牛輔の『わたしは強いんだぞ』の話を聞かされていた、しかも上の様なエセ話ばかりだ。

 

外からは楽しそうな笑い声が聞こえてくる、あれから数時間たった・・董旻の歓迎会が盛り上がってるのだろう。

それに対して北郷はSM女王様の格好をした少女のエセ話を聞いている・・自分の身の悲しさを更に感じていた。

そしてとうに我慢の限界を越えていた・・。

 

「えーと、牛輔さんまだ続きますか・・」

「むっ!私が話してる途中に声を挟むとは、私の恐ろしさをまだ分かっていないようだな貴様!!良かろう我が怖さもっと教えてやる」

 

「そうですか・・続きますか」

「そうだ!」

 

「なら、実力行使で止めます」

「へっ?」

 

「えい!(ビン!!)」

「きゃっ」

北郷は牛輔にデコピンをした。

 

「お、お前何を!この私の刀のさびにしてやろうか・・」

涙目の牛輔は、武器を持ち出し脅そうとするが・・。

 

「ぎ ゅ う ほ さ ん・・月が待ってるんで会場に行きますよ!」

「は、はい・・わかりましたでございますですます!」

・・北郷の一言で負けて終わった。

 

 

後で北郷が確認したところ牛輔は気弱すぎて自分を強く見せたがる奇病があるらしい。

もちろん、「実力(弱さ)」は隠しきれておらず、更にその奇病に付き合う「面倒臭さ」は誰もが知っている事であった。

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あとがき

董白等の董卓の身内贔屓を・・妹萌に無理やり変換ssですw

あと脳内イメージは月を更に小さくロリチックに、理由は『びん』っていう可愛い名前の響きからw

 

牛輔のは有名な話ですからそのままssに。

使いやすいキャラなので他ssにも絡めるかもしれません。

あと脳内イメージは月に詠の鋭そうな外見を足した感じで。

 

説明
董旻・牛輔を恋姫風に・・ssです。
ジャンルはギャグです。
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