月の詩〜after story-その本、有害につき-〜 |
「よかったのかい?
ホイホイついてきちまって
俺は・・・ノンケだってかまわないで喰っちまうような男なんだぜ?」
「いいんです
貴方みたいな人・・・好きですから」
彼の言葉に、僕は照れながらもそう返す
これに彼は一瞬驚いたのち、爽やかな笑みを浮かべたのだ
「嬉しいこと言ってくれるじゃないの
それじゃ、とことん楽しませてやるからな」
その言葉と共に、僕の“ピチューン”に伸ばされる手
直後、僕はあることを思い出し体を震わせた
「そういえば、僕・・・おしっこがしたくて、厠に行こうとしてた途中で・・・」
「そうか
ふむ・・・イイことを思いついた」
言って、彼は“バン”と壁に手をつけ自身のお尻を僕に向けた
そしてニヤリと笑い、こう言ったのだ
「お前・・・俺の“ズキューン”で“バキューン”をしろ」
「ぇ・・・?」
その一言に、僕は知らずのうちに唾を呑みこんでいた
視線が、彼のお尻から離れない
新しい世界へと、また一歩深く歩み出した瞬間だった・・・
≪月の詩〜after story-その本、有害につき-〜≫
「・・・というわけで、魏が攻めてきたました」
「どういうわけですか!?」
蜀の玉座の間
朝一番から王のとんでもない発言に、重臣である愛紗は驚きの声をあげる
無論、愛紗だけでなく他の者達の顔色も一様に悪い
「魏国との国交関係は、さほど悪くないはずであろう?
それに最近では、あの“天の御遣い”も帰ってきたとかで皆元気だったではないか」
そう言って、首を傾げるのは星だ
彼女の言うとおり、蜀と魏の国交関係は良好だった
お互いが助け合い、将同士の交流も頻繁におこなわれている
それ故、彼女には魏が攻めてくる理由が思いつかなかったのだ
「えっとね・・・“コレ”が原因みたい」
そんな中、主君である桃香は苦笑しながら一冊の本を皆に見えるよう広げる
それを見つめ、二人の少女がピシッと固まってしまう
朱里と雛里である
皆はそんな二人の様子に驚きながらも、桃香の見せた本へと視線を向けた
“御遣い、手苦二苦”
そう書かれたその書物を・・・
「これは・・・?」
「これは、なんて説明したらいいのかな・・・う〜ん、読んでもらった方が早いかも」
言って、桃香はその本を近くにいた紫苑に手渡す
彼女はそれを開きしばらく無言で呼んだ後・・・頭をおさえたまま、隣にいた桔梗に渡した
手渡された桔梗は眉を顰めながらも手渡された本を読み、同じように頭をおさえながら隣にいた焔耶へと手渡す
そんなことが続きしばらく経ったころ、ようやく最後の一人である星が読み終わった
彼女はそれを閉じると、フッと柔らかな笑みを浮かべ桃香を見つめる
「桃香様・・・私、少々“お暇”を頂きたいのですが」
「ちょ、ちょっと待ってぇぇぇえええ!!!?」
“今までお世話になりました”と深々と頭を下げながら言う星に、桃香は慌てて駆け寄りその肩を掴んだ
その目に、涙を溜めながら
「ちょ、まっ、お願いだから待って!?
考え直して、ね!?」
「いえ、もう決めました
もうこんな国出てってやるんだって、そう決意しました」
「ちょ、ホントに落ち着いて!
翠ちゃんからも、何か言ってあげてよ!?」
「え?
あ、アタシ・・・そろそろ、涼州に帰ろうかなって」
「翠ちゃーーーーーん!!?」
翠の発言に、今後こそ泣いてしまう桃香
そんな彼女をなだめつつ、愛紗は“こうなってしまった原因である本”へと視線をうつす
「確かに・・・この本は、酷過ぎますね
こんな本が、我が国から出ていたとは」
「うん・・・その本のせいで、御遣い様が“イイ男”達に狙われて大変だったんだって
無理やり林檎を食べさせられたり、“ホイホイチャーハン”って無理やりチャーハンを食べさせられたり・・・た、食べられたり」
「うっ・・・それは、お気の毒に」
言いながら、愛紗は頭を抱える
それから、本を手に取り首を傾げた
「しかし・・・だとすれば、本気で攻めてきたわけではないのでは?」
「うん、いくら酷いからってこんなことで戦争を起こすはずないもん
多分、犯人を引き渡して謝らせれば解決するんじゃないかな」
「その本に、名前とか書いてないの?」
蒲公英の言葉に、愛紗は本をジッと観察する
そして、見つけたのだ
“著者・・・歯和和・亞和和”
「桃香様・・・」
「うん・・・朱里ちゃんと雛里ちゃんの首を送れば、全部解決だね♪」
「はわわっ!!?」
「あわわっ!!?」
主君である、桃香のあまりに無慈悲な一言
これに、二人の少女は身を寄せ合い震えることしかできなかったとか・・・
ーーーー†ーーーー
「で、君らは劉備さんから謝ってくるように言われたと?」
「「・・・はい」」
“シュン”という擬音が聴こえてきそうなほど、二人の少女は申し訳なさそうに頭を下げている
そんな少女を見下ろすように、彼“北郷一刀”は腕を組み立っていた
その周りには、魏の面々が少女を囲むように立っていた
「なぁ、華琳・・・劉備さんって、俺の記憶違いでなければ“仁君”とか呼ばれてたよね?
にしては、随分とあっさりと二人をこっちに手渡してきたな
俺はてっきり、一回使者を送って詳しく話を聞いてからだと思ってたんだけど」
「ええ、そうね
まぁこっちが攻める気がないのを知っていたのでしょうけど・・・」
「そうかもしんないけど・・・何で“亀甲縛り”なんだろう?」
「あ、いえ・・・これは私たちの趣味なので」
「え、あっ、そうなんだ・・・」
朱里の言葉に、若干引きながらも一刀は笑った
その隣では、華琳が朱里と雛里から僅かに距離をとっている
さて、そもそも何故このようなことになっているのか
まずは、そこから説明しなくてはならないだろう
今から数か月前
天に帰ったはずの“天の御遣い”、“北郷一刀”が帰ってきた
これに魏国の皆は大いに喜び、そしてしばらくの間お祭り騒ぎとなる
それも落ち着きしばらく経った、今より数日前のこと
魏国の都に、新しい本屋が出来たのだ
その名は“武苦男腐(ぶっくおふ)”
都でも随一の大きな店構えに、様々な種類の本があることから瞬く間に一番の人気を集めた
その噂を聞いた華琳が、一刀を誘ってその本屋へと向かったことが始まりだった
そこで、見つけてしまったのだ
一冊の本を・・・
“御遣い、手苦二苦”
そのあまりの内容の酷さに、一時は本気で“蜀を滅ぼそう”と思った一刀
だがしかし、その時は周りの者が“たかが本で”と彼を止めた
その時は、それで終わったのだ
しかし・・・それから、彼の体を狙い都中の“イイ男たち”が動き始める
それにより無理やり林檎を食べさせられたり、無理やりチャーハンをホイホイされたり・・・た、食べられたり
等々、一刀の心身はすっかり疲れ果てていた
そこでようやく、流石に見過ごせないと華琳達魏国の重臣たちが動いたのだ
わざわざ国境まで兵を動かし、“御遣い、手苦二苦”を蜀へ送り犯人の身柄を引き渡すよう促す
そして・・・蜀の王である劉備は、あっさりと件の著者
“歯和和・亞和和”こと、朱里と雛里の身柄を渡してきたのだった
ご丁寧に、“私たちは一切関係ありません”という手紙をつけて・・・
「で、二人がこの本を書いたんだよな?」
「「はい・・・」」
一刀の言葉に、二人はシュンとしたまま頷く2人
そんな二人の姿に苦笑しつつ、一刀は二人の頭をポンと撫でる
「2人とも、そう恐がらないでよ
俺はべつに、怒ってるわけじゃないんだ
ただちょっと、堪忍袋の緒がプッツンしてるだけだから
今だって二人のことをどうしてやろうか、色々考えてるんだよ?
なるべく、非人道的な方法でね」
「あわわっ!?
物凄く怒ってますよね!?」
「まぁ、ぶっちゃけね」
「はわわっ!?
ぶっちゃけちゃいました!?」
一刀の爽やかな笑みと共に放たれた言葉に、二人はガクガクと体を震わせる
その様子を見つめていた華琳が、深くため息を吐きだす
「一刀、少し落ち着きなさい
気持はわからないでもないけど・・・」
「華琳・・・わかったよ」
言われ、一刀はフッと微笑んだ
「けどさ・・・やっぱり、2人には反省してもらわないと
あの本のせいで、色々大変だったんだから
都中の“イイ男”に追いかけられて・・・」
「あわわっ!?
ktkrーーーーー!!」
「はわわっ!?
そ、その時の様子をkwsk!」
「目を輝かすな、コラ」
“やっぱ、とことん懲らしめてやろうかコイツら”と一刀が思ってしまうのも無理はないと思う
それほどまでに、二人の目はキラキラと輝いていたのだから
こんな二人が、かの諸葛亮と鳳統というのだからこの世界は恐ろしい
「大体、ただでさえ最近はおかしいことだらけなんだから
気付いたら俺の部屋から“下着”やら“寝巻”やら“愛用の箸”が無くなったりしてさ・・・」
「それは・・・大変ですね」
「ああ・・・一昨日なんて、お気に入りの“とっとこハ○太郎”のパンツまで無くなるし
一体、誰が持ってったんだろう」
「だ、大丈夫です!
隊長の下着を盗んだ者は、この私が必ず捕まえてみせます!!」
「凪・・・うん、頼りにしてるよ」
「は、はいっ!!」
などと、元気よく返事をする凪
だがそんな彼女が大量に冷や汗を流していることなど、感動のあまり涙を流している一刀は気づけないでいた
灯台下暗しとは、よく言ったものである
「で、結局この二人の処分はどのようにするのですかな?」
そんな中、一人の女性が口を開く
趙雲こと、星である
彼女は朱里と雛里と共にこの陣までやって来ていたのだ
「どうしようかな・・・って、そういえば趙雲さんは何でここに?」
「いえ、少々事情がありましてな
“蜀から出奔しました”」
「・・・それ、少々なんてもんじゃないよね?」
「なに、ちょっとした気分転換もかねております故」
“しばらくしたら戻ります”と、星は笑う
それから、2人のことを指さし溜め息を吐きだす
「この二人は愚かにも、かの天の御遣いの名を出して酷い本を書きました
あまり褒められた行為ではありませぬぞ」
「そうだよな・・・どうしよう」
一刀は、腕を組み考える
そんな彼に、一人の少女が歩み寄ってきた
「お兄さん、お願いがあるのですよ〜」
程cこと、風である
彼女は一刀の隣まで歩み寄ると、深く頭を下げ始めたのだ
「どうか、この二人に寛大な処置をお願いしたいのです」
「風・・・」
「この二人が書いた本“御遣い、手苦二苦”
確かに、酷い内容かもしれません
しかし、心に響く場面も多々あったのですよ」
「風・・・なんでかな
俺、前にもこんなことがあった気がするんだけど?」
“気のせいですよ”と、どっから取り出したのか例の本を開き読み始める風
それから彼女は、見せたいページが見つかったのかフッと一刀に微笑みかけた
「この“神様・・・この世界のイイ男をノンケにしたのがアンタだってんなら、まずはそのノンケから喰ってやる!!”という台詞なんて特に・・・」
「首を刎ねようか」
「はわわっ!!!!??」
「あわわっ!!!!??」
笑顔のまま、恐ろしいことを口走る一刀
その姿は“ある人物”にあまりに似ていて、そのある人物以外の魏国の者は皆笑いを堪えていた
「と、とにかく一刀!
一度落ち着きなさい・・・そうね、ひとまず私たちと一緒に国に来てもらいましょう」
「華琳・・・でも、いいのか?
勝手に連れて行ったりして」
「それならば、問題ありませぬ
桃香様からの伝言ですが“私たちは関係ありませんから、どうぞこの二人のことを好きにやっちゃってください。私たちは関係ありませんから”と」
「それでいいのか仁君・・・っていうか、関係ないって強調しすぎだろ」
「自称“したたか”ですから」
「君も臣下なのに酷いこと言うね・・・まぁ、間違ってはいないんだろうけどさ」
「それと、私もついて行きましょう
何やら、貴方といれば面白いことがありそうだ」
「ご期待に応えられればいいけどね・・・と、そういうわけで帰ろうか華琳」
「ええ、そうね」
その言葉に、帰る為の準備に取り掛かる魏の者達
そんな中、一刀は未だに亀甲縛りのまま座る二人の姿を見つめフッと微笑んだ
「ところでさ、その縛りかた・・・ちょっと緩くないかな?」
「え?
いえ、別にそんなことは・・・」
「いや、緩いよ絶対
もっとキツイ方がいいんじゃないかな?」
「あの、御遣い様?
その手に持っていらっしゃるものは・・・?」
「首輪に手錠に猿轡・・・いや、道中流石にその恰好は不味いでしょ?
だから、これを着けてもらおうと思ってさ」
「あの、そっちの方がマズイんじゃ・・・!?」
「大丈夫大丈夫
君たちの本の中では、俺はもっと酷い目にあってたんだから・・・」
「あわわ、やっぱり物凄く怒ってます!!!??」
「はわわ、ちょっと星さん!!?
な、なんで星さんまで首輪を持ってらっしゃるんですか!!?」
「いやなに、面白そうだと思ってな」
「「そんな理由で!!!??」」
ニヤニヤと、邪悪な笑みを浮かべたまま近づく二人
2人の少女は、恐怖のあまり体をガタガタと震わせていた・・・
続く・・・いや、続いていいのかこれ?
★あとがき★
嘘みたいだろ?
これ・・・“月の詩”の続編なんだぜ?(二回目)
というわけで、皆さんこんにちわw
活動を正式に再会しました、月千一夜ですww
初っ端カオスかよ、とかツッコまないでね♪
今作は、月の詩のepilogue後のお話です
華琳の見た夢は、早くも幾つか現実のものとなったみたいですww
どんまい一刀ww
ていうか、コレ続くのか!?wwwww
説明 | ||
嘘みたいだろ? これ・・・月の詩の続編なんだぜ? @カオス注意 |
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コメント | ||
この続きは書かれてあるのかとても気になる(qisheng) ホイホイwwwwwwwwwwwwwwwwチャーハンwwwwwwwwwww(処刑人アミトロス) ああ、粛清の時が来たか・・・・・南無(−人−)(朱槍) すごい面白いwww(森羅) 腐軍師二人に矯正プログラムが組み込まれるようですwwww(青二 葵) 本気か!一刀の処女はいい男にくわれちまったのかよ。ご愁傷様です。(ZERO&ファルサ) 大丈夫です!続いていいんですッ!!(熱弁)(海平?) こんな作品で大丈夫か? 「大丈夫だ!問題ない!!」(キリッ(アーチャ子) カオス一本に絞るってのはどうでしょう?・・・シリアスとの差がありすぎて「あれ?この作者二重人格じゃね?」って思うときがあるんでwww(種) ある意味最高な続編だと思いますよ!シリアスよりこのままギャグ路線で続けてほしいです!(てらこり) あまりの内容に気づかなかったが…春蘭が寝巻すり替えた事一刀にバレてる?(シオン) あはは・・・もう続き書いてあるんですよね?(azu) 私には見える、月千一夜さんが既にこの話の続編構想を脳内で練り上げている姿が・・・ 「歪みねぇな」(村主7) 静かな朝に爆笑してしまいました!!妄想の一刀さんはどこまで突っ走るのかそこも気になりました。朱里と雛里がこの先どうなるか!続きを欲してしまいます。(shin) 一刀がかわいそすぎる!!もし自分が同じ目にあったとすると・・・。うん、二人をスキンヘッドにして漢女に口付けをさせるぐらいはやらないと気が済まないかもしれない。(タケル) 市中引き回しかよw・・・・・続かなかったら漢女投入ねwww(2828) 一夜君、続けてくれたまえ!!(トウガ・S・ローゼン) 最高だ・・・最高だ・・・サイコウ過ぎだwwwwwwwwwwwww!? この『テラカオス』マジで最高ですよwwwwwwwwwwwww!? 歯和和と亞和和も魏と戦争になりかけているのに全然懲りてないですし『ktkr−−−−!!』とか『そ、その時の様子をkwsk!』って言ってる場合かwww!? 続き超希望します。(劉邦柾棟) とっとこハメ太郎の下着を愛用とはwww そして続編希望(*/∀\*) (mighty) 続けていいと思います。ってか続き気になりますよ、ものすごく。(マイコロス) ホイホイチャーハン一丁(博多のお塩) ナイスカオス!(よーぜふ) なんだよこれ……いったい何なんだよこれは〜〜〜〜!!wwこれもうカオスなんて言葉すら生ぬるいじゃないか!!(悠なるかな) すけべぇ…こうなるのは…仕方ないね(鉛暗) 続けても良いと思いますよ?ww(萌香) 歯和和と亞和和にとうとう粛清が・・・(アロンアルファ) 話的に天から急降下の「ゲイ・オブ・ザ・デモ」を思い出しました。腐軍師ズには性的なお仕置きしかないぞ一刀さん。(yosi) カオスすぎるだろ・・・・・・・・・一刀ドンマイ(VVV計画の被験者) た、食べられたのか・・・ご愁傷さま、一刀・・・(きの) |
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