俺の世界 |
俺は、屋上にいる
なぜ、屋上にきているか?
理由は特にない
しいて、理由をあげるなら
俺は、屋上から自分の住む町全体が見渡せるから
もしくは、ここから見える物、人が俺の世界の一部だからなのか
分からねぇ
でも、ここに来るとなぜか落ち着く
理由はハッキリしねぇが落ち着く
だが、今日の俺は少し違った
どう違うかって?
さぁな
俺自身にも分からねぇ
ただ、自分の世界に嫌気がさしたそんな感じだった
夕暮れに包まれる町をみていると心が落ち着いた
だが、今日はその光景を見ても虚無感しかない
まったく、今日は俺にも分からねぇことが起きるもんだな
自分の身に起こることなのに分からねぇか
ある意味怖いな
まるで、自分の世界に否定されているみたいで
まるで、自分の世界なのに居場所がない
そんな感覚だ
そして俺は、不意に考えた
「もし、俺が自分の世界に否定されていたらどうやって否定されていることを証明するんだ」
しばし、考えた
だが、答えなどなかった
いや、答えはある
それは、自分が死んでみること
もし、それで俺が死んだら自分の世界に否定された
そして、逆に生きていたらまだ自分の世界に居場所がある
それを俺自身で試せばいいと
俺は、屋上のフェンスをよじ登った
幸か不幸か分からないが
誰も止めに来る者などいなかった
俺は飛ぶ前にこう言った
「自分の世界に俺の居場所があるか確かめるか」
そして、俺は飛んだ
そして、重力の法則に従って落ちた
急に落下が止まって
自分の体が何かに貫かれるような感覚
そして、訪れる痛み
俺は
「ああ、やっぱり俺は自分の世界に否定されたんだな」
と思い
ゆっくりと目を閉じた
やがって訪れる終わりを迎えるために
-END-
説明 | ||
一人の高校生が自分が通う学校の屋上で町をみてどんな風にみえているのか |
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