ギイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン！！！！

一同が次に見たのは、方天画戟を真っ二つにされ、一刀の龍滅金剛刀を抜き忠久の斬撃を受け止める恋の姿だった

恋「んっ・・・・・かずと・・・・・ふっ！」

バチイイーーーーーーーーーーーイン！！！

一刀「っ！」

今度は恋が一刀を押し飛ばす

雫「うぁ・・・・・あああああぁぁぁぁ・・・・」

菖蒲「くぅ・・・ううううぅぅぅぅ・・・・」

霞「・・・・・こんな光景・・・・・見とうなかったで・・・・・」

嵐「ああ・・・・・」

音々音「一刀ぉ・・・・・恋殿ぉ・・・・・・」

徐栄「隊長・・・・・・」

張済「兄上・・・・・・・」

月「・・・・・・・・・・」

詠「・・・・・・・・・・」

董卓陣営にとっては気が気でない話である

一刀から預かった龍滅金剛刀で一刀を討つ？

まさに悪夢としか言い様がない

雫と菖蒲はくしゃくしゃな顔で涙を流し、自分達の無力さを嘆いていた

一刀「〜〜〜〜〜〜〜〜っ・・・・・・っ！！」

回天丹田の状態での縮地法

その速さは、もはや肉眼で捉えることは困難である

しかし

恋「んっ！！ふっ！！」

ガキン！！バチン！！ギュイン！！ギャガン！！！ギュギン！！ガイン！！ガアアアン！！バギャン！！ギイン！！ガイン！！

バチン！！ガキイイン！！キイン！！ガカアン！！！ギュイイン！！！キイイン！！ガキャン！！バチイン！！ガキイイン！！

初めて恋と一刀の対決を見るものは目を丸くする

雪蓮「なんてこと・・・・・」

桃香「一体、何が起こっているの？」

華琳「・・・・・・・・・・」

一刀の姿は見えず辺りには黒い羽がただ舞うばかり、恋が龍滅金剛刀を振るうたびに恋の周りに光が迸る

それが一刀と恋の攻防だと分かるのは、かつて一刀と恋の試合を見たことがある者達だけだった

恋「〜〜〜〜〜〜〜・・・ふっ！！」

ガキイイイイイイイイイイイイイイイイイイン！！！！

一刀「っ！！？」

龍滅金剛刀が一閃されると一刀の姿が現れる

恋「んっ！！はっ！！」

一刀「っ！！・・・・・っっ！！」

ギイイイイイイイイイン！！！ガキイイイイイイイイイイイイイイイイン！！！

ギリギギリギリ！！！キイイイイイイイン！！！カキイイーーーーーーーーーイン！！！

バッチイイイイーーーーーーーーーイイイン！！！ガキイイーーーーーーーーーインン！！！

ギイイイイイイイイイン！！！カキイイーーーーーーーーーイン！！！キイイイイイイイン！！！

ガキイイイイイイイイイイイイン！！！バッチイイイイーーーーーーーーーイイイン！！！

ギリギギリギリ！！！ガキイイーーーーーーーーーインン！！！

再び打ち合いを始める両者

しかし

恋「（・・・・・かずとと戦っているのに、全然楽しくない）」

かつて一刀と初めて会った時、霞の案で試合をした

それまで自分とまともに戦うことができたものなどただの一人も居なかった

もちろん多対一ではそれなりに居たが、一対一で対等に渡り合えたのは一刀しか居なかった

その時の試合は自分が生きてきた中で最高に楽しい試合だった、いや、幸せだったと言ってもいい

一刀が自分を見てくれる、それだけで自分の胸の中は嘘のように満たされた

しかし、今はどうだ

一刀の目に光は無く、まるで自分を見ていない

こうして打ち合っていても返ってくるのは気持ちの篭もっていない斬撃のみ

恋「（・・・・・かずと・・・・・恋を見て）」

ガキイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン！！！

一刀「っ！！？」

龍滅金剛刀で一刀を斬撃ごと弾き飛ばす

一刀「〜〜〜〜〜〜・・・・・っっ！！」

歯射亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜庵！！！！

怒歯亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜庵！！！！

回天丹田の状態での邪氣の斬撃

しかし、一刀の氣の斬撃は今まで何回も見ているため恋は難なくかわす

恋「っ！・・・・・かずと！恋を見て！！」

我伽亜嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼案！！！！

一刀「っっっっ！！？？」（ビリビリビリビリ）

なんとか忠久で金剛刀を受けるが岩山の壁に叩きつけられ一刀は追い込まれる

そのせいか、一刀の回天丹田が解除され黒い羽は放出されなくなる

華琳「！！いけるかしら！！」

桃香「一刀さん・・・・・正気に戻って」

雪蓮「一刀・・・・・呂布の気持ちを受け止めてあげて」

雫「一刀様ぁ・・・・・」

菖蒲「あの時の一刀様に戻ってください・・・・・一刀様ぁ・・・・・・」

恋「かずと！！」

一刀「（・・・・・あれ？・・・・・今・・・・・確かに・・・・・誰かに呼ばれたような・・・・・・）」

恋「かずと！お願い！かずと！！」

一刀「（何だっけ・・・・・俺は・・・・・何をしているんだっけ？・・・・・）」

恋「かずと？・・・・・かずと！！！」

一刀「（・・・・・俺は・・・・・）」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　殺せ　　　コロセ　　　　korose

一刀「（・・・・・そうだ・・・・・俺は山賊狩りだ・・・・・賊は・・・・・斬らないと・・・・・）」

恋「・・・・・かずと？」

一刀「・・・・・・・・・・っ！！」

図斜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜庵！！！！

図歯亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜庵！！！！

恋「っっっ！！？・・・・・かずと・・・・・」

再び一瞬で回天丹田を発動し氣の斬撃を叩きつける一刀

何とか恋はかわし、一刀と向き合う

華琳「・・・・・これが・・・・・覇道を歩んだつけだというの・・・・・」

凪「・・・・・届かないんですか・・・・・一刀様・・・・・」

沙和「・・・・・そんな・・・・・」

真桜「・・・・こんなんないやろ・・・・」

春蘭「・・・・・北郷・・・・・」

秋蘭「・・・・・いい加減目を覚ませ、北郷」

季衣「ううう〜〜〜〜・・・・・兄ちゃ〜〜〜ん・・・・」

流琉「・・・・・兄様ぁ・・・・・・」

桂花「・・・・・・・・・・」

稟「・・・・・一刀殿・・・・・」

風「お兄さぁん・・・・・・」

零「・・・・・・・・・・」

華佗「・・・・・一刀・・・・・闇を振り払え・・・・・自分を取り戻すんだ・・・・・」

麗羽「斗詩さん・・・・・猪々子さん・・・・・これは・・・・・わたくしのせいですの・・・・・」

斗詩「麗羽様？」

猪々子「姫？」

麗羽「わたくしが・・・・・あの時・・・・・十常侍の陰謀を見抜いていれば・・・・・こんなことにはならなかったのではないでしょうか・・・・・」

斗詩「麗羽様・・・・・」

猪々子「姫・・・・・」

麗羽「わたくしが・・・・・もっとしっかりしていれば・・・・・斗詩さんと猪々子さんにも・・・・・あれほどのご迷惑をおかけすることも・・・・・無かったんじゃないでしょうか・・・・・」

斗詩「そんな・・・・・」

猪々子「（姫がまともなこと言ってる）」

桃香「一刀さん・・・・・どうしてこんなことになっちゃったの・・・・・わたしのせいなの・・・・・わたしが蜀なんて国を作ったからいけなかったの・・・・・」

朱里「・・・・・桃香様・・・・・」

雛里「・・・・・一刀様ぁ・・・・・」

愛紗「一刀様・・・・・もう止めて下さい・・・・・」

鈴々「あんなお兄ちゃん、もう見たくないのだ・・・・・」

星「一刀殿・・・・・わたしは・・・・・どうしたら・・・・・あなたの心を取り戻せるのですか・・・・・」

紫苑「・・・・・・一刀さん・・・・・・・・」

桔梗「ワシらの気持ちに応えてはくださらないのですか・・・・・・・」

焔耶「・・・・・北郷・・・・・もうそれくらいにしておけ・・・・・桃香様をこれ以上傷つけるな・・・・・」

雪蓮「・・・・・冥琳」

冥琳「・・・・・なんだ・・・・・雪蓮」

雪蓮「これも・・・・・一つの天罰なのかな・・・・・」

冥琳「・・・・・・・・・・」

雪蓮「今まで私は、孫呉の夢のために・・・・・母様の願いを叶えるためにやってきたつもりだけど・・・・・」

冥琳「こんなことになるとは思っていなかった・・・・・と・・・・・」

雪蓮「・・・・・正直・・・・・ね・・・・・」

冥琳「わたしとて、このようなことになるとは想像もしていなかったさ・・・・・」

雪蓮「・・・・・・・・・・」

冥琳「・・・・・・・・・・」

なんとも憂鬱になる二人

二人とも理解していた、一刀がこんなことになっているのは自分達に要因があるということを

雪蓮「だから冥琳・・・・・私は、なんとしても・・・・・どんなことをしてでも一刀を元に戻すわ」

冥琳「・・・・・ふっ・・・・・あたりまえだ、なにせあやつは・・・・・」

雪蓮「ええ・・・・・私達が始めて惚れた男だしね♪」

冥琳「その通りだ」

蓮華「お姉様・・・・・一刀、お姉様がここまで言っているのよ、正気に戻って・・・・・」

小蓮「一刀・・・・・」

思春「・・・・・・・・・・」

純夏「一刀、あたしはまだあんたに何にも返していないのよ、早く戻ってきて・・・・・」

祭「・・・・・北郷よ・・・・・」

亜莎「一刀様ぁ・・・・・」

穏「一刀さん・・・・・」

百合「一刀君・・・・・」

美羽「七乃・・・・・彩・・・・・わらわはどうすればよいのじゃ・・・・・」

七乃「美羽・・・・・様・・・・・」

彩「美羽様・・・・・」

美羽「わらわは・・・・・一刀のことが好きなんじゃ・・・・・きっと七乃や彩も一刀のことが好きなんじゃろうな・・・・・」

七乃「・・・・・はい・・・・・」

彩「・・・・・ええ・・・・・」

美羽「だから・・・・・わらわは考えているのじゃ・・・・・どうしたら昔の一刀に戻ってくれるのか・・・・・」

七乃「・・・・・・・・・・」

彩「・・・・・・・・・・」

二人の忠臣は黙り込む

その答えを二人は持ち合わせてはいないのだから

翠「母さん・・・・・なんとかならないのかよ・・・・・」

蒲公英「おば様、恋に加勢して下さい！おば様は恋と同じくらい強いんでしょ！？」

葵「・・・・・蒲公英・・・・・それは昔の話だ・・・・・かつて孫堅と渡り合っていた時とは違う・・・・・今の俺が行っても・・・・・なんにもならない・・・・・・」

蒲公英「そんな・・・・・」

翠「本当にどうにもならないのかよ・・・・・」

葵「・・・・・・・・・・」

恋「・・・・・かずと・・・・・」

一刀「・・・・・・・・・・」

チャキ！

忠久を肩から垂直に構え一刀は恋を見据える

否、見ていない、一刀は恋を見ていない

今の一刀は、歩く屍

ただ無慈悲に死をばら撒くだけの存在

恋「・・・・・・・・・・っ」

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

次の瞬間、恋から凄まじいまでの闘気が溢れ出した

華琳「あ、あれは・・・・・」

桃香「なに・・・・・あれ・・・・・」

雪蓮「なんて闘気よ・・・・・」

音々音「な！？恋殿が本気になったです！！」

月「ええ！？」

詠「ちょっと！？どうして本気になる必要があるの！？一刀の動きを封じればそれでいいはずよ！？」

音々音「きっと恋殿は、本気にならなければ一刀を抑えられないと判断したのです」

嵐「確かに、今の恋は黄巾党三万を止めた時と同じ・・・・・いや、それ以上の闘気を出しているぞ」

霞「恋の奴、一刀を殺す気かいな！！？」

雫「そんな！！恋さん！！止めて下さい！！！」

菖蒲「そうです！！一刀様に罪はありません！！！」

音々音「慌てないで下さいです！！何も殺すと決まったわけではないです！！」

月「どういうことなの？ねねちゃん」

音々音「さっきも言っていた様に、今一刀が使っている技は命削りの技です、このままぐだぐだやっていたら、一刀は自滅してしまうのです！」

霞「そうなる前に、一気にけりをつけるてか？」

音々音「悔しいですが、時間も無いです・・・・・皆さん、踏ん張っていてくださいです、一刀の剣を振るう恋殿の力はねねも図りかねまする」

恋「・・・・・ふっ！！」

怒轟御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御音！！！！！

ブヲッッッッッッッッッッッッ！！！！！！！

「！！！！？？？？」

恋の振るう金剛刀によって巻き起こる衝撃と風圧に、一同は苦悶の表情を見せる

愛紗「おいおい！！？」

鈴々「にゃ〜〜〜！！？」

星「くっ！！？どうなっているんだ！？」

春蘭「まさか！？虎牢関での恋は本気じゃなかったのか！？」

秋蘭「いや、おそらくあの時は北郷の剣を使いこなせていなかったんだろう」

季衣「うまく扱えなくて１２人相手にできたんですか〜〜！！？」

流琉「信じられないです！！？」

凪「くっ！！わたしもまだまだ修行不足だ！！」

沙和「凪ちゃんそういう問題じゃないと思うの〜〜〜！！」

真桜「せやで！！こんなん人外もええところや！！」

悠「これなら、いくら一刀でも！」

零「・・・・・・・・・・（パクパク）」

桂花「ち、ちょっと！！もしかして今ので死んじゃったんじゃない！！？」

風「お兄さんのことですから、これくらいでは死なないと思いますけど〜」

稟「恋殿も、一刀殿が死なないギリギリのところで力を抑制していると思いますが」

辺りには恋の一撃による砂塵が舞っていた

たいていの人間はこの一撃によって蒸発できるが

ブワッッッ！

砂塵の中から黒い羽の粒子と共に一刀が飛び出す

どうやらギリギリのところでかわしたらしい

一刀「〜〜〜〜〜〜〜っ・・・・・っっっ！！！」

ガキイイイイイイイイーーーーーーーーーイイイン！！！！ギリギリギリギリギリ！！！！

一気に恋との距離を詰めて鍔迫り合いになる

しかし

恋「・・・・・・かずと・・・・・もう止めて・・・・・」

本気になった恋に回天丹田の状態とはいえ一刀の力は及ばなかった

ギリギリギリギリ

恋は鍔迫り合いでどんどん一刀を押していく

一刀「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ！！」

恋「かずと！・・・・・かずと！！」

一刀「・・・・・？」

恋は一刀を見据え何度も呼びかけるが、それでも一刀は首を傾げるばかりである

恋「〜〜〜〜〜〜〜っ！・・・・・ふっ！！」

我伽亜嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼案！！

一刀を押し飛ばし間合いを取る

恋「ふっ！！」

怒我亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜庵！！！！！

恋の一撃によって吹っ飛ばされる一刀

ザシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン！！！

華琳「一刀！！！」

雪蓮「！！？？一刀！！」

桃香「一刀さん！！」

勢いを殺しきれず、背中から地面に叩きつけられ一同の前に放り出される一刀

背中を軽く裂傷し、雪蓮から貰った外套は完全にズタズタになった

太腿まで伸びた髪は土塗れになり、元の光沢のある綺麗な面影を残していない

衝撃のせいか、回天丹田が解除され黒い羽が消える

一刀「・・・・・・・・・・っ」（ムクッ）

それでもゆっくりと立ち上がり、忠久を構える

華琳「一刀！！！もう止めなさい！！！」

雪蓮「一刀！！！あなたはもう私達の尻拭いなんてしなくていいの！！！」

桃香「一刀さん！！！もうこれ以上自分を苦しめないで！！！」

雫「一刀様ぁ・・・・・」

菖蒲「うう・・・・・ぐすっ・・・・・」

凪「・・・・・もういいでしょう・・・・・一刀様・・・・・」

愛紗「一刀様！！！」

蓮華「一刀ぉ・・・・・」

華陀「おまえはこれだけの人達に好かれているんだぞ！！その気持ちに応えてやれ！！一刀！！！」

一刀「（・・・・・まただ・・・・・誰かが・・・・・呼んでいる・・・・・誰だっけ・・・・・なんだか・・・・・聞いたことがあるような・・・・・）」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　殺せ　　　　　コロセ　　　　　korose

一刀「（・・・・・そうだ・・・・・賊を斬らないといけないんだ・・・・・みんなの為にも・・・・・）」

恋「・・・・・かずと？」

一刀「〜〜〜〜〜〜〜っ」

ブヲオオオオオオオオオオオオオオオオオオ！！！

この戦いが始まってから三度目の回天丹田

雫「うううぁぁぁ・・・・・ぁぁぁぅぅぅ・・・・・」

菖蒲「ぐすっ・・・・・ああ・・・・・ああああぁぁぁ・・・・・」

霞「一刀！！！あんたはどれだけ約束破れば気がすむねん！！！」

嵐「見損なったぞ！！一刀！！」

音々音「いい加減にしろなのです！！！」

純夏「お願い一刀！！もう止めて！！」

一同は希う

しかし、それでも闘いは止まらない

一刀「・・・・・・・・・・」

一刀は右手で忠久を水平に持ち、鍔本に左手を添える

恋「？・・・・・かずと？」

今まで見たことも無い構えに恋は戸惑う

しかし

一刀「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」

ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

一刀の左手が鍔本から切っ先に移動するにつれて、一刀を包む黒い邪氣が消えていき忠久の刀身が黒い光に包まれ黒い羽が舞い散る

まるで回天丹田の力が忠久に集まるように

今までも一刀は無意識の内に忠久に邪氣を流し忠久にかかる負担を減らしていたが、そんなものとは比較にならないほどの邪氣が忠久から溢れている

華琳「何・・・・・あれ・・・・・」

桃香「・・・・・綺麗・・・・・」

雪蓮「一刀・・・・・まだあんな隠し玉を持っていたのね・・・・・」

月「霞さん、なんなんですか？あれは？」

詠「そうよ！聞いてないわよ！あんなの！」

霞「分からん！ウチもあんなん始めて見るで！」

嵐「一刀は、我々に手の内を全て見せていったわけではないのだな・・・・・」

雫「・・・・・・・・・・」

菖蒲「・・・・・・・・・・」

音々音「・・・・・動くのです」

一刀「・・・・・・・・・・っ」

恋「！！？」

回天丹田の時よりは遅いものの一刀は縮地で恋との距離を一気に縮める

そして

餓鬼飯異異異異異飯異飯異異飯異飯異飯胤！！！！

恋「っっっ！！？？」（ビリビリビリビリ！！！）

それは、恋が生きてきた中で一番重く感じる一撃だった

かつて一刀と試合をした時でもこれほどの一撃を貰ったことは無い

一刀「〜〜〜〜〜〜〜〜っ・・・・・っっっ！！！」

撥異異異異飯異飯異飯異異飯異飯異飯胤！！！！餓鬼飯異異異異異飯異飯異異飯異飯異飯胤！！！！

埼異飯異異異飯異異飯異飯異飯胤！！！！我伽亜嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼庵！！！！

恋「くっ！！！？っっっ！！！？」

忠久と金剛刀がぶつかり合うたびに黒い羽が辺りに舞い落ちる

華琳「これが・・・・・・一刀の本当の力だというの・・・・・」

雪蓮「でも・・・・・純夏の言っていたことが確かなら・・・・・」

桃香「はい・・・・・今すぐ一刀さんを止めないと・・・・・」

音々音「・・・・・そんな・・・・・恋殿についていっているなんて・・・・・」

月「ねねちゃん！恋さんは、本気で戦っているの！？」

音々音「本気です！恋殿は本気で戦っているです！！」

詠「それじゃ一刀は、金剛刀を持った本気の恋と互角に戦っているというの！！？」

音々音「いくらなんでも計算外です、一刀がここまでできるなんて・・・・・」

紗犠亜嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼庵！！！！

恋「くっ！！！？？」

一刀は黒い光に包まれた忠久で恋を吹っ飛ばす

一刀「っっっ！！」

恋「くっ！！」

種吟！！！

ズズズズズズズズズン

一刀は恋に向かって邪氣の斬撃を放つが、恋はギリギリで回避し斬撃は後ろの大岩を切り裂く

しかし、その速さが半端無い

今までの氣の斬撃は各将でも何とか見切れるくらいのものだった、実際一刀と戦った事がある悠もかわすことができたのだから

それが数倍の速さで飛んでくるのである、天下無双の恋だからこそかわせたと言うべきであろう

おまけに、斬れた大岩の断面、それはまるで一流の職人が数年かけて創った様な、鮮やかで光沢のある表面だった

それまで一刀の使っていた氣の斬撃は相手を吹っ飛ばす荒いもの、しかし今のは、氣を極限まで収縮させた斬撃だった

何故このようなことができるようになったのか

それは、侍なら誰もが目指すもの

そう、無我の境地である

皮肉な話である、侍の強さの概念に数年間に渡る実戦と百万人近い人間を切った事で到達したなど

そして

埼異飯異異異飯異異飯異飯異飯胤！！！！我伽亜嗚呼嗚呼嗚嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼庵！！！！種吟！！！

撥異異異異飯異飯異飯異異飯異飯異飯胤！！！！社吟！！！餓鬼飯異異異異異飯異飯異異飯異飯異飯胤！！！！

恋と打ち合いをしながら邪氣の斬撃を放つ一刀

この技を使っている間は氣の斬撃を放つと一瞬忠久に込められた氣がゼロになる弱点がなくなるのだ

餓鬼飯飯異飯異飯異飯異飯異飯異飯異異飯異飯異飯胤！！！！！

恋「くっ！！？？」

一刀に空中に吹っ飛ばされる恋

一刀「っ！！！」

空中に舞い上がった恋に一刀は追撃をかける

撥異異異異飯異飯異飯異異飯異飯異飯胤！！！！餓鬼飯異異異異異飯異飯異異飯異飯異飯胤！！！！

埼異飯異異異飯異異飯異飯異飯胤！！！！我伽亜嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼庵！！！！

恋「ぐっ！！くっ！！んっ！！ぐっ！！」

空中での攻防、今まで体験したことの無い状況に恋は焦る

一刀「っっっ！！！」

空中にいる恋に向かって一刀は邪氣の斬撃を放つ

恋「！！？？」

足が地面についていない状態、この状況でこれを回避することは不可能である

恋「んっ！！」

咄嗟に恋は金剛刀で一刀の邪氣の斬撃を受ける

ブワッ！！

恋「？？？」

恋は何が起こったか分からずに混乱する

自分は確かに一刀の邪氣の斬撃を金剛刀で受けた、なのに何の手応えも無い

華琳「今のは・・・・・何・・・・・」

雪蓮「呂布が一刀の攻撃をかき消したように見えたけど・・・・・」

音々音「あれはおそらく、金剛刀の効果でしょうね・・・・・」

嵐「そうだな・・・・・」

徐栄「かつて、隊長は言っていました・・・・・金剛刀には氣を込めることができないと」

霞「てことはなにか？金剛刀には氣を打ち消す力があるってことか・・・・・」

凪「そうか！だからあの時のわたしの技は恋様に通じなかったのですね！」

かつて魏の武踏会で自分が恋に向かって放った技が完全に掻き消された真相が明らかになった

しかし、そんなことはお構い無しに二人の攻防は続く

恋「んっ！」

岩山に着地する恋

紗吟！！種吟！！邪吟！！

着地した恋に向かって一刀が邪氣の斬撃を放つが、恋は目が慣れてきたのか余裕を持ってかわすことができる

しかし、一刀の氣の斬撃は恋の足元の岩山を太刀音と共にまるで刺身の切り身のようにスライスしていく

トッ！！

切り裂かれた岩山の先端、まさに今落ちようとしている岩の上に一刀は着地する

恋「！！？・・・・・かずと！？」

一刀「・・・・・・・・・・」

無表情のままそのまま落ちていく一刀、エレベーターに乗るかのように恋は一刀の姿を見失う

しかし

図馬場馬場馬場馬場馬場！！！！

恋の足元をバラバラに切り裂き、一刀が突っ込んでくる

恋「くっ！！」

ガガガガガガ！！埼異飯異異異飯異異飯異飯異飯胤！！！！我伽亜嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼庵！！！！

撥異異異異飯異飯異飯異異飯異飯異飯胤！！！！餓鬼飯異異異異異飯異飯異異飯異飯異飯胤！！！！

切り裂かれた岩の破片を金剛刀の腹で受けそのまま打ち合いに入る

雪蓮「・・・・・これが・・・・・天界の戦だとでもいうの・・・・・」

華琳「・・・・・・・・・・」

桃香「・・・・・凄い・・・・・」

自分達の想像をはるかに超えた闘いに一同は絶句する

零「（なによこれ、こんなの聞いて無いわよ）」

一刀と恋の攻防を見て一番の衝撃を受けていたのは、零だった

零「（この期に乗じて、自分の国を作るつもりだったけど、これじゃ完全に計画の練り直しじゃない）」

最初に華琳に一刀を三国の仲介役にしようと申し出たのは零である

零が一刀を仲介役にしようと思ったのは、一刀を利用して一刀に三国が気を取られている隙に自分の国を創設し蜀と呉を滅ぼしてしまおうというものだった

しかし、闇に染まった一刀を見た時、一刀が華琳達と戦っている間に自分の国をつくろうとも考えたが、そのまま自分も滅ぼされそうな勢いだったために断念したのだ

零「（恋、頑張りなさいよ、わたしはこのまま北郷に殺されて死ぬなんてまっぴらだからね）」

埼異飯異異異飯異異飯異飯異飯胤！！！！我伽亜嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼庵！！！！

撥異異異異飯異飯異飯異異飯異飯異飯胤！！！！餓鬼飯異異異異異飯異飯異異飯異飯異飯胤！！！！

岩山の上での攻防は数十合の打ち合いにまで発展する

そんな中

恋「んっ！！」

一刀「っ」

ザスッ！

恋「あっ！？」

打ち合いの中で金剛刀の切っ先が一刀の右頬を縦に抉る

恋「（ごめん・・・・・かずと・・・・・）」

一刀「・・・・・・・・・・」

撥異異異異飯異飯異飯異異飯異飯異飯胤！！！！餓鬼飯異異異異異飯異飯異異飯異飯異飯胤！！！！

埼異飯異異異飯異異飯異飯異飯胤！！！！我伽亜嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼庵！！！！

しかし、一刀はそんなものには無頓着といっていいくらい、変わらず無表情のまま打ち合いをする

そして

フシュウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥ

忠久を包み込む黒い光は弱くなっていく

恋「っ！？・・・・・ふっ！！」

怒轟御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御音！！！！！

一刀「っっっ！！！」

その隙を突いて恋が一刀を吹っ飛ばす

岩山から吹っ飛ばされた一刀は一回転し、何とか着地する

恋「んっ！！！ふっ！！！」

着地した一刀に恋は追撃をかける

この期を逃してはいけない、忠久から黒い光が消えた今が好機

一刀「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」

ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

しかし、一刀もそれは無意識の内でも心得ている

一瞬で回天丹田を発動し、その力を忠久に流す

忠久を振りかぶり、迫る恋に叩きつける

我伽亜嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼庵！！！！！！！！！！！

この戦いが始まって一番の剣戟の音が辺りに響き渡る

一刀が立っている地面は陥没し衝撃の凄まじさを物語る

撥飯異飯異飯異飯異飯異飯異飯異飯異飯異異飯異飯異飯胤！！！

忠久と金剛刀が触れた部分が輝かしい光を放ち恋と一刀を照らす

恋「〜〜〜〜〜〜〜〜っ・・・・・かずと！！！」

一刀「（・・・・・あれ・・・・・今確かに・・・・・誰かが呼んだよな・・・・・誰だっけ・・・・・）」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　殺せ　　コロセ　　korose　　　殺せ　　コロセ　　korose

一刀「（ううう・・・・・頭がが痛い・・・・・体中が軋む・・・・・もういいよな・・・・・もう楽に・・・・・なって・・・・・いいよな・・・・・）」

恋「〜〜〜〜〜〜〜〜っ・・・・・・・っ！！？かずと！！？」

鍔迫り合いで金剛刀の陰から恋が見たのは

一刀「・・・・・・・・・・」

無表情だが、涙を流している一刀だった

しかも一刀の忠久から伝わってくるのは

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 コロシテクレ

この願いだけだった

恋「・・・・・かずと・・・・・」

一刀「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ・・・・・っっっ！！」

恋「っ！！？」

餓鬼飯異異異異異飯異飯異異飯異飯異飯胤！！！！

鍔迫り合いから同時に距離を取る二人

一刀「・・・・・・・・・・・っ」

チャキ！　　　ブオオオオオオオオオオオオオオオオオ！！

一刀は忠久を横薙ぎに持ち黒い光を開放する

黒い羽があたり見舞い落ちては消えていく

恋「・・・・・・・・・っ」

恋も一刀と同じく金剛刀を横薙ぎに構え対峙する

我伽亜嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼庵！！！

この戦いが始まってから何度目になるであろうか、両者は再びぶつかり合う

恋「（かずと・・・・・恋は・・・・・一刀を殺したりしない・・・・・絶対助ける・・・・・）」

埼異飯異異異飯異異飯異飯異飯胤！！！！我伽亜嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼庵！！！！

図斜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜庵！！！！

怒我亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜庵！！！！！

図歯亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜庵！！！！

撥異異異異飯異飯異飯異異飯異飯異飯胤！！！！餓鬼飯異異異異異飯異飯異異飯異飯異飯胤！！！！

歯射亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜庵！！！！

埼異飯異異異飯異異飯異飯異飯胤！！！！我伽亜嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼庵！！！！

怒歯亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜庵！！！！

怒我亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜庵！！！！！

撥異異異異飯異飯異飯異異飯異飯異飯胤！！！！餓鬼飯異異異異異飯異飯異異飯異飯異飯胤！！！！

一刀と恋の攻防は辺りの景色を見るも無残に変えていく

金剛刀が大地を割り、忠久の氣の斬撃が岩山を切り裂く

一刀「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ！！・・・・・っっっっ！！！」

恋「んっ！！ふっ！！はっ！！」

邪吟！！！種吟！！紗吟！！綬吟！！種吟！！

一度距離をとり一刀が邪氣の斬撃を連射するが、恋の金剛刀のよってかき消される

華琳「ちょっとちょっと・・・・・」

雪蓮「これ以上こっちが入り込む余地の無い戦いをしないでよ」

桃香「・・・・・・・・・・」（パクパク）

完全に次元を超越した戦いに一同は驚きを通り超していた

そして

我伽亜嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼庵！！！！！

一刀「っっっっっ！！！？？」

忠久の黒い光が弱まった隙を突かれ、一刀が吹っ飛ばされる

一刀「・・・・・・・・・・」

忠久は、今までの技の効果もあってか傷一つ無いが、一刀そのものはもはや虫の息だった

背中の裂傷から血が滲み、体力は限界に近い

おまけに氣の使いすぎで体中の筋肉組織がズタズタになっている

その氣ですら、そこを尽きようとしている

それはそうだ、泰山での戦いが始まって二刻（約四時間）が経とうとしているのである

一刀はもうフラフラだった

恋「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ！！」

対する恋も金剛刀を杖代わりにし息も絶え絶えで、ボロボロだった

一刀「・・・・・〜〜〜〜〜っ」

一刀は忠久に氣を集中しようと回天丹田を発動しようとするが

一刀「・・・・・っ」

ドサッ

氣が足りず、うつ伏せに倒れこんでしまう

雪蓮「っ！！」

その光景を見るや否やいきなり雪蓮は走り出した

冥琳「雪蓮！！？」

蓮華「お姉様！！？どうしたんですか！？」

華琳「孫策！！？」

桃香「雪蓮さん！！？」

雪蓮「今の一刀なら、私達でも抑えることができるわ！！」

愛紗「はっ！！一刀様！！！」

純夏「一刀！！！」

華佗「一刀！！待ってろよ！！」

そして雪蓮につられて、一同は一刀と恋の元へと駆け出した

一刀「〜〜〜〜〜〜〜っ」

恋「はぁはぁはぁ・・・・・かずと・・・・・はぁ・・・はぁ・・・」

気力を振り絞り立ち上がり忠久を構える一刀

変わらず無表情だが、その目からは涙が溢れて止まらない

恋「はぁ・・・・・はぁ・・・・・かずと・・・・・っ」

恋も金剛刀を両手で持ち横薙ぎで構える

しかし、恋もこれだけ重い金剛刀を振るう力は残っていない

一刀は忠久を腰の位置から水平にし恋に向かって駆け出した

雪蓮「っ！！間に合わない！！」

華琳「恋！！！一刀！！！」

桃香「一刀さーーーーーーーーーん！！！！！」

恋「かずと・・・・・」

恋は迫る一刀を見る

変わらず無表情、しかし一刀は一刀である

いつも優しく、自分の頭を撫でてくれる

一緒にいると安心する

大好きな、どこまでも大好きな一刀

恋「・・・・・恋は・・・・・・・・・・」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　どんな時でも・・・・・・一刀の味方だから

ドスッ

一刀「・・・・・恋？」

恋「ごふっ・・・・・」

一同の目に飛び込んできたのは

金剛刀を大地に捨て一刀に抱きつく恋と、忠久で恋の腹を貫いた一刀の姿だった

一刀「・・・・・恋？」

恋「ごふっ・・・・・かずと・・・・・ごほっ・・・・・」

口から血を吐きつつ、恋は一刀に抱きつく

一刀「（なんだ！？なんで恋が血だらけになっているんだ！？・・・・・俺は何をしていた？・・・・・いや・・・・・何をしたんだ俺は！？）」

恋「かずと・・・・・・ごほっ・・・・・」

一刀「っ！！！恋！！！！」

恋は膝を付き気絶してしまう

一刀も忠久から手を離し、恋を抱きしめた

月「一刀さん！！！」

華琳「一刀！？正気に戻ったの！？」

雪蓮「一刀、今までのこと覚えてる？」

桃香「一刀さん！！大丈夫ですか！！？」

雫「一刀様！！！」

菖蒲「一刀様！！戻ってきてくださったのですか！！？」

愛紗「一刀様！！！」

鈴々「お兄ちゃん！！！」

星「一刀殿！！！」

蓮華「一刀！！！」

明命「一刀さん！！！」

純夏「一刀！やっと目覚めたの！？この馬鹿！」

風「お兄さん！！」

稟「一刀殿！！」

美羽「一刀！！！」

翠「北郷一刀！！」

蒲公英「お兄様！！！」

葵「北郷！！！」

月と三国の王および各将が一刀に声を掛けるが

一刀「恋！！！今助けてやるからな！！！」

そんなことはお構いなしに一刀は恋の治療をしようとする

しかし

一刀「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ・・・・・くそっ！！！」

忠久が突き刺さっているところに氣を集中しようとするが、殆ど集まらない

先の恋との戦いによって一刀の氣は底を付きかけ、五斗米道（ゴットヴェイドー）を使うことはできなかった

一刀「華佗！！！華佗はいないのか！！！？」

華佗「一刀！！！俺はここにいるぞ！！！」

一刀「華佗！！！恋を！！・・・・・恋を助けてくれ！！！！」

叫ぶ一刀、その顔は涙で濡れぐしゃぐしゃだった

華佗「・・・・・分かっている！！」

音々音「恋殿！！恋殿！！！」

詠「ねね！！今は一刀と華陀に任せなさい！！！」

悠「そうだ！！ねねの出る幕じゃない！！」

音々音「うわあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

音々音の目からも涙が溢れ止まらなかった

華佗「いいか一刀！俺が合図をしたら、おまえは腹に刺さった剣を一気に引き抜け！」

一刀「分かった！誰か！恋を支えてくれ！！」

菖蒲「わたくしが！！」

そして、華佗は氣を集中し、一刀は忠久の柄を握り、菖蒲は恋の背中に周り肩を支える

華佗「はぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああ！！！・・・・・・今だ！！！」

一刀「ふっ！！」

菖蒲「んっ！」

そして、二日後の朝

許昌にて

恋「・・・・・・・・・・ん」

一刀「っ！！恋！！目が覚めたのか！！？」

恋「・・・・かずと・・・・」

一刀「恋・・・・・」

華陀「一刀のやつ、二晩中呂布の看病をしていたんだぞ・・・・・ずっと手を握ってな」

恋「そっか・・・・・かずと・・・・・ありがと・・・・・」

一刀「そんなこといい・・・・・」

バンッ

音々音「恋殿！！！」

恋「・・・・・ねね」

音々音を先頭に扉を開けて三国の将達が入ってきた

月「恋さん、大丈夫ですか？」

華琳「恋、一刀に感謝しなさい」

雪蓮「ホントよ、一刀に付きっ切りで看病して貰うなんて羨ましすぎるわ」

冥琳「雪蓮、そういったことは言わない」

雪蓮「なによー、冥琳だって内心羨ましいくせに」

冥琳「それは・・・・・まぁ・・・・・」

雪蓮「ほらね〜♪」

祭「策殿、戯れもそれまでにしたほうがよろしい」

彩「その通りだ」

蓮華「お姉様！おふざけも時と場合を考えてください！」

桃香「あはは・・・・でも一刀さんと呂布さんが無事でよかったです」

愛紗「ええ、桃香様（それにしても呂布め、一刀様に看病して貰うなんて、何て羨ましい）」

鈴々「えへへ〜〜〜、お邪魔しますなのだ〜〜〜」

星「鈴々よ、余りお邪魔のし過ぎもよく無いぞ、この部屋にはそれほど多くの人数は入らないのだからな」

恋「他の・・・・・みんなは・・・・・・」

華琳「今は玉座の間に待機して貰っているわ」

恋「・・・・・そっか・・・・・かずと・・・・・」

一刀「なんだ・・・・・恋・・・・・・」

恋「・・・・・ごめんね」

一刀「っ！？なんで恋が謝るんだ・・・・・」

恋「かずとの剣・・・・・かずとに使って・・・・・それに・・・・・当てちゃった・・・・・」

そう言いながら、恋は一刀の右頬に手を伸ばす

金剛刀によって付けられた傷は前に春蘭を助けた時の傷と重なって、十字傷となっていた

一刀「そんなこといいんだ・・・・・恋と比べたら何てこと無い・・・・・」

華佗「・・・・・・・・・・」

一刀は恋の手を握り、涙を流しながら答える

月「・・・・・・・・・・」

華琳「（まさか、あの一刀が泣くなんて）」

雪蓮「（一刀も人の子ということか）」

桃香「（・・・・・・・一刀さん）」

華佗「（俺は誤っていた・・・・・一刀に必要だったのは一発ひっぱたいてやる事じゃない、暖かく包み込んでやることだったんだ・・・・・なのに・・・・・俺は・・・・・）」

一刀「・・・・・よかった・・・・・本当に・・・・・よか・・・・・・」

ドサッ

恋「っ！？かずと！かずと！！」

月「一刀さん！！？」

華琳「一刀！！？」

雪蓮「ちょっと！？一刀！？」

桃香「一刀さん！！？」

一刀はそのまま恋の寝台に顔を埋めるように気絶した

華佗「慌てるな！誰か！一刀を寝台へ運ぶ！手伝ってくれ！」

愛紗「ああ！」

鈴々「鈴々も手伝うのだ！」

別室の寝台に一刀は横になっていた

華佗「それじゃあ、あまり騒がないように、何度も言うが一刀も三日間は絶対安静にしていないといけない状態だ」

月「はい」

雫「分かりました」

春蘭「しかし、そんなに騒ぐようなことなのか？」

思春「そうだな、それほど目立った外傷は無かったと思うが」

華佗「一刀は、これまでたった一人で賊を討ってきたんだ、それは途方もなく苛酷な旅だったんだろうな、おまけにその間ろくに食事を取っていなかったんだろう・・・・・栄養失調になりかけている・・・・・それに加えて先の呂布との戦いで氣を殆ど使い尽くしているんだ」

春蘭「・・・・・・・・・・」

思春「・・・・・・・・・・」

華佗「・・・・・それじゃあ、見舞いは一団体づつだ・・・・・何度も言うが静かにしているんだぞ」

月「はい」

華琳「ええ」

雪蓮「分かったわ」

桃香「はい」

そして、見舞いは、月、雪蓮、桃香、華琳の陣営の順に進められていくことになった

月「（一刀さん、こんなに痩せてしまって）」

詠「（いくら何でも頑張りすぎよ、どれだけ心配かければ気がすむのよ）」

霞「（もういなくならんといてや・・・・一刀）」

嵐「（あんなことはもう二度と御免だからな・・・・一刀）」

雫「（一刀様・・・・・ああ・・・・・一刀様ぁ・・・・・）」

菖蒲「（もう、何処にも行かないで下さい・・・・・一刀様・・・・・）」

音々音「（悩みがあるなら、言いやがれなのです、これからは無理やりにでも聞きますからな）」

徐栄「（隊長・・・・・わたくしはもう・・・・・あの時のようなことは御免ですよ・・・・・）」

張済「（兄上・・・・・自分は一生兄上に付いていきます）」

麗羽「（これはわたくしのせい・・・・・わたくしは決心しましたわ、これからは月様だけでなく、北郷さんにもお仕えします）」

斗詩「（北郷様、これからはこの斗詩を使ってください・・・・・きっと北郷様のお役に立って見せます）」

猪々子「（月をこんなに心配させやがって・・・・・いいぜ、あたいも姫と斗詩に付き合ってやる・・・・・兄貴を支えてやるぜ）」

月達は別れた時と変わり果てた一刀の風体に心を痛めていた

そして、決意する

もう二度と離れないと、離さないと

月達は涙を流し、そう心に決めた

雪蓮「（まったく、いくらなんでも無茶し過ぎよ）」

冥琳「（今はゆっくり休め、北郷、もうお前一人に嫌なことは押し付けないからな）」

蓮華「（一刀、もうわたし達の尻拭いなんてしなくていいわ、わたしにもあなたの苦しみを分けてちょうだい）」

思春「（まったく、貴様はこれほどまでに蓮華様に好かれているんだぞ・・・・・それに・・・・・わたしも・・・・・い、いや・・・・）」

小蓮「（一刀・・・・・こんなに痩せちゃって・・・・・一刀はシャオのお婿さんになるんだよ・・・・・妻をこんなに心配させるなんて・・・・・お婿さん失格なんだから・・・・・）」

純夏「（こんなになるまで戦い続けて・・・・・いいわ一刀・・・・・今までの積もりに積もった借りの山、あたしの全てをかけて一刀に返すわ・・・・・覚悟しておいてね）」

祭「（このたわけ者が、目が覚めたらワシの謝礼を嫌というほど受け取って貰うからな）」

明命「（一刀さん・・・・・一刀さんは、お優しい人ですね・・・・・わたくしには分かります・・・・・一刀さんは皆さんのために賊を討っていたのですね・・・・・これからはわたくしも一刀さんをお手伝いします・・・・・どうか明命を使ってください）」

穏「（頑張って頑張って頑張りぬいて・・・・・それで壊れてしまったら意味無いのですよ〜〜・・・・・目が覚めたらわたくしの癒しの技術を総動員して一刀さんを天国へ連れて行って差し上げますからね〜〜♪）」

亜莎「（一刀様、一刀様は天の御遣いです・・・・・でもそれと同時に一人の人間でしかないんですね・・・・・今回のことでそれがよく分かりました・・・・・ですから、これからはわたくしの智は一刀様のために使います・・・・・どうかわたしを一刀様の下に置いてください）」

百合「一刀君・・・・・ああ・・・・・一刀君一刀君一刀君一刀君一刀君一刀君一刀君一刀君〜〜〜〜〜）」

美羽「（一刀〜〜〜〜〜、もう無理しないでほしいのじゃ〜〜〜〜・・・・）」

七乃「（こんなになるまで頑張って・・・・・一刀さんの辞書に休息という字は無いのですか）」

彩「（美羽様をここまで心配させるとは不届き千万・・・・・これからは我々の眼の届く範囲にいて貰うからな）」

弱ってしまった一刀を見て、一同は二度とこのようなことが起きないようにしようと心に決めた

桃香「（一刀さん・・・・・ううん・・・・ご主人様・・・・・わたしもこれからいっぱい頑張る・・・・・だから、わたし達のご主人様になってね、一刀さん）」

愛紗「（ああ・・・・・ああぁ・・・・・一刀様・・・・・一刀様ぁ・・・・・）」

鈴々「（お兄ちゃんばかり頑張ってずるいのだ！鈴々もこれからお兄ちゃんと一緒に頑張るのだ！）」

星「（一刀殿・・・・・わたしはあなたを第二の主とします、この趙子龍、いつまでも主と共に参りますぞ）」

朱里「（一刀さん・・・・・わたくしは一刀さんに感謝しています、感謝してもし足りないです・・・・・ですから・・・・・朱里は一刀さんに一生掛けて今までの恩を返します）」

雛里「（一刀様・・・・・これ以上傷つかないで下さい・・・・・一刀様が傷ついたら、雛里も悲しいです・・・・・）」

紫苑「（これからは、ちゃんとみんなに相談するんですよ・・・・・一人よがりな一刀さん）」

桔梗「（あれほどの武を持ちながら・・・・・寝顔はこんなにも子供っぽいとは・・・・・支えてあげたくなるのう）」

焔耶「（桃香様にこんなにも心配かけやがって・・・・・それにしても・・・・・そんな顔で寝られたら怒る気も失せるじゃないか・・・・・）」

白蓮「（また勝負すると言っただろう、なんとしてでもおまえとまた勝負するぞ！・・・・・そして今度こそわたしが勝つ！）」

蜀の恩人をきっと幸せにしようと桃香達は心に決めたのであった

華琳「（闇に染まるまで人を斬り続けて・・・・・わたしは、あなたに多大な恩があるのよ、それを返さないままにしておくなんてできないんだから・・・・・早く目を覚ましなさい、一刀）」

春蘭「（北郷・・・・・我が命を助けてくれた礼、まだ返していないのだぞ・・・・・早く起きるのだ）」

秋蘭「（わたしは以前、北郷に言ってしまったな・・・・・ふぬけと・・・・・まったくの逆なのにな・・・・・北郷よ、早く起きろ・・・・・そして、謝らせてくれ・・・・・）」

桂花「（まったく生意気よ！あんたみたいな奴が華琳様に心配されるなんて百万年早いんだから！・・・・・・・・・・・・・・早く起きなさいよ・・・・・悔しいけど、あんた以外に三国を纏められる奴なんていないんだから）」

季衣「（兄ちゃん〜〜〜・・・・・早く起きてよ〜〜〜）」

流琉「（兄様ぁ・・・・・わたし兄様のためにいっぱいお料理作ります・・・・・ですから早く起きてください）」

凪「（一刀様・・・・・もう無理をしないで下さい）」

沙和「（お願いだから大人しくしててほしいの〜〜）」

真桜「（まったく・・・・・見てられないで・・・・・）」

風「（お兄さんは、いくらなんでも頑張りすぎなのですよ〜〜・・・・・これからはちゃんと風に言うのですよ〜〜・・・・・じゃないと、酷いんですから〜〜）」

稟「（わたくしがあの時無理にでも一刀殿を月様達のもとへ引っ張っていくことができればこのようなことにはならなかったのでは無いでしょうか・・・・・一刀殿・・・・・これからはわたくしも一刀殿を支えて見せましょう）」

悠「（おまえの初めてはあたしが貰うんだからな・・・・・死なれちゃ困るぜ）」

零「（・・・・・・・・・・）」

翠「（北郷一刀・・・・・）///////////」

蒲公英「（お兄様ぁ・・・・・蒲公英、お兄様ともっと色んな所に行きたいんだよ・・・・・早く目を覚ましてよ〜〜）」

葵「（俺はまだお前に真名を預けていないんだぞ・・・・・それに・・・・・・・・・・・早く戻って来い！）」

聖「（一刀・・・・・わたしは・・・・・一刀の事が・・・・・今まで兄のように思っていたけど・・・・・早く・・・・・起きて・・・・・・）」

ある者は恩を返そうと、ある者はこれから世話になる一刀を支えようと誓う

恋「む〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・・みんなだけ・・・・・ずるい・・・・・」

恋は一刀がいる別室に向かう

一刀がみんなからのお見舞いを受けていたのは知っていた

恋も一刀に甘えたかったためこっそり抜け出してきたのだった

別室の扉を開けるとそこには

恋「・・・・・月・・・・・・みんな・・・・・」

魏、呉、蜀の将達が一刀を取り囲む状態で眠っていた

ある者は壁に寝そべり、ある者は用意した布団に包まっている

恋「みんな・・・・・かずとのこと・・・・・好き・・・・・」

そして、恋は一刀の寝台へと向かう

恋「恋も・・・・・かずと・・・・・大好き・・・・・」

そう言いながら恋は一刀の寝台へと潜り込む

恋「・・・・・あったかい////////////」

すぐに寝息が聞こえてくる

夢の中の恋は、これでもかというくらい一刀に甘えそれはそれは幸せな暮らしを満喫していた

一同が目を覚ました時、恋はみんなからお説教を受けた

自分達だって一刀の布団に潜り込みたかったのに恋に全部持っていかれたのである

しかし

恋「・・・・・ごめんなさい・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

ついこの間、一刀と次元を超越したような戦いを繰り広げたものと同一人物とは思えないくらい弱弱しい恋を見て、一同の怒りはどこかに行ってしまったのだった

そして三日後、一刀は目を覚ます

どうもseigouです

ようやく一刀、暗黒偏が終了しました

一刀の一人旅はここで終了です

擬音表現が分かりにくい人、めんどくさかったらスルーして下さい

ここから先はこの作品のタイトルは無視していただけると幸いです

では次回まで、ごきげんよう