仮面ライダーディケイド×新・恋姫†無双 feat戦国乙女 新たなる外史への扉 第3話  天男空女
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第3話  天男空女

 

 

ある日のことである。真紅の甲冑の左足部分が今川ヨシモトの元にあると聞いたノブナガはヨシモトの元に書状を出し、甲冑をもらうとしてヨシモトの領地へと足を運んだ。

当然そのノブナガの供としてミツヒデ、そしてヒデヨシと一刀もいた。

 

「お館様、あの坂を越えれば今川ヨシモトの領地になります」

「うむ」

「やっとついたか」

 

三人が一息ついているときであった。

 

「いぃいいやああああああああ!」

 

後ろからヒデヨシの悲鳴が聞こえてくる。

 

「「「うん?」」」

「ぅおおおおお、お願い大人しくして!」

 

ヒデヨシは上手くとまれず馬に振り回されていた。

その姿はもう猛スピードのロデオマシンに乗っているのと同じかそれ以上のものであった。

 

「貴様も一方の武士なら馬の扱いにはなれよ」

「そうだぞ」

「そんなこと言ったってあたし武士じゃ……。てか一刀さんなんかバイクじゃ……」

 

一刀は他の三人とは違い、一人だけバイク。つまりはマシンディケイダーで乗ってきてるのだ。

 

「俺はいいんだよ。こっちの方が慣れてるし、それにお前は免許どころからこれ動かせないだろ」

 

一刀は一番最初マシンディケイダーで運転した時は無免許であった。

一応この世界も道路交通法がないので無免許でも問題ないが、ヒデヨシや他の人だと危ないとして一刀は自分以外に走らせることをしなかった。

付け加えておくが、一刀はこの世界では諸にノーヘルである。

 

「俺はこいつに乗ってるだけで別に馬の扱いには慣れてるぜ」

「そんな〜うわぁ〜」

 

ヒデヨシは馬から落ち、頭を地面にぶつけた。

 

「痛い、痛い」

 

そんなこんなでまた走るとして馬も落ち着いていたが、ヒデヨシの頭にはたんこぶが出来ていた。

 

「無様な」

「だって仕方ないじゃない! あたし普通の女子中学生だし! それに一刀さんが後ろに乗せてくれればいいじゃないですか!」

「折角ノブナガが馬くれたんだ。乗ってやらなきゃ馬も悲しむもんだぜ」

「ていうかお腹すいたー!」

「それにな、腹はともかく俺だって最初は普通の高校生だぞ。まあ今は大人だけどな」

「ずっと馬に乗ってお尻痛い〜」

「貴様はいつも文句ばっかり!」

 

今この世界にいる一刀は既に年は24。立派な大人である。

しかし最初に外史に飛ばされた一刀のほとんどはごく普通の高校生だった。(一部例外的な一刀もいた)

弱音を吐くことはあってもヒデヨシみたいな文句はあまり言ったことがなかった。

文句ばかりいうヒデヨシを見て一刀は「少しは我慢しろ」と思うのであった。

 

「そういうなミツヒデ」

「お館様」

「確か少し行ったところに茶屋があったはずだ。この辺りの名物は安倍川餅だったな」

「安倍川餅!?」

 

安倍川餅と聞くと色々と元気が出てきたようであるが…。

 

「てゆうか甘いもの食べたい!」

「暴れるな! また落ちるぞ」

 

ミツヒデの言うとおり、ヒデヨシはまた馬から落ちた。

そんな時であった。

 

「むっ!」

「何か来る!」

 

一刀はすぐにディケイドライバーを腰につけた。

 

「ヒデヨシ!」

 

すると目の前には大勢の槍兵達が現れた。全員女である。

 

(本当に女しかいねえのかよ…)

 

一刀は思わず薄ら笑いをした。

 

「遅かったですわね、ノブナガ殿」

 

兵士達の中から声が聞こえてくる。

前の兵士達が退くと囲まれた兵士達の真ん中には二人の女性がいた。

一人はピンク色の甲冑と髪をした少女。もう一人は緑色の甲冑と少し背が高い帽子をしていた。

 

「待ちくたびれましたわ」

 

女性二人が前に出てくる。

 

「ヨシモト殿」

「どっちが?」

 

一刀が尋ねる。

 

「あちらの方だ」

 

ミツヒデが緑の方だと教える。

 

「ご機嫌麗しゅうノブナガ殿」

「そう来るか。ヨシモト!」

 

ノブナガは身構える。

 

「お館様!」

「何故止める!?」

「落ち着いてください、ここは慎重に…」

 

ヒデヨシがヨシモトともう一人の女性を見ると……。

 

「ああーーーー!?」

「どうした?」

「おおーい、とくにゃーん、あたしだよ! あたし!」

 

ヒデヨシがピンクの少女に対して大きく手を振る。

 

『?』

 

その場にいる一同が分からない状態になる。

 

「あの子知り合いなの? イエヤスちゃん」

 

ヨシモトがイエヤスと呼んだ少女に尋ねた。

 

「ああ、あいつがイエヤスなのか」

 

ヨシモトが言った名前とここに来る前にノブナガ達から聞いたイエヤスの存在でようやくピンクの少女がイエヤスだと分かった一刀。

 

「いえ」

「でもあなたに向かって手を振ってるみたいだけど…」

「そうですね」

 

二人は困惑するが。

 

「面倒だからやっちゃいましょう」

「はい」

 

イエヤスは持っていた杓杖をヒデヨシ目掛けて投げ、杓杖はヒデヨシの顔を掠めて後ろの木に刺さった。

 

「ひぃいいいい!」

「ヨシモト殿、これは一体どういうことか!?」

「ノブナガの書状が届いてると思うけど? まさか届いてないのか?」

「いいえ、届いていますわ」

「では何故?」

「あなた方の所望する真紅の甲冑など、私にとってはガラクタも当然」

 

ガラクタと聞いてノブナガがわずかに不機嫌になる。

 

「ならば!」

「だからと言ってあなた方に気前よく差し上げる理由など、私の中のどこを探しても見当たりませんわ」

「そんなことは分かっておる! 故にこうして…」

「されど、どうしても欲しいというのであれば、ここまでおいでくださいな」

「なっ!」

「もっともこれだけの数を突破する自信がおありでしたら……」

「え? それでいいのか?」

 

ヨシモトが今用意している兵の物量はこの一刀には通用しない。

一刀の手には既にディケイドのライダーカードが握られていた。

 

「何をする気だ?」

 

ミツヒデが一刀に尋ねる。

 

「いや、俺ならあれだけの数突破できるけど…」

「しょ、正気ですか? あなた」

 

ヨシモトが少し動揺したように尋ねる。

 

「それだけしかいないんだろ? だったら楽勝だ。こいつを使えばな」

 

一刀がディケイドのカードのほかに2枚のカードを相手にも見せる。

それはカブトのライダーカードとアタックライドカード「クロックアップ」であった。

確かにクロックアップをしてしまえば、クロックアップと同等かそれ以上の力かそれに対応できる力を持っていないものが勝てるわけがない。

ましてや初見でクロックアップを見切ることはまず不可能とも言える。

それに加えこの一刀は戦いなれているため、クロックアップ以外にも勝てる方法はいくつか見出せている。

クロックアップは簡単に勝つ方法の一つに過ぎないのだ。

しかし……。

 

「止めておけ」

 

ノブナガが一刀を止める。

 

「いいのか?」

「止めておけと言うておる」

「分かった」

 

一刀はカードをライドブッカーにしまう。

 

「それでどうするんだ?」

「退くぞ」

 

ノブナガ達は一時撤退を余儀なくされた。

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そしてその日の夜。

ノブナガ達がお風呂に入っている間に一刀は写真館に電話を入れていた。

 

「今日そんなことがあってな……」

『それは大変でしたね』

 

一刀が今話している相手は稟である。

 

『ですが、あのままあなたがカブトの力を使っていたらどうなっていたのですか?』

「知ってるだろ? 俺の力は人間を殺せないってこと」

『知ってますよ。私が言っているのはそんな強行突破をしたら戦が起こるかもしれないと言う事です」

「まあその時はその時だろうな。もしそうなった時は俺が責任を持って相手全員を倒してやるさ」

『そんなこと……』

「おいおい、忘れたのか? 俺は破壊者なんだぜ」

『そうですけど、むやみに他の外史を破壊するような真似を……』

「しようとは思ってない。だからあの時ノブナガの言うとおりやめて帰ったんだからな」

『まったくあなたは……。ところでそのノブナガはこれからどうするおつもりなのですか?』

「分からん。俺の勘だけどこのまま戦……ってことにはならないと思うぜ」

『何故です?』

「だから勘だって。俺もそれなりに人を見てきたんだ。

俺が見た限り、あのノブナガはかなりの傾楽者(かぶき)だ。

それにな……」

『なんです?』

「俺とは違う現代の人間もいるんだ。そいつがどうにかするさ」

『信じてるんですね、その人を…』

「そのつもりはないけど、そうかもしれないな。それじゃあな」

『はい。おやすみなさい』

 

一刀は電話を切る。

 

「さてと、俺も適当に休むとするか」

 

一刀は部屋に戻って寝ることにした。

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翌日。一同は桶狭間へと向かった。

とは言っても茶屋だった。

 

「桶狭間に行くとは聞いたけど、茶屋かよ!」

 

一刀は思いっきりツッコミを入れた。

 

「うん? 何か不満か?」

「いや、不満はねえよ」

「来たようです」

 

そこにヨシモトとイエヤスがやって来た。

こちらと同じく兵士達はいない。

 

「何で来たんだ?」

「わしが来るように書状を送っておいた」

「ああ、そうなの」

 

ここに両陣が対峙した。

 

「この度は丁重な招待状を頂き、間に絶えずきっちり参上いたしましたわ、ノブナガ殿」

 

ヨシモトの声色はどこか怒っていた。

 

(挑発するような事書いたな……)

 

一刀は思わず頭をかく。

 

「気に入っていただけたようでなによりだな、ヨシモト殿」

 

ヨシモトは歯軋りをする。

 

「して! どのような方法で決着を? 

必要とあらばこの海道一と言われた私の弓を披露することも辞さない覚悟をでしてよ」

「ふん、面白そうだな」

「えーーー!?」

 

ヒデヨシは驚きの声を上げる。

 

「だがしかし!」

『?』

 

一同が少し驚く。

 

「この様な事で命のやり取りをするつもりはない」

「なっ!」

(俺の予想通り、かなりの傾楽者だったようだな)

 

一刀は予想通りとして顔を手で隠し、薄ら笑いをする。

 

「そこでわしは提案する。勝負の方法…それは! れくりえいしょんだ!」

『えーーーーーーー!?』

 

ノブナガの「レクリエーション」発言に一同が驚く。

 

「お前、こいつに何を教えたんだ!」

 

一刀がヒデヨシを問い詰める。

 

「何か間違ってますーーーー!」

 

ヒデヨシは一刀を無視していた。

 

「俺の質問に答えろ!」

 

一刀は強く問い詰めるのであった。

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一刀はヒデヨシから事情を聞いた。

それはヒデヨシがノブナガ達と風呂に入っている時、つまりは一刀が電話をしていた時である。

最初はミツヒデが腹を切ろうとしたのをノブナガが阻止。ミツヒデは兵を挙げるべきだとしたが、ノブナガとヒデヨシに止められる。

ノブナガはどうすればいいのかとヒデヨシに尋ねたところ、ヒデヨシは「レクリエーション」を教えたとのことであった。

 

「なるほどな。それであいつ、あんな事言い出したのか」

「そういうことで〜」

「命のやり取りしないことは良いことだけどな……あまり現代用語を教えるなよ。元からあるのならともかくな……」

「はぅ〜」

「ってもそこがお前のいいところか…」

 

一刀は団子を食べながらそうつぶやいた。

そうしている内にノブナガからルール説明がされていた。

 

「仕合は三本勝負。二本取った方の勝ちだ。

勝負方法は抽選箱から木札を一枚取り、そこに書いてある内容で戦う。

これを『レクリエーション』と言う」

(言わねえよ)

 

一刀が心の中でツッコンだ。

 

「やり方はあってますけどね…」

 

ヨシモトとイエヤスは手元にある木札を見る。

 

「私達も勝負の方法を書いてもいいですの?」

「無論だ。その方が公平であろう?」

「全ての札に弓術書きますわよ」

「それ以外で勝てる気がしなければ…」

「なっ!」

「そうするがいい」

「キッーーーーー!」

(お姉様のあしらい方がうまい、ノブナガさん)

 

そう思うイエヤス。

 

(煽り耐性低いな、おい)

 

そう考える一刀。

 

「異論は?」

「三本勝負などと小さいことは言わず木札が全部なくなるまで勝負しませんこと?」

「ほぅ〜」

「じ、自信がなければ断ってくださっても結構ですのよ!」

「空威張りはみっともないぞ」

「なっ! なんですってー!」

 

ノブナガが睨み、ヨシモトの顔から冷や汗が流れるが……。

 

「おほほほほほ!」

「あーはははははは!」

 

二人は子供のように笑い出す。

 

(落とされた)

「あーあ、本当にガキの喧嘩だな、こりゃ…」

「何か悪いほうに転がってるよ〜」

 

泣きながら困るヒデヨシ。

 

「よーし、では仕合開始だ!」

 

一同は場所移動した。

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一同は湖のある場所へ移動した。

最初の勝負は相撲。対戦はミツヒデとイエヤス。

ミツヒデとイエヤスの勝負は一進一退であったが、イエヤスがミツヒデの足元を見ると突然ミツヒデの足元が破裂。

ミツヒデは足元を取られ、倒された。

 

「勝者、徳川イエヤスー」

「油断したな、ミツヒデ」

「変だ。何か足元をはじかれたような…」

 

ミツヒデはよく分からなかったが、一刀は見逃していなかった。

 

(今のは魔法陣? イエヤスが見た瞬間に発動した。違うとしてもそれに似たようなもの……。まさか……)

 

一刀はイエヤスをみて、色々思ったことがあるが今は黙っておく事にした。

次の対戦はビーチバレーであり、勝負は織田家の勝利であった。

それもそうだ。3対2だったのだから…。(一刀は参加していなかった)

 

「初めての武芸だったが、中々楽しめたぞ」

 

これはノブナガの感想である。

次の勝負はカルタ。つまりは百人一首である。

この勝負はヒデヨシとヨシモトの組み合わせであったが、勝負は目に見えており、ヨシモトの圧勝だった。

次の勝負はボーリング。ミツヒデのストライク連発で織田家の勝利。

さらに次は流鏑馬さらに次は遠泳、その次はいっせーのせっ、プロレス、スイカ割り、射的、金魚すくい、あっちむいてほいっ、おしくらまんじゅう、アームレスリング(腕相撲)など。

他にはかけっこ、カラオケ、かんけり、かくれんぼ、めんこ、せんこう花火、バスケットボール、あやとり、すごろく、ラクロス、竹馬、花札、ロッククライミングとかなり現代の遊びも混じっていたが、勝負は互角であった。

 

『はあっはあっ』

 

全員が息を切らしていた。

 

(俺達、なんて馬鹿なことしてるんだろうな……)

 

一刀はそう思っていた。

一刀が参加したものはかけっこ、かくれんぼ、すごろく、ロッククライミングくらいであるがそれでも少しは息が切れる。

 

(だけどこんな勝負方法も外史ならありだな)

 

そうも考えていた。

 

「よーし、次が最後の一枚だ!」

 

ノブナガが抽選箱から木札を取る。そこに書かれていたのは「ケンカだこ」であった。

そしてすぐに湖の上に舞台が造られた。

 

「ついにこれで決着が付くのですね」

「よもやここまでてこずらされるとは思わなかったぞ」

「ちょっと待ってー!」

 

ヒデヨシはタコに括り付けられていた。イエヤスも同様である。

 

「なんであたしがここなの?」

「仕方あるまい」

「お前が一番軽いからだ。それに俺は変身したらもっと重くなるぞ」

「もう絶対ダイエットなんてしない!」

「その方が良いぞ。若いうちのダイエットは体に毒だからな」

 

一刀は笑う。

 

「この戦いに勝利したものがあの左足の脛当てを手に入れる!」

 

ノブナガの指差すほうには真紅の甲冑の左足の脛当てが置かれていた。

 

「今更異論はあるまいな」

「武士に二言はありませんわ」

「各々方準備はよろしいな?」

「おおーーー!」

「よろしくてよ」

「それでは始め!」

 

ノブナガとヨシモトは縄を持って走る。

ミツヒデはそれと同時に砂時計を回す。

 

「カメンライド、ディケイド」

 

一刀も何故かディケイドの変身する。

 

「え、なにその砂時計? それと何で変身してるの? って何!? 始まっちゃった〜」

 

ヒデヨシとイエヤスが付いているタコは上空へと浮かぶ。

 

「高いよ〜。でもこれってケンカだこだよね。これで終わりだっけ?」

 

そんなはずがなかった。

 

「どりゃああ!」

 

ノブナガが縄でタコを操り、イエヤスのいるタコにぶつける。

 

「はあああ!」

「はあ!」

 

おまけに下は下でノブナガとヨシモトが戦いを始めた。

 

「何か始まっちゃってる!」

「油断するな、ヒデヨシ!」

 

ミツヒデが声をかける。

するといつの間にか武器を持っているイエヤスがヒデヨシに攻撃を仕掛ける。

 

「あなたにうらみはありませんが、これも勝負ですので…」

「ちょ、ちょっと待ってそんな聞いてない」

 

ヒデヨシの言葉を聞く気のないイエヤスはそのまま杓杖の先端部分を突きのラッシュで襲う。

ヒデヨシは間一髪全て避けきる。

するとヒデヨシは思いっきり調子に乗って挑発する。

 

「分かりました。本気で行きます」

 

イエヤスは本気で捉えてしまった。

 

「うわぁ〜、すみません。調子に乗りました〜」

「だったら、調子に乗るな!」

 

下にいる一刀が怒鳴った。

そうこうしているうちにボロボロになっていくヒデヨシ。

全部の攻撃を紙一重で避けているからだ。

 

「あたしの負けで良いから〜」

「そのようなざれこと、通用しません」

 

そうしてうちに砂時計の砂は全て落ちきる。

 

「時間です! 点火します!」

 

ミツヒデはたいまつを持つ。

 

「着火!」

 

導火線に火をつけたのだ。

 

「なにそれ? なにそれ?」

「縄に導火線が巻かれているのです」

「えええええ!?」

 

実はタコの後ろにはロケット花火がつけられていたのだ。

 

「それがケンカだこです」

「違う! あたしの知ってるケンカだこと違う〜」

「だから世界が違うって言ってるだろ!」

 

一刀が世界の違いについて怒鳴るように言う。

 

(とはいえ、私の方は途中で火が消えるように導火線に細工済みですが…)

 

実はイエヤスは卑怯な事をしていたのだが…。

 

「イエヤスちゃ〜ん」

 

ヨシモトが下から声をかける。

 

「お〜い。なにやら導火線が切れておりましたので、私が新品に交換しておきましたわ〜」

「なっ!?」

 

ヨシモトの行為によりもろくも崩れた。

しかし…。

 

(まだ大丈夫。花火も火薬を抜いた偽物)

 

イエヤスはまだ卑怯な事をしてたが…。

 

「ついでに花火も新しくしておきました〜」

 

ヨシモトのアホな親切でやはり崩れてしまった。

 

「あーはっはっ! なかなか潔いではないかヨシモト」

「正々堂々、私の心情ですわ」

 

その心情はとても良いものではあるが、卑怯な事を考える者にとってはとても困りものであった。

 

(はめることしか考えてないからそんな目に遭うんだ)

 

一刀はイエヤスを哀れだと思った。

ヒデヨシは泣いていたが、途中で火が消えた。

 

「あれ?」

 

実はイエヤスの攻撃が導火線を掠めてしまい、途中でほとんど切れた状態になっていたのだ。

それはあくまでヒデヨシの方。イエヤスは自分の方の導火線を切ろうとしたが、失敗。

花火に点火し、イエヤスを乗せたタコは上空へと飛ぶ。

そして爆発し、イエヤスは落ちていく。

 

「あっ! とくにゃん!」

 

ヒデヨシが手を伸ばす。

しかし届かない。

 

「あっぱれヒデヨシ! 敵に情けをかけるとは、その心意気確かに見届けたぞ!」

「俺もだ!」

 

ノブナガは思いっきりタコの縄を引っ張る。

ディケイドはあるカードをディケイドライバーに入れる。

 

「フォームライド、ブレイド、ジャーーーーーック!」

 

ディケイドはディケイドブレイドジャックフォームに変身する。

 

「待ってろ!」

 

ディケイドブレイドは空を飛ぶ。

しかしそれよりもノブナガのタコ操縦の方が早かった。

 

「受け止めよ! ヒデヨシ!」

 

ヒデヨシは再び手を伸ばす。

 

「とくにゃん!」

「ヒデヨシさん…」

 

二人の手は会い、ヒデヨシは受け止める事に成功する。

 

「ふぅ…」

 

ところが、イエヤスの体から出てきた火花がヒデヨシのタコの導火線に点火した。

 

「え?」

 

火は花火に到達。二人は上空へと飛ばされた。

 

「仕方ねえな…」

 

湖に落ちそうな二人を何とかディケイドブレイドが助けた事で何とかなった。

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「いいのか?」

「ええ、ほんの少しの差でしたが、私の負けですので」

 

ノブナガはヨシモトから真紅の甲冑の左足の脛当てをもらった。

 

「そうか」

「真紅の甲冑を纏った武将は天下を取れるですか……。

大きな事を考えているのですね、ノブナガ殿は…」

「お姉様はいいのですか? 天下取り」

「私は日々を楽しく過ごすほうが性に合っていますもの。

それにノブナガ殿を見ているほうが、面白いですし…。さっ、帰りましょイエヤスちゃん」

「はい」

 

二人は帰っていく。そんな中イエヤスは心で思う。

 

(天下を狙える真紅の甲冑というのも興味深い。ふふ…)

 

イエヤスは薄ら笑いをする。

 

(いずれノブナガさんが全て集めた暁には……)

 

そんなイエヤスの考えを一刀はわずかに読んでいた。

 

(やはりあいつ、何か企んでそうだな。

イエヤスだしな。少し注意しておくか)

 

一刀は警戒する事にした。

 

「うわぁああああん、酷い目にあった!」

 

ヒデヨシは泣いていた。

 

「そういうな。貴様の働きがあったからこそこうして真紅の甲冑を手に入れることが出来たのだ」

「そうだぞ。それに俺が助けなかったらあのまま湖の中でドッボーンだったしな」

「でも〜」

「ほれ」

 

ノブナガがあるものをヒデヨシに渡す。

 

「褒美だ」

 

袋の中に入っていたのは安倍川餅であった。

 

「ヨシモトに頼んでおいたのだ」

「ありがとう、お館♪」

「はっはっはっ! 好きなだけ食えー!」

「安すぎるぞ」

 

一刀があまりのご機嫌取りに苦笑いした。

その日の夜。ヒデヨシは歴史の教科書を開いて驚いていた。

 

「桶狭間って本当はヨシモトさん、殺されちゃってるんだ」

「当たり前だ。そもそも桶狭間が茶屋なわけないだろ」

「有名な話だよな」

「そうだな。俺も小学生の頃に習ってるし」

「ここから織田信長の天下布武の道が始まるってよ」

「へぇ〜」

「ってもあまりその本は参考にしないほうがいいぞ」

「何で?」

「ここは外史だ。正史どおり行くなんてことはない。

現に俺が見てきた中じゃ実際起こる戦の順番が入れ替わったりしてたし、死ぬはずの人間が死んでなかったりいるはずの人間がいなかったりその逆もあったからな。

ってもノブナガの天下への道って部分はあってるな。

だからと言って参考にするな。あくまで頭に止めて置くだけにしろ」

 

一刀は忠告をする。

 

「あ、そういえば言い忘れてたけど」

「どうした?」

「一刀さんじゃなくてシロね」

「俺か?」

「あたし達がお風呂入ってた時、覗いてたでしょ」

「ギクッ!」

「お前そんなことしてたのかよ」

「そ、そうだったかな…」

「エッチー」

「安心しろ。俺は無乳には興味ない!」

 

シロのその発言にヒデヨシは怒った。

 

「あ」

「無乳ってどういう意味?」

「それは…」

「こーーーーのーーーーー!」

 

ヒデヨシは思いっきり本でシロを叩いた。

 

「あーーーーーーーー!」

「ははははは」

 

笑う一刀。

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そして一刀は自分の部屋に戻り、写真館に電話した。

 

「てなことがあってな…」

『それはおかしい話ですね〜』

 

現在の話し相手は風である。

 

『でも流石は外史。本当なら戦が起こっている事をお遊びで解決するなんて〜』

「おかしいだろ?」

『そりゃ〜まあおかしいですね〜』

「でも俺はそれでも良いと思うぜ。無駄に血を流さなくて済むんだからな」

『お兄さんは優しいですね〜』

「優しいっつうよりは人が死んでいくのをみたくないってだけだな。覚悟がないわけじゃないけど……」

『いえいえ、それでも十分優しいと思いますよ〜』

「そうか。それと東王父来てる?」

『いえ、最近来てませんよ〜』

「そうか」

『何かあったのですか?』

「あったといえばあったな。写真館に来たら少し調べて欲しいことがあったと伝えてくれないか?」

『何をですか〜?』

「徳川イエヤスという存在と真紅の甲冑についてだ。他のエリアだからうまく調べられないかもしれないが、調べてほしいと言ってたって言ってといてくれ」

『分かりました〜。おやすみなさい〜い。ぐぅ〜』

 

一刀は電話を切る。

 

「さてと、これから先もこんな感じで行くのかな〜」

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おまけ

 

 

作者「さて、スターウォーズを見ながらの投稿です」

一刀「そんな時に投稿かよ。ここに来る人少ないんじゃないのか?」

作者「そもそも俺の作品見てくれてる人が少ない気がするけどな」

一刀「まあそれはお前の趣味の多彩さとか色々あるだろ」

作者「まあ何度も言ってはいるが、俺は書きたいから書く。例え孤独でも書きたいことがある限り書く。それが二次小説家だろ」

一刀「それは知らん。てかお前の場合は書くものが多すぎる。その上稚拙じゃないのか?」

作者「かもな。だけど俺は書いてやるさ」

一刀「まあ好きにしな。ところでこのイエヤスって何者?」

作者「俺も分からん」

一刀「何で?」

作者「普通にアニメじゃ明確になってないからだ。腹黒とか言われてるからその腹黒さを利用してこう書いた。もしかしたらアニメとは違う展開があるかもしれないぞ」

一刀「そいつは楽しみだ」

作者「とりあえず、それでは!」

説明
この話は作者が書いていた「仮面ライダーディケイド×新・恋姫†無双」の続編とされるものですが、舞台は「戦国乙女(アニメ版)」となっています。また話によっては主人公である一刀があまり出番がないことがあることをご了承下さい。
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コメント
俺もスターウォーズ見てました。(アーマイル)
この腹黒さがいい!!続きも楽しみにしてます^^(tukasa)
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