恋姫異聞録111 −画龍編− |
背中に温かい温もりを感じながら望遠鏡に眼を通す
見張り台から見える地平線の先には陽に照らされ輝く河面
娘から借りた望遠鏡には静かに打ち付けられる波が映り次第に強く、ざわめき立つ
「来たか」
打ち付けられる波と共に岸へと着けられる大量の船
そのほとんどが楼船と呼ばれるまるで河に浮かぶ監獄の様な姿の巨大な船が次々と着岸していく
楼船は海洋船としても使わるれほどの大型艦、乗せられる兵は裕に七百以上
報告から此方に向かうのは約三万と聞いている。水軍を誇る呉だ、この程度は余裕に揃える事が出来るのだろう
呉と書かれた朱の旗の中に見えるのは孫の牙門旗、そして周と黄
孫策殿に周瑜殿、そしてやはり来たか黄蓋殿
俺は旗と将を確認すると後ろで静かな寝息を立てる友の頬を肩越しに突付く
「うにゅ?」と寝起きの可愛い声を出していた。背中からゆらゆらと振動が伝わってくる
どうやら深く寝入ってしまったのだろう、涎でも拭いているのではないだろうか珍しいことだ
「来たのね?」
「涎」
背中越しに俺の望遠鏡に手を伸ばす華琳に頬を指差し指摘してやれば「なっ!?」と素っ頓狂なを出して驚き
拭き取れていなかったのかと顔を真っ赤にしてゴシゴシとハンカチのような小さい手ぬぐいを出し
口元を拭いていた。俺は笑い「やっぱりか」と言えばかまをかけて言った事を理解したのだろう
傷のある方の頬を思い切り引っ張り、痛みで頬をさする俺から望遠鏡を奪いさっていた
「来てるわね、牙門旗は三つか。将三人で来たと言うには少々兵が多いように感じるわ」
「そうだな、もしかしたら牙門旗を揚げていない将が居るのかもしれん」
周泰殿か、それとも甘寧か。甘寧は無いかもしれんな、俺なら甘寧は此処に使わない
なぜなら俺が此処にきているから。砦を奪ったのは俺だと話が行っているはずだ
ならば眼に濁りのある。怒りを植えられた甘寧は使ってこないだろう
周瑜殿、もしくは孫策殿ならば既に甘寧の眼の奥にある怒りに気がついているだろうからな
「曹操様。呉の船団が上陸し此方に向かっているとの情報が」
「ええ、今しがた眼で確認したところよ。全軍に通達、呉の兵を迎え撃つ。天子様の姉上である劉弁様がいらっしゃる
皆、励むようにと伝えて頂戴」
見張り台の梯子を駆け上がって来た兵にそう伝えると、兵は復唱を行い直ぐ様したへと降りていく
劉弁様がいらっしゃるから励めか、さて呉の人間は。いや、周瑜殿は此方に劉弁様がいらっしゃると知って
どう動いてくることか、動きを見せてもらおうか
「どうなの?周瑜公謹と言う人物は」
「なかなかの賢者だよ。演技まで使いこなすし、己の病を表面にも出さない強い精神の持ち主だ」
「そう、間に合いそう?」
「さぁ?俺としては没してくれたほうが兄弟が死ななくて済む」
華琳はツマラナイといった顔をするが、俺としては正直な気持ちだ
華佗が居る以上、勝てるならば間に合うだろう。時の流れは十分に早いのだ
彼女の病の進行まで早くなければの話だが
徐々に岸を朱の旗で埋め尽くしていく呉の軍団。なかなかに脚の早い者たちだ
時間稼ぎに待ち受ける砦に来るのだ、行軍はそれほど速度は必要がない
それにもかかわらず此処に迫る速度が袁家と戦った時の兵よりもずっと早い
袁家と比べるのも失礼か、だがあれが基本の速さならば陸でもなかなかにやるということだ
「呉が来たようだな」
「あっ此れは、劉弁様」
「フフッよい。しかし本当に兄妹ではないのか?」
華琳が慌てるのもむりは無い、天幕で呉の到着を待ちきれなかったのだろう
俺達が居る見張り台へと上がって来てみれば、胡座で座る俺の背中におぶさるように
膝をついて肩に顎を乗せて望遠鏡を覗き込んでいたのだから
傍から見れば、身長差から兄に甘える妹にしか見えない
華琳もそんな姿は俺と二人か、俺の屋敷に秋蘭か春蘭、涼風が居るときにしか見せたりはしない
余りに無防備だった為に何時もとは違う、余裕の無い姿を見せてしまっていた
「お前は動じないのだな。最初だけか驚いてくれたのは」
「はぁ、劉弁様が突然居らっしゃったのは完全に予想外でしたからね」
「残念だな。して敵将は?」
「孫策殿に周瑜殿。それに黄蓋殿」
報告をしながら前方に再度眼を凝らす。肉眼でも見える程に近づいた呉の牙門旗の色に微かに違いを
見た俺は、なるほどと一人頷いた
「更には孫権殿ですね。微妙に色の違う孫の牙門旗、あれは妹君でしょう。経験でも積ませるつもりかと」
「ふむ、孫策に周瑜、黄蓋か。その三人はよく知っている。母である孫堅と共に何度か霊帝様にお目通り
なさったことがある」
確かに、霊帝様とお会いになることはあっただろうな。俺も中央で交流を深め、多くの人の人物評をしていた
時に耳にしたことがある。孫堅殿のが部下と娘を連れてきたと
きっとその時に周瑜殿も一緒に居たのかも知れない。節句や催しに参加することはあっただろうからな
「ならばこれも十分に通用すると言うことですね」
「そのようだ、これを知る者が少なければ意味が無いが。呉は古参兵、古くから孫堅に使えていた人物が多い
曹操よ、お前の見立ての通りかもしれんな。期待通りの効果をもたらすだろう」
そういって姿勢を整え華琳が手に持つは劉弁様が手渡した布に包まれた棒
相変わらずあれの存在の意味が解らない。一体何だと言うんだ?
あんな一本の棒の様な物が協様の信頼の証?
あれこれと記憶の中での三国志や古い皇帝の記憶等を呼び覚ましていくが
まったく想像がつかない。玉璽などでは無いし、玉璽は恐らく孫策殿が持っているのではないか?
それとも孫堅殿が早々に没してしまい、発見することが出来ず未だ洛陽の井戸の中にあるのだろうか
「来たわよ。移動しましょう」
「劉弁様、どうぞ此方へ」
「ああ、では行こうか」
見張り台から見えるのは、徐々に魚鱗の陣へと形を変えていく呉の兵達
此方が鶴翼を張っていると見て、周瑜殿が指揮したのだろう
河川に近い変形した地形での伏兵を想定しない魚鱗の陣か。後方を気にせず陣をはるならば十分に強い陣形だが
この時点では十分に詠の陣形、鶴翼の方が有利だろう。なにせ鶴翼なのにも関わらず一馬が伏兵として隠れている
しかも騎馬を此方に大量に送って来ているのは向こうも想定外ではないか?
河川での戦だというのに船に騎馬を乗せてきているのだからな
いや、斥候によって騎馬の姿は確認されているかもしれんが、船の上で使う等と考えてはいまい
水上戦が終わった後の城攻めで使うために馬を連れてきたと思っていることだろうな
呉の軍団が俺達の砦の前、鶴翼の少し前で脚を止めると孫策殿と孫堅殿が馬に乗って此方へと進んでくる
俺達は砦の門を潜り、劉弁様を爪黄飛電へ騎乗させ俺は手にしていらした棹刀を手に手綱を引く
その前を劉弁様を守るように華琳が絶影に跨り両陣営の睨み合う中央へと進めた
馬を進める中、魏の陣営からは鎧に身を包む劉弁様のお姿に声が上がり
対する呉の兵達の間に響動き、動揺する者が現れる
其れもそのはず。男が持つ槍にくくられた旗には竜が絡みつき輪を作り中心には劉の文字
魏の中で劉等と旗に使うのは舞王の義弟、劉封のみ。それ以外といえば決まっている
皇帝、劉協様の姉君。劉弁様以外にいないのだから
銀の鱗鎧を纏う戦装束の女性。妹の雪のような白い肌とは違う、何進の血を引く褐色の肌、真っ白な髪
まごうこと無く皇帝の姉、劉弁。その姿に一番に驚愕していたのは周瑜であった
「・・・な、なんと言うことだ。まさかこの場に劉弁様を連れてくるだと!?一体どうやってこの場に連れてきた
いや、柴桑で見た舞王の振る舞いを見れば陛下の信を得るなど容易いことかっ」
「むぅ、久しくお姿を見ることは無かったが。間違いない、我等が呉の老兵は劉弁様のお姿をよく知っているものが多い
昔は堅殿と陛下のおわす洛陽に何度か脚を運んでおるからな」
この場に皇帝の姉を連れてくるなど全く想像のつかなかった周瑜は唇を噛み締めていた
柴桑ではあれほど演技を使ってまで舞王を欺き、有利に戦をする理由まで掴んだというのにと
そして劉弁の手にある勅と書かれた小箱を見てそういう事かと呟く
我等を騙した事、陛下の優しきお考えであると言う事の裏付けを、証拠を示そうとしているのだと
「やはり蜀に軍を出せと言わずに良かった。こんな場所に蜀の兵などが居たら動揺などではすまない」
「そうじゃのう。戦争前に軍はまるで泥で固めた塀のように脆く崩れていたじゃろう」
動揺する兵たちの中、黄蓋は一人落ち着き放ち腰に手を当てて真っ直ぐに孫策の背中を見ていた
その雄々しい姿に隣に立つ周瑜は軽く頭を振って心を落ち着かせた
「そうじゃ、軍師が乱れてはいかん。どうも余裕が無いように見えるのはやはり儂に何か隠しておるのだろう?
今は聞くことはせぬ。だがこの戦が終わり次第、儂に話せ。解ったな冥琳」
「・・・はい」
「うむ、では我等は策殿の舌戦が終わったと共に突撃を掛ける。兵には儂を信じよ耳をふさげと通達すればよい」
黄蓋の言葉に周瑜は微笑み、力強く頷く。心に余裕が出来た彼女は兵に直ぐに指示を飛ばす
一見無茶な、明らかにこれでは今から話されることが不利なことだと言っているように聞こえる指示だが
最後に付け加えた黄蓋ならではの言葉
「儂を信じろ」
この言葉だけで兵達は将を、王を信じることが出来る。なぜならば、柴桑でみせた黄蓋の一言
「動くな」との言葉で全ての兵を止めて見せた王に匹敵する魅力と信頼
まさに黄蓋がなせる強引な、それでいて力強い言葉に周瑜は何の疑問も無く指示を飛ばす
「伝え、魏の戯言を聞く必要はない耳をふさげ。祭殿の言葉を信じよ。我等は王の暴いたあの生首を思い出せ」
耳をふさいでしまえば此処からかわされる言葉等意味が無い。ならば唯、舞王が裏切ったという
目の前で見せた事実、偽物の生首を耳を塞いでいるうちに反芻させれば良いだけなのだから
「お久しぶりです劉弁様」
「うむ、久しいな。言葉を交わしたのは二度ほど、こうしてみれば孫堅と瓜二つ。やはり母娘だな」
「有り難きお言葉、我が母も劉弁様のお言葉にあちらで喜んでいることでしょう」
馬から下馬し、礼を取る孫策にならい。孫権も馬から下り、礼を取る
劉弁は孫堅の纏う白銀の鎧と古錠刀、そして腕に巻き付ける朱の頭巾を見て懐かしそうに眼を細めた
そんななか孫権は始めて見る皇帝陛下の姉に肩が震え唇までが震えていた
幾ら漢帝国の威光が薄れたとは言え、小さき頃から教えられてきた天子様の重要性は其の身に刻まれている
御尊顔を拝見することすら恐れ多いと、その体は唯振るえることしか出来ず直視することすら出来なかった
「まさか劉弁様をお連れなさるとはね。やっぱり貴方は面白いわ」
「褒めて頂いて光栄だ。だが俺の力じゃないさ、俺には皆がついてる。我が王を支える力を皆が貸してくれるのさ」
呆れ気味に話す孫策に男は笑顔で返すと視線を華琳に移した孫策は男を指差し
「彼、私に頂戴」と平然と言う。華琳は下馬しそんな孫策に「勝ってから言いなさい」と断られ頬を膨らませて
ケチと言っていた
・・・どうも舌戦とは違う雰囲気だ、これからやることは勝ち目が無いと思ってこんな会話を始めたのか?
孫策の舌戦ではなく会話に疑問を感じた男は直ぐに目線を孫策の後方、呉の兵へと移す
なるほど。耳を塞ぐか、今から話すことを兵に聞かれるのは不味いと思ったのだろう
兵の眼から感じるのは大きな覚悟、そして俺に対する憎悪・・・いや、俺にというよりも
俺を通して美羽と許靖にだろうな。さて、どうするか俺の積んだ徳では此れをどうにも出来んぞ
チラリと華琳を見れば、心配するなと目線を送ってきた。まぁ心配はしてないさ
よほど自身があるんだろうさ、劉弁様がお持ちになっている棒とやらが
等と考えていれば、孫策殿が会話はおしまいとばかりに腰に手を当て胸を張る
恐らく後方での動きを背中で感じたのだろう。眼を見れば解る、後方の動き突然の指示だったのだろう
耳を塞ぐというものは
「さて、我等が立ち上がる力を貸してくれたことには礼を。だが我等が受けた、屈辱はそれ以上、同胞の命を
弄んだ仇敵を生かし匿った。しかも一人ではなく我が生命を狙う者を含め二人。魏には義は無く、偽りで
国を動かすのだな。そちらのおわす劉弁様も偽りと力によって此の様な場所へと連れだしたのであろう」
「我が家臣が新野で放った言葉が耳に届いて無いと見える。そのような通らぬ耳で、真偽を語るなど
出来ようか。夏侯昭が語ったこと、其れは戦を治めたいという陛下のお優しき心と慈悲深きお考え」
「だが我等を偽り、呉の大罪人を匿ったことは真実であろう。偽の首まで作り上げ、我等を欺いたことが
陛下のお考えだと?笑わせないでもらおうか、管子は国を維持する四本の柱を掲げている
【礼】【義】【廉】【恥】であると。陛下ともあろうお方がそのうちの一つ【廉】を損なうお言葉を口にするなど
考えられない。ましてその言葉が真であるならば漢帝国の復興を願う蜀が剣を持とうなどと考えるであろうか
言っておくが、劉弁様のお持ちになっていらっしゃる勅は何の意味もない。その勅を陛下がお出しになった
と誰が証明するのか。誰も証明はできまい、姉君である劉弁様が証明だと言うならば余計に偽りであることが考えられる」
言葉を激しく交わす中、孫策殿は劉弁様自身が証明としてお持ちになった勅を偽りである可能性を示唆した
言いたいことはこうだろう。皇帝の姉君、劉弁様ともあろうお方がそもそもこんな場所に脚を運ばれている事自体が
おかしいと。本来ならば、劉弁様は皇帝陛下の御側からこんな戦場に赴くなど常軌を逸した行為
華琳が抱き込んでいるのであろうといっているようだ。劉弁様を前にして抱き込んでいるとは
随分と度胸があるものだ。余裕もある、此方を見て片目をつぶって見せやがった
「左伝を知っているか?禮の定義、禮也者、小事大、大事少之謂。陛下が偽りを以てでしても民を慈しみ
戦を止めようとするのは当然の行為。愛者憎之始也、其れを批判するとは呉の王と民は陛下を愛するがあまり盲目に
いや、眼が濁ってしまっているのではないか?」
対する華琳の余裕の返答。管子で来たならば、同じように管子で返すか
愛は憎しみの始めか、俺の援助が陛下の意向だとするならばいつしか其れが当たり前になってしまい
呉は欲によって陛下に対する愛が歪に、陛下を奉戴する俺達に対する憎しみに変わっていると言っているんだろう
華琳を見ればどう?と俺に返答の採点をしろと言っている。だから俺は目線と表情で返してやった
呆れ気味に「お前のほうが上手だよ」と
逆に自分たちが欲にかられ、大陸を陛下の庭を荒らしていると言われ言い返すこともできず
つい口をつぐんでしまう孫策殿。眼は「言うじゃないの」と語っていた
ならば証拠をと口を開こうとする一瞬の間に実に絶妙に劉弁様が口を開いた
「控えよ孫策。貴様が陛下のお考えを語るなど片腹痛いわ。それほどの言葉を吐くならば、何故董卓連合以来
陛下の元に一度も顔を見せることが無かったのだ。奉戴している以上、陛下へのお目通りとなれば
曹操が其れを断るわけもあるまい、劉備に至っては遠い血縁だというのに陛下の前に姿を表さぬでは無いかっ」
劉弁様の一喝に孫策殿は何も言えず完全に黙ってしまう
顔には「やっぱりねー」と言われる事を予想していたのだろう。劉弁様のおっしゃる通り
確かに一度も、陛下の前に劉備殿どころか孫策殿まで参上することが無かったのだから
それで漢帝国の復興?陛下のお考えではない?そんな事などどの口が言えるのだと
言われるのはあたりまえだろう
更に劉弁様は馬上で皆にみえるよう勅の箱を開き、原文を掲げ皆に聞こえ響き渡るよう声を上げた
「陛下からの勅命である。我が友、操よ。我の信は貴君と共にある。高祖より賜りし剣(ツルギ)で蛇を斬れ」
読み上げると丁寧に箱の中に勅を戻し、馬から降りる。そして腰に着けた布に巻かれた棒を俺へと渡す
受け取った瞬間、俺は無意識にゴクリと喉がなったことが解った。この手にする物の正体がわかったからだ
高祖とは劉邦の事。そして賜りし剣。蛇を斬れとの言葉
玉璽に匹敵するこの手にある棒の正体、これこそが皇帝陛下の意志の証明
俺の手の震えは恐れではない、歓喜だ。これほどの歴史物に手を添えられるなどと思っていなかった
てっきり武帝の時代に焼亡した筈だと思っていた
遠目には、恐らく勅とこの物の正体に気がついたのだろう。周瑜殿が何か言葉を放っていた
恐らく見るなとでも言ったのか。だがもう遅い、全軍にその命が伝う前に終る
「華琳の勝ちだ・・・」
俺はゆっくり慎重に、劉弁様から手渡された物を華琳へと手渡した
華琳は巻かれた布を一気に取り去り、現れるは火で炙られ煤だらけの真っ黒な一振りの剣
柄に手を掛け、鞘からゆっくりと引き抜けばまるで濡れたような鏡面、光を反射するはまるで流星の如く輝き
年代を一切感じさせない其の剣は、何か大気を揺らがせるような空気を纏っていた
「祭よ、まさか生きているうちにまたアレを見れるとは思わなんだ」
「ああ、儂も見たのは二度目、陛下が乗輿で出駕された時に侍従官の一人がこの剣を捧げるのを見ただけじゃ。
一度見れば忘れるはずなど無い、あれこそ王道を通り皇帝の地位に着いた高祖、劉邦の力の証」
黄蓋の真名を呼ぶのは柴桑で男と酒を酌み交わした背の低い傷だらけの老兵
その眼は相変わらず穏やかな湖面のようで、奥には強い意志の炎が静かにゆらぐ
「これが舞王の恐ろしさか、人を繋ぐ力はなにより恐ろしい。どうやら楽しませてもらえそうじゃ」
「眼が曇ったか祭、真に恐ろしいのは曹操よ。あれの後ろで最大限に力を引き出し自由に動くその
奔放さを器に収めている。舞王のせいでその姿を見づらいようだが、舞王を扱うなど策殿でも
ましてや劉備でも無理だろう。穏やかそうに見えて意に沿わねば王にさえ牙を剥くぞあの男は」
「確かに、権殿でもましてや堅殿でも無理じゃろうな。あのように動く将など使いづらいと
公謹も嫌がるじゃろう」
「さて、じゃれあいが終わり次第ワシは右翼に突撃を仕掛ける。赤馬の首を上げ、士気を取り戻すとしよう」
劉弁の参上でわかりきった結果の舌戦をじゃれあいと言い放つ老兵に黄蓋は小さく吹出す
白銀の鉄の板を貼りつけた軽鎧を見にまとい、手には鉄脊蛇矛と呼ばれる張飛が持つ蛇矛に似た矛
八尺の長さを持ち、穂が蛇のように曲がり切っ先は二股にわかれ、槍纓には真っ赤に塗られた馬の鬣が着けられ
腰には一般的な兵の持つ腰刀、幅か細くまるで日本刀の様な形状をした曲刀を腰に付け
自慢の真っ白い髭を撫でて蛇矛を回すと背を向け兵の方へと進む
「程普、いや会陽(えよう)。無理はするなよ」
「互いにな。無茶はせんよ、ワシも策殿の国の行く末を見てみたい」
兵の中に消える後ろ姿を見送り、直ぐに前へと視線を戻せば黄蓋の眼に映るのは華琳が抜き取り掲げる光輝く剣
皇帝に代々受け継がれる力の象徴
高祖、劉邦が携えし【斬蛇剣】
槍が兵器の王、武器の王とするならば剣は神聖さと力の象徴
ましてや斬蛇剣は蛇である白帝子を斬り殺したとされる剣、劉邦が次の皇帝は自分であると
確信したきっかけを与えた天の啓示ともいえる物
蛇とは龍の意味を持つ。龍とは力つまり、皇帝劉協はこう言っているのだ
【友よ剣を預ける。私の代わりにその剣を以て皇帝に成り代わろうとする者(つまりは龍)を斬れと】
剣を一度でも見たことのある呉の老兵達は耳は塞いではいるが眼ははっきりとその存在を凝視していた
華琳の掲げる輝く剣に膝を地に着け、皇帝の意志がそこに、華琳の手にあると驚愕し兵によっては頭を抱え
うずくまる。自分たちは皇帝陛下に剣を向けられるほどの罪を侵して居るのだと
だが黄蓋は声を上げる。表情を変えず、腰に手をあて雄々しく立ち
「立てっ、呉のツワモノどもよ。我等孫家に使えし忠臣たちよ。嘆くな、剣を持て槍を掲げよ
前を見ろ何が見える?劉弁様?陛下の剣?違うであろう、退かず媚びず、雄々しく立我等が王の姿が見えぬか」
黄蓋の指差す方向には、剣を持ち大義を手にする華琳の前に堂々と立ち胸を張り見据える王の姿
その姿に兵達は歯を噛み締め、眼を王の背中に、胸をはり槍を持ち立ち上がる
「声を上げよ、脚を踏み鳴らせ、我等が王はアレを認めては居らん。王が認めぬならば、我等は王の意志のもと
偽りの龍に槍を突き立てるっ!全軍、都督周公瑾の号令の元、偽りを操りし魏の下衆共に牙を突き立ててやれい!」
孫策の背には声を上げ、目の前の剣を皇帝の意志を討ち滅ぼせと兵達の声が支えるように響く
この言い逃れの出来ぬ真実の剣に黄蓋はそれでも偽りだと声を上げ兵を奮い立たせる
誰の眼にも明らかであろうと、我等が信じるべきは王であり王を信じ王と共にあると黄蓋は声を放つ
響く声に孫策は一度だけ、顔を伏せると直ぐに顔を上げて此方に攻撃的な美しい獣の笑を見せると
「我等の意志に揺ぎ無し、如何に陛下の意志がその手にあろうと間違いを正し、佞言を退け
我が身を賭して身を切り裂く辛辣な言葉を以てでしても陛下の心を正して見せよう」
あくまでその剣であろうと勅であろうと魏が、華琳が陛下を操っていると言い残し
孫策は震え続ける妹の肩を軽く叩き馬へ飛び乗って自軍へと走らせる
「全軍槍を構え、劉弁様の保護を最優先に魏の賤陋、曹操の首をとれ」
同時に周瑜の号令がかかり、鳴り響く銅鑼の音
「行くぞ華琳。敵の士気はそこそこに落ちた。予想外とするならば、兵の忠誠が高いと言うことだけだ」
「そのようね、この程度で折れてもらっては困るわ。私達も正々堂々と、敵を正面から全てを受け止めてこその覇道」
「孫策か、なかなかに傑物であると言えるな。後で評価を聞かせよ慧眼」
頷き、劉弁様を飛電へと乗せると俺は華琳と共に絶影へと飛び乗る
俺達が自軍の中に消えると同時に堰を切った水のように此方を飲み込まんと襲いかかる呉の兵士
「華琳様、隊長。お急ぎくださいっ!」
「後は頼むぞ、敵を抑え退かせるだけでいい。無理はするな」
「はい、お任せください」
引き締まった表情で俺の言葉に返事を返す凪は何時もの鎧を纏、両拳にうっすらと光り輝く気が包む
横を通り過ぎ、そのまま進めば最後尾に砦の門の前に詠が道と門を開けて待ち構えていた
「詠、お前の指揮をじっくりと見させてもらう。期待しているぞ、我が生命を預けよう」
「りゅ、劉弁様っ!お任せくださいっ!!」
俺達の前で馬を駆る劉弁様は過ぎ去りぎわに詠に激励の言葉をかけると詠は嬉しかったのだろう
拳を握り身をプルプルと震わせて喜んでいた
「詠、おい詠?」
「駄目ね、気がついていないわ」
俺も過ぎ去りぎわに声を掛けるがどうやら感動で聞こえていないらしい、華琳も前で呆れ顔になっていた
「此のまま砦の中に入って大丈夫かしら」
「・・・と言っても華琳がこんな所でやられるわけにはいかんしな」
「例え倍以上の兵数があろうとも、油断があれば負けるわよ。貴方が二度も実践して見せたでしょう」
「ああ、そこら辺は心得ていると思うが。いざとなれば俺が降りて詠の側に立つ」
高揚する詠を心配しつつ砦の中へと入り、劉弁様を中央の天幕へとお連れし稟に後を任せた後、俺と華琳は先ほどいた
見張り台へと上がっていく
「剣はどうした?」
「すぐに返したわあれは重すぎてとてももてはしない」
剣を持たぬ華琳に問えば斬蛇剣を砦に戻った後、すぐに劉弁様へ返したようだ
確かに帝の剣など、責任が重くのしかかりとてもではないが手にしていたくない
華琳も協様の信は有り難いが、とても剣を持ち続けることはゴメンだと思ったらしい
「貴方が持ってみてはどう?その背に魏を背負うくらいなのだから持てるでしょう」
「馬鹿を言うな、協様の信は有り難いがあんなもの持ったところで重責に押しつぶされる。いらんよ」
苦笑しながら見張り台に登り、そこから見える光景は、赤い魚が翼を広げる鶴へと襲いかかる姿
特に無徒の居る右翼へと突出した兵士達が襲いかかっていた
俺はまた胡座をかいて座り込み望遠鏡で突出する呉の左翼を見てみれば、そこに掲げられる程の牙門旗
其の旗のもとには柴桑で酒を酌み交わした老兵が長い蛇矛を回し、此方の兵を軽々と吹き飛ばしていく姿
「兵が多いと感じたのはこのせいか、牙門旗を掲げて居なかったのだな」
「あの突出している呉の左翼のこと?」
「ああ、見てみろ」
差し出す望遠鏡を覗き、そこから見える光景に笑をこぼす華琳
どうやら気に入ったようだ。俺の知識からの程普と同じ様な人物ならば相当に兵のみではなく将の信頼もある人物のはず
最年長であり程公と呼ばれたほど尊重されていた人物だ。あの人が仲間になるなら有り難い
「あの人物はどうなの?」
「必ず手に入れた方が良いと進言するよ。黄蓋殿とあの程の牙門旗を掲げる人物は、呉を手中に治めた時
民の心を掴むため必要な人達だ」
俺の言葉に華琳は同意してくれた。戦を行う上で忘れてはいけないのは戦後の処理を考えた戦いの進め方
幾ら勝利したとは言え手に入れた土地に住む民が快く我等を受け入れるとは限らないのだから
となれば老兵と呼ばれる者達や、呉の古参兵達は重要な意味を持ってくる
彼らが魏に取り込まれたときに、力を貸してくれることがなにより其の土地の民と心を交わす
最も早い方法でもあるのだから
敵、左翼が突出する中、合わせるように詠は銅鑼を鳴らし右翼の無徒を前へ進めた
無徒が掲げる牙門旗は張奐の張ではなく、自分は月と詠の元で戦っていると言う意味を込め
董と言う名の牙門旗を掲げていた
「あれ、よく許したな」
「無徒の牙門旗?あの程度どうということは無いでしょう。月の事なんて生きているなどと誰も思わない
だろうし。牙門旗一つで軍の士気が大幅に変わると言うのならこだわる必要など無いわ」
「そうだな、俺はお前のそういうところが好きだ。俺達の心を最優先で考えてくれる」
当然と言わんばかりの表情と笑で返され俺はうれしくなる。こんな華琳だからこそ俺を一番に巧く扱えるのだから
視線を無徒の方へと向ければ華佗の治療もあってか身につけている包帯の数は殆ど無くなり
騎馬兵が使用する双鈎槍と呼ばれる三間に及ぶ長い柄と穂先に突起物が無数に着いた槍を二つ
一本は背に、もう一本は手に持ち猛然と詠の指揮するまま襲い来る程普殿へと馬を走らせていた
全体を見れば此方は右翼は騎馬兵。左翼と中央は重歩兵。敵は左翼に重歩兵、後方に弓兵を置き
右翼と中央前曲に歩兵、中軍を弓兵で構成してきている。やはり弓兵は多いか
男が全体の動きに眼を凝らす中、早速右翼では無徒と程普が激突を開始していた
「久しいな張奐よ、まさか戦場に魏の将として戻ってくるとはな」
「程普か、どうやら時がまだ儂を必要としてくれているようなのでな」
走る程普に張奐は馬上槍では受けきれぬと交差する瞬間、馬から飛び降り背負った双鈎槍をもう一本を手に持ち
二本の双鈎槍を程普に打ち下ろす
辺りに響き渡る重い鉄の音と飛び散る火花の焼ける匂いが辺りに漂う
程普は襲い来る二本の双鈎槍をその太く逞しく、傷だらけの腕に血管を浮き上がらせ
両手で槍よりも一回りは太い鉄脊蛇矛の柄を力の限り握り締め横からなぎ払っていた
「化け物め、相変わらず武器を二本。双武の名は霞んでおらぬな」
「貴様こそ儂の一撃を蛇矛一本であしらうなど其の太い腕が見せかけでは無い証拠よ」
お互いにニヤリと笑いあうと長い槍と矛を振り回し、叩きつけ振り回し
隙を見つけては突きを繰り出し、周りの兵を寄せ付けず打ち合いを始めた
「張奐よ、其の牙門旗は何だ?董などと、貴様が掲げる旗ではあるまいっ」
「魏におわす聖女様よ。儂は聖女様御二人の望むがまま槍を振るっている。ならば聖女様の旗を掲げるに
何もおかしな事などあるまい」
無徒の言葉に董の牙門旗。それでおおよそ察したのだろう、程普は笑い蛇矛を片手に思い切り振りかぶり
応じるように無徒もまた槍を下から蛇矛を迎え撃つ。つばぜり合いのように重なった柄を押し合いながら
にらみ合い、二人は口元を釣り上げていた
攻め入る呉軍に対応し、詠は高揚した心を落ち着かせ流れを見ていた
「突出したのは恐らく力のある将、其れも兵からの信頼厚い者のはず。舌戦で負けた兵の士気を勢いで上げるつもりね」
詠は考える。ならばそこは無徒に抑えてもらい、呉の後方の矢は更に此方の兵を押しこんで撃てなくしてしまえば良いと
そして左翼、此方は重歩兵下手に攻めず降り注ぐ矢を抑えつつ、前曲の歩兵が鶴翼の中に潜り込んだ時に
伏兵の一馬で後方を、一気に周瑜、もしくは挟みこみ孫策を討ち取るのが良いと
「敵は一馬の存在に気がついていないはず。中央の凪を前進させ、孫策を中に誘い込むか。好戦的な性格のようだし
乗ってくるでしょう。後は薄くなった後方の周瑜を討たせてもらう」
一馬の伏した位置は魏から見て左翼の前方、呉から見れば今現在は右翼の横っ腹
もう少し前進させて、後方から回りこみ奇襲を掛けると言う戦い
作戦の決まった詠は直ぐさま凪へと指示を出す
「中央前進するわよ。凪、孫策の攻撃を受けきれる?」
「やってみます」
「お願いね、前進開始っ!」
鳴り響く銅鑼の音、それと同時に槍を構え突撃を開始する凪率いる中央の前曲
同じくして呉からも銅鑼の音が鳴り響き、動き出したのは中央の兵、孫の牙門旗
思った通りだと詠は凪達を押しこむように自分が居る中軍を前へ前へと進めていく
兵と兵がぶつかり、凪の瞳に孫策の姿が映った時。後方で佇む周瑜の口元が釣り上がる
「報告通りだ、先ずは一手」
呟くと同時に魏軍後方、砦から凄まじい音が鳴り響く。何かが倒壊、瓦解する音
何事かと振り向く詠。その瞳には砦の南から立ち上る砂煙、悲鳴と剣戟の音
奇襲されたのだと理解するまで僅かな時を要してしまうほどの鮮やかで
破壊されるまで気がつくことのなかった音の無き攻撃
「奇襲?何処から・・・落ち着け。突出した敵左翼の影に隠れて兵を進めたのね、砦がこれほど早く破壊されたのは
恐らく作り手が予め此方が手に入れた後のことを想定していたから」
すぐに頭を冷やし、分析、打開策を頭の中で組み立てる詠
とりあえず此のまま兵は進める。まだ一馬の存在は気付かれていないはず
侵入した兵は砦の中にいる沙和に任せ、耐えてもらう最悪は昭も華琳も居ることだし劉弁様は大丈夫
まずは早めに敵を崩さないと此方は敵より倍の兵数がある、多少強引でも敵に勝つことはできるはず
この砦を考えた奴はやるようね。元々蜀から奪った砦だし昭の持ちかけた同盟を崩した蜀の諸葛亮って奴かしら
自分たちが逆に崩す時の事を考えて作っているなんて。考えなかったのかしらね自分が考えた場所から
僕達が攻めいって来るとは。それとも元々奪われる前提で居たのか
「何方にしろ昭の策を台無しにしたどころか、劉弁様にまで手を伸ばそうとするなんて最悪なやつね
許してはおけないわ」
詠は後方で砦に襲い来る兵の数を調べるよう斥候を飛ばし、更に孫策を引き込むために兵を前進させた
見張り台の上では男と華琳が音と立ち上る砂煙に気が付き、南門へ視線を送れば
砦の壁として隙間なく立てられた丸太が倒壊し、敵兵がなだれ込んできていた
「奇襲?全く此方に気がつかせないなんて」
「無徒の居る右翼の影に隠れて進んできたのだろう」
「砂塵か、右翼と敵左翼のぶつかる砂塵を煙幕のように使って貴方の眼をごまかしたのね」
「そのようだ、どうする?劉弁様の元へ行くか?」
奇襲を受けたというのに男は変わらず落ち着き放ち、それどころかどうする?等と聞いてくる
まるで買い物にでも来たかのように軽く話す男に華琳は笑い、その場に男と同じように腰を下ろした
「良いわ、詠に任せましょう」
「そうか、先に言っておくが劉弁様は出てくるぞ。あの時つまらないと言ったのは本心だからな」
「ならそこは沙和に、いざとなったら貴方が何とかしてくれるのでしょう?」
「俺か?俺は武なんて無いぞ、知も無いし。稟が居るだろう」
「貴方の軍なのだから貴方が何とかしなさい」
隣で座る華琳にため息混じりでやれやれと言ってやるが、そんな事など気にせず俺から双眼鏡を受け取り
前の戦況を見ていた。詠が考えていることは解る、だが何か変な感じがする
今砦に入ってきた兵も見たところ数は少ない、沙和が十分に対処の出来る兵数だ
俺の眼から隠れ、砂塵を隠れ蓑に無徒の居る右翼の横を通ってきたんだ多い訳がない
下の南の門付近を見れば、なるほど何本か背の低い丸太がある。予め地中に浅く埋められていた丸太が
あたのだろう。後は近づいて引き抜けば良いだけ。簡単なことではあるが、一見同じように見えてしまえば
誰が地中の中まで気にするものか、木を隠すなら森の中という奴か
沙和が抑え込む中じっくりと敵兵を見ながらその戦闘方法と動きを頭に叩きこむ
そうしておけばいざという時に役に立つ
「あれは・・・」
倒壊した場所から一歩も中に入り込めない敵兵の中で、覚えのある服装、動き、そして特徴のある武器を見つけた
周泰殿だ。やはり彼女が来ていたか、隠密行動ならば甘寧を使えない今、彼女しか居ないだろう
彼女なら兵の間を潜りぬけ、劉弁様の元まで辿りつくかもしれんな。それはそれで面倒だ
動きを見る限り、似ているが甘寧とは少し違うようだ。死角だけに入り込む戦い方では無い
俺が止めるのは難しい、今のうちに沙和に声をかけて劉弁様の元で待ち構えるか
下に行く前にもう一度前を、混ざり合う蒼と朱の旗を見ながら不思議な感覚を覚える
何か変だ、だが其れが何か解らない。周瑜殿の眼から読み取ればいいのだろうが、ああ後ろに引きこもられては
其れもできない。だが詠も頭は冷えているだろう、そうそう簡単に此方の手、動きは読まれないはずだ
俺は違和感を覚えつつも、其れがなんなのか言い表せず。ただ真っ直ぐ混ざり合う蒼と朱の旗を見ていた
こんばんは、絶影です(・∀・)
今回、程普が出てきましたので彼の真名に着いて少しだけ説明を
名を会陽(えよう)といいます
意味は【太陽のように明るく恵み深い春の心にめぐり会う】という意味で
祭さんに合わせて祭りの名前、会陽としました
岡山などで行われる裸祭りの名称ですね
激しい祭りで知られる会陽、彼も激しく熱い戦いをしてくれるよう
また、程公と呼ばれるほど尊重された彼に相応しく
太陽のように〜と言う意味を込めてつけさせていただきました
気に入っていただけると嬉しいです(*´σー`)エヘヘ
説明 | ||
一気に書き上げました と言っても休みなのに相変わらず面倒ごとばかり 休みが休みじゃないなぁ そう言えば携帯でTINAMIを見るんですが スマホって文章うてない、うちずらい 普通の携帯に戻そうと思ってます そうすればコメントもすぐに返せそうなので(´;ω;`) 何時も読んでくださる皆様、心より感謝いたします 私のSSで楽しんでいってもらえれば幸いです |
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コメント | ||
楽しんでいただけているようでなによりです^^いよいよ赤壁なので、より楽しんでいただけるよう頑張ります><(絶影) ねこじゃらし 様コメント有難うございます^^見やすいことは確かです。私も仕事の合間や出かけの合間に見ていますから。ですが書き込みなどをする場合はちょっとおすすめできませんよー><(絶影) Ocean 様コメント有難うございます^^管子を使ってみました。国を語るにはいいかなーなんて思いまして。蜀の人間は此処にいたら最悪でしたでしょうね〜空中分解という奴をしていたでしょう(絶影) GLIDE 様コメント有難うございます^^はてさて、呂蒙はでるのでしょうか!終わりはまだまだずっと先ですので、これからもたのしんでいただければ幸いです^^(絶影) KU− 様コメント、労いのお言葉感謝いたします><何事も建前がなければ事は進みません、何よりも戦争なんかをしているのですから余計ですよね。そのへんを感じ取っていただけて嬉しいです^^(絶影) スマホの方がTINAMI見やすいかと思って買い替え検討してましたが…どうしよう…むむむ(ねこじゃらし) 今回は舌戦と戦の序章でしたね。確かに、ここに蜀の面々が居たら、士気の低下どころか内部分裂しちゃいそうだ。特に中心核の桃花と愛紗には効果抜群だったろうな。砦に侵入したのは誰なのか、次回が楽しみです。 前回が老子だったから、次は孔子あたりと思ってたけど、管子とは予想外でした。(Ocean) 次呂蒙登場かな?なんか終わりが近づいてて悲しいorz(GLIDE) そしてお疲れ様です。色々と大変でしょうが引き続き頑張ってください。(KU−) いや〜、シリアス。最後の昭の疑問が気になるところですね。建前って大事よね〜と思う回だったと言うところかな。(KU−) |
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