真・恋姫無双 黒衣の剣士 第一幕 終
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                  真・恋姫†無双〜黒衣の剣士〜

                        

                       第一幕

                       

                      終章-歌姫-

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注)以下の内容が苦手または嫌悪感を覚える方は読まれないことを推奨いたします。

*主人公がチート

*氣などの表現がでる作品

*主人公が一刀以外

以上を踏まえた上でお読みください><

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北刀と名乗る仮面の男が現れて二日が過ぎた。

 

彼一人によって多大な被害を受けた袁紹さんは未だ他の諸侯のところに顔を出そうとしない。

 

さすがに5万の軍勢の3分の2をただ一人の男によってなすすべもなく失った。それは名門である袁家にとって大きな恥となる。

 

そしてなにより、連合軍にとっても袁紹軍を失った事は戦力面で大きな打撃を受けた事になる。

 

そこで、緊急で袁紹さんを除いた他の諸侯で軍議をすることになった。

 

出席者は可進さんと曹操さん、孫策さん、馬騰さん、それに僕と桃香さんだけとなった。(なぜか白蓮さんに声がかからず直接僕たちのところに声がかかったため、今回は白蓮さんは出席していない。

 

え?袁術さんがいないって?

 

袁紹さんの軍が大敗した途端、天幕から出てこなくなったんだ。

 

と言う事で今回はこのメンバーでの軍議となっていた。

 

可進「それでは、これより急ではあるが軍議を行う。それではまず、今回の戦において袁紹軍が敗退したことについてだが、詳細を知っているものはいるか?」

 

僕は、あの北刀と名乗る仮面の男について話しておくべきか悩んでいた。

 

もしかしたら僕が、先の男と袁紹軍との戦いのことを話したら袁紹さんにとってそれはぬぐいきれないくらいの恥になってしまうのではないかと・・・。

 

だがここで話しておかないと、もしこれから黄巾党を殲滅しきる前にやつが現れた時、現在の連合でその存在を知らなくて対処できるか心配にもなっていた。

 

だからこそ僕は・・・

 

亮「その件については、僕がお話させていただきます。」

 

僕は手をあげ可進さんにそう告げた。

 

可進「御使い殿は何か知っておられるのか?」

 

僕は黙って頷き、二日前あそこで何があったのかを事細かに説明した。

 

あの場で行われていた、たった一人の仮面を着けた男による殲滅戦を、そして彼が自らの事を北刀と名乗っていたこと。そして僕が彼と対峙したこと・・・。

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曹操「5万以上いる兵や賊を・・・たった一人で?」

 

孫策「わぁお!そんな強い男がいるのね♪一度戦ってみたいわね〜♪」

 

曹操さんは信じられないといった感じではあるが、孫策さんはうれしそうだった。

 

武人として、より強い武人と戦いたい、そう思っているのだろう。

 

可進「孫策殿・・・不謹慎だぞ?」

 

孫策「そうね。悪かったわ。」

 

亮「またあの男が現れるかもしれません。皆さんも遭遇したら気をつけてください。」

 

諸侯たちは頷き、可進さんが軍議を再開する。

 

今日の軍議で、僕たちが指導者と戦う事が決定された。

 

明日が黄巾党殲滅戦の最後の戦いとなる。

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僕たちは曹操さんと孫策さんによって張角たちのところへの道を切り開いてもらい黄巾党の本陣にたどり着いていた。

 

どんなお爺さんがいるのかと思っていたのだが、そこに居たのは三人の少女だった。

 

??「な・・・なによ!あんたたち!!」

 

水色の髪をした少女が隣にいる桃色の髪をした少女に縋りながら指をさしてきた。

 

??「ちょっと待って、ちぃ姉さん。貴方たちはもしかして官軍の方たちですか?」

 

紫色の髪をした眼鏡の少女が問いかけてきた。

 

亮「そうだ!僕たちは張角たち、この黄巾党の首謀者を倒すためにきた。」

 

三人の少女はビクッと身震いする。

 

愛紗「貴様たちは何者だ?なぜ黄巾党の本陣にいる。」

 

??「えっと〜私たちは〜「私たちは貴方たちの探している張三姉妹です。」えっ人和ちゃん!?」

 

眼鏡の少女は自分たちが張角、張宝、張梁の三人だという。

 

亮「そうか・・・。なら降伏してもらえないだろうか?」

 

??「「「えっ!?」」」

 

自分たちを倒しにきたといった男が戦わずして降伏勧告をしてきたのだ、さすがに驚くだろう。

 

張宝「あんたいきなりなに言ってんのよ!!」

 

亮「君たちが降伏してくれればこれ以上死者や負傷者を出さなくてすむ。」

 

張梁「ですが、ここで私たちが降伏したとして、首謀者である私たちはどうなるんですか?」

 

不安の色を隠さず、張梁さんが尋ねてきた。

 

反乱を起こした首謀者が官軍に降伏する。それは当然厳罰がついて回る。

 

張梁さんの中ではここで降伏すれば姉と自分が死罪になるだろうと予測した上での疑問だったのだろう。

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亮「そうだね・・・。おそらく死罪は免れないだろうね。」

 

張角・張宝「!!!」

 

張梁「当然そうなるでしょうね。」

 

亮「だけど、僕は君たちを助けるつもりだよ?」

 

助けると言ったことに対し彼女たちはきょとんとしていた。

 

亮「ただ助けるにあたって三人にはある条件を飲んでもらいたいんだ。」

 

三姉妹「じょう・・・けん?」

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亮「張角・張宝・張梁の三人にはここで死んでもらう。」

 

三姉妹「!!!」

 

愛紗「ご主人様!今助けるとおっしゃっておいて、死んでもらうとはどういうことですか!?」

 

僕の言葉に矛盾を感じたのだろう。愛紗さんが詰め寄ってきた。

 

桃香「落ち着いて、愛紗ちゃん!」

 

愛紗「しかし、桃香様・・・」

 

桃香「きっとご主人様にも考えがあるんだよ。そうだよね?ご主人様。」

 

亮「そうだね。この言い方だと誤解を与えてしまうね。」

 

三姉妹「ご・・・か・・・い?」

 

亮「うん。三人に死んでもらうって言ったのは、何も命を落としてもらうって意味じゃないんだ。名前を捨ててもらってこれからは真名のみで生きてもらうって事なんだ。」

 

張梁「名前を今後名乗らないことで、この乱の首謀者である私たち三人は事実上死んだ扱いにして、別人として生きると言うことですか?」

 

張梁さんは納得がいった。という表情で淡々と語った。

 

おそらく現状ではこの三人を殺さず、他の諸侯たちに納得してもらうにはこれが最善策だろう。

 

後は・・・

 

亮「後はできれば身代わりを作れれば良いんだけど。」

 

愛紗「身代わり・・・ですか?」

 

幸い此処は戦場で死体はたくさんある。だがいくら賊の死体とは言え、死者に乱の首謀者としての罪を背負わせるのは気が進まない。

 

だが、三人を生かす上でこれほど分かりやすい策はないだろう。

 

張角「ちぃちゃんと人和ちゃんはどう思う?」

 

張宝「ちぃはこんなところで死ぬなんてまっぴらごめんよ!!」

 

張梁「ですが、やはり気が引けますね。私たちのために戦って死んでしまった人に罪を擦り付けるなんて・・・。」

 

その時、三姉妹の後ろから黄色い布を巻いた男たちが現れた。

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黄巾党A「天和ちゃん、地和ちゃん、人和ちゃん!!死んでいったやつらのためにも生きてくれ!生き残ってその歌でたくさんの人を幸せにしてやってくれ!!」

 

黄巾党B「そうだ!あいつらも天和ちゃんたちのために死んでなお、役に立てるなら悔いも残らないだろう!」

 

ファンであるが故、男であるが故に好きな女の子たちには生き残って幸せになってほしいと思うのは当然のことだろう。

 

僕も同じ男としてその気持ちは分からなくも無かった。

 

三姉妹「み・・・みんな・・・ありがと・・・」

 

三姉妹は涙を浮かべ、自分たちを応援し支えてくれたファン・・・黄巾党の人たちを見つめ新たな人生を歩む決意を固めるのであった。

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曹操「どうやら決着はついたようね。」

 

孫策「みたいね。」

 

曹操と孫策が黄巾党本陣のほうを見据え、静かになった事を確認する。

 

城門をくぐり、六つの影が出てきた。その影の主が亮たちだと理解するのに数刻とかからなかった。

 

曹操「おかえりなさい。」

 

亮「あぁ、ただいま。」

 

曹操「で?その娘達は誰かしら?」

 

曹操さんの指は僕たちの後ろに控えていた天和たちを指していた。

 

亮「この子達は旅芸人なんだ。なんでも張角たちに呼ばれて歌を披露させられていたらしくてね。」

 

孫策「ふぅ〜ん、そうなんだぁ〜♪」

 

曹操「それで?その娘たちの名前は?」

 

天和「お姉ちゃんは天和だよ♪」

 

地和「地和よ。」

 

人和「人和と申します。」

 

三人が名乗ると曹操さんはこちらを睨んできた。

 

曹操「天の御使いさん?私は真名を聞いたのではないわよ?」

 

まさか・・・バレてる?

 

亮「えっと・・・この娘たちは・・・」

 

桃香「ご主人さま・・・」

 

僕がこの場をどう切り抜けるかと思案していると

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天和「私の名前は張角です。」

 

覚悟を決めたのか、天和がいつもの調子とは違う調子で曹操さんを見つめ、名前を名乗った。

 

曹操「そう、貴女たちがこの乱の首謀者なのね?」

 

人和「はい。」

 

曹操さんは冷たい表情で言い放つ。

 

曹操「なら、ここで死になさい?」

 

曹操は手に持った大きな鎌を振り上げ三姉妹に斬りかかる。

 

その場に居ただれもが絶望を確信していた。

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だが、その鎌は目をそらさず、ずっと曹操さんを見つめていた天和の首を落とさず直前で停止した。

 

曹操「今この場で張角の首を取ったわ。そうよね?孫策、それに劉備!」

 

孫策「いいんじゃない?」

 

桃香「は・・・はい!!」

 

天和は腰がぬけたのかその場にへたり込んでしまった。

 

天和「こわかったよぉぉぉぉ(泣)」

 

地和と人和は泣き出した姉のそばについていた。

 

亮「いいのかい?」

 

曹操「貴方が決めたことでしょ?」

 

亮「あぁ、そうだね。」

 

曹操「聞け!皆の者!!首謀者、張角の首はここにいる天の御使いがとった!」

 

亮「えっ!?」

 

曹操「矛を収めよ!黄巾の者共はおとなしく我ら官軍の支持に従え!」

 

曹操さんの声に呼応するかの様に全ての兵と賊が剣をおろした。

 

亮「えっと、良かったね。」

 

天和「う・・・うん♪」

 

こうして黄巾の乱は終幕を迎えるのであった。

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第一幕 終

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―――――――――――――――――あとがき―――――――――――――――――

 

やっと更新ができました。

 

次回更新からは反董卓連合編に入る前の準備期間になります。

 

次回更新はいつになることやら・・・

説明
黒衣の剣士 第一幕の最終話となります。

時間かかりましたが、やっと更新できました。

今回で黄巾党編は終わりです。

次からは・・・まだ考えてませんがここらで拠点かな?
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コメント
華狼様>まだこれからの展開考えてないので次回更新をお楽しみに♪(ヘルガッチャ@銀レイ)
恥を雪ぐために袁紹が董卓の悪評をでっちあげて、討伐軍の代表に、と続くのでしょうか。・・しかし張三姉妹が黄巾党を率いた理由が一切書かれなかった気が。三姉妹視点での場面があってもよかったのでは。(華狼)
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真・恋姫無双 黒衣の剣士 外史 蜀√ 黄巾党 

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