月下の再会 (改編版)
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ここは魏の都、許昌。

魏、呉、蜀の三国の王によって結ばれた三国同盟も順調に機能し、北方の異民族の進行はたびたび起きてはいるが大規模な侵攻もなく、大陸には民衆の願った平和が続いていた。

その平和を享受する街の中に似つかわしくない荒い声が響いていた。

 

「凪!そっちや!」

「わかった!!」

 

天の御使い北郷一刀の部隊である北郷隊の小隊長楽進こと凪、李典こと真桜の二人の声が響いていた。

 

「ほら!おとなしくしろ!」

「楽進隊長代理!捕らえた男を牢へつれていきますがよろしいですか?」

「ああ、頼んだぞ」

 

捕らえられた暴漢が隊長代理と呼ばれた凪の指示を受け、警備兵によってつれていかれた。

凪は三国の戦いが終わったあの日に一刀が居なくなってしばらくして隊長代理となった。

当初は凪を隊長に就任させようとしたが、北郷隊をまとめるのは北郷一刀しかいない、と言い頑なに拒否し続けた。

結局、折衝案ということで一刀の帰還まで北郷隊の隊長代理、という形で部隊をまとめるよう華琳の命令を受け、部隊をまとめている。

しかし、未だ一刀が帰ってくることはなく、凪が隊長代理となって9年近い時間がたっていた。

 

「はぁ〜つかれた〜」

「だらけるな、真桜」

「だってぇ、さっきの奴なかなかすばしこっくて・・・」

「鍛え方が足りないからだ・・・まったく」

 

現在凪、真桜は詰所にて事務仕事をしていた。

先程の暴漢はここ最近都の周辺を騒がせていた盗賊団の一味だったらしく、華燐への報告書を作成していた。

ちなみに沙和は現在新兵訓練をいつものようにしている。

 

「後でさっきの暴漢を取り調べないとな・・・」

「まったく迷惑やな〜。盗賊やったら何で街の中におんねん」

「紛れ込んでてもおかしくはないだろう。それよりも真桜、真面目に仕事をしろ」

「へーい」

「まったく…。さて、あとは取り調べをして…」

 

凪は捕まえた暴漢の取り調べに向かおうと席を立った。

 

ガシャン!!

 

「…凪!?どないしたん!?」

 

凪が突然崩れ落ちるように倒れた。

真桜があわてて席を立ち凪に駆け寄る。

 

「真桜・・・?」

「凪!?大丈夫か?しっかりせい!」

 

凪は突然のことに慌てる真桜の声に少し困ったように笑った。

 

「すまない、ちょっと立ちくらみ…みたいだ…」

「立ちくらみ?今日はもう休んどくか?」

「いや、問題ない…行こう」

「わ、わかった…」

 

凪はそう言って詰所を出ていった。

真桜は何か、引っ掛かりつつも凪の言葉を信じてその後を追った。

しかし、その日から凪は体調を崩すことが多くなった。

 

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「コホッコホ・・・!」

「凪ちゃん大丈夫・・・?今日も咳ばっかりしているの」

「沙和…大丈夫だ。問題ない」

「無理すんなや、凪。休んどってええんやで?」

「心配するなと行っているだろう。さぁ、行こう」

 

そういって凪は笑っていつものように兵を集めて警邏に出ていった。

真桜たちは凪の歩いていった先を見つめる。

 

「真桜ちゃん・・・」

「凪・・・だんだん顔色悪くなっていっとる・・・沙和、凪のこと…」

「わかってるの…」

 

それから凪はなんの問題もないかのように仕事を続けた。

真桜たちは何とかして凪に仕事を休むよう言ったが凪はそれでも休むことはなく、働き続けた。

そして、凪が体調を崩し始めて数日がたったある日。

 

「じゃあ凪、行ってくるで!」

「行ってくるの〜!」

「二人とも、私がいなくても真面目にしろよ」

「わーってるって!」

「大丈夫なの〜!」

 

その日は真桜が警邏に行き、沙和は兵士の訓練を、凪に書類整理という風に仕事を分担していた。

凪に書類整理を任せたのは少しでも無理をさせないために二人が無理やり押し付けたのだった。

詰所を出た真桜と沙和はそれぞれの持ち場に行く道中でその足を止めた。

 

「沙和、凪は…」

「お医者さんにって言っても大丈夫だって…心配するなって。行こうとしないの」

「そっか…出来るだけ凪には無理させんように詰所の兵士に言っとったけど」

 

二人は道の真ん中で複雑そうな顔を浮かべた。

 

「…アカンアカン!ウチらが暗くなっとったら凪にいらん心配かけてしまう!笑顔や!」

「真桜ちゃん…。そうなの!凪ちゃんの分も頑張るの!」

 

おーッ!と掛け声をあげると二人はそれぞれの仕事に向かった。

 

 

「ほらぁ、そこのおっちゃん!喧嘩はアカンで!」

「李典将軍!?へぇ!す、すいませんでした!」

「ったく…今日は何や騒がしいな…」

 

真桜はいつもよりも騒がしい街を不思議に思った。

と、隣にいた若い警備兵が声をかけてきた。

 

「もうすぐ三国同盟締結のお祭りですから。町の人も気がたっているのではないですか?」

「そういやもうすぐやったな…忙しくて、すっかり忘れとった」

 

あれから9年も時間が経った。

そのことに真桜は街を眺め、寂しそうな苦笑いを浮かべた。

懐かしい、記憶を探るように。

と、その後ろでは兵士たちが小声で、

 

(おい!将軍たちにそのことは…)

(…何のことですか?)

(お前知らないのか!?この警備隊の隊長だった御使い様の北郷一刀様がいなくなった日なんだよ!)

(あ…)

 

そのことを知らない若い兵は顔を青くした。

警備隊に長くいる者の中では北郷一刀のことは禁句ともいうべきことだった。

暗くなる空気。

真桜はその暗くなった空気を感じ取ったのか、やれやれといった表情を浮かべると兵士たちに向かって声を上げた。

 

「はいお前ら!」

「は、はい!!」

「なに暗くなっとるんや!そんな顔で警邏しとると町のみなさんまで暗くなってしまうやろ!なにより、隊長がそんなこと望まん!ええか、明るくいくんや!はい、分かったら返事!」

「…さーいえっさー!」

「わかったなら行くで!」

「さーいえっさー!」

 

その明るい笑顔に兵士たちは声を上げて答える。

今ここにいない、幾人かはあったこともないこの部隊の隊長の思いを守るかのように。

しかし、その時。

 

タタタタタタッ!

 

真桜達の後方、詰所のほうから一人の兵士がこちらに向かって走ってくる姿が真桜の目に映った。

 

「何事でしょうか…?」

「何や急ぎみたいやけど…。ッ!まさか…!」

「李典将軍!!き、緊急事態です!!」

「何や、何があった!さっさと言わんかい!」

 

それは、真桜の心配を現実のものとする報告だった。

 

「が、楽進将軍が…血を吐き倒れました!!」

 

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バタン!!

 

「凪!!」

「真桜さん!」

 

そこにいたのは凪達の副官の孫礼こと虎琥だった。

真桜は虎琥につかみかかった。

 

「虎琥!凪は…凪はどこや!」

「奥の、救護室で眠っています」

「…ッ!」

 

すぐさま奥の部屋を仕切る布をめくる。

そこには奥のベッドで凪が顔を青白くさせて横になっていた。

 

「はぁはぁ…な、凪…?」

「血を吐いて、今は眠っているみたいで…」

「そっか…」

 

真桜は虎琥の答えにひとまず安心した。

真桜はそっと凪に近づく。

その寝顔を見ると顔色は悪く、呼吸も荒かった。

真桜はまだ安心できない、とすぐにわかった。

 

(やっぱり…体調悪いやんか…バカ凪…!)

 

真桜は苦い表情を浮かべると部屋から出ていった。

 

「凪ちゃん!!」

 

そこに訓練に出ていた沙和がやってきた。

先ほど真桜を呼びに行ったように沙和の方にも兵士が向かったらしい。

 

「真桜ちゃん!凪ちゃんは!!?」

「今は寝とる・・・奥におる」

「凪ちゃん・・・!」

 

それから1時間ほどたって凪は目を覚ました。

その表情に力は無く、見るからに病を抱えた人間にしか見えなかった。

 

「すまない、二人とも・・・まだ仕事が残っていたのに・・・」

「そないなことはどうでもええ!」

「凪ちゃんは休んでて!」

「すまない・・・真桜、沙和…」

 

そういって凪は再び目を閉じた。

眠った凪を見て真桜と沙和は兵士に事の次第を華琳に伝えに行かせ、虎琥と共に凪の看病を始めた。

 

 

「凪が血を吐いて倒れたですって…!」

「はっ!」

 

その報告に華琳と共にいた秋蘭は驚きを隠さなかった。

 

「それで容態はどうなのだ!?」

「現在、詰め所の救護室でお休みになられています」

「…わかったわ。御苦労、下がりなさい。秋蘭、すぐに凪を自室に連れて行けるよう馬車をだしてあげなさい。それと医者の用意を。この街でもっとも優秀な医者を」

「はっ!」

「凪には病が治るまで仕事を休ませましょう…いいわね」

「…それがよろしいかと」

 

その後、凪は用意された馬車で自室に運ばれ医者の診察を受けた。

そして華琳の指示により、病が治るまで休職を命じられ療養することとなった。

 

「華琳様、申し訳ありません…」

「あなたは働きすぎたのよ。…今はゆっくり休んで、再び私の力になること。良いわね?」

「はい…」

「…今日はもう休みなさい。ゆっくりと」

「はい…それでは…」

 

そう言うと凪はすぐに寝息を立て始めた。

凪が眠りについたのを確認した華琳は部屋をそっと後にした。

 

「…華琳様!」

「凪ちゃんは…?」

「医者が言うには過労ということらしいわ」

「な、ならゆっくり休んどったら…!」

「治るの〜!」

「…ええ。そうね…」

 

しかし、

いっこうに凪の体調はよくならず、そればかりかますます体力は衰えを見せ始めた。

 

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凪が倒れて、一週間ほど時間がたった。

しかし、凪の体はいっこうに良くなる気配を見せることはなかった。

 

「すまない…二人とも。私が働けなくなったばかりに負担を強いてしまって…」

「そんなことあらへん。…凪は体をよくすることだけ考えとったらええんや」

「そうなの。また一緒に警邏に行かなきゃ、なの!」

「そうだな…コホッコホッ!」

「凪ちゃん…!…無理は駄目だよ、ほら横になるの」

「すまない…」

 

凪は沙和に支えられ起こしていた体を横にした。

 

「じゃあ凪。うちら仕事に行くから…」

「ちゃんと寝てるの〜」

「ああ、わかってるよ」

 

凪は不安げな顔をする二人に元気だったころと変わらない笑顔を見せる。

その笑顔を見届けて二人は凪の看病を任されている侍女に一言声をかけて部屋を出ていった。

 

(すまない・・・真桜、沙和)

 

凪はこの一週間、確かに感じていた。

自分の命はそう長く持たないだろうと。

気を扱える凪は人よりも敏感にそのことを感じていた。

どんなに気を高めようにもまったく力が入らなくなっていた。

確実に病魔が凪の体をむしばみ、生きる力を削り取って行った。

 

(私は…死ぬのかな…)

 

死。

そのことに恐怖は無いわけではない。

しかし覚悟はしている。

自分は武人だ。

戦場では何時、どこで死ぬかわからない。

死ぬことはいつでも覚悟していたことだ。

しかし凪には別の恐怖があった。

大事な人たちに会えなくなること。

 

 

北郷一刀を待つこと。

北郷一刀に会えなくなること。

 

 

(隊長…あなたに会えなくなることが、私は…)

 

そう考えると凪は言い知れぬ不安と恐怖を感じた。

胸が痛い。

呼吸がおかしい。

 

(隊長…また、声が聞きたい。温もりを感じたい。存在を感じたい!)

 

死んでしまえば再び会うことは叶わない。

いや、それ以前に北郷一刀が本当に戻ってくることさえ分からないのに!

考えれば考えるほど心は不安に押しつぶされそうになった。

凪はギュッと目をつぶった。

 

(…今は眠ろう)

 

凪は恐怖を感じないよう、逃げるように眠りについた。

 

 

 

…ぎ…

 

な…ぎ…

 

(…)

 

何かが聞こえる。

誰かが凪を呼んでいる。

 

凪…

 

凪…。

 

 

 

 

「凪!」

 

 

 

 

ガバッ!!

 

「ハァ、ハァ…」

 

凪は思わず体を起こした。

声が聞こえた。

確かに自分を呼んでいた。

自分を呼ぶ声が、今まで片時も忘れたことの無い声。

 

「隊長…?」

 

一刀の声が確かに聞こえた。

凪はあたりを見回した。

部屋には自分しかいない。

今度は視線を外に移した。

外には日が沈んで時間がたっていたのか、大きな満月が見える。

 

(月…)

 

凪は一刀が消えた翌日のことを思い出した。

華琳は、一刀が月の光と共に消えていったと言っていた。

しかし、今、この時は月明かりの先に一刀の声が聞こえた。

 

(隊長…!)

 

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「凪ちゃん…大丈夫かな…」

「大丈夫やって、今日は流琉に体にええもん作ってもらっとるから、これでちっとはよくなるやろ」

「うん…」

 

二人は自分たちの夕飯の後、凪のために用意した朝鮮人参や体に良い漢方を流琉に渡し、凪の夕飯を作ってもらっていた。

流琉が作ったのは薬膳粥。

出来たての粥からはゆっくりと湯気が立ち上っていた。

 

「しっかしこの粥…うまそうやな〜…」

「ダメなの!これは凪ちゃんのなの!」

「わかっとるって。流琉が凪の体を思って作ったもんやからな」

 

凪が倒れた話しはすぐに都の武将に伝わり、流琉や季衣、他の魏の武将、文官も凪の話を聞いて皆が心配していた。

凪が倒れた日から毎日一回は誰もが凪の見舞いに来ていた。

彼女を心配する気持ちは誰もが一緒だったのだ。

たわいもない雑談をしているうちに二人は凪の部屋にたどり着こうとしていた。

 

「ん…?」

「どうしたの、真桜ちゃん?」

「部屋の戸、少し開いとる…」

 

真桜は安静ということで閉めっきっていたはずの戸の様子に違和感を覚えた。

 

「ホントだ〜誰か来てるのかな…」

 

二人は中をゆっくり確認するように戸を開けた。

 

「凪〜入るで〜」

「おじゃましまーす…」

 

二人は暗い、月の光しか入らない部屋をのぞいた。

 

そこに、

 

ガシャン!

 

「凪…!」

「凪ちゃんが…!?」

 

 

凪の姿はなかった。

 

 

 

「…」

 

華琳は僅かな火と月明かりの中、竹簡を開いて読み物をしていた。

そこには今はなき、北郷一刀が残していった知識のかけらが記されていた。

華琳は夜になると、たびたびその竹簡を開いては思索に耽っていた。

 

「まだ貴方の考えの半分も行っていないわね…一刀」

 

華琳は自嘲めいた笑みを浮かべると空に浮かぶ月を眺めた。

 

(あの時も、こんな月が出ていたわね…)

 

今まで、あの時ほど涙を流したことはなかった。

自分をもっとも可愛がってくれた祖父が亡くなった時でさえあそこまで涙を流しはしなかった。

おそらく、これからもないだろう。華琳はそんな風に思っていた。

 

「…?」

 

と、月を眺めていた華琳の耳に何かが聞こえた。

とても聞き覚えのある、懐かしい、声が…。

 

「華琳様!!」

 

と、そこに息を切らした真桜が飛び込んできた。

さっきまで聞こえていた声はもう聞こえなくなっていた。

 

 

「真桜?どうしたの、そんなに息を切らして」

 

もし敵襲や五胡の関係であれば秋蘭や春蘭、もしくは桂花が飛び込んでくるはずなのに。

そんな風に華琳は思った。

だが、真桜の口からは思いもしない言葉が聞こえた。

 

「凪が…おらん…」

「なんですって…!」

 

真桜は悲痛な、今にも泣きそうな声で華琳に告げる。

 

「凪が!!どこにも…!!」

 

誰もいない部屋を見た二人はすぐに部屋の周囲を探したが、凪はどこにもいなかった。

慌てた二人は、真桜は華琳に、沙和は警備兵に凪の捜索を連絡したのだ。

 

「…だれか!」

「は!」

「聞いていたでしょう?皆を集めなさい!凪の捜索に手を貸すよう!」

「ハッ!」

「華琳様…」

 

華琳は真桜の方を向き、真桜を安心させるように優しく笑う。

 

「安心しなさい…あの体ではそんなに遠くには行けないはずよ…」

 

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凪は町の中を歩いていた。

その姿は着の身着のままの白い寝巻姿でいつもは結ってある髪もまっすぐにおろしたままだ。

 

「はあ、はあ…」

 

凪は寝静まった街を一人歩く。

歩みに力は無く、明らかに無理がある。

しかし、その歩みは止まることはなかった。

今の凪には一刀の声しか入っていない。

ただ、声の聞こえるほうへと足が動くだけだった。

 

「たいちょう…ッ、たいちょう…!」

 

凪は声が聞こえるほう、月の見える南側の城門へと向かっていた。

声は少し上の方から聞こえている。

そして、その力のない歩みで城壁の上へと続く階段を登る。

万全であれば10秒もかからない階段を、何分も掛けてゆっくり登る。

最後の一段を登ろうとして前を見たとき。

凪は見た。

月を眺める一刀の姿を。

 

「隊長…!!」

 

凪は残り少ない体力で駆けだす。

一刀が凪に気付いた。

彼はまるで凪が来るのをわかっていたような笑顔で凪を見つめる。

まるで待ち合わせをしていたかのように。

凪は力無い足を懸命に動かす。

 

(もうすこし…もうすこしッ…!)

 

あと一歩、その瞬間に凪の足は崩れた。

凪は城壁の石の床に倒れそうになる。

 

「たいちょう…?」

 

しかし、倒れそうになる凪を一刀が抱きとめた。

 

「うん」

 

はっきりと聞こえた。

懐かしい、9年前最後の戦いが終わった後に聞いて以来聞かなかった、しかし忘れることの無かった、愛しい人の声。

 

「たい、ちょう…たいちょう…たいちょう…!!」

 

忘れるわけがなかった。なぜなら、こんなにも待ちわびていたのだから。

 

「来るのが遅れた…ごめんね、凪」

「遅すぎます…私、待ちくたびれました…」

「うん、ごめんね…来るのが遅すぎたな…」

 

凪は殆どなくなった、持てる力全てを使って一刀を抱きしめる。

一刀も凪を力強く抱きしめた。

凪は抱きしめられて感じる。

 

(隊長だ…この匂い…声…体の大きさ…温かさ…力強さ…感じる。隊長を、感じる…。)

 

愛しい人がいる。

ただそれだけで眠る前まであった死への不安と恐怖は無くなっていた。

心が、満たされていた。

 

「隊長…」

「うん」

「これからは…ずっと、一緒にいてくれますか…?」

「ああ、ずっと一緒だよ」

「もう、離しませんから…絶対にッ…!」

「俺もだよ。凪…」

 

一刀は優しく微笑むと凪の頭を優しく撫でた。

その顔を見て凪は心から安心した。

これからはずっとそばにいてくれる。

ただ、それだけで凪は満たされていた。

 

 

それから二人は壁際に腰をおろし、一刀の居なかった間の9年間の話に花を咲かせた。

真桜の事、沙和の事、華琳達の事、蜀の事、呉の事、戦の事、町の事。

いろいろな話をした。

 

「そっか…俺がいない間、大変だったんだな…ごめんな、凪」

「いえ…隊長の残してくれた知識のおかげで今の平和があるんです…」

「そっか…」

 

一刀は少し照れくさそうに笑った。

凪はその顔をずっと眺めていた。

すると凪が船を漕ぐように頭を揺らしだした。

 

「眠いの?」

「すみません、ねむ…くなって…きてしまいました…」

 

一刀は凪の頭を膝に置き床に寝かせる。

 

「大丈夫…ゆっくり休んでいいよ。俺は…ここにいるから」

「はい…たいちょう、これからは…ずっ…と、一緒…」

「ああ…おやすみ…凪」

 

凪は一刀の温かさを感じながら、眠った。

 

空に一筋の星が落ちていった。

 

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同時刻、風、稟、霞が町を走っていた。

三人も凪を探すため走り回っていた。

 

「ダメだ!どこにもおらん!」

「あの体ではそんなに遠くにいけるはずが…」

「…」

 

ふと、風は空を見上げた。

その時、空に一筋の流れ星が落ちた。

星が落ちるのを見て風はゆっくりと足を止める。

 

「どうしたのですか、風?」

「なんや?どないしたん?」

 

風は顔を俯かせ、何も言わずに稟に抱きつく。

 

「風…?」

「凪ちゃんが…」

「…ッ、そう…ですか」

 

その声は涙で震えていた。

 

 

 

「凪!どこやー!」

「凪ちゃーん!」

 

真桜と沙和は町の中を数人の警備兵と走っていた。

 

「凪、あんな体でどこいったんや…」

 

いくら探しても見つからない。

そのことがただ焦りを生む。

真桜は月が見える南側を向く。

その瞬間、目に入ったものがあった。

 

「沙和…あれ…」

「…あれは!」

 

沙和、真桜の目に入ったもの。

それは…

 

 

月の光を浴びて光る銀色。

風になびく、凪の髪の光だった。

 

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二人は警備兵を置いて南門の城壁へとむかって走る。

城壁の上へと続く階段を10秒とかからずに登って行く。

そして登り切った先に二人が見たものは。

 

 

城壁の壁を背に、腰を下ろした凪の姿だった。

 

 

「凪!!!」

「凪ちゃん!!!」

 

凪に駆け寄る二人。

すぐにその体を揺さぶる。

 

「凪!凪!!」

「凪ちゃん!!凪ちゃん…!」

 

しかし、反応は無い。

 

「な、何寝とんねん…凪…こないなとこ、風邪引くだけやん」

「真桜ちゃん…」

「さぁ起きるんや…また一緒に警邏に行くんやろ…一緒に兵の訓練せなあかんやろ…!」

「真桜ちゃん…」

「なぁ目ぇ開けてな…凪ぃ…頼むから、もう警備の時サボらんから夏候惇将軍も持っていかんから書類仕事もちゃんとするから…まじめ、に…する、から…」

「まおう、ちゃん…もう」

「目ぇ…あけてぇな…なぁ、おねがいやぁ…凪ぃ…」

 

真桜は何度も呼びかけた。

しかし、その目が開くことはもう無かった。

 

「まおう、ちゃん…なぎちゃん…」

「うっく、ううぅうぅ…」

 

目の前で眠る凪に、真桜と沙和は涙をこぼした。

 

「真桜、沙和。そこをどきなさい」

「かりん、さま…」

 

そこに華琳が秋蘭、春蘭と共にやってきた。

真桜と沙和は華琳の言うとおりに体を動かす。

華琳は眠る凪の前に行くと床に膝をつき、凪の顔をなでる。

華琳は気付いた。

凪の顔に、頬笑みがあったことを。

 

「あなた、もしかして…」

 

華琳は分かった。

分かってしまった。

なぜなら、あの時。

声は自分にも届いていたのだから。

 

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「凪…あなた、会えたの?」

 

華琳の背後には桂花、霞、稟、風、季衣、流琉、みんながそろっていた。

一同は華琳の言葉に耳をかたむけた。

華琳は頬笑みを浮かべ、震える声で言った。

 

「そう…会えたのね…一刀に」

 

ポタ…。

華琳の瞳から涙がこぼれた。

 

 

「な、凪…なぎぃぃぃ!!」

「うぅ…うわあぁあぁぁん!!」

 

真桜と沙和は動かない凪の体に抱きつき、ただただ泣いた。

 

「凪さん…!」

「ううぅぅう…」

 

季衣と流琉は互いに抱き合い二人で泣き。

 

「凪…」

「…」

 

春蘭と秋蘭は目を閉じ、顔を隠すように俯き。

 

「凪殿…」

「ぐす…」

 

風は稟に抱きつくように顔を隠し稟は風の背中に手を回して抱きしめ。

 

「なんで…死んでしまうんやッ」

 

霞は嘆き、その目を涙で濡らし。

 

「…あのバカッ…なんでもっと早く来ないのよ…!」

 

桂花は目から大粒の涙を流し、今はいない憎い男への恨み言を呟き。

 

「さよなら…凪…。私は、あなたがとても羨ましいわ…」

 

華琳は涙を流し、凪の頬に手をあて少しばかりの本音と、今生の別れを告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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『さよなら…凪…。私は、あなたがとても羨ましいわ…』

 

自分の前にとてもきれいな(むしろかわいいか?)女の子が涙を流して私にそう言った。

まわりにも長身の黒髪と青い髪の女性や猫耳フードの女の子、まだ幼い二人組の女の子にさらしに袴姿の大胆な女性、長いふわふわウェーブのかかった女の子(何故か頭に人形)が眼鏡の似合う女性に抱きついている。

その誰もが泣いていた。

そして、私の体に抱きつくようにして大声で泣き叫ぶ二人の女の子。

 

どうして貴方達は泣いているの?

私はそんなやりきれない気持ちになった。

そして気付いた。

 

(そうだ、私は…)

 

 

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「凪〜!起きなさい〜!もう朝よ〜!」

 

誰かの声が聞こえる。

その声に凪はゆっくり夢の世界から目を覚まし…、

 

「ほら!もう朝だって言ってるでしょう!?」

「うわッ!?」

 

と、目を開けた途端に布団を引っぺがされ、無理やり起こされた。

凪はビックリしたように飛び起きた。

 

「もう何をぼーっとしているの!?早くしないと遅刻するわよ!」

「はぁ…」

 

凪の目の前には妙齢の女性の姿があった。

凪はイマイチ状況がつかめずにいた。

 

(あれ…?私はさっきまで城の城壁の上で大勢に囲まれて…ん?城壁?)

 

何か、頭に靄がかかっているような感じがする。パッとしない。

でもとても大切な事を忘れているような気がする。

そんな、ぼーっとした凪の姿を見て業を煮やしたのか、

 

「凪ッ!!!!」

「は、はいいい!!!!?」

 

と、さっきよりも数段大きい大声で凪はすぐさま朝の準備に取り掛かった。

その後ろで「まったくこの子は…」と声が聞こえる。

その時、凪の頭から靄がさっと晴れた。

 

(そうだ…!あの人は…!)

 

凪は階段を下りて行く女性の後を追った。

 

「…お母さん!」

「なーに?」

「ありがとう!起こしてくれて!」

 

突然のお礼に彼女、凪の母は驚いた表情を浮かべ。

 

「どういたしまして」

 

と、笑顔で答えると階段を下りていった。

 

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「さて、準備するか」

 

と言って凪は通学用のカバンと部活用のバックに自分の学校指定のジャージを取りだすといつものように準備を始めた。

今日は休日、だが凪の所属している空手部は練習試合が行われる予定だった。

なお通学用のカバンは指定であって学校関係では必ずもっていくことが義務であったりする。

 

「昨日あれだけ練習試合だって楽しみにしていたのに…何で朝忘れてたんだろう…?いつもだったら朝はもっと早く起きてご飯もゆっくり食べて行くのに…それに今日の夢…なのか?なんか妙にリアルな夢だったような…」

 

凪は学校へ行く道中、頭をひねらせていた。

と目の前に凪の通う女子高の校舎が見えると凪は「まぁいっか」と心の中で思い、その場を急いだ。

 

「凪先輩ー!おそいですよー!」

「早く早くー!三年の先輩方がお待ちですよー」

 

学校の入口には多数の女子生徒がいた。

後輩だろう、何人かが凪に急ぐよう催促をしていた。

 

「うげッ…!」

 

後輩の一人が「三年の先輩」という言葉を上げると凪はしまった!という表情になった。

 

「凪!遅いわよ!」

「す、すいません!」

「まぁ良いじゃない部長。まだ時間は大丈夫よ」

「申し訳ありません…」

「いーよいーよ。部長もそんなに怒ってないから」

「私は怒ってますよ!」

 

と、そんな会話にまわりの空手部員の笑い声がどっと聞こえた。

 

凪達空手部員一行は時間と共にバスに乗り練習試合の相手である学園へと移動した。

 

「ねぇねぇ今日の相手校って男の子いるかな?」

「向こうは共学だしいるんじゃない?」

「いーよねー共学は…女子高じゃ良い男と出会える機会なんてなかなかないからね〜」

「まぁかっこいいお姉さまはいるみたいだけど…」

「「「…」」」

「な、なんだ?みんなして私を見て…」

「凪ってこの間下級生の子からラブレターもらったらしいよ…」

「やっぱもてるねー…」

「え〜どんな子〜?」

「子犬みたいな子よ。確か虎琥って名前だったような…」

「って何を話してるんだ!私にそんな趣味はないぞ!///ていうかその話は秘密にって…!」

「いーじゃん。どうせばれるんだし〜。でも凪って下級生だけじゃなくて三年の先輩達からも熱い視線が…」

「だー!!!もうその話しするなー!!!///」

「賑やかね〜」

「…///」

「部長ももう少し素直になればいいのに」

「って私はそんなッ!///ただあの子たちが騒いでいるのを注意しようと…!///」

「はいはい」

 

とバスの中ではそんな会話が目的地にたどり着くまで続いた。

 

-13ページ-

 

バスは目的地の学園についた。

到着するとすぐに荷物を降ろして一行は武道場に向かった。

 

「ね、かっこいい子いた?」

「ん〜まぁまぁかな?」

「あ、あの子可愛いかも〜」

「真面目にしろ!お前ら!」

「いーじゃん!ほら、凪も良いな〜って思う男の子はいないの?」

「そ、そんなものいない!///」

「ふ〜ん…」

 

と、そうこうしているうちに互いの部長と顧問の先生が挨拶を終え戻って来た。

 

「みんな!更衣室はこっちよ!無駄口叩かずさっさと着替える!」

 

と部長の一言に部員一同返事をし、更衣室に向かう。

 

(私を好きになる人なんて、そんなもの…)

 

と凪は苦笑いを浮かべた。

凪は数年前に交通事故で負った傷を眺めた。

医者の努力はあったものの怪我は酷く、多くの傷跡を残していた。

こんな姿、傷だらけの女を好きになる男なんて。と凪思った。

 

「…ッ!?」

 

そんなことを思った時、凪の頭にフラッシュバックする。

 

(白い、制服…?男子…?私は、隣にいて…?)

 

思わず凪は足を止めた。

浮かんだ光景には靄がかかっていた。相手の表情は分からない。

でもまわりの風景は今いるこの場所とまったく違うことはわかった。

白い制服の男子が何かを言っている。でも聞こえない。

聞かなければ。そんな焦りに近い思いが凪の心を占めて行く。

 

「凪?どうしたの?」

 

凪は友人の声にハッとなった。

 

「す、すまない。ちょっと考え事を…」

「大丈夫?なんか物凄く難しい顔してたよ?」

「大丈夫だ。ほら、さっさと着替えよう」

「うん…」

 

そう言って凪は何かを隠すように更衣室に飛び込んだ。

 

-14ページ-

 

それから時間がたってもう夜になろうとしていた。

練習試合は凪の学校の勝利となり、しばしの交流の時間になっていた。

しかし、凪は何をするわけでもなく、ぼーっと武道場の玄関に腰を掛けていた。

 

「…」

「どーしたの?凪?」

「ん、いや。ちょっと考え事」

「そーいえば凪試合中もなんか上の空だったよね?まぁしっかり勝ってるけど…」

 

「こんな状態の相手に負けたってしったら相手選手泣いちゃうよ」と隣に腰かけた友人が冗談を言っているがまったく耳に入ってこない。

さっきから頭の中がモヤモヤしていた。

朝、起きた時に感じた靄と同じような感触だった。

 

(私は…どうしたんだろう?)

 

さっき、好きな人、という単語を思い浮かべた時に出てきたイメージが頭から離れない。

あの男の子は誰だろう。そんなことを考えると胸が締め付けられるように痛い。

何か、とても、とても大事なことのはずなのに。

思いだしたい。

そうしなければ気が狂いそうになる。

思いだしたい。

思いだしたい!

思いださなければいけない!

凪は顔を苦痛に歪めながら外を見た。

 

「あ…ああ!?」

「ん?どうしたのって凪!?」

 

返事をする前に走り出した。

今、確かに見えた。

日が沈み、暗くなる中で街灯に照らされた制服。

あの制服と同じ色。

そう、あの時浮かんだ男子の制服はここの制服だった。

そして、見えた。

剣道の竹刀袋を肩に掛けた人物の姿を。

 

(知っている)

 

そして見えた。

同じ部活の友人だろうか、楽しく談笑している姿が目に映る。

そしてはっきりとその横顔が見えた。

 

(私は知っている!)

 

-15ページ-

 

なんで忘れていたんだろう!あんなに長い時間、恋い焦がれたあの人を!

あの髪、あの鼻、あの目、あの口、あの手、あの歩き方、あの笑顔!!

知っている。あの世界で片時も忘れることの無かったあの人のこと!

 

凪は走った。

以前とは違う。

今、あの城壁を登るならおそらく10秒もかからない。

ましてやここはきれいに整備されたグラウンドだ。

後ろから友人の声が聞こえるが聞いている暇はない。

今は目の前の事でいっぱいだった。

目の前の青年達が走ってくる凪の存在に気付いた。

4人組みの青年は何事かと首をかしげた。

 

「ど、どうしたの。君?何か俺たちに用?」

 

一人の男子が凪に声をかけてきた。

しかし、ただ一人。

首をかしげることもなく。

凪をじっと見つめる男子がいた。

凪は肩で息をしながら叫んだ。

 

「隊長…!」

 

凪は、あの世界の呼び名で名前を呼んだ。

それと同時に思いだした。

自分の存在を。

全てを。

 

「北郷…一刀、隊長!!!」

 

-16ページ-

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっと会えた…」

 

 

 

 

 

 

 

-17ページ-

 

 

目の前にいる男子、北郷一刀はそう言って微笑んだ。

その瞬間、凪は再び走り出した。

目を、頬を涙で濡らし、走り出した。

満面の笑顔で走り出した。

一刀の胸めがけて飛び込んだ。

 

 

「隊長!!!!」

 

凪は一刀をきつくきつく抱きしめる。

あの世界で、最後に抱きしめた時とは違う本当の全力で。

この世界の一刀も答える。

凪の背中に手を回すとギュッと、抱きしめた。

 

「本当に、本当に会いたかった…ッ」

「隊長…!」

「もうその呼び方はやめてくれよ。さすがにこの世界じゃ違和感出まくりだし」

 

一刀は冗談っぽく笑って凪に伝えた。

 

「じゃあ…」

 

この世界の凪もそれに答える。

恥ずかしそうに、顔を抱きつくようにして隠し、耳元でそっと呟く。

 

「一刀…///」

 

凪は確認するかのように小さくつぶやいた。

 

「うん」

 

一刀はそれを確かめるように返事をした。

 

「一刀…!」

「うん」

「一刀!!」

「うん」

「一刀!!!」

 

一刀はその体を抱きしめたまま涙を流す凪の頭をそっと撫でた。

凪はずっと一刀の名を言い続けた。

一刀はそれをずっと聞き続けた。

夕日が沈み、大きな満月が昇る学校の中で、まわりには誰も居なくなっていた。

この場には一刀と凪だけだった。

二人はずっと抱き合ったままでいた。

互いの存在を確認するように。

そして互いの耳元に口を寄せて、

 

「「ずっと一緒だから…」」

 

あの時と同じ月が浮かぶ中、二人は再び永遠を約束した。

 

-18ページ-

 

このお話は以前作った「月下の再会」を書きなおしたものです。

手抜きのように思われるかもしれませんがご容赦ください。

「月下の再会」のコメントで凪のハッピーエンドをとの声をいただいていました。

しかし、私には一刀の帰還話を作る時、どうしても凪だけのハッピーエンドが想像できませんでした。違和感があるのです。

魏の本編の最後は多くの方がご存じのとおり華琳にスポットが当てられています。

また一刀は基本的に特定の人物に愛情を注ぐのではなく全員を平等に愛情注ぐキャラです。

未熟な私にはそれを無視したハッピーエンド、個人だけが幸せになるエンドを考えることができませんでした。

あのストーリーを前提として二次創作するのであれば、華琳のみ、もしくは前提とした形で全員が幸せにならなくてはいけないと思ってしまったのです。

そうなると凪だけ、もしくは個人だけを幸せになるストーリーは何かダメなのでは、と思いました。

そこで考えたのが、もし凪だけが幸せになるのであれば一刀をある意味で一人占めしなければいけない、ということでした。

だから私は凪一人が一刀を一人占めに出来るストーリーを考えました。

 

まぁ単純に想像力が乏しいからそう言った形でのお話が作れないのかもしれません。

こんな形でも凪が幸せになってくれれば、と思います。

 

説明
申し訳ありませんが獣耳編はもうしばらくお持ちください。
今回は以前書いた「月下の再会」を推敲したものです。
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コメント
恋親衛隊隊長さん>コメありがとうございます!このまま可能性を広げていきたいと思います!(同人円文)
motomaruさん>コメありがとうございます!もっと感動できる話を続けていこうとおもいます!(同人円文)
不性鳥ティマイさん>コメありがとうございます!考えを理解していただきうれしくおもいます。今度は別の答えも模索したいと思います!(同人円文)
きのすけさん>コメありがとうございます。私は誰かを好きになるということはそういうことなのではないかと思います。(同人円文)
よーぜふさん>コメありがとうございます!そう言っていいただけると嬉しく思います!(同人円文)
月野さん>コメありがとうございます!凪の幸せをちゃんと演出できたでしょうか…?(同人円文)
hiroさん>コメありがとうございます。 今度は汗ではなく笑が出る作品をお送りしたく思います! (同人円文)
感動をありがとう!!(motomaru)
作者の思い何となく解りますね、凪の幸せはこれも一つの答えだと思います(mighty)
確かに一刀を独り占めするにはこうするしかないですよね。ただ、それだと他の子がかわいそうでね・・・(きの)
・・・ぐすっ・・・よかった・・・(よーぜふ)
目から汗が止まらないよ・・・・・・・・・・;;(hiro)
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真・恋姫?無双  一刀 

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