真・恋姫†無双 ~君思うとき、春の温もりの如し~ 合間1
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黄巾党本隊との戦闘も終わり、雪蓮姉さんの館に戻ってきた俺は宛てがわれた部屋で休憩していた。

「ふぅ、さすがに疲れたな…」

大規模な戦闘は初めてだったのでとても疲れていたらしく、少し休むつもりがそのまま寝てしまっていた。

 

翌朝。

……どういう事だ。

朝、目が覚めると俺の隣には雪蓮姉さんが居た…

「どうしてここに姉さんが…」

昨日は部屋に戻ったあとそのまま寝たはず。

とりあえず姉さんを起こすことにした。

「姉さん。雪蓮姉さん。起きてください」

姉さんの肩を揺すると、

「う〜ん…一刀ぉ?…おはよぉ〜」

とだらし無い返事が帰ってきた。

「おはようじゃないよ、姉さん。どうしてこんなところで寝てるんだ?」

「えぇ?…あっ、そうだ。昨日お風呂が沸いたから知らせに来たのよ。そしたら一刀が気持よさそうに寝てたから、私も寝よぉって思ったわけ。」

「だからってここで寝るなよ…」

「いいじゃない。久しぶりの姉弟水入らずってことで」

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その後、俺達は一緒に朝飯を食った、あと先の戦いの報告会に出た。

会議の後、雪蓮姉さんが「あとで修練場に武器を持って来て。私と仕合をしましょっ。この2年間で成長した私を見せてあげるんだから」と言った。

袁術によってバラバラにされる前は姉さんとよく仕合をしていた。

はじめの頃は全然勝てなかったが、祭や他の武将に鍛錬をつけてもらい、最後の方は姉さんを負かすようになった。

あの時の姉さん、めちゃくちゃ悔しそうな顔してたな…

 

一度部屋に戻り刃を潰した剣を持って修練場に出ると姉さんと冥琳、祭が居た。

「お〜そ〜い〜。女の子を待たせるもんじゃ無いわよ」

「これでも急いで来たんだよ。それに時間の指定はなかっただろ」

そう言うと姉さんは頬をぷぅと膨らませた。

「一刀。あれからどれ程強くなったか見せてもらうぞ」

「ああ、祭。あっちでも鍛錬を欠かさなかったからね。俺の成長を見てくれ!」

「強くなったのは一刀だけじゃないんだからね!あれから私も鍛錬して強くなったんだから!」

「それは楽しみだ。じゃあ早速始めるとしようか」

俺が鍛錬用の剣を鞘から抜くと、姉さんもそれに合わせて剣を構えた。

「ふふっ。雪蓮は楽しそうだな」

「ああ、そうじゃのぅ…では、わしが審判を努めよう。…はじめ!!」

祭の合図で仕合が始まった。

 

「はぁ!!」「くっ!!」

姉さんは先手必勝と言わんばかりに剣を振りかぶってきた。俺は姉さんの攻撃を剣でうける。

…重い。それにめちゃくちゃ早い。

前に戦った時も姉さんの攻撃は重く早かったが、さすが強くなったということだけある。前の比にならないほどの力と速さだ。

「ホラホラ、攻撃を防いでるだけじゃ勝てないわよ!!」

俺に攻撃を出させないように連続攻撃を仕掛けてくる。

「確かに強くなったと言うだけはあるね。」

俺は上から振りかぶられた剣を避けると姉さんの後ろに回り込んだ。

「何っ!!」「やぁっ!!」

振り返りざまに斬りつけようとした姉さんの剣を弾き飛ばすと剣先を姉さんの首に向けた。

「…勝者、一刀!」

「ちぇえ〜。また負けちゃった…あれから強くなったと思ったのにな…」

「姉さんは強くなったよ。攻撃も前と比べると重く、早くなってたよ」

「本当〜?今度は負けないんだからね!」

姉さんは悔しそうな顔をしているが、少し嬉しそうだった。

「一刀、強くなったのぅ。こんどはわしと仕合おう」

その後、俺は祭とも仕合をした。さすが俺の師匠だけあって苦戦したが、なんとか隙をついて勝つことができた。

祭が普段使う武器は弓だ。だから弓の勝負ではまだまだ勝つことができないだろう…

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仕合に後、俺達4人は再会を祝いささやかな酒宴を行った。

雪蓮姉さんと祭は大好きな酒をガバガバ飲みながら騒いでいる。

そんな2人を見ながら俺は冥琳に話しかけた。

「冥琳。俺がいない間、こっちはどんな感じだった?」

「変わらんよ。雪蓮には手を焼かされっぱなしだ」

「ははは。相変わらず苦労してるね」

「ああ。だが一刀が戻って来てくれて私の負担も減るというものだ」

「どういう事?」

「雪蓮のサボった分の政務を一刀にやってもらう」

「うっ…それは勘弁しと貰いたいな」

「そう思うのなら一刀も雪蓮が逃げ出さぬように目を光らせておくことだな」

それから俺達は会えなかった2年間のことをお互い話し合った。

 

ある程度話し終えるると冥琳が

「先の黄巾党のこと、どう思う?」

と言ってきた。

俺は周りを確認し、人がいないとわかると

「あれは今の漢王朝に対しての民の不満の現れだ。しかも黄巾党相手に禁軍は歯が立たず諸侯の手によって結局この戦いは終わった。これはもう漢王朝に力が無いと言っているのと同じだ。それが余計に民の不安を煽る…」

「ああ、そうだな…これから次の権力を奪うため諸侯たちが活発になるだろう。我々呉も独立したあとは天下統一に打って出ることになるだろうな…」

それはこれから世の中が今まで以上に混沌となることを意味する。俺達は母孫堅の願い『孫呉千年』の為、呉の民の平和を守るために戦うことになるだろう。

「これからますます忙しくなるな」

「そう思うならこれからも頼むぞ」

俺と冥琳は杯を鳴らし酒を飲み干した。

「一刀〜?冥琳ばっかと話してないで私とも飲みましょうよ〜」

「これ一刀。わしのことも構え!」

完全に酔っ払いと化した2人に絡まれた俺は、翌日二日酔いとなり頭痛と闘いながら一日を過ごすはめとなった。

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今回も読んでいただいてありがとうございます。今回は拠点となっています。

今回のように本筋のあと区切りが着くと拠点、というようにしてゆきたいと思います。

次回も拠点です。次も見てくれくれると幸いですノシ

説明
拠点です。
今回は一刀視点で雪蓮、冥琳、祭とアダルトチームとの絡みです。
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コメント
あーなんか一刀がこれだけ強いと残念感がぬぐえないんだよなぁ…安易に強くして云々、って。(PON)
>根黒宅 さま、320i さま 一刀くんの強さは雪蓮と同じとなっております。勝てたのはギリギリです。ギリギリ感は出てませんが…(lovegtr)
雪蓮より強い、と。まぁ、別に良いけど。(根黒宅)
タグ
真・恋姫†無双 孫権 一刀 雪蓮 冥琳  

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