黄巾賊（変態）を捕縛して尋問しようと失敗し約一週間経過したそんな日の朝議で…

謙明「一刀よ……本当にこの地に黄巾が来ているのか?」

一刀「はい…中央からの情報が正しければ敗残兵が流民に紛れて流れていた可能性も…捕縛した二名は同じく情報を収集していた仲間により救出され、今もなお探索隊に探させていますが痕跡すら残っていないと…」

家臣団「「「!?」」」

そう言うと多くの重臣の方々…いや末端の文武官達が騒ぎ始めた

A文官「劉焉様!　その敗残兵が本隊の可能性も捨てきれません！　中央の情報が正しければ何進、朱儁、皇甫嵩、慮植の軍が黄巾を次々に討伐して行っておりますし…」

家臣団「「「　!?　」」」

そう…俺が知っている正史、華琳達と…いや、呉、蜀、さらには自分自身が君主としていた時代の外史では漢の軍団は悉く黄巾軍に序盤は押され壊滅させられたのだ…しかし蓋を開けてみれば後の三名の将は理解できるが、可進軍が活躍している事が驚きであった…だけど……

流洪「確かにその可能性はありますなぁ〜　じゃが…果敢将波才は慮植軍を壊滅させて未だに三軍を相手に拮抗して戦っておる…本当に一介の農民とは思えぬ武才、そして頭の回転も良いと来た…謙明様…我はその者達に肖って発起した盗賊、山賊の輩だと申し上げますぞ」

そう、波才は史実にもいたがこれと言って普通の人物だ。朱儁軍を数で圧倒して追撃をしたが皇甫嵩の火計で大敗した。

謙明「…流洪よ……生粋の黄巾軍は略奪行為を行ってないのは本当か?」

流洪「少なくとも豫州の波才軍、南陽の張曼成、趙弘、冀州の程遠志軍は各城の官軍を撃破し金品兵糧を獲得し、過剰にあった場合はその地の民に与え、民からの絶大な支持を得ておりますが…しかし……他の地域の乱は残念ながら賊…いや獣が暴れまわっているだけで民、官軍構わず蹂躙しつくしている模様です」

謙明「……待て…深紅の武神と称された黄巾軍の呂文はどうなのだ？」

流洪「……鮮卑軍を率いて各地を転戦、すでに悪政を働いていた各地の太守達を討ち取るもしくは斬首にして主だった者にその地を与え守らせている模様です」

華北は黄巾軍の支配下になっていた…しかも異民族もそれに関与していた……どう言うことだ?

サイドチェンジ

ここは楽陵の城である…ここの城壁の上に一人の赤髪の青年がいた…彼の容姿は体中には青い刺青が刻まれている。その青年はただ洛陽の向うを見つめていたそんな時…

四人組の女性達「「「「呂文様！　呂文様!　どちらにおいでですか!?」」」」

呂文「うん?…こっち………侯成・宋憲・魏続・高順」

まず赤い鎧を着込んだ水色のロングヘアーで肩には朱色の龍の彫刻のある胸当てを着た長身の少女が話し掛けた。

侯成「呂文様…いえ、零様…また恋様の事を御考えで?」

零「…（ｺｸｺｸ）…心配だ……」

そう言うと淡々ではあるが応えて来る少女、背丈は零よりも小さいが零以上の大槍を片手に軽々と持っている緑色の髪の少女が…

高順「大丈夫…恋は零の妹、武だけなら誰にも負けない…」

魏続「そうそう！　自分もそう思うぞ!　まぁ…頭に関してはダメだけどね…」

宋憲「……それを心配してるのではないのか?　若君は…」

背丈は侯成のほんの少し小さい程度で腰には二振りの剣を差し込み黒髪でセミロングの少女がそう元気に言い。　拳を籠手で保護し足には打撃力を上げるために細工をした靴を履く紫色のショートヘアでかなり際どいスリットの入った服を着た女性が少々あきれ気味に答えた。

零「……でも…今…は…ここの人…守る…　ここ…多くの人が悲しんでるから……」

そう言いながらも洛陽の方角から目を離さなかった零であった……

サイドチェンジ

幽州のとある荒涼とした大地で二つの軍団が対峙していた…　方や黄巾軍の程遠志、方や義勇軍の劉備…両軍の激突だった…

桃香「私達は貴方達を許しません!　罪なき人から者を奪い虐げている貴方達を!!」

程遠志「抜かしやがって!!　漢の犬ども!　俺らは奪われはしたが奪ってはいない!!　そこらへんの賊どもが俺らの名を偽称して略奪を行ってるだけだ！　それを討伐しようと派遣した我が同胞達を良くも…良くも!!!　全軍遠慮はいらねぇ俺達から家族を…友を…いいや！　未来を奪いやがった輩を、そしてこれからも奪おうとしやがる漢の犬どもを蹴散らせ!!!!」　

黄巾軍「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ！！」

その雄たけびは大地を轟かせ、義勇軍を震え上がらせた

愛紗「恐れるな！　勇敢なる我が兵士達よ!!　あ奴らはお前達から多くの物を奪った獣どもだ!

ここで倒さねばまた多くの者たちが悲しむぞ!　全軍突撃ぃぃぃ!」

義勇軍「おおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」

両雄は激突した…愛紗と鈴々は真っ先に黄巾軍に突撃し黄巾兵を蹴散らした…

黄巾兵A「ぎゃぁぁ！」　黄巾兵B「こなくそう！！　生きてかえさねェぞ!」

義勇兵C「おめぇこそおらの娘を!」　義勇兵D「ぐはぁ…かぁさん…」

�ｹ茂「関羽よ!!　どこにいる!!　この�ｹ茂！　兵達を守るため貴様に一騎打ちを申し出る!」

そう叫びながら棍棒を振り廻し

愛紗「心得た　我が名は関雲長！　劉玄徳が一の家臣だ！」

愛紗は青龍偃月刀を掲げ、お互いに名乗り上げ駆けだした　

そして…ｻﾞｼｭ

�ｹ茂「ぐぅ……片腕を持って行かれたか…」

そう言いながら自身の左腕を…肘から下を失った腕を見つめ膝をついた�ｹ茂

愛紗「くっ…手強い…」

愛紗も�ｹ茂よりは軽いが片腕の骨が折れた感覚を感じ取った…

黄巾伝令「程遠志様!　�ｹ茂様が深手を負われました！」

程遠志「!?…　一斉に弓を射かけよ!　�ｹ茂を救出し撤退するぞ!」

黄巾伝令「!?　ぎょ…御意に!」　ザザッ

程遠志「…波才…私は君みたいになりたかったがな…フ…笑えるぜ…この軍は私じゃぁ無理だ…逃げてお前にこの情報を届けるとしよう　!?　うお!!」　

ﾌﾞｵﾝ

鈴々「逃さないのだ!　大将程遠志！　この燕人張飛が相手するのだ！」

程遠志「はっはっは！　俺の天命はここまでか!!　貴殿は確かに強い！　だがな！　だからってここで俺は背を向けて倒れるわけにはいかねぇ！　我が名は程遠志!!!　武才はないがそう簡単に死ぬ気はないぞ!」

そう言いながら腰の両刃剣を構え、鈴々の猛攻を凌ぎ、隙さえあれば斬撃を与える…１０合ほど戦い…　ｽﾞｼｬ！

程遠志「!?　ゼ…全軍引けぇええええええええええ!　この程遠志の屍に構わず己が生を優先せよ!!」　ﾄﾞｻｯ

黄巾兵F「程遠志様!!!!!!　うおぉぉぉーーーーーー!」　ｻﾞｼｭ　黄巾兵F「ぎゃぁ！」

大将の程遠志が死に特攻した兵士と同様に多くの黄巾兵が捨て身の特攻をし義勇軍に切り込んでゆく…黄巾軍は６０００、対する義勇軍の兵力は５０００……

�ｹ茂を保護し敗走していた二百の兵士の一団を抜かせば黄巾軍は全滅…対する義勇軍は愛紗は負傷し鈴々は兵達の特攻で所々切り傷を負い桃香自身も自分の身を守るため剣をふるい切り傷も多少あった…　義勇軍の残った現状は…死者４０００　重傷者６７２　軽傷者及び生存者２２８名…実際は……勝利とは言えない勝利ではある…

�ｹ茂「くっ…程遠志殿…絶対に許さないぞ!!　関羽!」

桃香「…どうして…どうして!?」

桃香は動揺していた…自分達は正しい事を行ったはずだ、それなのに…これまで賊を討伐したが大将を討ち取れば蜂の子を散らすが如く我先に逃げようとする…しかし…

桃香「なんで皆向かってくるの!?　投降すらしてくれないの!?」

そう、彼女は敵大将が自分の妹により討たれた事実を知りまだ尚戦っている黄巾達に投降を呼びかけた…

黄巾兵H「抜かすな!　糞尼!　てめぇの様なボンボンに俺達の気持なんか解るか!　程遠志様は私財をはたいて俺達を救ってくれた!!!　そんな恩人をよくも…よくもおぉぉぉぉ!!!!!」

義勇兵O「!?　劉備様危ない!　（ｻﾞｼｭ）ぎゃぁ！」

こうなればもはや泥沼の混戦であった…　そして一刻後全てが終わり桃香は護衛の数名と共に戦地を歩いた、そしたら…死体の中から息も絶え絶えで血まみれの１人の男が起き上った…

黄巾兵P「劉備か…てめぇのみじめな顔見れて嬉しいぜ……最期に俺ら民の詩を聞きな…!　

なんの…意味もないと…何一つ……変わら……ないと嘆…き待ち呆けて…いても…誰もすくわ…無い…けど……希望が…無くとも我らは生きていくから…呼吸していくから…笑っていくから…そして強がりながら生きていくから…聞きたい音があるよ…知りたい詩があるよ…誰にだって……色あせたくない詩がある…この詩を…夜明けが来ない日の夜明けを告げると信じて…」　ﾊﾞﾀｯ

桃香「……私たちじゃ…その詩に成れないんだね……この人達にとっての……」

兵士達「「「劉備様…」」」

そう言いながら見上げた空からは青空なのに空の涙が降頻る…まるで誰かの涙を覆い隠す様に…

あとがき！！

ちょっとシリアスだったけどDou-dai？　前回失敗したねぇ　次回予告書かなかったよ（笑）

さて、サイドチェンジ多めでしたがどうでした？

そりゃ確かに一刀君のみの方が皆さんには良いと思いますけど…解らない背景ごとに外伝とか、補足編を出されても困ると思うのでこういう手法にしてます。はい。

とりあえず　良いネタが思い浮かばなかったので今回も次回予告はなしで…

ではアンケートの内容を次にで見せます

ではアディオス!　(◎o◎)ﾉｼ