真・恋姫無双 〜降りし御遣い伝〜 第23話 |
第23話 北郷隊と暗躍する闇
北郷隊を組織した翌日。
一刀「これから北郷隊の調練を行う!」
来たる日の為、兵士たちを一日も早く鍛えなくてはいけない。
大敗を期することはこれでなくなるだろうな。
一刀「訓練を行う前に言っておくことがある!前の試験の際にも言ったことだが、生き残る為にはどうすればいいか常に考えて行動してほしい!分かったか!」
兵士「「はっ!」」
一刀「おれがお前たちに徹底してもらいたいことが生きることの他にもある。これからはこれを覚えておいてもらいたい。『風林火陰山雷』だ」
『風林火陰山雷』
有名なところで言えば、戦国武将の『甲斐の虎 武田信玄』の陣旗にも記されている。
元々は『孫子』に出てくる軍隊の進退について書かれているものである。
「其疾如風、其徐如林、侵掠如火、難知如陰、不動如山、動如雷霆」
「其の疾きこと風の如く、其の徐(しず)かなること林の如く、侵し掠めること火の如く、知りがたきこと陰の如く、動かざること山の如く、動くこと雷霆(らいてい)の如し」
これは、移動するときは風のように速く、静止するのは林のように静かに、攻撃するのは火のように。隠れるには陰のように、防御は山のように、出現は雷のように突然に。ということである。
一刀「・・・と、陣形を敷く時や移動するときなど何かしらの行動をする時には必ずこの『風林火陰山雷』を守ってくれ。意味は分かったか?」
兵士「「「はっ!!」」」
一刀「それではこれから実際に訓練を行ってもらうのだが、それぞれ役割をもった隊を作ってもらう。まずは歩兵隊は、この槍を扱えるようにしてもらいたい」
そう言って一刀が見せたのは長さ4m以上はある槍。
かつて織田家が最初に使用したとされる長柄槍。
この槍は集団戦法と間合いによって威力を発揮し、勝敗を左右すると言っても過言ではない。
間合いがある為、素人の農民でも扱える。
しかし、訓練すればそれだけ威力が増し、戦の勝敗を決める。
一刀「この武器はおれがいた国で使われていたものだ。そしてさっきも言った通りに訓練すればこの隊は、この国は強くなる!!」
兵士「「おぉぉ〜〜〜!!」」
一刀「これからこれを使う者達は『槍隊』と呼ぶ!」
槍隊に200人。
一刀「槍隊は純に指揮してもらいたい。出来るか?」
純「はい!一刀様の為ならば!!」
一刀「ありがとう(ニコッ)」
純「///」
一刀「次は細作と工兵を作るが、細作に50人で工兵に80人で合わせて130人いればいいだろう。それは零。お願いできるか?」
零「はい。愛する一刀様の為に」
一刀「あ、愛するって///」
零「照れてる一刀様もいいですわ///」
一刀「まったく・・・。細作を選抜したらおれのところに連れてきてくれ。おれが訓練する。それから、工兵には色々と作ってもらいたいものがあるから後で連れてきて」
零「はい」
零「連れてまいりました」
一刀「ありがとう。・・・さすが零だな。細作にふさわしい人材を連れてきてくれたな」
零「ありがとうございます」
一刀「さて・・・。まずは君たち工兵だが、まずは焼夷弾を作ってもらいたい」
工兵1「しょういだん?とはどのような物で?」
一刀「焼夷弾とは、まずは泥で作った容器を用意する。大きさはそうだなぁ・・・掌の物から甕の大きさまで色んな大きさの物を作ってもらおうかな。それでその中に硝石と硫黄を使った火薬を入れるんだが、小さな穴を開けてそこから入れてくれ」
工兵1「それではさっそく作ってまいります」
一刀「よろしく頼む。・・・さて、細作になった君たちにはこれから基礎を叩きこんでもらう。その際には武もつけてもらうから覚悟してもらう!」
細作「「「はっ!!!」」」
一刀「これから零には工兵が作る物の材料、用途を記入して応用品などを考えてもらいたい」
零「分かりました」
一刀「次は弓隊を作る。そうだなぁ・・・。雫、何人必要だ?」
雫「300は欲しいです」
一刀「足りなくなるなぁ・・・。じゃあ弓兵は120人だ」
雫「!?ご主人様!?それは少なすぎます!!」
一刀「元々おれ達の隊は人数が少ない。だったら少ない中で少数精鋭の隊を作るべきだ。北郷隊にはこの大陸一の隊になってもらう」
雫「しかし・・・」
一刀「大丈夫だ、おれを信じてくれ」
雫「・・・分かりました。それでは私は弓隊の訓練をしてきます」
一刀「あっ、雫!弓隊のみんなにやってもらいたいことがある」
弓兵の訓練の際には走りながら正確に弓をいることが出来るようになってもらう。
使える武器は弓の他に連射弩も使えるようになってもらう。
一刀「頼むよ」
雫「はい!・・・」
一刀「ん?どうしたの?」
雫「い、いえ。何でもないです・・・」
一刀「?・・・」
ナデナデ
雫「はわっ!?」
一刀「元気出た?」
雫「・・・はい///」
一刀「綾には残りの人数を当てた重装歩兵を指揮してもらいたい。盾も使用してもらう。その防御力と突破力を如何なく発揮する為に重装備でも動けるようにしてくれ。これからは重装隊とでも呼ぶかな」
綾「分かったー」
一刀「危なくなったらすぐに来ているものを脱いで逃げれるように改良をしておくから、それも素早くできるようにしてくれ。上手く行けば戦闘に組み込んで切り札に使えるかもしれないからな」
綾「了解」
一刀「工兵に作ってもらおう。足りなければ街に行って作ってもらってくれ」
綾「了解であります!」
一刀「お前・・・」
綾「ん?」
一刀「何でも無い・・・」
綾「えへへ〜♪一刀、頭撫でて〜」
一刀「・・・まぁ、いいよ」
ナデナデ
綾「一刀好き〜///」
一刀「分かったから!今は駄目だ!!抱きつくな〜〜〜!!」
月「・・・一刀さん」
詠「月?」
霞「一刀が大変や!!」
恋「・・・一刀にナデナデ」
ねね「恋どの!?」
華雄「なんだ?」
純「一刀様の危機!?」
零「一刀様!?」
雫「・・・・・ギリィ!」
兵士1「怖い・・・」
一刀「(ゾクッ)・・・逃げよう」
純「もっと踏ん張るんだ!!そんなんじゃ誰も守れないぞ!!」
槍兵1「はい!!」
純「そんな動きじゃ懐に入られて終わりだぞ!!一刀様の言葉を忘れたのか?お前たちが強くなれば戦に勝てる確率が高くなる!!」
槍兵2「はい!!」
純「相手は歩兵に騎馬までいるんだ!!それらをここで抑えられるかどうかが勝負の分かれ目だ!!次々に来る相手に対して力負けをしていたらここが破られるぞ!!1人でも落ちたらそこから崩れる!そしたら負けるぞ!!山のようにどっしりと構えて相手にここが超えることの出来ない高い山だと思い知らせろ!!」
零「・・・これで全部?」
工兵1「はい。今のでこの焼夷弾は300を超えました」
零「これはこのままでは持ち運び出来ないわね」
工兵1「ですから一刀様に相談して、1個ずつ木枠を作りそこに入れて運びます」
零「そう。それではそれでよろしくお願いね。それと、中に入れてもらいたいものがあるの」
工兵1「なんでしょう?」
零「この容器を作る段階で中に小さな刃物だとかを入れることは可能?」
工兵1「やってみないと分かりませんが、やってみましょう」
零「よろしくお願いね。もう1ついいかしら?」
工兵2「はっ!」
零「この火薬を使って―――――を作ってもらえる?」
工兵2「これですか!?」
零「そう。出来る?」
工兵2「出来ますが、司馬懿様はどこでこのような物を?」
零「一刀様への愛があればこれくらいいくらでも考えられます」
零「あなたは投石機の開発でしたね?」
工兵3「へい。投石機は今10台作りました」
零「御苦労さま。この投石機は解体した後にすぐに組み立て可能?」
工兵3「そんなにかからないかと」
零「移動可能で解体しても簡単に組み立てられるようにしてもらえる?」
工兵3「分かりました」
零「それから、弩を作ってほしいの」
工兵3「弩ですか?でしたらすでに連射弩を作っていますが?」
零「それは弓隊が使う連射弩でしょう?あれでは飛距離が落ちてしまうから、何本も一気に発射が出来て尚且つ威力は高く飛距離も長いものを。作れそう?」
工兵3「やってみましょう」
零「頼むわね」
雫「・・・・・・」
弓兵1「徐庶様、全員を集めました」
雫「ご苦労様です。これから訓練を行いますが、ご主人様はこの弓隊に大変高い期待を寄せていらっしゃいます!その期待を裏切ることは私が許しません!!もし、期待を裏切るような真似をすれば、容赦なく殺します!!」
弓隊「「・・・・・」」
雫「あなた達は遠距離からの攻撃で味方の援護をしながら相手を討ちます。時と場所によっては臨機応変な動きを見せていかなければ勝てませんし、死にます。ですから今からの訓練として、走りながら弓を的確に打てるようにしてもらいます」
弓兵1「ですが、弓を走りながらと言うのは・・・」
雫「出来ないとでも言いたいのですか?でしたらむざむざ殺されてください。ご主人様はあなた達ならば出来ると信じてくれています。それを裏切るのですか?」
弓兵2「いえ!私は信じます!!」
雫「よろしい!ではこれから訓練します」
雫「遅い!!それが全速力ですか!?だったら死にます!もっと早く走って正確に的に当てなさい!」
弓兵3「はい!」
雫「そんなことでは誰も守れませんよ!?自分を守れませんよ!?これからまだ連射弩も扱えるようにしなくてはいけないのですから、早く出来るようになってください」
綾「まだ重装備が出来ていな〜い。だから、まずは盾に馴れてもらおうかな」
重装兵1「盾はただ構えるだけでは?」
一刀「甘い!!」
綾「一刀!?来てたんだ〜♪」
一刀「あぁ。本当に死ぬかと思ったよ。お前のせいでみんなに追いかけられて霞と恋に連れていかれて仕合なのに本気で斬りかかってくるし・・・。まぁ、こっちは一通り終わったからな。それよりも、盾はとても重要だ!!盾は自分と味方の命を守る砦だ!!だから破られてはならない!!それにただ守るだけが盾の使い方では無い!!」
重装兵1「と、言いますと?」
一刀「盾で相手を殴ることも可能だし、盾で道を作ることも出来る。それに盾の裏に武器を隠して持っていくことも出来るぞ」
綾「〜〜〜♪」
一刀「重いぞ綾。・・・これからすることはまずは陣形を素早く敷けるかだ。風のように速く移動し、山のように鉄壁の防御で動かない。これをしてもらう。口で言っている分には簡単だが、実際やると難しい。でもおれは出来ると信じている」
重装隊「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」」」」」
綾「遅い!!そんなんじゃ陣形を敷く前に破られる!!」
一刀「全員で呼吸を合わせろ!!」
重装兵1「はっ!」
一刀「どこか一カ所が破られたらそこを補うようにしろ!!全員で助けあえ!!」
重装兵2「はっ!」
一刀「それではこれから“影兵”の訓練を始める。おれがお前たちを選んだのは素質があるからだ。これからおれが忍者としての技術を教えていくからお前たちはおれから技術を盗み、おれを支えてくれ」
影兵「「はっ!」」
“影兵”
一刀が作って影から一刀を支える忍者隊。
人数は5人。
武器には仕込み刀を使用。
細作としても使える。
訓練開始から数カ月。
一刀は訓練の傍ら、天水の街の開拓などを進め、発展させていった。
細作は訓練の一環として周辺諸国に出て情報を集めていた。
一刀は洛陽に影兵を向かわせていた。
一刀「詠、ちょっといいかな?」
詠「えぇ。どうかしたの?」
一刀「・・・霊帝がもうすぐ死ぬ」
詠「・・・そう」
一刀「驚かないんだな」
詠「私の情報網をなめないでよね!」
一刀「知ってるよ。詠の凄さは」
詠「そ、そう。だったらいいのよ」
その数日後、霊帝は崩御した。
突然のことに各地の諸侯は驚きを隠せないでいたが、漢王朝の対応は以外にも早かった。
霊帝の崩御によって、妻である何大后とその兄の大将軍何進が劉弁を擁立。
劉弁が即位するかと思いきや、劉弁は突然死し、何大后は洛陽を追放され、何進は暗殺された。
今の洛陽は劉協を後ろ盾にした十常侍が欲望のままに支配している。
???「このまま邪魔な奴らは全員始末してしまおう」
???「ですが、どうすれば?」
???「私に策がある」
???「おぉ〜。その策でしたら我らは高見の見物ということですな」
???「せいぜい私の掌の上で踊ってもらいましょうか。フハハハハハハッハ」
???「殺し合いをさせるとは張嬢殿もお人が悪い。くくくっ」
張嬢「董卓には悪いが消えてもらわねばならぬしな。それに董卓が頑張れば他の邪魔な諸侯も消せる。こんな良い策はないだろうな」
あとがき
今回は北郷隊の中を振り分け、少数精鋭の部隊を作りました。
しかし、難しいですね。
歩兵にも色んな種類があるし、役割が違ってくる。
図書館で書物読んで、ネットで調べて、沢山勉強しました。
それでも書くと難しいです・・・。
何か間違っている点、入れた方がいい隊などがありましたらコメントやメッセージでお願いします。
そしてそして、今回の最後から雲行きが怪しくなってきました。
遂に反董卓連合編突入です!!
それでは次回お会いいたしましょう!!
説明 | ||
第23話です。 賛否両論な作品だと自分でも自覚してます。 両方の意見で少しでもいい作品が出来ればと思っています。 |
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コメント | ||
…北郷隊、鍛錬す!…そして、この外史も又、反董卓連合へと向けて動き出す。しかし、十常侍よ用心せよ。天の御使い・北郷一刀は、お前達如きに御せる存在では無いのだ…。(クラスター・ジャドウ) ↓そうだな、俺にも劣る連中はもはや「変態という名の淑女」ではない、クソだ!(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ) 犬にも劣るクソ野郎どもには裁きの鉄槌が必要だな(VVV計画の被験者) いよいよ反董卓連合が組まれるですね。その前にクソ共の粛清ですかね?(アロンアルファ) |
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