宇宙と僕たちの戦争 第1章
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    第1章 平和と争い

 

大空に巻き上がる大きな大きな爆発。

僕の目の前に広がる世界はほんの一瞬の出来事によって廃墟と化していた。

当時の僕はそれが大きな戦争の始まりとは到底、気づいていなかった。

戦闘機が来た。

ヘリコプターも来た。

しかし、それらは一瞬で爆発していった。

吹きあられる爆風に打たれながらも僕は逃げも隠れもせずに見ていた。

そう、僕にはそれしかできなかった。

廃墟と化した街には人どころか虫一匹も居ないように思えた。

見ているうちに体がふわっと軽くなった。

そして、少しずつ空へと上っていく。

周りの景色が少しずつ変わっていく。

始めのうちは”天国にでも向かっているのだろうか?”と思っていた。

しかし、どう考えても僕は生きていた。

頬をつねれば痛いし、手の感触もある。

”僕はどうなってしまったのだろうか?”

ふと、何かに気づいたのか僕は上を見上げた。

上にはとてもとても大きくて黒い塊が浮かんでいた。

そう、僕はその塊に向かっていた。

僕はその塊を見ているとあることに気がついた。

”まぶしい”

その塊のあるところがとても光っていた。

まるで光を溜めているかのようだった。

そして、その塊はものすごい速さの光を放った。

その刹那、町が爆発した。

あまりのはやさに僕は何が起こったのか理解できなかった。

”・・・・”

気がついたのは数秒後だった。

そのときはもう町は消滅していた。

ウィィィィィン。

とおかしな音がした。

ふと、上を見上げる。

すると、黒い塊が目の前まで迫っていた。

僕はそのとき気づいた。

黒い塊は丸い。

”UFO?”

そんな単語が脳裏をかすんだ。

”そうか・・・僕たちは宇宙人に襲われたんだ。”

そんな時、遠くから強い光が現れた。

僕は薄れ行く意識の中でその光の正体を知った。

”・・・・ひこう・・き・・?”

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 ”日本は平和である”

っとどこかの偉い人は言っていた。

しかし、俺はそうとは思わない。

近くにある北朝鮮では核があるとかないとか。

最近は物騒だな、そう思う事が増えてきた。

そんな世の中でも俺は満足できる。

俺はそういう人間だ。

 

 

「困ったな・・・」

ため息交じりの声が聞こえる。

廃ビルが立ち並ぶ一角に一人の男が立っていた。

男は真っ黒のスーツを着てタバコをふかしていた。

男はふと、時計を見る。

「・・・・困ったな・・・」

男はさっきと同じようにため息を出した。

しかし、そのため息を聞くものはまだ居ない。

男は仕方なさそうに携帯を取り出した。

そして、数度ボードを打ち耳へ傾けた。

プルルルル・・・・

不可解な電子音が続く。

プルルルル・・・・プッ!!

突然それが途切れた。

ツーツー

「・・・・・はぁ」

男はまたもやため息をついた。

その刹那、

チャララチャララララ・・・

聞き覚えのある音楽が響いた。

男は慌てて携帯を取り出す。

「今何時だと思ってんですか!!」

男は携帯に向かって叫んでいた。

「今どこですか迎えに行くから」

そういうと携帯から声が聞こえてきた。

「・・・・・後ろ」

男ははっと後ろを見た。

「あ、久しぶりです」

後ろにはやせ細った小柄な男が立っていた。

「はぁ、あなたはいつも・・・・なんで能天気なんですか?」

「あー、すみません」

小柄の男は軽くお辞儀をした。

「・・・はぁ」

また男はため息をついた、どうやら癖になっているらしい。

「ところで今日は何のようですか?」

小柄の男は目を細めながら聞いた。

「あー、例の銃についてだが・・・・・・」

男は何かを言いかけたが不意にやめた。

「・・・・いますね」

「ああ」

何かに気づいたのか男は背中に手を伸ばした。

「あ、いいです僕がやります。」

小柄の男はそう言うとポケットに手を突っ込んだ。

-3ページ-

「危険だが・・・・あなたに任せてみましょう」

「ありがとうございます」

小柄の男はそれだけ言うと廃ビルに向かった。

廃ビルには黒い車が隠れるように置いてあった。

小柄の男はポケットから小型のピストルの先に注射針をつけたようなものを取り出した。

「これ、実験段階なので助かります」

小柄の男がポケットから何かを取り出したことで茂みに隠れていた黒い服装に身を包んだ人(男っぽい)が現れた。

小柄の男は黒い人(おとこっぽい)を見るとさっきのピストルを向けた。

黒い人(男っぽい)もサブマシンガンのような銃器を取り出した。

「遅いっ!!」

小柄の男がピストルの引き金?を引いた。

ビシュー

不思議と音は小さくとてもピストルとは思えない。

そして、ピストルと大きく違ったのはピストルの先から出たものだった。

目には見えない速さで直進する薄いピンクのような光、間違いなくレーザーである。

黒い人(男っぽい)は意表を衝かれたのか予想以上にダメージを受けていた。

「な、レーザーだと・・・・」

黒い人(男っぽい)は撃たれたところを押さえながらもう一度、銃を構える。

「・・・だから遅いんです」

小柄の男はそう言うと容赦なく引き金を引いた。

ビシュー

先ほどと同じ音を出しながら薄いピンク色の光は黒い人(男っぽい)の額を貫いた。

「う・・あが・・」

黒い人(男っぽい)は力がフッと切れたようにその場に倒れた。

パチパチパチ

どこからか気の抜けた拍手が聞こえた。

「お見事さん、それが新しく小型化したレーザー銃ですか?」

現場から少し離れたところに男が立っていた。

「はい、そうです・・・・・少し問題が残りましたけど。」

「問題?どこがどう問題なんですか?」

男は不思議そうな顔をして聞いた。

「熱処理がまだ追いついていません・・・これでは連射ができません」

「ってことは今日はまだ完成していないんですか・・・残念です。」

男は残念そうに顔をしかめた。

「まあ、もう少し待っていただけないでしょうか」

「ええ、こちらもまだ準備が整っていませんので・・・・では」

そういうと男はこの場を去っていった。

「ふう、」

男が完全に去るのを見ながら小柄の男はため息を漏らした。

「ブラックスフィンクスか・・・・少々厄介・・・だな」

傍らには先ほどの黒い人が横たわっている。

小柄な男は何か呟くとそのまま廃ビルの向こうへ消えていった

 

 

 

 

「うわああ」

と男の悲鳴が響く。

場所は路地裏。

季節はもう、5月

周囲には誰も居ない。

黒くて短い髪に汗を浮かばせながら男は走る。

後ろからやってくる人影は・・・・・1人、2人、3人・・・4人ってさっきよりも増えてるし。

俺は山上灯路、中学2年生いまはわけあって不良共に追いかけられている。

両親は3年前の事件で他界。

今は子供が居ない叔母夫婦のところで暮らしてる。

とにかく人通りがあるところを通らないと。

そう、考えるうちに場所は路地裏から公園へと移った。

公園は薄暗く不健康に思えた。

そして、人影が見える。

これで、助かる。

「あ、あのっ助け・・はぁはぁ・・・・てください」

息切れがしてうまくしゃべれなかったけれどうまくいったはず

人影がしゃべった。

「なんじゃい、わりゃあ」

「ひっ!!」

”第2ラウンドですか?”

そして、また逃げる。

どれくらい逃げたのか判らなくなるぐらい逃げた。

・・・・・

ずっと逃げているといつの間にか後ろに居た人影が消えていた。

”助かったのか?”

と灯路は息を切らせながら後ろを振り向いた。

よく見ると薄暗い道にポツンと自動販売機がある以外何もなかった。

「ふう、」

ここで初めて灯路は安堵の息を漏らした。

”やっと帰れる”

そして、灯路はとぼとぼと帰路に向かった。

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 ”日本は平和である”

っとどこかの偉い人は言っていた。

しかし、俺はそうとは思わない。

近くにある北朝鮮では核があるとかないとか。

最近は物騒だな、そう思う事が増えてきた。

そんな世の中でも俺は満足できる。

俺はそういう人間だ。

 

 

「困ったな・・・」

ため息交じりの声が聞こえる。

廃ビルが立ち並ぶ一角に一人の男が立っていた。

男は真っ黒のスーツを着てタバコをふかしていた。

男はふと、時計を見る。

「・・・・困ったな・・・」

男はさっきと同じようにため息を出した。

しかし、そのため息を聞くものはまだ居ない。

男は仕方なさそうに携帯を取り出した。

そして、数度ボードを打ち耳へ傾けた。

プルルルル・・・・

不可解な電子音が続く。

プルルルル・・・・プッ!!

突然それが途切れた。

ツーツー

「・・・・・はぁ」

男はまたもやため息をついた。

その刹那、

チャララチャララララ・・・

聞き覚えのある音楽が響いた。

男は慌てて携帯を取り出す。

「今何時だと思ってんですか!!」

男は携帯に向かって叫んでいた。

「今どこですか迎えに行くから」

そういうと携帯から声が聞こえてきた。

「・・・・・後ろ」

男ははっと後ろを見た。

「あ、久しぶりです」

後ろにはやせ細った小柄な男が立っていた。

「はぁ、あなたはいつも・・・・なんで能天気なんですか?」

「あー、すみません」

小柄の男は軽くお辞儀をした。

「・・・はぁ」

また男はため息をついた、どうやら癖になっているらしい。

「ところで今日は何のようですか?」

小柄の男は目を細めながら聞いた。

「あー、例の銃についてだが・・・・・・」

男は何かを言いかけたが不意にやめた。

「・・・・いますね」

「ああ」

何かに気づいたのか男は背中に手を伸ばした。

「あ、いいです僕がやります。」

小柄の男はそう言うとポケットに手を突っ込んだ。

「危険だが・・・・あなたに任せてみましょう」

「ありがとうございます」

小柄の男はそれだけ言うと廃ビルに向かった。

廃ビルには黒い車が隠れるように置いてあった。

小柄の男はポケットから小型のピストルの先に注射針をつけたようなものを取り出した。

「これ、実験段階なので助かります」

小柄の男がポケットから何かを取り出したことで茂みに隠れていた黒い服装に身を包んだ人(男っぽい)が現れた。

小柄の男は黒い人(おとこっぽい)を見るとさっきのピストルを向けた。

黒い人(男っぽい)もサブマシンガンのような銃器を取り出した。

「遅いっ!!」

小柄の男がピストルの引き金?を引いた。

ビシュー

不思議と音は小さくとてもピストルとは思えない。

そして、ピストルと大きく違ったのはピストルの先から出たものだった。

目には見えない速さで直進する薄いピンクのような光、間違いなくレーザーである。

黒い人(男っぽい)は意表を衝かれたのか予想以上にダメージを受けていた。

「な、レーザーだと・・・・」

黒い人(男っぽい)は撃たれたところを押さえながらもう一度、銃を構える。

「・・・だから遅いんです」

小柄の男はそう言うと容赦なく引き金を引いた。

ビシュー

先ほどと同じ音を出しながら薄いピンク色の光は黒い人(男っぽい)の額を貫いた。

「う・・あが・・」

黒い人(男っぽい)は力がフッと切れたようにその場に倒れた。

パチパチパチ

どこからか気の抜けた拍手が聞こえた。

「お見事さん、それが新しく小型化したレーザー銃ですか?」

現場から少し離れたところに男が立っていた。

「はい、そうです・・・・・少し問題が残りましたけど。」

「問題?どこがどう問題なんですか?」

男は不思議そうな顔をして聞いた。

「熱処理がまだ追いついていません・・・これでは連射ができません」

「ってことは今日はまだ完成していないんですか・・・残念です。」

男は残念そうに顔をしかめた。

「まあ、もう少し待っていただけないでしょうか」

「ええ、こちらもまだ準備が整っていませんので・・・・では」

そういうと男はこの場を去っていった。

「ふう、」

男が完全に去るのを見ながら小柄の男はため息を漏らした。

「ブラックスフィンクスか・・・・少々厄介・・・だな」

傍らには先ほどの黒い人が横たわっている。

小柄な男は何か呟くとそのまま廃ビルの向こうへ消えていった

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「うわああ」

と男の悲鳴が響く。

場所は路地裏。

季節はもう、5月

周囲には誰も居ない。

黒くて短い髪に汗を浮かばせながら男は走る。

後ろからやってくる人影は・・・・・1人、2人、3人・・・4人ってさっきよりも増えてるし。

俺は山上灯路、中学2年生いまはわけあって不良共に追いかけられている。

両親は3年前の事件で他界。

今は子供が居ない叔母夫婦のところで暮らしてる。

とにかく人通りがあるところを通らないと。

そう、考えるうちに場所は路地裏から公園へと移った。

公園は薄暗く不健康に思えた。

そして、人影が見える。

これで、助かる。

「あ、あのっ助け・・はぁはぁ・・・・てください」

息切れがしてうまくしゃべれなかったけれどうまくいったはず

人影がしゃべった。

「なんじゃい、わりゃあ」

「ひっ!!」

”第2ラウンドですか?”

そして、また逃げる。

どれくらい逃げたのか判らなくなるぐらい逃げた。

・・・・・

ずっと逃げているといつの間にか後ろに居た人影が消えていた。

”助かったのか?”

と灯路は息を切らせながら後ろを振り向いた。

よく見ると薄暗い道にポツンと自動販売機がある以外何もなかった。

「ふう、」

ここで初めて灯路は安堵の息を漏らした。

”やっと帰れる”

そして、灯路はとぼとぼと帰路に向かった。

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暗くてジメジメとした地下室、私はそこが大嫌いだった。

でも、そこは大好きなお父さんの働き場所だ。

いつもそこで変な実験をしていた。

私はいつもそこにお弁当を届けたり着替えを持っていったりした。

私が来るとお父さんはいつも笑いながら頭をなでてくれる。

私はそれがうれしかった。

どんなに嫌いな場所でも大好きなお父さんになでられるならいい

そう、思った。

いつまでも、ここままでいたい。

そんなある日、お父さんは広島へ行くって言った。

もちろん、仕事のためだ。

私はお父さんを困らせた。

行かないでって。

お父さんはそれでも行った。

私はそれから家にこもるようになった。

お母さんが何を言おうとも私は家から出なかった。

そんな悶々とした日々が続いた。

お父さんはいつ、帰るのだろう。

お父さんはいつまで経っても帰ってこなかった。

ある日、1本の電話がかかってきた。

電話なんてあまり出ないものだが今はお母さんが買い物に行っているので出てみる事にした。

私は電話の受話器を耳につけた。

不吉な声が不吉な事を言った。

あなたのお父さんは死にました。

その声を聞いた途端、私は心を閉ざした。

 

 

 

キーンコーンカーンコーン

チャイムが響く。

そのチャイムは俺をせかした。

俺は自転車のペダルを深く踏んだ。

そして、一気に最後の坂を上る。

「ふぁああ」

気合を入れたら欠伸が出てきた。

(さすがに昨夜、走りまくったからなぁ)

そうしているうちに学校が見えてきた。

キキー

っとものすごい音を発てて自転車は止まった。

「後、3分じゃよ」

学校の門に居た爺さんが親指を立てて言った。

「ありがとう!!」

俺はそれをかために自転車置き場へと走っていった。

爺さんはそれを見つめながら呟く。

「和さん・・・あんたの息子は元気じゃよ・・・」。

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チャイムのなる前の教室は騒がしい。

チャイムが鳴るぎりぎりで教室に入った俺は急いで席に向かう。

「ふう」

席に着いた途端、息を吐く。

「おい、遅いのではないのか」

いきなり、後ろから声が聞こえる。

「なあ、そのしゃべり方、変だぞ」

俺は言い返す。

そして、振り向く。

すると、長身の少年が立っている。

「いや、いつも遅刻するお前が変!!」

長身の少年はピシッっと指を突きつけてきた。

この長身の少年は尾西 友広 俺の友人。

「えと、昨夜不良に絡まれたんだ。」

俺は右手で後頭部をなでながら言う。

「嘘だろ」

友広は目を細めて言った。

「いやぁ、嘘ではないよ」

(ホントだって)

「ふーん、そうなんだ」

友広はまだ信じてないみたいだ。

「はーい、みんな座って」

なんだかんだしていると担任の苅田先生が入ってきた。

仕方なくみんな座る。

「おい、灯路。あっち見てみろよ」

後ろからちょんちょんと友広がつついてくる。

うっとうしいから友広の言うとおりにする。

「なんだ・・・・ないにもないよ」

しかし、これといって珍しいものはない普通にクラスメートたちが座っているだけだ。

「よーく、窓の方を見てみろよ」

窓側の前の方を見てみる・・・・・が特に何もない。

俺は目線を前から後ろへ移す。

そして、よーく見る。

(・・・・・あれ?あんな生徒、いたっけ?)

窓側の後ろの席に1人の女生徒が座っている

女生徒は意外と美人で髪が長い。

見慣れない顔だ。

クラスにあんな奴居たっけ?

あんなに目立つ顔をしていたら普通、忘れない。

俺はまたもや疑問に思う。

女生徒はまじめらしく先生の話をきいているようだ。

「なあ、友広。あいつ誰だっけ?」

俺は友広に聞いて見る。

「はあ、クラスメートの宮本エイトだよ・・・・あの病弱な」

「ああ、そうだったな」

確かにそう言われれば思い出してくる。

(でも、何で忘れたんだろう?)

「珍しいよな、1ヶ月ぶりだっけ?」

「ああ、病気治ったのか?」

「さあな」

俺と友広はそんな他愛のない話をしながらHRをすごした。

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昼休み、俺達はいつもどおり戦場へと出向いた。

「おい、友広生きてるか?」

「ああ、今日も生き残れたな」

「そうだな売れ残りのパンはいいものが無いからな」

「まったくだ」

俺と友広は屋上で戦利品のパンをむさぼりながら世間話をしている。

これもいつもどおりだ。

しかし、そのいつもどおりを邪魔する奴が来た。

「あーいたいた。こっちこっち」

女生徒がこっちを見ながら手招きをしている

その無邪気な声はまるで、動物園で珍しい動物を見つけたときのようだ。

「おーい、そこの2人組」

女生徒が今度はこっちを見て言ってきた。

「なんだよー」

俺は一応、聞く。

「ここ、良い?」

女生徒はにんまりと笑いながら聞いてくる。

俺は

「どうしましょうか解説の友広さん」

とふざける。

こういうとき友広は決まってのってくれる。

「いやぁー難しいばめんですねぇー」

俺の予想通り友広は乗ってくれた。

しかし、女生徒は

「でっどうすればいいの?」

少し切れ気味なのに笑顔で聞いてくる。

「まぁーいいでしょうか。ね、実況の灯路さん」

「はい、ならいいでしょう・・・・ささ、こちらへ」

「良いなら良いって言ってよ」

女生徒は俺達の冗談を無視する。

この女生徒は友広の幼馴染の日隠 奈々いつもは女友達と弁当を食べているから屋上に来るなんて珍しい。

「あ、こっちおいで」

日隠は手招きをする

しかし、その向きは俺達ではなく自分が来た方向へしている

そのようすはまるで猫でも呼んでいるようだ

しばらくすると女生徒がやってきた。

髪が長く周りに居る人はみんなその女生徒を見ている。

「・・・・宮本さん?」

俺はその女生徒の名を呼ぶ。

「ああ、そう見たいですな実況の灯路さん」

友広はまだ冗談をやっているようだ。

「もう、遅いよ。」

俺の隣で日隠が文句を言う。

やがて、宮本さんがやってきた。

「隣、良い?」 

「あ、良いよ」

かなり簡単な会話だ。

まあ、今日はこんな感じで昼食をとる事になった。

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「へぇ、宮本さんって父親居ないんだ。」

「はい、3年前・・・・他界しました。」

いつの間にか友広と宮本さんは仲良く話してる。

友広はフレンドリーな性格だからな。

パンをむさぼりながらその会話を聞く。

「そう言えば・・・・灯路の両親も3年前だったな」

友広は俺に話を向ける。

俺は適当に「ああ」と答えた。

「そうなんですか・・・・」

宮本さんは悲しそうな感じで言った。

「俺の両親は3年前の広島で・・・・・」

俺はあの事件を思い出す。

突然の爆発、巨大隕石事件。

「あなたも親をあの事件で・・・・」

宮本さんのお父さんもあの事件で亡くなったようだ。

「そうだよ」

俺はあっさり言い放つ。

「そう・・・・・ですか・・・」

宮本さんは悲しそうに顔をうつむかせる。

ピリリリリリリリリ・・・・

突然、電子音が聞こえる。

「あ、私だ!!」

発信源は宮本さんのようだ。

「はい、宮本です。」

宮本さんが携帯を取る。

この学校は携帯が禁止なのだが気にしないでおこう。

「・・・・・はい・・・・・はい、判りました。」

電話はすぐに終わった。

「ごめんなさい、私。帰らないといけないの」

そう言って、宮本さんは教室へ戻っていく。

「どうしたんだ・・・・一体?」

そんな、宮本さんをみて3人は首をかしげた。

-10ページ-

 

 

「ただいま」

ガラガラっと家の戸を開ける。

俺の家は平屋の1個立てだ。

「おかえり」

と奥から陰気な声が聞こえる。

俺の叔父である。

俺は狭い玄関を抜け奥へと向かう。

「おかえり」

今度は陽気な声だ。

俺の叔母である。

「あー、そうそう。」

叔父が今、思い出されたかのように言う。

「来週から出張だから」

叔父は坦々としゃべる。

「えっ?それなら準備しなくちゃ」

叔母はマイペースだ。

「あー、それが今回は海外なんだ。」

「まあ、パスポートはあるの?」

「会社で準備したよ」

なんか長年夫婦してきましたって感じだ。

「それで、なんだが・・・・お前も一緒に来ないか?」

「まあまあ、どこに行くの?」

「ハワイだ」

「なら、行きましょう」

「灯路、そういうわけだから来週から居ないからね」

(ちょっと待てぇぇぇぇぇ)

心の中で激しく突っ込む。

「いや、俺が1人でいいのか?」

「・・・・うん、灯路ならいいのよ」

叔母は・・・・こういう人だ。

はじめから判ってたことだ。

「出張はいつまで」

俺はせめていつまでか把握しようと考える。

「さあな、いつまでだろう」

「・・・・」

(ぐおぉぉぉぉぉ)

叔父はいい加減だ。

こうしてマイペースな夫婦との突っ込み満載の会話を終えた。

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「疲れた・・・」

俺は布団の上でたおれている。

原因は叔母と叔父だ。

ここまで精神が疲れるとは思わなかった。

「腹減った・・・・」

俺は決して広くない部屋を後にした。

理由は腹が減ったから。

「・・・・ない」

冷蔵庫を開けてもすぐに食べれるものが無い。

・・・ぐぅ・・・・

棚を漁るが菓子の1つも出やしない。

仕方がないのでコンビニまで行こう。

「暑いな・・・・」

先ほどから一言しかしゃべらないのはそのせいだ。

今日は星空が綺麗だ。

そんなことを思いながらコンビニへ向かう。

なんとなく空を見上げる。

「・・・・流れ星?」

空には流れ星のような光が1つある。

流れ星はゆっくりと遠くへ向かう。

(あれは実際ものすごい速さで動いている・・・・だよな)

俺はそう思いながらコンビニへと向かう。

コンビニは24時間営業のはず・・・・だよな

俺はコンビニに着いたがコンビニはしまっていた。

周りには誰も居ない。

ってこの状況は昨日と同じ。

「・・・・・・なんで?」

っと思った事が口に出る。

「・・・・・・」

俺は呆然と立ち尽くす。

・・・・ぐぅ・・・・・

情けない音があたりに響く。

「・・・・・どうしよう」

腹はすくし、コンビニは開いてないわで俺の心は癒されなかった。

「帰るか・・・・・」

帰って寝る、それが今できる最大のあがき。

とぼとぼと帰路に付く。

空にはまだ流れ星がゆっくりと遠くへ向かっている。

「〜〜〜〜〜〜〜〜」

近くで声が聞こえる。

家の中からではない。

明らかに外だ。

俺はふらふらと歩いてる。

ちょっとづつその声の源まで近づいている。

たぶん携帯だろう。

「何っ!!E.Bが突破された、だと!!」

声の主は怒っているようだ。

「E.Uも落ちたな」

なんかよくわからないことを口走っている。

「黒い鳥を出すのか?」

・・・黒い鳥?

「ああ、いい判断だ。」

・・・この人は何を言ってるの?

「今から8番を送る。待ってろ!!」

・・・8番?・・・いったい何をいってるの?

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「くそっ!!こういうときにっ!!」

携帯を切ったようだ。

携帯で話していたのは男だった。

男はこっちを見ている。

「坊主、今日は危ないから帰れ」

男はいきなりそう言ってきた。

「今帰ってるとこです」

男は俺の様子を見て近づいてきた。

「これでも食え」

差し出してきたのはおにぎりだ。

「イインデスカ?」

なんか俺自身へんだと感じる。

「ほら食え。」

むしゃむしゃ。

俺はほおばった。

うまい、握り飯だ。

「何しているの佐山さん」

おにぎりを食べているとどこからか聞き覚えのある声が聞こえた。

「おお、来たか・・・・・今は可愛そうな坊主を救ってやってたところだ」

「ふーん」

と声の主が姿を現す。

長い髪に見覚えのある顔。

その人物が誰かすぐにわかった。

「あっ宮本さん」

「・・なんだ知り合いか?」

佐山と呼ばれた男は不思議そうに見てきた。

「・・・・・山上君?」

宮本は俺を見つめる。

「・・・・山上って山上 灯路か?」

今度は佐山が聞く。

「なんで俺の名前知ってんの?」

佐山は何か考えるとこういった。

「ちょうど良い、彼は元候補者だ。・・・坊主付いて来い!!」

「・・・行こう山上君・・・いや、村本君」

ゆっくりと動く流れ星の下。

俺の人生が変わる。

 

 

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