真・恋姫†無双 ~君思うとき、春の温もりの如し~ 8話
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袁紹軍と曹操軍が虎牢関に取り付き少したった。

両軍ともなかなか攻める隙を見つけることが出来ずにいる。

「そろそろ行きましょうか」

雪蓮姉さんはまだかまだかと待ちわびている。

「そうだな。「全軍!突撃!!」…はぁ〜」

冥琳が合図を出すよりも早く、姉さんの号令で俺達は袁術軍を前衛に押し出すため、虎牢関へと突撃を開始した。

 

華琳たちは事前の打ち合わせ通りに道を開け、俺達に押し出されるように袁術軍が前に出る。

この隙を狙ってか関の門が開き、深紅の呂旗・呂布と紺碧の張旗・張遼が出てきた。

前面に出た両袁家、袁紹と袁術の軍は呂布と張遼により兵を削られていく。

騎兵中心の張遼軍の突撃、呂布による突貫により、混乱する両袁軍は損害を増やしていく。

しかし仮にも袁紹は連合の総大将だ。袁紹が討ち取られることは敗北を意味する。

そう考えたのか、劉備たちは袁紹軍に張り付いている呂軍に攻撃を仕掛けた。

俺達も美羽がやられるのはまずい。

ある程度兵が削られたのを見計り、袁術軍を援護しにゆく。

俺達が張遼軍に攻撃を仕掛けると、二つの夏侯の旗も俺達に合わせて張遼にぶつかった。

 

「これだけ乱戦になると、張遼を討つのは難しいな」

「どうやら張遼は夏侯惇と一騎打ちを行っているようです」

軍の頭を倒すべく、張遼を探していると、思春が報告してきた。

「そうか、分かった。張遼は彼女に任せよう。俺達は袁術軍の後退を援護する!」

俺達は痛手を負った袁術軍を後ろに下がらせることに集中した。

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少し経つと前方で歓声が沸いた。どうやら一騎打ちは夏侯惇が勝ったようだ。

張遼が負けたことにより、呂布の方も撤退をはじめ、曹操軍は勝った勢いのまま虎牢関へと入って行った。

曹操の手により落とされた虎牢関に曹の旗が掲げられた。

「俺達はこのまま洛陽へと目指そう。

虎牢関の一番乗りは曹操にやったんだ。大手柄は俺達がもらおう」

「そうね。劉備に連絡して!私たちはこのまま洛陽に向かうと」

俺達が洛陽に向かう事を伝えると劉備たちもついて行くと言った。

華琳も俺達の動きを察知し、すこし後方からついてきた。

袁紹、袁術軍は損害がひどかっため、最後尾にいる。

「一刀。あなた何か考えているでしょう?」

そう言われると俺はビクッとなった。見透かされている。

「私に隠し事なんて無駄よ。

一刀の事なら何だってわかるんだから♪」

「姉さんには適わないな。

実は董た「ダメよ!」くを…まだ言ってないだろ」

「わかるわよ。どうせ董卓を助けたいって言いたいんでしょ。

私たちのところは唯でさえ不安定な立場なのよ。そこに世間で悪党の董卓なんて匿え無いわよ」

「わかってるよ。でも…」

「確かに私たちはところは無理って言ったわ。

でも他のところは…例えば劉備ちゃんのところとか」

劉備の優しさは底なしだ。きっと劉備なら事情を知れば董卓を保護するだろう。

姉さんとの話を終え、行軍速度を上げることにした。

こうなれば一刻も早く洛陽に行かなくては。

洛陽の前まで到着すると、そこには信じられない光景が広がっていた。

「洛陽が…燃えている!」

 

「行くわよ!住民たちの避難を優先しろ!」

驚きに呆けている耳に姉さんの声が聞こえ我に帰る。

「…一刀、あなたは董卓を探しなさい。わかった?」

「いいのか?」

「もちろん。弟のわがままぐらい聞いてあげるから。

こっちのことは私たちに任せなさい!」

「ありがとう。明命!董卓の所まで案内してくれ!」

「はい!」

俺達に続き、劉備、曹操も洛陽に入り、住民の避難や消火活動を行う。

俺は明命を案内に董卓の所へと向かった。

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【賈駆 side】

はぁはぁ、いそがなくちゃ。

虎牢関での敗走を知った張譲が王宮に火を付け逃げてしまった。

でもそのおかげで月を救出出来たけど、思ったよりも火のまわりが早い。

「月!頑張って!もうすぐで出口よ!」

私は月の手を引き、出口に向かって走る。

「詠ちゃん。私のことはいいから先に行って」

「ダメよ!そんなこと出来るわけ無いでしょ!ほら、頑張って」

倒れそうになる月を支え、再び手を引っ張る。

どうにか広場まで出てきた。ここは火の手が来ておらず、とりあえずほっとする。

「ここまで来れば大丈夫ね…」

私が一息つこうとすると、

「君が董卓だね?」

男の声が聞こえた。

誰?連合の人間?なんでこんなところに?

声の聞こえた方を向くと真っ白な服を来た男が立っていた。

私は月を守るため懐から小刀を取り出し男に向けた。

【賈駆 side end】

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「あんた何者!?」

貴族の格好をした女の子のそばに居た、メガネをかけた少女がこちらに小刀を向け威嚇してきた。

「連合の人間ね!何しに来たのよ!!」

小刀を持つ手が震えてる。

威嚇している女の子は見るからに戦う娘では無い、軍師か…

董卓の軍師、確か賈駆だったか。

「ああ、俺は呉の孫権だ。君たちを助けに来た」

「助けに?どういう事よ!あんたたちは私たちを倒しに来たんでしょ!」

「その通りだ。でも、本当に悪政を働いているのは張譲だって事を知った。」

「…その話、詳しく聞かせなさい」

張譲の名前を聞くと賈駆は少し緊張を緩めた。

俺はここまでの経緯を賈駆に話した。

「…そういう事。わかったわ。他国の間者は全部捕まえたのに。その娘は優秀なのね」

賈駆はよほど自分の腕に自信があったのか、明命を悔しそうに睨んでいた。

「で?どうするの?あんた達が私達を匿ってくれるの?」

「いや、俺達は無理だ。色々と事情があってね。代わりに君たちを保護してくれそうな人を紹介するよ」

「なっ!?そんな無責任な!」

「君の言うとおり無責任な話だ。でも信じてくれ。君達を助けたいという気持ちは本当だ」

俺は頭を下げ、賈駆たちに訴えた。

「頭を上げてください。孫権さんの言う事を信じます」

今まで言葉を発しなかった董卓が話した。

「月〜」

「詠ちゃん。私、孫権さんのこと信じようと思うの。

…詠ちゃんが助けに来てくれたとき、私本当に嬉しかった。

でもこの後どうするの?私は洛陽で悪政を働いた大悪党だよ。

ここから逃げてもきっと追われることになる」

「でも、本当に悪いのは張譲じゃ無い!「でも世間では違う」〜〜〜!そうだけど…」

「少しでも助かる望みがあるなら私はそれにかけたいの。そして私の罪を償いたいの、詠ちゃん!」

「〜〜〜!わかった…月の言うとおりにする」

「詠ちゃん!」

董卓の説得によって賈駆は一応納得した。

「孫権さん。あなたに信用の証として、私の真名を預けます。月と申します」

「…詠よ」

董卓は俺に真名を授けた。賈駆の方はしぶしぶといった感じで名乗った。

「ありがとう。俺は一刀だ。

…月、詠。早速行こうか」

 

劉備の軍の近くまで月達を案内すると

「ここからは二人で行ってくれ。さっきも言った通り、俺達は目立つわけにはいかないからね。

…あと、俺達の名前は出さないこと」

「そんなんで劉備が私たちの言う事を信じてくれるって言うの?どんな奴よ!?」

「本当のことを包み隠さず言ったら信じてくれる。劉備はそういう人物だ。

やましいことは無いんだろ?」

「当たり前よ!…わかったわ。あんたを信じるって決めたから」

「詠ちゃん行こ。一刀さん、ありがとうございました」

月はペコリと頭を下げたあと、詠と一緒に劉備の元へ向かった。

「俺達も帰るか、明命」

俺達も姉さん達の作業している方へと向かった。

説明
第8話です。
虎牢関の戦い後半です。一刀たちの策は成功するのでしょうか?
そして洛陽で連合軍たちを待っていたものとは…
今回の続きは少したら投稿します。待っててください。
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コメント
良いなあ。(readman )
取り付いたあとに突撃はおかしい。説得も戦闘もあまりにも描写が薄い。一刀、あるいは作者の思うとおりに状況やキャラが動かされていると感じます。(PON)
タグ
真・恋姫†無双 孫権 一刀 思春   

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