黒子……ですの。その5
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「…………はぁ」

 認めないといけないのでしょうか?

 わたくしが上条さんの事を好きだということを……

 わたくしはお姉さま一筋と、心に決めたはずですのに……それなのに、どうしても上

条さんの顔が声がチラついてしまうんですの。

 こんなのは一時的な気の迷い。そう思いたいのですけれど――

「心のどこかで、そんなことにしたくはないという気持ちがありますの」

 この気持ちを無かった事にしたくない。そんな気持ちが――

 

「おっ、白井じゃねーか。こんな所で何してるんだ?」

「か、かか、上条ひゃんっ!?」

 あぅ……っ、噛んでしまうなんて恥ずかしいですの。

「こほん! えっと、上条さん。どうしてあなたがここに?」

 改めて言おうとした言葉を言う。

 この人は急に現れるから本当に心臓に悪い。しかも基本、上条さんの事を考えている

時によく現れるから質が悪い。

「いや、まぁ……ただ散歩してただけで、白井の方こそ何でここに?」

「わ、わたくしは、その――」

 ただ考え事をしてたら、いつの間にかこの場所にいただけですので……

「特に理由なんてありませんの!」

「そ、そうか……」

 ――バカ! バカバカ。黒子のバカ!

 どうして、そんな怒ったような口調で言うんですの!? もっと、こう……優しく言

う事が出来ませんの?

「えっと……いい天気ですね」

 うがー、わたくしは何を言っているんですの!? こんなお見合いで言うような古典

的な言葉を言うなんて……

「……そうだな。まぁ、もう夕方だけどな」

 ふ、普通に返されましたの。それはありがたいのですけれど、なんというかその……

「でも、こんだけ天気がいいと星がよく見えそうだな」

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」

 この人は。この人は――

「つっても、星の事なんて全然分からないんだけどな」

 そう言って、笑顔を浮かべる上条さん。

 反則。反則ですの。

 何なんですか、この反則の塊のような笑顔は!

 こんなのを見せられたら、上条さんをちょっと知っている人間なら誰だって、恋に落

ちてしまいますの!

 

 あぁ、もう認めるしかないですの。

 わたくしは上条当麻さんに――恋をしていますの。

 

「あ、あの……上条さん?」

「ん? どうした白井」

「その……よろしければ今度わたくしとデートしてくださいませんか?」

「ええっ!? お、俺と!? もしかして凄く重い物でも持たせようとか?」

「違いますの。純粋なデートですの」

「そ、そうなのか?」

「ええ。ダメでしょうか?」

「だ、だだ、ダメなんかじゃないぞ」

「よかったですの……」

「しかし、本当に俺でいいのか?」

「上条さんがいいんですの」

「そ、そうか」

「ええ。では、今度の休みでよろしいでしょうか?」

「おう」

「では、楽しみに待っていますので」

「俺も楽しみに待っているよ」

「ふふ♪」

 

 デートの約束をする事に成功しましたね。

 ふふっ♪

 わたくしが初めて好きになった殿方。

 絶対にあなたを逃がしはしませんから。覚悟しておいてくださいましね。

 

説明
久しぶりなのかな?
これにてやっと物語が進みます。
そして次回はデート?
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とある魔術の禁書目録 二次創作 上条当麻 白井黒子 

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