仮面ライダーディケイド×新・恋姫†無双 feat戦国乙女 新たなる外史への扉 第7話  演女劇男
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第7話  演女劇男

 

 

ここ、安土ではある工事が行われており、その現場監督はヒデヨシであった。

 

「う〜ん」

 

頭に安全ヘルメットならぬ安全帽を被っているヒデヨシ。

 

「あれがこうで、それがこうで……。あ、ケンシンさん! それはそこにおいてください」

 

工事の手伝いをしているケンシンに指示をするヒデヨシ。

すると同じく工事の手伝いをしているシンゲンはケンシンよりも大量の土嚢を持ってきていた。

そのことでやはり張り合おうとするシンゲンとケンシン。

 

「ああ、やめて二人とも〜」

 

二人の張り合いを懸命に止めようとするヒデヨシ。

その様子を少し遠くから見ているノブナガとミツヒデ。

 

「ヒデヨシの奴は誠に面白い。今度の祭りも奴のおかげで成功しそうじゃ」

「………」

 

ミツヒデはあまりいい様子ではなかった。

その理由はここノブナガの領土では年に1回祭りを開いており、いつもは巫女を呼んで舞を舞ってもらっていたのだが、ヒデヨシが祭りをするなら文化祭のようなものにして演劇をしようと言い出した。

ノブナガはヒデヨシの意見を採用。そして総指揮権はヒデヨシにゆだねられたのだ。

 

「さあ、皆張り切っていこうーーーー!」

(あやつはどうしていつもでしゃばった事を……)

 

張り切りヒデヨシと嫉妬するミツヒデ。

それを更に離れた場所で見る一刀。

 

(随分ご立腹だな。アレを起させるトリガーになってるな……)

 

一刀はミツヒデに関するあることを頭に浮かべる。

 

「(ま、何があっても阻止してやるけどな……)俺は何すれば良い?」

 

一刀がヒデヨシのところに来て手伝いを請う。

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その日の夜。

 

「舞台作るのってこんなに大変なんだ〜。もう寝たい……」

 

ヒデヨシは自分の部屋の布団で寝転びながらそう言った。

 

「だったら寝ろよ」

 

ヒデヨシの部屋にいた一刀がそう言うが……。

 

「でも早く台本を書かないと……」

「大変だな」

「そりゃあ、責任者あたしだもん。頑張れあたし!」

「あのよ〜」

 

そこにシロがやって来る。

 

「その台詞は三日前から聞いてんだけど…」

「だってさ、メールうつこと以外文章なんか書いたことないんだもん。

ストーリーだって思いつかないしさ…」

「しょうがねえ、俺がネタを提供してやるよ」

 

ネタ提供を申し出るシロ。

 

「ほんと!? どんなの? どんなの!」

 

ヒデヨシが藁にもすがる思いでシロに尋ねる。

シロは語る。それはか弱き女性が強姦され、それを助ける白き犬の物語。

そしてその礼はお金ではなくその女性自身と……。

 

「アホか!」

 

一刀がシロの頭を殴る!

 

「いててて」

 

シロは頭に兜をしているため、一刀は必然的にその兜を殴ることになり、少し手が痛む。

 

「そんなの無理!」

 

ヒデヨシも無理だと言った。

 

「じゃあ、次だ」

 

シロはまた語る。今度はシロが悪人となって、女性達に服を脱ぐ事を強要させる。

 

「それもダメ!」

 

ヒデヨシが適当なものをシロに向かって投げ飛ばし、シロに命中。

 

「ならこれだ!」

 

シロは再び語る。(内容は言えません)

 

「バカーーーー!」

 

ヒデヨシにぶっ飛ばされ、扉を突き破るシロ。

 

「誰か、台本手伝って〜。一刀さんもお願い……」

「っても俺、そういう才能はないぜ……」

 

一刀は考える。台本とまではいかないがあらかたの事なら風や稟が手伝ってくれるだろうし、少しおかしい話なら星や蒲公英も可能である。

 

「(とりあえず後で電話して聞いてみるか……)って、あれ?」

 

一刀が考えているうちにヒデヨシが部屋から出ようとしていた。

 

「どこ行くんだ?」

「手伝ってくれそうな人探してきます」

「あ、そ」

 

ヒデヨシは部屋から出て行った。

ヒデヨシはとりあえずいろんな人の部屋を訪ねてみたが……。

 

「もうすぐ朝になっちゃうよ。絶対間に合わないよ〜」

 

結局、適材な人が見つからず、部屋の前へと戻ってきたヒデヨシ。

 

「うわああああん、誰か助けて…」

「助けて進ぜますわ!」

 

そこにヒデヨシの部屋から突然ヨシモトが現れる。

 

「ヨシモトさん!?」

「舞台をするんですってヒデヨシちゃん。どうして、私に声をかけてくださらないの」

「部屋とかにいなかったからじゃないのか?」

 

同じく部屋にいた一刀がツッコミを入れる。

 

「芸術の事ならこの私に任せなさい。ほら」

 

ヨシモトの見る先には様々な書物があった。

 

「うわぁ〜」

「竹取物語に伊勢物語、どれも古いのばかりだぜ。さすがはヨシモトだな。持っていたとは思わなかったぜ」

「恋物語は心を豊かにしてくれるもの。そのお芝居とやらの参考になりますかしら?」

「なります、なります。バッチグーです」

 

ヒデヨシが親指を立てる。

 

「やっぱり…」

「まあ、参考程度にはなるか」

「何だこれ?」

 

シロが目の前にある一つの書を見てぼやく。

 

「あらあら犬さんそれは…」

「何だ?」

 

一刀も少し目が惹かれるが……。

 

「っ!」

 

一刀は題名を見て絶句した。

 

「『百合物語』?」

 

そう、ヒデヨシが今言ったようにそのように書かれた本があった。

 

「私、自分で物語を書いてみましたの」

「すっご〜い。あれヨシモトさんの自作小説なんだ」

「ノブナガさん達と楽しい事をしていると色々と物語が浮かんできてしまいますの〜」

「………」

 

一刀はあまりの事で何も言えない。

 

(詠やねねに華琳じゃあるまいし……)

 

一刀は該当しそうな人物の名前と顔を思い出す。

 

「ってこれって……!」

 

本の中身を見たヒデヨシも驚き、シロは後ろで盛大に鼻血を出す。

 

「俺、裏方とか舞台の回り警備とかにするわ」

 

一刀は舞台に出ることを諦めた。

 

「もちろんヒデヨシちゃんも登場しますわよ」

 

ヒデヨシは色々思いつく。

 

「無理、絶対無理だからー!」

「そうですか……」

 

シロは後ろで大興奮であった。

 

「私はとてもいいと思うのですが……」

「無理! 無理! 絶対無理!」

 

そこにミツヒデがやって来る。

 

「……」

 

一刀はミツヒデの顔を見てすぐに気付いた。

 

(こいつ……)

「あけりん、助けて! このままだとあたし…」

「…いいんじゃないか」

「え!?」

(やっぱり聞いてやがった)

 

一刀はミツヒデが聞いていた事に気付いたのだ。

 

(あの表情はそうとしか読み取れないぜ……)

「た、たまには人間同士、裸の付き合いも必要だ……」

(それは風呂の時に言う台詞だろ)

「ですわよね〜」

「えええええええええ!? こうなったら採用しますけど、絶対手直ししますからね!」

「おーほっほっほっ」

(その笑い方……!)

 

一刀は思わず部屋の上を見るが、誰もいなかった。

 

(気のせい……いや、わずかにだが人がいたのは確かだな)

 

一刀はわずかにあった天井の埃がないことに気付く。

 

(伊達先生……ではないな。体の大きさが違う。恐らくはイエヤスの隣にいたあの忍か……)

 

一刀の読みどおり、先ほどまでいたのはイエヤスの側近のハンゾウ。

ハンゾウは芝居の事をイエヤスに報告。イエヤスはその芝居の裏で何かを画策しようとするのであった。

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翌日になり、舞台は一通り形をなしてきた。

 

「よ〜し、あそこが出来れば完成」

「領民達に手伝わせればもっと早く出来ただろ」

 

シロがヒデヨシに言う。

 

「ダメだよ。領民さん達はお客さんじゃない」

「それはそうだけど……」

「こういうのは俺達が自分から動いて作るもんだ。じゃないと領民達の心は動かないし、俺達に付き合ってくれないからな」

「ヒデヨシ、一刀、準備は出来たか?」

 

そこにノブナガ、ミツヒデ、ヨシモト、イエヤスがやって来る。

 

「はい、お館」

 

それから程なく舞台は完成した。

そしてとりあえずの台本を全員に渡す。

 

「それでお館の台詞は『ミツヒデ、わしに惚れたな』」

「むっ、そうのか? ミツヒデ」

「えええええ!?」

 

ミツヒデは大いに驚く。

 

(当たらずとも遠からず……いや、当たりか)

 

一刀は思わず苦笑いした。

 

「いや、これは芝居の台詞で……」

「台詞?」

「あなたの好きな能と同じ、作り話ですよ」

「そうか、作り話か。すまぬミツヒデ、勘違いをした許せ」

(許せっ!)

 

一刀は思わずどこかの蜘蛛男を連想した。

 

「いえ、お館様もったいないお言葉…」

「とにかく先に進めますよ」

「お、おう!」

 

こうして芝居の練習は一応進んでいった。一刀は呆れ気味でシロは大興奮であった。

 

「おい……」

 

一刀は思わずシロに対してそうぼやいた。

そしてノブナガの元にたくさんの女性がやって来るシーンの練習になった。

しかもその中にはマサムネ(伊達先生)もいた。

 

「で、で、で、で、ではお館様失礼ながら……」

 

ミツヒデは色んな意味で緊張していた。

 

「うむ苦しゅうないぞ」

 

ノブナガは布団の上で両手を広げて、普通に待っていた。

 

「は、は、は、はい!」

「早くなさい!」

 

ヨシモトが思わずミツヒデを後ろから押し倒す。

 

「!」

 

ようやくノブナガの腕にミツヒデの頭が乗る。

 

「さあ、始めるぞミツヒデ!」

 

ノブナガは真剣である。

 

「は、はい」

「よーし、いけーーーー!」

 

シロは早く続きがみたいと興奮。

 

「お館様、私のお姉様になっていただけるのですね…」

「愛い奴よ」

 

ノブナガはかなり棒読みであった。

 

「私も可愛がってくれないといやいや」

 

するといつの間にかミツヒデの反対側にいたヒデヨシが台詞を言う。

 

「うん、貴様も愛い奴よ」

 

やっぱり棒読みのノブナガ。

 

「お館〜」

『私(拙者)達も〜』

 

そこで他の面々が全員来る。

 

「おお、愛い奴らじゃ〜。しかしこれでは体がいくつあっても足りぬな〜」

 

そう言うノブナガをよそに女性達がノブナガの下に体を倒す。

 

「ぅおおおおおお!!」

 

シロの興奮度はさらに高まる。

 

「わ、わしも〜〜〜〜〜!!」

 

シロはジャンプしてノブナガ達の中に混ざろうとする!

 

「シロ、ダメーーーー!」

「ファイナルアタックライド、ディディディディケイド!」

 

すると突然シロの目の前にディメッションキックの時の金色のカードの壁が現れる。

 

「へ!」

「たああああああああ!!」

 

いつの間にかディケイドに変身していた一刀のディメッションキックがシロに命中!

 

「まだまだもういっちょーーーーー!」

 

シロは後ろにある琵琶湖に落ちて行った。

 

「まったく……」

 

呆れてそれ以上言えない一刀であった。

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そして夕方、ヒデヨシ、シロ、一刀は城の外で適当なものを持っていた。

 

「危うく死んじまうところだったぜ」

「悪いのはお前だ。俺はちっとも悪くない」

「俺が死んじまったら帰れなくなるかもしれないんだぜ」

「えええ! そうなの!?」

「正直その時は俺がどうにか出来るようにするさ。それに殺さないように一応手加減してたんだぞ」

 

三人が話していると木陰でシンゲンが何かを持って待っていた。

 

「シンゲンさん?」

「やあ、ヒデヨシ」

「どうしたんですか、シンゲンさん。こんなところで」

「ははははは、今日はご苦労、大意であった」

 

シンゲンが近づいてくる。

 

「疲れたであろう、ほれ」

 

シンゲンは手に持っていた重箱をヒデヨシに渡す。

 

「わしの領地の銘菓じゃ。糖蜜をつけて食う」

 

重箱に入っていたのはお菓子であった。

 

「それって…」

「わあ、これ知ってる。ありがとうシンゲンさん」

「やや、あーははは、まあなんだ。その代わりと言ってはなんなのだが……」

「え?」

「そのなんだ。わしはもっと目立ったほうが良いと思うのだ」

(ああ、そういうことか…)

「は?」

 

一刀はシンゲンの思惑がすぐに分かった。

しかしヒデヨシは気付いていない。

 

「ああ、いや芝居のことだ。特にケンシンよりもな…。

あ、それじゃあ、頼んだぞ」

「へ?」

「じゃ」

 

シンゲンは渡すものと用件を言ってすぐに立ち去った。

 

「シンゲンさん!」

「やあヒデヨシ」

 

すると今度はケンシンが後ろからやってきた。

 

「あ、ケンシンさん」

「ちょうど良い。可憐な花が一輪咲いておった」

(お前もか)

 

やはりケンシンの思惑にすぐに気付く一刀。

 

「そなたに似合うと思ってな」

 

ケンシンはヒデヨシの頭に花を飾る。

 

「拙者はそなたの体が気になって仕方が無いのだ」

「へええ!?」

(今度は色仕掛けか)

 

シロは興奮を抑える。

 

「可哀想にこんなに肌が荒れて…、この所ほとんど寝てないのではないのか?」

(な、何? ケンシンさんは…あたしそんな……)

「そうだ、拙者に良い考えがある」

「へ?」

「一緒に芝居の中身を考えてやろう。なに簡単だ、拙者の出番を少し増やして派手な剣劇で盛り上げるだけでよい。さすれば……」

「わか、分かりました。そうしますから…今日のところはこれで……じゃ」

「じゃあな」

 

ヒデヨシは逃げるようにシロと一刀はそれを追う様に立ち去っていった。

 

「おい、ヒデヨシ、まだ話の続きが……」

 

ケンシンの言葉を聞かず、三人はいなくなった。

三人は屋敷に戻る。

 

「はあ、驚いた。キスされるかと思った」

「いいじゃねえか、減るもんじゃないし」

「えーーー!」

「あ、もしかしてしたことねえの? キス」

「別の世界の俺はあるが、この俺は……ないな」

「うるさい、うるさい、うるさーい!」

「うるさくて御免あそばせ」

 

三人が話していると後ろの扉突然開く。

そこにはヨシモトがいた。

 

「て、ヨシモトさん。なんですか、その衣装は?」

 

ヨシモトの衣装は十二単であった。

 

「十二単か」

「お芝居の衣装が地味と思いましてどうかしら? これ」

「はあ? もしかしてその衣装で出るんですか?」

 

十二単だけでも目立つのに色もかなり目立つ色であったが……。

 

「うーん、まだ地味ですわね」

 

ヨシモトはまだ満足してなかった。

 

「はあ?」

「腕に銀でも巻いたらどうだ?」

 

一刀の言った台詞はよく漫画やアニメで言われるネタ台詞を改造したものである。

 

「流石にそれは重過ぎますわ」

 

この世界ではまだ銀は金の塊と同じような認識でしかないので、一刀が銀と言っても銀の塊しか連想されない。

一刀が銀と言ったのはシルバーという英語が伝わらないからである。

ヨシモトは色々考える。巫女服、忍者服、下一枚のみ。

そしてバニースーツ……。

 

(外史ってもなんであるんだよ)

 

一刀は思わずツッコンだ。自分達のいる外史にもないわけではないが、基本的に全て一刀の発案である。

一刀はこの世界ではそんな発案をしていない。つまりはバニースーツは地でこの世界にあるのだ。

そしてヨシモトは終いにはとてつもなくでかくきらびやかな衣装を出してきた。

 

(紅白歌手じゃないんだぞ……)

「なんか変っすよ! 途中から!」

 

ヒデヨシも流石にツッコンだ。

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そうこうしているうちに夜になった。

 

「なんかいっぱしにTHE芸能界になってきたな。

ちょっと前まで芝居なんて誰も知らなかったのによ」

「外史だからってあんな衣装はないと思うぜ。俺かヒデヨシが発案したならともかく……」

「何でそっちに行くんだろ? 皆で盛り上がるだけでいいじゃない」

「なにいい子ちゃん発言してんだよ」

「いい子ちゃんだもん」

 

三人が歩いているとイエヤスを見かける。

 

「あ、とくにゃんだ。とくにゃんならあたしの気持ちと同じハズだよ」

 

ヒデヨシはイエヤスのところへと走っていく。

 

「おい、ちょっと待て」

 

一刀が追う。

 

「おーい、とくにゃーん」

「ああ、ヒデヨシさん。お芝居うまくいくといいですね」

「いや、お前も参加するならお前もうまくいく様心がけろよ」

 

一刀の言葉で思わずイエヤスは一刀を睨む。

一刀は睨まれて鼻で笑う表情をする。

 

「ならそれなんですが、私考えたんです」

「え?」

「どうすればもっと面白くなるかって」

「…」

「とくにゃんまで!?」

「ノブナガさんがご乱心しちゃうんです」

「!」

「へ?」

「皆をバッタバッタと斬り倒して酷い目に遭うんですけど、私がえーいってやつけちゃうんです」

「!!」

 

流石のヒデヨシも絶句した。

 

「大丈夫です。お稽古でノブナガさんに内緒にしとけばいいのです」

「良くないだろ」

「私本番で頑張りますから。では……」

 

イエヤスはそう言って立ち去った。

 

「もしかして……とくにゃんって結構腹黒?」

「そうだ」

「あのタイプはそうだろ」

 

一刀とシロは肯定する。

 

「本番どうしよう…」

 

ヒデヨシは悩む。

 

(イエヤスめ、邪魔者全てをノブナガに倒してもらってあわよくばノブナガの命を奪おうという魂胆か。

悪いがそんなこと絶対させないからな)

 

一刀はディケイドのライダーカードを取り出す。

 

(こいつにかけてな)

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そして本番当日。

舞台裏ではそれぞれの武将がそれぞれいきこんでいた。

 

「皆大丈夫かな?」

 

心配するヒデヨシ。

 

「信じてみな」

 

そうしていると始まりの太鼓がなる。

 

「それじゃあ俺は外にいるからな」

 

一刀は外に出て行った。

そうして芝居が始まった。

芝居は観客達は盛り上がっている。

 

(殿、必ずや殿の作戦成功させて見せます)

 

ハンゾウは舞台の屋根でその様子を見てすぐに立ち去る。

その様子を少し遠くから見る一刀。

 

(忍者がそんな目立つところにいるなよ。明命ならともかく……)

 

芝居は続き、夕方になった。

 

「舞台は最終幕、皆さん張り切っていきましょう」

『おおおお!!』

 

ヨシモトの号令に答える。

 

(今度こそ! 今度こそ絶対にーーーー!)

 

かなり張り切るミツヒデ。

 

(さあ、もうすぐです)

 

暗躍するイエヤス。

 

(まさかホントにしないよね、あんなこと…)

 

心配するヒデヨシ。

 

(殿、言われたとおりノブナガの台本をすり替えておきました)

 

ハンゾウが既にノブナガの台本をすり替えておいた。

しかしハンゾウもイエヤスも気付いていない。

現在ノブナガが持っている台本は元のものだということに…。

何故かというと一刀がハンゾウがすり替えた直後にすり替えたからだ。

 

(しかしそれだけでは子供の使いだ)

 

ハンゾウは少し自分のやったことに不満があった。

 

(拙者自身の手で殿を手助けすることが…やや、ここに火打石が…)

 

ハンゾウはよからぬ事を考えた。

 

「さあ、いつでもいいぞ。幕を開けろ」

 

ノブナガはスタンバイOKであった。

ハンゾウは火打石で幕に火をつける。

幕の火は燃え広がり、舞台全体へと広がる。

 

「火事だと! 逃げろ!」

 

一刀が観客達の避難誘導をする。

 

「くそ、火をつける路線に変更……か?」

 

流石の一刀も突然の事で少し混乱していた。

火をつけた当人はイエヤスにこってり怒られた。

武将達は何とか舞台から逃げていたが……。

 

「ノブナガ殿は?」

「いやーーー、助けてーーー!」

 

ノブナガの姿がないだけでなく、ヒデヨシも取り残されていた。

 

「おい、ノブナガとヒデヨシはどうした?」

 

ディケイドに変身してきた一刀が来る。

 

「おお、一刀殿」

「それが二人は……」

「まだあの中ってことか」

 

ディケイドはライダーカードを一枚取り出す。

 

「新作のこいつを使ってみるいい機会ってところか」

 

ディケイドはディケイドライバーにそのカードを挿入する。

 

「フォームライド、オーーーーーズ! シャウタ! シャシャシャウタ! シャシャシャウタ!」

 

ディケイドはオーズのシャウタコンボの姿、ディケイドオーズシャウタへと変身した。

 

「はっ!」

 

ディケイドオーズシャウタの手から水が噴出してくる。

 

「おお!」

「火が消えていく」

 

燃え盛る炎はシャウタの水で消えていくが……。

 

「っても思ったより火の勢いがあるな。仕方ねえ」

 

火はまだ完全に消える様子はない。

ディケイドオーズはそう言ってまだ燃えている舞台に突っ込んでいく!

 

「一刀殿!」

「火を消しながら、あいつらを探す!」

 

ディケイドオーズが燃え上がる炎を消し、落ちてくる木材を破壊しながら進んでいくと……。

 

「ノブナガ! ヒデヨシ!」

 

ノブナガに助けられていたヒデヨシと合流する。

 

「一刀さん?」

「何だその姿は」

「んな事言ってる場合じゃねえ!」

 

すると三人の上から今までよりも大きいまだ燃えている木材が落ちてくる。

 

「ちっ!」

 

三人がまだいた舞台が完全に崩れ落ちる。

 

「お館様!」

「ヒデヨシ!」

「一刀殿!」

 

皆が残っていた三人の名前を叫ぶ。

 

「フォームライド、オーーーーーズ! タジャドル! タ〜ジャ〜ドルゥ〜」

 

その音声と共にクジャクウイングを広げたディケイドオーズタジャドルが埋もれた舞台から二人を連れて空へと上がる!

 

「はっ!」

 

ディケイドオーズは二人を下へと下ろす。一刀はノブナガを支えていたが、ノブナガはヒデヨシを抱きとめていた。

 

「ふぅ。こいつで後始末するか」

 

ディケイドオーズは新しいカードをディケイドライバーに挿入する。

 

「フォームライド、キバ! バッシャー!」

 

ディケイドオーズはディケイドキババッシャーへとフォームチェンジし、バッシャーマグナムで残った火を消す。

そして火は完全に鎮火した。

 

「これでよし」

 

一刀は変身を解く。

 

「お館様!」

 

皆がノブナガ達の下に駆け寄る。

ノブナガは腕を大きく上げる。

 

「わしの領地では誰も死なせん! だーーーはっはっはっ!」

 

ノブナガのその姿に領民達も見惚れた。

 

「まったく、俺のこと無視かよ」

 

少しいじける一刀。

 

「ってもヒデヨシ助けたのはあいつだから変わらないか」

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それから数日後、領民達の子供はノブナガのその時の台詞や格好を真似る遊びがはやった。

 

「芝居は台無しだというのに…」

「台無しどころか大成功でございます、お館様。領民達も喜んでおりまする」

「そうか。それでマサムネ、話とは?」

 

伊達先生はノブナガに話があったようだ。

 

「実は真紅の甲冑の残りの在り処が分かりまして」

「「何!?」」

 

ノブナガと一緒に一刀も驚く。

 

「残り三つは西国にあるらしく、先方には既に文を出しておりまする」

「それが手に入れば甲冑は全て揃いまする」

「そうか、いよいよ天下統一へ。だーはは! あーははは!」

 

ノブナガは笑う。

そして眼光を微妙に変える伊達先生。

それを見逃さない一刀。

 

(あの先生…甲冑を集めさせて何する気だ?)

 

やはり伊達先生に疑念を持っている一刀であった。

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おまけ

 

 

作者「第7話の投稿です」

一刀「遅れるんじゃなかったのか?」

作者「今回はたまたま出来ただけだ。来週も出来るかどうかなんて分からない上に俺のパソコンが最大のピンチを迎えた」

一刀「どうした?」

作者「RAID0にエラーが出て直せない」

一刀「まだネット見れるなら直し方見ろよ」

作者「それでも俺には直せない。業者に頼む気なんてあまりないし…。というより近々パソコンの買い替えを考えてたからなおさらだ」

一刀「買い換えるのか」

作者「だってこのままじゃテレビ見れないじゃないか。おまけにBDも見れない。なら、買い換えるしかないじゃないか!」

一刀「そこは好きにしろ。今回の話になるが、シャウタとタジャドルが出るとは思わなかったぞ」

作者「タジャドルは最初っから出す予定だった。シャウタは書いていく中で出したほうが良いと思って出した。ちなみにキババッシャーは最初っから出す予定だった」

一刀「シャウタは特別か。しかしオーズのタジャドルといえば…」

作者「今度の土曜日にフィギュアーツで出るんだよな」

一刀「買う気か?」

作者「まあな。雨でも行くつもりだったが大雨となると少し悩む。まあそのときにでも考えるさ。

今回は何とか1週間で書けたけど次回もうまくいくかは分からない。リアル事情にパソコン事情と大変なことが重なってるからな。

それでは!」

説明
この話は作者が書いていた「仮面ライダーディケイド×新・恋姫†無双」の続編とされるものですが、舞台は「戦国乙女(アニメ版)」となっています。また話によっては主人公である一刀があまり出番がないことがあることをご了承下さい。
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コメント
タジャドルカッコいいわー!!続き楽しみにしてます^^(tukasa)
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