己の信ずる道を行け |
ここは、夏口に駐屯している黄祖の支配下の一つの町である・・・
そこでは一人の男が、都督を務めていた。名を、蘇飛・・・
この蘇飛は、文武両道のお手本とも言え、武は孫策にも匹敵するとも言われ、智は周喩にも劣らず、その上優しさもあるため、この当たり一帯では、かなりの評価を得ていた・・・
前回から、1日目・・・
蘇飛「・・・・・・」
甘寧「zzz・・・うん?朝か、これは?」(バサッ)
何かの布が、体に被せてあった・・・
甘寧「こんなものは・・・」
ふと、蘇飛を見てみると、ああ、納得・・・
甘寧「コイツのか・・・」
蘇飛「・・・・・・」
甘寧「それにしても、何故そんなに辛そうな顔をしているんだ?・・・」
蘇飛は妙に顔を歪めていた・・・
甘寧「おい・・・起きろ・・・」
蘇飛「・・・な・・・」
甘寧「?」
蘇飛「ゴメンな・・・」
確かに蘇飛はそう言っていた・・・
甘寧「おい、起きろ・・・」
手が蘇飛に触れた瞬間・・・
蘇飛「やめてくれ!!」(ガバッ!)
甘寧「!?」(ビクッ!)
出していた手を反射的に引っ込めた・・・
蘇飛「あぁ・・・悪いな・・・」
甘寧「・・・別に、構わん・・・」
辺りが静寂する・・・
甘寧「ほら、上着・・・」
蘇飛「・・・・・・・」(スッ)
黙って受け取る・・・
甘寧「ここは、何もすることが無いな・・・」
蘇飛「いきなりどうした?・・・」
甘寧「つまらんから、話し相手になれと言っているんだ・・・」
蘇飛「・・・・いいぜ・・・」
壁から離れて、座る・・・
甘寧「そうだな・・・私の昔の話をしよう・・・」
少しずつ話し始めた・・・
甘寧「私は昔、役人をやっていたんだ。といっても、たいした事はなかったがな・・・それでな、ある日気づいたんだ他の役人共が民に対して、圧政をしいていることを・・・」
蘇飛「・・・・・それで?・・・」
甘寧「直ぐに役人などやめたさ・・・それで、ならず者たちを束ねて民の役に立てそうな義賊になったんだ・・・」
蘇飛「・・・・・・・」
甘寧「そして、民に対して悪政をしている奴や、賊どもを片っ端から殺して殺して殺しまくった・・・」
蘇飛「民からは感謝されたか?・・・」
甘寧「あぁ、もちろん。だがな・・・一向に悪政は減らない。むしろ増えた・・・」
段々、声が強くなっている・・・
甘寧「だから、私は馬鹿共の上に立ってやろうと思った・・・フッ、でも現実は甘くなかった。力だけでは、何も出来ない・・・賊出身だから、任用されない、どいつもこいつも・・・」
蘇飛「だから、此処に来たんだな・・・」
甘寧「黄祖といい、劉表といい・・・呆れ果てた・・・だが・・・・・・・」
蘇飛「だが?・・・」
甘寧「『貴様』のような奴もいる・・・そんなことを思ったのだ・・・」
蘇飛「・・・意味がわからん?」
一呼吸して・・・・
甘寧「私の昔の話は、こんなものか・・・t「鈴・・・」ん?」
蘇飛「お前の通り名は「鈴の甘寧」だろ?鈴はどうした?・・・」
甘寧「鈴?これのことか?」
そういって、懐から錆だらけの鈴を出した・・・
蘇飛「錆・・・」
甘寧「しかたないだろ!水の上での生活だから、錆びるのも仕方ないんだ!」
なぜかわからないが、妙に大きな声を出す・・・
蘇飛「その鈴は、どうしたんだ?まさか?・・・」
甘寧「全く・・・勘違いするな、これは貰い物だ・・・」
蘇飛「貰い物か・・・」
甘寧「だが、自分も覚えていないんだ、誰から貰ったか・・・」
遠くを見るような目をする・・・
蘇飛「そうか・・・なら、俺は寝る・・・」
甘寧「はっ?お前の話h「明日してやる、だから少し寝かせてくれ・・・」・・・・・」
壁に寄りかかる・・・
蘇飛「そうだ、甘寧・・・」
甘寧「なんだ?」
寝るといったくせに、質問してくる蘇飛を不思議に思う・・・
蘇飛「お前って・・・案外いい奴なんだな・・・」
甘寧「いまさらか・・・」
蘇飛「フッ・・・・・・・・・・・」
甘寧「おい?、寝たか・・・やれやれ・・・・・・・・・・・」
『明日か・・・』
【続く】
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ゴホッ!ゴホッ!・・・頭がボーっとする・・・(―×―) おっと・・・(ツルッ、ゴロゴロゴロ!!!)・・・・・ 10話、頑張った・・・これからも・・・・ |
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