真・恋姫†無双 〜その想いは何の為に〜
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                      壊れた御使い【前編】

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広いドーム状の部屋に男が一人立っている。

男はその部屋の中心にそびえ立つ大きな柱を見上げていた。

 

 

 

 

 

――――――ザッ――――――

 

 

 

 

 

耳元でノイズが聞こえた。

 

?『――ザッザッ

  ―――白刃―――聴こえる?――』

すると女性の声が耳元で聞こえた。

 

白刃「水越博士か。

   ちょいと電波状況は酷いが・・・まぁ聞こえてる。」

白刃と呼ばれたバイザーを着けて口元位しか見えない男が女性の声に応えた。

 

水越『――白刃―――状況はどうなってる?』

 

白刃「もう、目標地点に着いたよ。」

 

水越『そう、着いたのね――総括管理制御室に。』  

 

白刃「ああ、この管理塔さえ破壊すれば・・・・・終わるんだな?」

 

水越『ええ――終わるわ――――この―――狂った戦争が。』

 

白刃「そうか・・・・・・。」

白刃は天井を見上げた。

 

白刃(俺の人生は・・・・10年前のあの日から狂ってるがな・・・・・。)

白刃は自分の過去を思い出していた。

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10年前

 

 

 

?「さよなら・・・・・・寂しがり屋の女の子。」

 

 

 

 

 

?「――・・・・・・!」

 

 

 

 

 

?「さよなら・・・・・・愛していたよ、――――――――」

 

 

 

 

 

?「・・・・・・・・・・・・――?」

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10年前のこの日、彼は不思議な夢を見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

白刃「・・・・・・っ。」

彼は目を覚ました。

 

白刃「何だったんだ・・・・・今の夢は・・・・・。」

彼は夢の内容を思い出そうとした。

しかし、思い出せるのは最後の僅かな部分だけだった。

 

 

 

 

 

―美しい満月―

 

―静粛に包まれた小川―

 

―微笑む青年―

 

―今にも崩れそうな小さな少女の背中―

 

 

 

 

 

それしか思い出せなかった。

さらに、無理に思い出そうとすると何故か強い喪失感に襲われた。

彼は考えるのを止めた。

 

白刃「まぁ、所詮夢だし深く考える必要はないか。」

そう言って彼はベッドから出て顔を為に廊下に出た。

しかし次の瞬間・・・

 

 

 

 

 

バキッ!!

 

 

 

 

 

白刃「なっ?!!」

なんと廊下の床が抜けたのだ。

 

 

 

 

 

白刃「イタッ〜、何なんだ一体・・・・・・・えっ。」

彼は目の前の光景を疑った。

 

白刃「おいおい・・・・・。」

彼は立ち上がり玄関に向かう。

 

白刃「なんの冗談だよ!!

   これは?!!」

彼の目の前に広がる光景それは・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の知る街とは似ても似つかない街だった。

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彼は寮を飛び出し走った。

飛び出した時に見た寮は古びてもう何年も放置されていたかの様だった。

白刃「クソッ!

   何なんだよ!!これは?!」

彼は走った。

ここが自分の知る世界だという証を求めて。

 

 

 

 

 

 

しかし、世界は残酷だった。

 

 

 

 

 

 

通り過ぎる建物・道・人の服装。

 

 

 

 

 

 

全てが知らないものだった。

 

そんな逃げる様に走る白刃を人々は不思議そうに見ている。

白刃(何でそんな目で見るんだ!?

   おかしいのは俺じゃなくてこの世界だろ!!)

彼は走る証を求めて。

 

 

 

 

 

数分後

 

 

 

 

 

白刃「ハァ・・・!ハァ・・・!」

彼は走り続けた。

気が付けば人通りは少なくなっていた。

そして、彼は建物の前で止まる。

建物の札にはこう書かれている。

 

 

 

 

 

『聖フランチェスカ学園』

 

 

 

 

 

彼の世界の証だった。

しかし、彼の表情は晴れることはなかった。

白刃「ハッハッハッ・・・・・。

   何なんだよチキショォォォォォォォォォ!!!」

学園は・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう何十年も使われていないかの様に荒廃していた。

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キィッ

 

 

白刃「開いてる・・・・・。」

彼は門に手を掛け学園内に入った。

長い間整備されずに荒れ放題のグランド。

バスケットゴールのプレートが無い体育館。

床が埃まみれの剣道場。

 

白刃「・・・・・・・。」

彼は呆然とした。

あまりの現状に眩暈がした。

その後、校舎の玄関へと向かった。

やはり此処も鍵は閉まっておらず中に入れた。

彼は校舎内を歩く。

校舎内は所々傷みカビ臭かった。

あの昨日まで優雅だった学園が幻の様だった。

 

白刃「何なんだよ・・・・クソッ!」

もう何度目になるかも判らない悪態をつく。

兎に角彼は今の現状が夢であることを祈っていた。

そして、殆どの校舎内を周り終えた彼の前に最後の部屋の扉があった。

 

 

 

 

 

『校長室』

 

 

 

 

 

キィッ

 

 

 

 

 

彼は足を踏み入れた。

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白刃は校長室に入った。

校長室には立派な机。

材質の良さそうな椅子。

高そうな食器や部活のトロフィー、賞状等が収められた鍵の掛かった棚。

書類の収まった棚が存在していた。

彼は一通り部屋を見渡すとある違和感に気付いた。

 

 

 

 

 

白刃「妙だ・・・・綺麗過ぎる・・・・・。」

 

 

 

 

 

そう、この部屋だけは異様なほど綺麗なのだ。

週に1回以上は掃除しなければ保てない程に。

彼にはまるで此処は聖域の様に感じた。

そして、白刃はもう一度部屋を見渡す。

すると・・・・

 

 

 

 

 

白刃「・・・・・・・ハッ?」

 

 

 

 

 

彼は動揺した。

 

 

 

 

 

白刃「おいおい・・・・何の冗談だよ・・・・・・。」

 

 

 

 

 

彼の視線の先には額縁に収められて飾られた歴代校長の写真。

そして、彼が見つめているのは【何処か調子者の雰囲気を出しているメガネを掛けた】中年の男の写真。

 

 

 

 

 

白刃「お前・・・・・冗談にしてはやり過ぎだろ・・・・・。」

 

 

 

 

 

その写真の下にはこう書かれていた。

 

 

 

 

 

白刃「なぁ・・・・・及川・・・・・。」

 

 

 

 

 

『第七代目聖フランチェスカ学園校長 及川 佑』

 

 

 

 

 

彼は動揺のあまり後の書類棚にぶつかった。

 

 

 

 

 

ハラリッ

 

 

 

 

 

その衝撃で彼の前に一枚のプリントが落ちた。

白刃「ん?」

彼はそれを拾い上げる。

 

 

 

 

 

彼は見てしまった。

 

 

 

 

 

白刃「うそ・・・・・だろ・・・・・・。」

そのプリントにはこう書かれていた。

 

 

 

 

 

『聖フランチェスカ学園 閉校式』

 

 

 

 

 

開催日

 

 

 

 

 

2064年3月24日

 

 

 

 

 

白刃「ーーーーーっ?!!!」

 

 

 

 

 

そう、この学園は【56年後】に閉校していたのだ。

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白刃「ゲェ・・・・ゲェ・・・・・!!」

限界だった。

あまりの出来事の多さに彼の精神が拒絶反応を起こしたのだ。

暫く胃の中の物を吐き出した白刃はフラフラと立ち上がった。

すると・・・・

 

 

 

 

 

二つの人影が白刃を襲った。

 

 

 

 

 

ダンッ!!!

 

 

 

 

 

次の瞬間白刃は一人の攻撃を躱しもう一人を床に組伏せていた。

襲った二人は驚いた。

しかし、一番驚いたのは組み伏せた白刃自身だった。

 

 

 

 

 

白刃(あれ、俺・・・・今のどうやった?)

 

 

 

 

 

彼は無意識で今の芸当をやってのけたのだ。

昨日まで自堕落な生活を送っていた自分には出来ないことである。

白刃が考えていると扉から襲撃者達の仲間が入ってきた。

そして、彼の周りを囲んだ。

?「仲間を解放して大人しく投降しろ!!」

仲間の一人が白刃に警告した。

そして、その手に握られているのは・・・・

 

 

 

 

 

銃だった。

 

 

 

 

 

白刃「えっ?」

あまりの事態に白刃は惚けた。

そして、その隙に組み伏せられていた襲撃者が懐からスタンガンを取り出し白刃に押し付けた。

 

白刃「?!!!!!」

白刃はその場で崩れ落ちる。

 

?「確保!!」

襲撃者達は一斉に白刃を取り押さえ始める。

白刃もスタンガンの電流と精神の疲労で抵抗する気力もなかった。

薄れていく意識の中彼は願った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうか、この狂った世界が夢であるようにと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして彼は意識を手放した。

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〈あとがき〉

どうも、お久し振りです(* ゚̄ ̄)/

 

朱槍で御座います。

 

なんか春休み明けて色々と目まぐるしい生活してたら気付いた時には前回の投稿から一ヶ月以上経ってたorz

 

それで、久し振りに【天・恋姫†無双 〜御使い再臨〜】を書いてみたんですが思いのほか進行がよろしくないのです・・・・・(´・ω・)

 

さすがにこれ以上未投稿は如何なものかと思いとりあえずその場凌でこの作品を投稿しました。

なんかすみません・・・・m(_ _)m

 

元々この作品は【天・恋姫†無双 〜御使い再臨〜】とどちらを連載するか最後まで争った作品です。

(連載の決定理由は恋姫を知ってる友人達にに読んでもらった結果です。)

まぁ、そんな訳でこの作品はずっと外付けハードに御蔵入りしてました。

なのでこの作品に続きはない・・・・・・・多分。

 

ええ、内心。

今連載中の作品より人気が出たらと思うと怖くてビクビクしてます(((゚Д゚;)))

 

それでは皆様、次回の天・恋姫†無双 〜御使い再臨〜で再会しましょう。

さらば(´ー`)/~~

説明
行き詰まってるので何となく投稿(・з・)/
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コメント
お疲れ様です!! 天・恋姫無双楽しみにしていますので、頑張ってください!!(白龍)
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真・恋姫†無双 白刃 魏√アフター? 没作品 

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