ヤンデレ無双 四、五 |
四、五は、ヤンデレ無双本編とのストーリ上の繋がりはありません。
一年前、私はお母さんに連れられて一人の人と出会った。
ねぇ、おかぁさん?
「なーに、璃々?」
この人がそうなの?
「ええ、この人があなたの新しいお父さんよ」
そう言いった、お母さんは恥ずかしそうに頬を染めた。
私のお母さんは何時でも微笑んでいる人だけど、実は表情の変化があまりない人だ。
でも、今日はほんとに嬉しそうに・・子供みたいにコロコロと表情が変化していっている。
たぶん、私の前にいるこの男の人がそうさせてるんだ・・。
「君が璃々ちゃんだね・・」
私がそんな事を考えていると、男の人が私に話しかけてきた。
男の人は、お母さんの部下の人達に比べれば体が細くてすごく弱そうだった。
それに加えて、なんだか性格も気弱そうな雰囲気で頼りない感じだ。
でも・・おしゃべりはすごーく楽しいし。
持って来てくれたプレゼントも私の好み通りのセンスが良い物だった
なによりも、すーごく、やさしい人だった!
だから、数分後には、お母さんを置いといて二人でじゃれ合うほど、私はその人の事が大好きになった。
「うふふ・・璃々は、一刀さんがお気に入りのようね」
しばらくの間、私たちがじゃれ合う姿を嬉しそうに眺めていたお母さんだが。
・・お母さんは覚悟を決めたように口を開いた。
「ねえ、璃々・・一刀さんを「お父さん」って呼んでくれる?」
そういった後のお母さんは、不安そうな表情で私を見つめ続けた。
お母さんのこんなに不安そうな、私が悲しい心になるほどの表情は始めて見た。
たぶん、この顔も私の前にいるこの男の人がそうさせてるんだ。
でも、この男の人はお母さんに子供みたいな笑顔をもたらしてくれる。
結局・・。
わたしが「お父さん」と呼ぶか呼ばないかでお母さんの表情が決まる。
・・大好きなお母さんの表情が。
「・・」
でも、私はなにも返事できなかった。
・・お母さんの笑顔が見たいのに。
「璃々・・だめかしら?」
無言のままの私を、お母さんが心配そうに私を見つめてくる。
私はお母さんの笑顔が見たい。
お母さんには子供のように楽しそうに表情をコロコロ変えてもらいたい。
でも・・。
でも・・。
「嫌」
私の、心の声からはそんな言葉しかでそうになかった。
だが・・。
「お父さん・・」
結局、私はそう言った・・。
その言葉にお母さんは子供みたいに満面の笑みをしていた。
私も望んでいた顔だった。
でも、・・だけど、私はなんだかモヤモヤしていた。
・・大切な物が奪われた様に。
ギャグ高めを求める人は。
『次』を一回クリック。
ヤン高めを求める人は。
『次』を四回クリックどうぞ。
成都城の昼下がり・・。
同城の主である北郷に。
用もないのに、なぜか会おうと廊下を歩いていた桔梗は、主の一人娘である璃々に捉まっていた。
「ねえ、ねえ、桔梗おばちゃん〜。お願いがあるの」
「どうしたんだ璃々?桔梗お ね え さ んが出来る範囲なら叶えてやるぞー」
桔梗の表情は笑顔だ。
「ありがと、桔梗おばちゃん〜」
「・・ありがとう、桔梗お ね え さ んだぞー」
桔梗の表情は笑顔だ?
「おねえさんー?」
「そうだぞー」
桔梗の表情は笑顔じゃない。
「やっぱ・・桔梗おばちゃん」
「・・でっ、お願いってなんなんだ璃々?」
桔梗の表情は諦めだ。
まあ、自分の母親と同年代の女性を「おねえさん」と言うのは子どもには厳しかろう。
そもそも、「四捨五入」なる方法さえなければ私には『三十路』なんて言葉縁のない言葉である。
いやっ、まあ、実際「四捨五入」なる方法は世間で多用されるから。自分は『三十路』と全く縁がないわけでは・・。
「・・」
そんな事を考えてた桔梗の表情は泣くのをやせ我慢だ。
「ねえ、ねえ、聞いてる」
「むっ、すまん考え事をしていて聞き逃した」
「もうー!聞いてなかったの」
「すまん、すまん」
「こんな人で大丈夫かなー」
「こんな人って、年上を捕まえて」
「うーん、そうだよね無駄に歳を食っておばさんになったわけじゃないもんね。やっぱり任せてあげるよ」
「なんか色々突っ込みたい所があるが。まあ、とにかく任せろ」
「それじゃあー」
「浮気して、お父さんと」
「・・はっ?」
桔梗が止まる、意味が分からなかったからだ。
だが・・桔梗も明日も知れぬ戦乱を生きてきた武将、数秒後には意味を理解し・・そして。
「(ありだな)」
本能剥き出しで、人として「アレ」な結論にたどり着いちゃった訳だ。
まあ、とはいえ、更にその数秒後、我を取り戻す。
「い、いやっ!!な、なにを言いだすんだ璃々」
「だからー、お父さんと浮気してっていってるの!なんど言えば分かるのー」
「い、いやっ・・聞き逃したんじゃなくて!なぜそんな事を言い出したのかを訊ねてるんだ!」
「理由なんて、どーでもいいよー」
「良いわけないだろ!そんなことして見ろ、お前の両親が離れ離れになるかもしれんのだぞ」
「それでいいよ、だってそれが狙いだもん」
「はぁー!?お前、両親に別れてほしいのか」
「うん」
「うんって。そんな満面の笑顔で言われても」
「でっー、やってくれるの、やってくれないの」
「だめに決まってるだろ!!そんな事」
「じゃあいいよー、他の人に頼む!おばさんに頼んだのが間違いだったんもん!!」
璃々はプリプリと怒りながら、そういい残し廊下を駆けて行った。
「な、なんなだったんだアレは・・まったく母親の顔がみたもんだ」
その姿を疲れた顔で見送った後。
「ポツリ」と、そんな事を桔梗は呟く。
「こんな顔よ、桔梗」
・・次の瞬間願いは叶った。
「なっ、紫苑!お前いたのか!」
「ええ・・貴方が璃々に「お姉さん」なんて無理な事を言わせようとした辺りから、隠れて様子を見てたわ」
「ほぼ最初からじゃないか・・。後、無理な事じゃないぞ」
「あの娘(璃々)、ほかの娘にも同じような事言い廻ってるらしいのよ。後、無理よ自分の年齢を考えなさい」
「そうなのか他の奴らにも、しかし、なぜそんな事を言い出したんだ。後、そーいうお前は「おばちゃん」と呼ばれても許せるのか」
「私と旦那様を離婚させて、自分がおとうさんを独占したいらしいのよ・・。後、武力を用いても許さないわ」
「「・・・・」」
二人は無言で手を強く握り合う。
「しかし、お父さんを独占したいか。かわいらしいものじゃないか」
「ふぅーそれはそうなんだけど、周りに迷惑かけるし。・・なによりも」
紫苑の目が厳しげに細まる。
「なによりも?
「浮気の誘いに、乗りそうな娘が多くてね・・」
「はっはは!仕方があるまい、お館様はモテすぎるお方だからな」
「そうね。そういえば・・桔梗、あなたも断るまでの間がちょっと長すぎだったわよ」
「なっ・・!」
「桔梗、新調した弓を試したいの付き合ってくれるわよ・・。ねっ?」
桔梗は驚いた。
「すまん!用事を思い出した!!」
「逃がさないわよ!」
桔梗は襟をつかまれた。
「し、紫苑〜」
「あの人に近づく蟲は早めにね〜懲らしめないと」
桔梗は情けない声を上げた。
「お、お前も、結構嫉妬ぶかいよな」
「ふっふふ、そこは璃々にも遺伝したのかしら・・」
「そーいやー前の旦那の時もお前、近寄る女には容赦なかったなー。私もこれからああいう感じの制裁か?」
「ええ、そうよ」
「やっぱ、ほんと男には弱いよー、お前」
「妻子ある、しかも親友の夫に、今でも未練がある貴方もなかなかよ」
「べ、別に、お館様の身分なら愛人の一人や二人いいじゃないか・・」
「その一人や二人に貴方が真っ先に加わる気?」
「そりゃあ私が年功序列で当然・・。いやっ!そーいうことじゃ!!」
「今更よ!・・さあ、行きましょ鍛錬所へ」
「やっぱ、若い女の人じゃないとお父さんも迷惑だよねー」
桔梗がドナドナの如く紫苑に引きづられてる時。
璃々は蜀の幼子W軍師を探し駆け回っていた。
・・その表情はすごく楽しそうだ。
「ぜーったい!おとうさんをわたしのものにするんだもん」
・・絶対、父親を母親から奪うそうだ。
成都城の昼下がり・・。
「桔梗、貴方・・あの人に手を出したわよね」
「はぁー紫苑、お前このごろ似たような馬鹿な事を、他の娘にも言ってるそうだな」
「他の女は今は関係ないわ!今は貴方の事よ桔梗。貴方があの人の事を邪な目で見るのは許してたけど。手を出したとなると話は別よ」
「馬鹿な事を言うな!お館様はお前の夫だぞ、お前と親友の私が手を出すわけが・・」
「貴方は元々あの人に、まったく気がなかったわけではないでしょう!」
「そ、それは・・そうだが」
「ほら」
「か、かつてはそうだったが。い、今はお館様とは仕事以外で会うことすらしていない」
「嘘ね、貴方とあの人が逢引してる姿をみた人がいるのよ」
「ば、馬鹿な、そんな嘘を誰が・・」
「絶対嘘をつかない娘(こ)がそういってるの」
「ちがう!私はほんとに何もお館様とはないんだ!!」
「・・・」
ここ数ヶ月、お母さんは徐々に周りの人と衝突を繰り返していた。
お父さんを守りたい一心で。
自分のものにしたい一心で。
そして、その思いは矛のように鋭く周りの人々に向けられていった・・。
それはお父さんにも対してもだ。
今日も、お父さんは、私の前では何事も無かったように振舞っている。
でも、私は知っている・・。
お父さんが自室で一人っきりになると、いつも苦しそうに悩んでいる事を。
私を心配させまいと隠れて悩んでるお父さんには悪いが、私にはバレバレだ。
だって・・私は、いつもいつもいつもいつも、お父さんを見ているから。
今日も、お父さんは自室で悩んでいた。
そして・・そのお父さんを私は何時も通り隠れて見ていた。
「・・どうしちゃったんだよ、紫苑」
お父さんが苦しそうに、そう呟やく。
その表情や弱弱しい言葉に、私は死ぬほど心が痛む。
お父さんを苦しめてるのは。
お母さんがああなったのは・・わたしが原因だから。
そう・・お母さんに、お父さんの浮気をささやいているのは私だ。
最初はさほど気にしなかったお母さんも、徐々に壊れていった。
お母さんも・・私と同じ嫉妬深い人だから。
私は、お父さんとお母さんを苦しめ続けている・・。
でも、いいよね。
だってこれは物事を正しくするための行為だもん。
そう・・。
「ねえ・・お父さん」
お父さんがあわてて振り返って、私に笑顔を向ける。
痛々しい笑顔を。
でも、もうそんな笑顔もうしなくていいんだよ・・。だって今から正しい状態になるんだもん。
「お父さん、お母さんと別れようよ・・」
だって・・。
お父さんは「私の」ものだもの。
「私が、お父さんの傍にずっといてあげるから」
そう言った後、私は自然に笑った。
あとがき
初のリクss難産でした・・。
最初は後(6ページからの)のヤン高めの方だけを書いてたんですが・・「これ璃々か?」、「シンプルすぎないか?」等問題が多すぎて全然しっくりこず(結局最後までしっくりこず駄作のまま駄目な勿体無い精神で分岐として投稿)。
ギャグ強めの方(3ページからの)も、しつこいぐらいギャグを盛り込んで・・方向性がアレだし。
まあ・・結局。
リク求めた癖に「ごめんなさい」というしか言うしかないssが出来ちゃいました。
ほんとうにすみません。
※次のページにおまけss『チートですか?七乃さん3話〜袁術軍人物紹介編@〜』有り。
『チートですか?七乃さん3話〜袁術軍人物紹介編@〜』
「今回はタイトルどおりのお話です」
「そ、そうですか」
「じゃあ〜そういう事で最初は・・」
「あっ、他の人の前に七乃さんが自己紹介してよ」
「わたしですか?」
「そう、俺なんだかんだで七乃さんの事、名前ぐらいしか知らないし・・」
「そうですねーなら・・http://ja.wi○ipedia.org/wiki/%E5%BC%B5%E5%8B%E・・・」
「ちょ、ちょっと!・・七乃さん!?」
「なんですか・・人が自己紹介してる途中で口を挟んで」
「アドレス教えられても、PCないしくぐれません!!」
「・・・まあ、頑張ってどうにかしてください」
「自己紹介でwi○iページ教えられるなんてシュールすぎるし、酷すぎるー!!やっぱり七乃さん、ほんと俺嫌いでしょ!!」
説明 | ||
恋姫がソフトヤンデレ化したssです。 思いつきssなので期待は無しで。 今ssはリクssです※(リクくれた方すみません時間をかけた割には質はよくありません)。 外伝的扱いでストーリ上の繋がりはありません。 内容は「璃々×紫苑×桔梗」が3票と一番多かったので、この三人。 璃々が頭にきてるので・・主役は璃々で。 途中分岐有り。 |
||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
9216 | 7706 | 27 |
コメント | ||
早く続きがみたいっす。 面白いです。(kazu) 女は何歳でも女なんですね・・・(BX2) これが見たかった!(森番長) う、うにゃああああああああああということで参拾六計逃げるにしかず!!(VVV計画の被験者) 一歩間違えばこんな状態になっても可笑しくないんだよな。璃々ちゃん恐るべし軍師並みの策士・・・(アロンアルファ) 最後のアドレスでの説明ワロタwww そして紫苑と璃々ちゃん怖い…(^_^;)(ホワイトグリンド) |
||
タグ | ||
嫉妬 ヤンデレ 修羅場 恋姫 璃々 紫苑 桔梗 七乃 | ||
宇和さんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |