幻想入りノ弐
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紅魔館のある一室に少年は寝かされていた。

 

「むぐぅ……。っは!……ココドコ?」

 

うなされていたのだろうか。

変な声を上げていたが、急に起きるとキョロキョロ辺りを見回した。

いつの間にか見たこともない居る所に居るのだから当然と言えば当然だ。

 

「赤い、紅いなぁ。東方の紅魔館みたいだよ……」

 

「ここは紅魔館ですが何か?」

 

「はひぃ!?」

 

ひとり呟いていると、答えが返ってきたので少年は驚いたようだ。

 

「って、えーと……」

 

「申し遅れました。私はこの紅魔館でメイド長をしております、十六夜咲夜と申します」

 

「あ、これはご丁寧にどうも。私は藤田制司と申します……」

 

「藤田様ですね?承知いたしました」

 

「は、はい……って!ちっがーう!!」

 

丁寧に自己紹介を交わした後、いきなり制司は叫びだした。

全く近所迷惑にもほどがある。近くには部屋しかないが。

 

「何が違うのでしょうか?」

 

咲夜はそんなことは気にせずに問うと、

 

「え、いや別に違うんじゃなくてですね、えっと……」

 

「ここが紅魔館ってことは、幻想郷ですか?ここは」

 

少し不安そうに聞くと、もちろんといった表情で、

 

「はい。ここは幻想郷です」

 

と告げた。

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「はー……やっぱりか」

 

「その口ぶりだと、ここのことを知っていたようですね?先ほども紅魔館を知ってらっしゃいましたし」

 

「知識としてですけどね。知っているだけです」

 

まだ少し戸惑いの表情を浮かべながら制司は答えた。

 

(幻想郷、か。幻想入りしたってことなのか?嬉しいような悲しいような……。学校とかやりのこしたゲームとか色々あるしなぁ)

 

一人で思いふけっていると、思い出したように咲夜は言った。

 

「そうです、お嬢様が、貴方が起きたら連れてくるように言っていたんでしたわ」

 

「あ、そうですか。分かりました」

 

「あと、そうですね。敬語じゃなくても良いですし、呼び捨てでも良いですよ?」

 

「良いんです、良いの?じゃあ遠慮なく。さすがに会ってすぐに呼び捨てはアレなんで、咲夜さんでお願いします」

 

「分かりました。じゃあこっちも普通に喋るけど良いわよね?」

 

「どうぞどうぞ。敬語で話されても畏まっちゃうから……」

 

呼び方について一段落ついたところで、部屋を出て紅魔館の主が居る所へと向かった。

 

 

行く途中、紅すぎて目が少し痛くなった、とは後の制司の談である。

トマトも真っ青になるくらい真っ赤だった、らしい。

色々矛盾してるかもしれないがそうらしい。

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主の部屋の前まで着くと、咲夜はコンコンと扉を叩いた。

 

「お嬢様、例の外来人を連れてまいりました」

 

(この先に、あのレミリア・スカーレットが……!小さいのかな、可愛いのかな、どうなんだろう)

 

思考が少し暴走してる気がしないでもないが、気にしていたらキリがないので無視させてもらう。

 

ともかく、部屋の主が入っていいと答え、咲夜と後について制司は部屋の中に踏み込んだ。

 

「お前が咲夜が言っていた外来人か。ふむ、確かに見たことないね、色々と」

 

(む、カリスマが……)

 

変なことを考えながらもとりあえず挨拶をする。

 

「藤田制司と言います」

 

「あぁ、私はレミリア・スカーレットだ。私を見ても驚かないってことは私を知っていたのかな?」

 

確かに、レミリアには蝙蝠のような羽が生えており、何も知らない人であれば多少なりとも驚くのが自然だろう。

それが、制司は驚かなかった。

つまり何か知っていたということ。そのことをレミリアは言ったのである。

 

「知識としては知っています。この館の他の住人についても名前くらいなら答えられますし、この幻想郷についても大体なら」

 

「そうか。ま、答えられるとしても挨拶くらいはちゃんとしておかないとね。後で回ってくれ」

 

「は、はぁ……」

 

(予想していたのと全然違うな……。普通にマジメだ)

 

考えていることは失礼なことであるが、それを知る者は誰もいない。

 

「と、そうだ。何で俺はここにいるんでしょうか?」

 

「あー、その前に。敬語じゃなくていいよ、疲れるし」

 

「え、そう?分かった。それで、何故ここに居るかなんだけど……」

 

自分は、街から家へ帰る途中だった。

その時、何かにつまずいて急に視界が真っ暗になった。

気付いたら紅魔館のベッドの上だった。

とのことを伝えると、

 

「多分、隙間の仕業だろう。それか『偶然に』結界にすきまが空いていたか」

 

「元の場所に戻る方法は?」

 

「今のところは無いね」

 

「そうか……」

 

(幻想郷にこれたし、良い体験だと思っとけばいいのかな)

 

楽観的すぎるが、無駄に落ち込んでも帰れるわけではないので、このように考えるのは正解だと言えるかもしれない。

 

「まぁ、私の館でゆっくりしていくといいさ。このあと他のやつらに挨拶してくるといいだろう。咲夜はその案内を」

 

「承知いたしました」

 

「分かった、えぇと」

 

「レミリアでいい」

 

「レミリア。じゃあまた後で」

 

そう言うと、制司は咲夜に連れられて、レミリアの部屋を出た。

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---あとがき---

 

中途半端ですが、すいません。

 

いやぁ、口調これで良いんでしょうか。レミリアが結構男っぽく……。

 

色んなところでカリスマブレイクしているレミリアお嬢様ですが、カリスマを発揮させたいな、と思いまして。

 

カリスマ出てますかねぇ。

 

 

それはそうと、次回からはもう少しページをまとめたいと思います。

 

さすがに3ページは少なすぎるかなw

 

そんなわけで、制司と咲夜とレミリアでございました。

説明
間がかなり空きましたが、続きです。
自己紹介、ですかねー。
作品内でも読者に対しても。

詳しい幻想郷のルールは省かせてもらいますw
べ、別に説明するのがめんどくさかったとかそんなんじゃ(ry
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東方 幻想入り レミリア・スカーレット 十六夜咲夜 

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