夜と闇 |
私が見上げる夜空には星が瞬かない。光るものは頼りなく灯る街灯だけ。
雲一つないのに、月すら見れない。あるのは深い闇だけ。
朝になれば太陽が昇るけど、太陽は眩しすぎて見れたモノじゃない。
昔の夜は好きだった。空を見上げれば、宇宙が広がっていた。
数え切れない星が瞬いて、大きく輝く蒼月が浮かんでいて…。
ずっと見上げていても飽きなかった。ずっと見ていたかった。
何時までも何時までも、この無限と一緒に在りたかった。
朝なんて要らなかった。ずっと夜で良かった。
でも今は、夜が怖い。見上げる空には真っ暗な闇しかない。
昔から夜更かしが当たり前だったから、夜に眠れない。朝がこないと眠れない。
早く…朝にならないかな、朝に…。長い夜を、ベッドに隠れてやり過ごす。
いつから、星が瞬かなくなったんだろう。何時まで星が見えないんだろう。
あんなに大きな蒼月が、何処に消えてしまったと言うのだろう。
私の空に、宇宙が帰ってくるのは何時なんだろう。何時まで待てばいいんだろう。
私の時が終わるまでに帰ってくると信じて、今日も永遠の夜を待つ。
説明 | ||
本当にないのか、見えないだけか、その答えは――― | ||
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