夜と闇
[全1ページ]

私が見上げる夜空には星が瞬かない。光るものは頼りなく灯る街灯だけ。

雲一つないのに、月すら見れない。あるのは深い闇だけ。

朝になれば太陽が昇るけど、太陽は眩しすぎて見れたモノじゃない。

 

昔の夜は好きだった。空を見上げれば、宇宙が広がっていた。

数え切れない星が瞬いて、大きく輝く蒼月が浮かんでいて…。

ずっと見上げていても飽きなかった。ずっと見ていたかった。

何時までも何時までも、この無限と一緒に在りたかった。

朝なんて要らなかった。ずっと夜で良かった。

 

でも今は、夜が怖い。見上げる空には真っ暗な闇しかない。

昔から夜更かしが当たり前だったから、夜に眠れない。朝がこないと眠れない。

早く…朝にならないかな、朝に…。長い夜を、ベッドに隠れてやり過ごす。

いつから、星が瞬かなくなったんだろう。何時まで星が見えないんだろう。

あんなに大きな蒼月が、何処に消えてしまったと言うのだろう。

 

私の空に、宇宙が帰ってくるのは何時なんだろう。何時まで待てばいいんだろう。

私の時が終わるまでに帰ってくると信じて、今日も永遠の夜を待つ。

説明
本当にないのか、見えないだけか、その答えは―――
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
402 399 1
タグ

芽吹さんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com