恋姫†偽演義
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「メイド」

 

大陸を覆った戦乱の世は天の御使い、北郷一刀の活躍により終結した。

そして、大陸には平和な時間が過ぎていた。

しかしその日、ある問題が発生した。

 

発端は一刀付きの女中、董卓こと月が倒れたことに始まる。

月は一刀の身の世話を献身的に行い、いつも一生懸命に働いていた。

だが、その真面目な性格が今回はたたり、過労のため倒れてしまったのである。

一刀にはもう一人賈駆こと詠という女中がいるのだが、彼女は月の親友で今は付きっきりで彼女の看病を行っている。

よって、一刀の世話をする人が居なくなってしまったのである。

 

では誰が一刀の世話をするのか。三国の主だった者達はこぞって自分がやると主張した。

理由は「一刀と一日一緒にいられる」である。

長時間の話し合い(最終的にはジャンケンで決めることとなった)末、呉の王孫権こと蓮華と飛将軍呂布こと恋が一刀の臨時女中と為ることになった。

 

「これは恥ずかしいな…」

「ん…」

「ちゃんとこれを着なくちゃだめだよ。なんたって俺の『メイドさん』なんだからね」

恋は別に気にしていない様子なのだが、蓮華は少し抵抗があった。

蓮華は普段、女である前に王であろうと考えている。

そのため、このようなフリフリのスカートで女の子っぽい可愛いメイド服を着るのに抵抗があった。

「…分かっている。着替えるから少し出ててくれ」

一刀を部屋から出し、とりあえず着替えることにした。

 

数分後。

「かずかず、なんか変なのれす〜」

「ご主人様。蓮華の様子がおかしいです」

部屋の中から何故か呂律のまわっていない蓮華と、普段は寡黙な恋のはっきりとした声が聞こえた。

「どうたんだ!?」

一刀は、様子がおかしい二人を心配して慌てて部屋の中に入る。

そこにはメイド姿となり、三つ編み後ろに垂らしている蓮華と、同じくメイド姿で髪を後ろにまとめた恋の姿があった。

その姿はまるで「どこのメイドロボだ?」

 

「かずかず〜、この服を着たら口がうまく回らなくなったのれす」

「さっきからずっとこの調子なんですよ」

舌足らずになってしまった蓮華を見て、恋は姉のように心配事ながらも嘆息している。

2人の様子を見た一刀は思った、「2人ともなんだか別人みたいだ」と。

そしてアリだなと。

そこから一刀の行動は早かった。

「蓮華、恋!!」

二人に飛びつき、そのままベットへと押し倒した。

「かずかず///」「ご主人様///」

「もう我慢できない!!」

その日、3人を外で見たものはいない。

 

余談だが、後日そのことがバレ、3人は復活した月にキツ〜イお説教を喰らった。

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「シスター」

 

「これからはお兄さんの事を違う呼び方で呼ぼうと思うのです」

程cこと風は一刀にそう宣言した。

「いきなりどうした?」

「最近お兄さんは風に対して冷たいような気がずるのです。

 そして最近良く流琉ちゃんと一緒にいるところを見るのですよ」

流琉とは魏の武将典韋の事である。

「そこでふうは考えたのです。呼び方がいけないのではないかと。

 だから流琉ちゃんのようにこれからはお兄さんのことを『にいさま』と

 呼ぶことに決めたのです」

風に「にいさま」と呼ばれると変な感じがする。

何故か妹に呼ばれているような気がする。そう思う一刀であった。

 

「では早速、風の作った料理を食べてください」

そう言うとどこからともなくチャーハンを机の上に置く風。

風は何時の間に料理に目覚めたのだろうか。これも流琉の影響だろうか。

考えても仕方がなく、小腹がすいていたので、一刀はとりあえず出されたチャーハンを食べることにした。

「結構美味しいな…」

 

風の作ったチャーハンを食べていると、ドアがバタンと開けられ、

「アニキ〜!!お小遣い頂戴!!」

そう言って部屋に入ってきたのは文醜こと猪々子である。

「どうしたんだ?また博打か。弱いんだからいい加減やめとけよ?」

「ちがうよ!博打よりも面白いもんだよ!」

「「面白いもん?」」

一刀と風は猪々子の言葉を聞き返した。

「あぁ。実は真桜に『めか文醜』ってのを作ってもらうんだ!」

真桜とは李典の事で、彼女は絡繰作りの名人である。

「「めか文醜?」」

またまた変なワードが出てきたので再び聞き返す一刀を風。

「あたいそっくりの絡繰だって!その絡繰があったらあたいが2人!

 つまり戦力が2倍になるってことだぜ!」

興奮しながらめか文醜について説明する妹分の猪々子に、一刀はわかったとお金を渡す。

 

その後完成しためか文醜は、はじめのうちは戦で活躍したが、猪々子の扱いが雑なのが災いしすぐに壊れてしまった。

真桜に直してもらおうとしても、特別な部品を使っているらしく直すのはふかのうだと言われた。

そして猪々子には膨大な借金とガラクタとなっためか文醜が手元に残った…

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「nice boat」

 

天の御使い北郷一刀にはたくさんの恋人がいる。

一刀本人はまんべんなく皆を愛するように努力しているが、これだけ人数がいると手が回らない女の子も出てくる。

公孫賛こと白蓮もその一人である。彼女は『普通』の人間で、アクの強い周りの人たちの中ではなかなか目立つことが出来ない。

影の薄い彼女の事を一刀は時々忘れてしまうのであった。

 

ある日一刀が自分の部屋に戻ると、机の上に手紙が置いてあった。

手に取り読んでみると、

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

目立ちたい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さよなら

                        白蓮

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「え?」

最後の白蓮の名前を読んだ時、誰かが部屋に入って来たのを感じた一刀は振り向くと、白蓮が迫ってきた後、腹に強烈な痛みが。

「うがっ!ぱ、白蓮…」

「ひどいぞ!私が全然目立たないからって!!」

床に倒れた一刀を手に持った包丁で叫びながらなんども刺す白蓮。

動かなくなった一刀を見て白蓮はその場から逃げ出す。

 

一刀の部屋から白蓮が慌てて出てくるのをみた張角こと天和。

よく見ると血のようなものが付いているではないか。

驚いた天和は一刀の部屋に向かうと、そこには血の海に沈む一刀の姿が!

 

部屋に戻った白蓮は自分のしたことが恐ろしくなり布団にくるまって部屋に閉じこもっていた。

するといつの間にか扉の隙間から手紙が投げ込まれていた。

その手紙を読んでみると差出人は先ほど自分が殺したはずの一刀であった。

手紙には「中庭で待ている」と短く書かれていた。

深夜、指定さえれた中庭に向かうとそこには天和の姿が。

 

「一刀の部屋行ったでしょ?」

「行ってない!」

天和は私が一刀を殺したのを知っている。そう思った白蓮は警戒を強める。

「目立たない白蓮ちゃんが思い切った事をしたんだね」

「私だって好きで影が薄いんじゃない!なのに私のことを忘れる一刀が悪いんだ!」

「一刀ならそこにいるよ。忘れてたかどうか聞いてみたら」

天和が指差す方を見るとそこには正方形の箱があった。

恐る恐るその箱を開けてみるとそこには一刀の生首が。

「はっ。うっ、おぇ」

愛した人を殺したことを改めて思い知らされた白蓮はその場で吐いてしまった。

「報いを受けてもらうね」

そう言って天和は取り出した鋸を白蓮の首に当て、引いた。

頸動脈を切られ血が吹き出す白蓮。

「白蓮ちゃんが死んでも気付く人なんて、だれも居ないよ」

そう言って天和は一刀の首が入った箱を持って城から姿を消した。

その後、天和を見たものはだれも居ない…

 

「っていう夢を見たんだ」

夜、一刀の部屋に呼ばれた白蓮はそのまま一刀と閨を共にした。

ことが済んだ後、急に一刀はさっきの話を語った。

「もちろん現実の俺は白蓮の事を忘れてなんか無いよ。…でもなんで天和なんだろう?」

武人でもない天和が一刀の敵を取ることに不思議がる一刀に白蓮は「さぁ」と気のない返事をした。

今はこの幸せをただかみしめていたかったのだ。

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「僕と契約して」

 

近くの城で賊が出たということで一刀と呂蒙こと亞莎は討伐に向かうこととなった。

敵の数は少ないとのことで、こちらも兵を少数にし、速度優先で向かうことにした。

しかしそれが敵の策であった。

城に着くと周り報告よりはるかに多い賊に囲まれてしまった。

野戦で戦うのは不可能には明らかに無理なので、援軍を要求し城に立て篭もることとなった。

「まずいな〜。敵にまんまとハメられたな……」

「すみません〜!私がもっとしっかりとしていれば気づけたのに!」

泣きながら謝る亞莎を一刀は慰める。

「起きちまったもんは仕方が無いよ。でも今回はまだ運がいい。

 俺達の城から近いからすぐに援軍が来るよ」

そう言うと攻めて来る賊を追い返す為に、一刀は兵たちに指示を出す。

亞莎も一刀に慰められ元気を取り戻し、すぐに自分の配置に戻った。

そうこうしていると

「敵の後方に砂塵!…味方の軍です!!」

一刀たちの要請で駆けつけた味方によって、軍の士気は一気に上がった。

一方賊達は援軍により混乱し、陣形もグチャグチャになってしまった。

そこを見逃さなかった亞莎は「打って出て、味方と挟撃します!!」と言い出陣することになった。

 

一刀たちが出陣することで戦場はさらに混乱に陥った。

「ティ○・フィナーレ!!」

そう叫ぶと亞莎の垂れた袖から無数の暗器が飛んで行き、賊たちを倒していく。

「何!?その掛け声!?」

「えっと…こう言うとなんだか力が出るんです…」

驚く一刀に亞莎は恥ずかしそうに答える。

「私達はもう、ひとりぼっちじゃありません!一緒に戦ってくれる仲間がいます!」

そう言うと再び亞莎は「ティロ・フィ○ーレ!!」と叫びながら敵を倒して行く。

しかし賊の一人が武器を落としながらも亞莎に突撃してくる。

亞莎も応戦するが、攻撃は致命傷にはならず、賊は使えなくなった手の代わりに、歯で亞莎の頭にかぶりつこうとした。

しかしすんでのところで賊は切り倒され、亞莎は事なきを得た。

 

どうにか賊を退治し、命を長らえることが出来た一刀は思った。

「あれだけの死亡フラグを立てたのに無事だなんて……亞莎!恐ろしい娘!」

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今回はお気に入り登録100人突破を記念して、パロディ短篇集を書いてみました。

内容は「中の人ネタ」となっています。かなりの力技なのでわからない人もいると思うので解説を。

 

「メイド」

これは「ToHeart2」が元ネタとなっています。

蓮華と恋の「中の人」たちはこのゲームのメイドロボとして登場します。

ToHeart2はアニメを見てました。アニメが終わった後にOVAが出たのですが、これがめちゃくちゃたくさん出るでは有りませんか!

まだOVAは出るのでしょうか。気になるところです。

そしてもうすぐ「完全版」のようなものがPS3で出ますね。

ファミ通の板尾創路の広告は笑いました。

 

「シスター」

これは「シスター・プリンセス」が元ネタです。

風の中の人は白雪、猪々子の中の人は鈴凛だそうです。

だそうですというのは、作者はシスプリを見たことが無いからです。

調べまくってとりあず書いている設定通りに書いてみたつもりですが…

間違ってたらごめんなさいm(_ _)m

シスプリもなかなか長く愛されている作品ですね!

 

「nice boat」

これはあの問題作「school Days」が元です。

書いていたら結構力の入った作品と成りました。

白蓮が世界、天和が言葉様となっております。

あのアニメの最終回は本当に衝撃的でした。

ゲームのエンディングもなかなか衝撃的で、作者はリメイク版の「轢殺エンド」が一番衝撃を受けました。

見た最初のときはうなされそうになるほどに…

興味のある方はぜひプレイしてみては?

 

「僕と契約して」

最後はもちろん今年一番の話題の「魔法少女まどか☆マギカ」です。

これが書きたいために今回の短編を書きました。

亞莎の中の人はマミさん。

衝撃の3話から目が離せず、途中で中断も有りましたが、最終回まで放送されてよかったです。

最終回まで契約しない魔法少女は新鮮でした。

あとほむらの負う縛りも悲しくて10話はとても感動しました。

 

かなり無茶をして書いたので、変なところもあると思いますが、そこはご愛嬌と言う事で。

お気に入りに登録してくださった皆様、本当にありがとうございます!

よかったらコメントなども書いてくれると嬉しいです。

それを励みにこれからも頑張って書いていきたいと思います!!では、また。

説明
お気に入り登録数100人を突破!!
記念して今回、短編を書いてみました。
お気に入り限定は1週間ぐらいして覚えていたら解除するかもしれません。
内容はいわゆるパロディとなっています。

※6月12日追記 けっこう好評だったので限定解除!
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コメント
nice boat.(はこざき(仮))
スクイズスクイズww まぁ、言うなら、一刀をあんな糞野郎と一緒にしてはいけないww おぉっと、糞野郎なんて言ったら可哀想だな・・・・・糞野郎にww(IFZ)
>断罪者ヒトヤ犬 様 でも、さすがに亞莎をマミらせるのはまずいよね〜(lovegtr)
マミのネタはいつか誰かが絶対やると思ってたんだW(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ)
きのすけ>一刀もnice boatにならないように気を付けないと… (lovegtr)
nice boat(きの)
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真・恋姫†無双 パロディ 短篇集 

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