真・恋姫†無双〜天兵伝〜 第1話 |
「・・・・本当か?」
「はい。 幕僚長は本日、消息不明だった『SCOTT(スコット)』隊員1名の捜索を打ち切りを決定しました。よって、『北郷 一刀』三曹は死亡と断定されました」
「そうか・・・・。 彼は『SCOTT』の発足時から所属していた古参兵だったが、隊内では飛び抜けて若く、また飛び抜けて優秀だった。 だからこそ、心の底から残念に思うよ」
「自分も『特殊戦闘技術分隊(Special Combat Technique Team 、略称名:SCOTT)』隊員の能力は存じていますし、北郷三曹の活躍も耳にしていますので、全く同感ですよ。 さて、今回の件に関して米海兵隊の『スーパースタリオン』が―――――・・・・」
深い森の中。
木々が生い茂り、いたる所から野鳥の鳴き声などが聞こえてくる。
そんな大自然とは全く縁の無い、巨大なヘリが一機、静かに眠っている。その鋼鉄の巨体は若干『前のめり』になっている状態で、日光の反射で白く輝いていた。
突然、ヘリの後方部分から《ガコォン!!》 と、大きな音が響き渡る。
すると、一人の青年が這うようにしてヘリから出てきた。
「ハァッ・・・・ハァッ・・・・ここは・・・・・?」
ガシャガシャと音を鳴らしながらヘリの周りを歩き出す。
「(墜ちたのか・・・・)」
コクピット部が視界に入った途端、青年は歩みを止めた。
ヘリのコクピット部は砕けており、中には絶命した人間の亡骸が三つ、物も言わずにグッタリと座り込んでいるのが見える。
「くそ、もう二度と弾薬輸送のついでに乗っけてもらうなんて――――ッツ!!! 」
突然、青年の頭部に痛みが走り、『めまい』が襲いかかった。
額を手で抑えると、ドロリとした感触が伝わる。
手についたのは血。 どうやら彼は、どこかで頭を強打していたようだ。
「クソッたれが・・・・・!!」
青年はフラフラとよろめき、数歩進んだところで倒れてしまう。
そして、そのまま気を失った。
「―――――――か!?」
「――――――――い!!」
「(・・・・・・・ん? 誰か・・・・いるのか?)」
「大丈夫ですか!? 起きてください!!」
「んっ・・・・」
青年はゆっくりと目を開ける。すると、激しい頭痛が再び襲いかかってきた。
「 クソッ、まだガンガンしやがる・・・・!!」
「あの、大丈夫ですか?」
目の前にいたのは、まだどこか幼い感じの顔つきの少女だった。鮮やかな朱色の、肩くらいまで伸びたショートヘアが特徴的である。
そんな彼女の返答をすることもできず、青年はただ痛みに耐えながら状況の整理をするのみだった。
周囲はもう真っ暗で、今まで自分がどれくらい気絶していたのかが理解できる。
「(あのまま、しばらく寝ちまってたようだな)」
「あの」
「なんだ?」
「貴方は一体・・・・?」
「悪いが身元は・・・・いや、助けてもらっといてそれは無いよな。 俺は『北郷 一刀』だ」
「えっと、姓が『北』で、名が―――」
「ちげーよ。 姓が北郷、名が一刀だ」
「では、字は?」
「んなもんねーよ」
一刀は立ち上がり、あたりをキョロキョロと見回す。
頭痛はまだ治まっていないし、『目まい』もするが、だからといって何もできないわけではないし、何もしないわけにはいかなかった。
「(周囲には女が一人だけ、見たところ武器は持ってない、か)」
もしこの少女が襲って来たら、というケースに備えて対策を考える。
「(なんか隠し持ってたとすれば、肩を撃って無力化、それでも暴れるようなら膝を・・・・・いや、脳天をぶち抜いた方が手っ取り早いな)」
一方、少女は一刀の格好をまじまじと見ていた。
「(・・・・なんでこんなに変な格好なんだろ? )」
胸、腹、腰のいたるところに小物入れのようなものが付いていて背中は背中で袋のようなものを背負っている、しかも衣服の色は奇怪そのもの。
お世辞にもオシャレとは言えない。 しかし彼の趣向を否定するのも失礼だ。 人の趣味趣向など千差万別だ。
「(何も言わないでおこう・・・・)」
一刀はいつでも即応できるようにしつつ、少女に話しかける。
「とにかく、アンタが声かけてくれなかったら、俺は永遠に起きなかっただろうよ。 助けてくれてありがとうな、えーと・・・」
「あ、申し遅れました。わが名は徐福、字を元直と申します」
「徐福? イスラム国家で中華系なんて珍しいな。 いや、そんなこともないのか?」
「・・・・・はい?」
「は?」
徐福が「この人は何を言ってるんだろう??」といった感じで首を傾げたので、思わず一刀も首を傾げてしまった。不用意に首を傾げてしまったことで『目まい』が来たのだが。
「あの、あなたは何処から来たのですか?」
「出身国は日本だ」
「にほん?」
「ああ。 ほら、ゲリラが使う武装トラックあんだろ?? アレの半数は日本製だ」
「げ、げりら? トらく?? あの、さっきから何をおっしゃっているのか・・・・・『いーすらむ』とか」
少女はますます難しそうな顔になる。一刀の言っていることがまるで理解できていないようだ。
一刀は少し間を置き、今度は逆に徐福に質問してみた。
「立場を変えよう。 徐福、今度はこっちが質問する番だ。 まず、ここはなんていう国だ? 」
「ここは漢王朝ですよ。 霊帝様が大陸全土をお治めになっている大国です」
一刀の心に動揺が走り、鬱陶しい頭痛はさらに激しさを増した。
あとがき
どうも、マーチと名乗る者です。
休載のお知らせをして約一か月が経ちました。
といっても、実質的には2ヶ月半ほど休んでるわけですが(第16話が3月19日投稿でしたので・・・)
ちょっと作者の学校生活とか学業なんかが原因で、休載せざるを得ない状況になってしまいました。
本当に申し訳ありませんでした。
さて、今後はこの『新・恋姫†無双 天より来たりし戦士』をリメイク+修正をした『新・恋姫†無双 天兵伝』を投稿していきます。
修正点といたしましては
1、貂蝉との絡みナシ。
2、弾薬チートも無し。
3、一刀の所属部隊名が変更。(←ストーリー進行とはあんまり関係ないんですが)
以上が現段階での大きな修正点となります。
弾薬に関しては、一刀が『弾薬輸送のついでに乗っけてもらう』と言っていた通り、あのヘリに積載されています。
まぁ気化したガソリンが引火して爆発させたい気持ちもあるんですが(笑)
ストーリー進行は前作に準拠していくつもりです。
次話はいつ投稿できるかわかりません。 数日後か、1ヶ月後か、数ヶ月後か・・・・もう完全不定期更新です。
受験勉強もあるんで、本当にどうなることやら・・・完結はさせますけど。
まぁ暇つぶし程度にでも読んでくれれば嬉しいですね。
とまあこんな作者ですが、今後ともよろしくお願いします。
最後に、休載中にもかかわらず応援メッセージを送ってくださった皆さん、本当にありがとう!!
説明 | ||
一段落ついたんで。とりあえず、ただいま | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
3547 | 2895 | 31 |
コメント | ||
おかえりなさいませ、ごsy……ゲホッゲホッ……!!(kyou) ご帰還お待ちしておりましたッ!!自分は小中学生のころから筋金入りの兵器マニアで、ユーザー登録する前から読ませていただいておりました!これからも無理をなさらない程度に頑張っていってください!!(海平?) おかえりなさい!!待ってましたー!!(ryou) おかえりっす!待ってました。最近かなりの近いものを書き始めました。良かったら、読んでください。(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) おかえり!! 続き楽しみにしてます^^(tukasa) |
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