北郷・・・あいつを絶望させた上で殺す。

正史を乱せるほどに、影響力の高い外史の数々を作り上げてきた罪。

外史の管理者として既に看過できない領域まで、存在を膨らませた存在。

これ以上の暴走は許されない。

あまりに、あいつは危険な存在に成り果てた。

俺は、あの人形の元に戻りたいという、北郷の祈りの力を発端として、

貯めに貯めた力を近い、北郷を滅する為の外史として、摂理を捻じ曲げ、作り上げた。

管理者としての力は一時的に、ほぼ空っ欠となったが、本来の正史の世界を元とした世界で、

甘ちゃんの奴が生き残れる可能性は低い。

かつ、直接止めを刺す為に、俺もその外史に舞い降りる。于吉にも手伝わせる。

念には念を押すつもりだった。

だが、貂蝉も黙ってはいなかった。力の全てを使い、北郷を正史呂布の元に落とし、保護させ。

駒として使う予定だった人形どもを、無理を通して北郷の元に送り込んだ。

おかげで手元には僅かな駒のみ。

だが、貂蝉はしばらく姿を保てなくなるほどに力を使い果たし、

さらに、一番有用な駒は手元に残っていた。

二つの有力な外史を繋ぐ鍵となる、人形が。

于吉の術で心の自由を奪った、劉元徳。真名を桃香といったか？

一つの外史で存在せず、一つの外史で国の代表となる主要人物。

能力はともかく、存在自体が貴重な立ち位置にある。

さて、行くか。

コピーとはいえ、英傑たちが集う地だ。出来る限り、引き込んだ方が事は成し易い。