己の信ずる道を行け |
ここは、夏口に駐屯している黄祖の支配下の一つの町である・・・
そこでは一人の男が、都督を務めていた。名を、蘇飛・・・
この蘇飛は、文武両道のお手本とも言え、武は孫策にも匹敵するとも言われ、智は周喩にも劣らず、その上優しさもあるため、この当たり一帯では、かなりの評価を得ていた・・・
前回から何かを忘れてないか・・・
すぐ、そこには大きな袋?がおいてある・・・
魯粛「んー!(ちょっと!)」
甘寧「ん?あぁ、魯粛だったか・・・」
魯粛「んー!んーん!(早く、解いて出しなさい!!)」
手首を紐で縛られ、袋の中に入っている・・・
甘寧「やれやれ・・・」
魯粛「ぷはっ!死ぬかと思った・・・」
甘寧「お前は何をやっている?」
魯粛「私じゃなくて!・・・そういえば!蘇飛様は!?」
周喩「何をやっている・・・・」
甘寧「(今、私が・・・)これは、周喩様」
魯粛「周喩?」
とぼけた声で、視線を向けると・・・
周喩「魯粛?」
甘寧「?」
周喩・魯粛「「何であなたが此処に!?」」
甘寧「お知り合いですか?」
周喩「あぁ、まぁな・・・」
魯粛「えぇ〜・・・」
周喩「なっ!?お前何を言っている!」
魯粛「私の知り合いに、こんな■■はいない!」
周喩「お前こそ■■ではないか!」
二人共、■■である・・・
甘寧「■■・・・」(チラリ)
自分を見て少し落ち込む・・・
周喩「全く・・・それで、何のようだ?」
魯粛「別に用などありません!」
激しくにらみ合う二人・・・
周喩「では、どうするつもりだ?」
魯粛「蘇飛様のもとに帰ります!」
周喩「蘇飛と言うのは、黄祖の配下だな?」
魯粛「そうですけど?」
周喩「此処がどこだか分かっているのか?」
一気に冷めた声で話す・・・
周喩「今、孫呉は劉表軍の黄祖がいる夏口城に向けて、出撃をする話をしているところだ・・・」
魯粛「なんですって!?・・・甘寧、それは本当ですか?」
不安が混じっている声に、小さな声で答える・・・
甘寧「間違いない・・・」
魯粛「あなたは、何故何も言わないのですか!!恩があるでしょう!!」
甘寧「そんなことは分かっている、だから・・・孫策様に蘇飛だけは殺さないでくれと頼んだ!」
魯粛「そんな言葉を信用したのですか!もし「殺させるつもりはない!必ずアイツを連れてきてみせる!!」・・・・・・」
甘寧の力強い言葉に、思わず息を飲む・・・
周喩「つまりだ・・・今、この状況では我らに力を貸すしかないと言うことだ・・・」
魯粛「・・・・・・・・わかりました、協力します・・・」
しばらく考えた後、答えを出した・・・
魯粛「ですが、必ず蘇飛様は助けてください!」
甘寧「安心しろ・・・私が助けて見せる・・・」
周喩「意見がまとまったな」
周喩は呆れ顔で去っていった・・・
魯粛「あの袋をのけますか・・・」
そして、袋の口を下にして瞬間、カラッ、と小さな紙が落ちてきた・・・
魯粛「これは?」(ガサッ)
その紙には、文字が書かれており鈴が括り付けられていた・・・
蘇飛『魯粛すまないな、出来るだけ手加減はした・・・筈だ。後、その紙と一緒に鈴がついているだろ?それを甘寧に渡しておいてくれ・・・』
丁寧な文字で、一言一言書かれていた・・・
魯粛「(む〜、私には無しですか・・・)甘寧・・・これ、貴方によ!」
魯粛はそう言って・・・
甘寧「はっ?・・・これは、鈴か?」
魯粛「蘇飛様から『貴方だけに!』あった・・・」
甘寧「私、宛というところを強調するな・・・」
甘寧はその鈴を見て・・・
『ありがとう』
やさしく微笑んだ・・・
だが、その鈴が悲劇を招くとは思いもしなかった・・・
【続く】
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