真・恋姫†無双 武と知の2人の御遣い伝 第37話
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この物語は真・恋姫†無双という外史に、

CRISIS CORE FINAL FANTASYZのジェネシス・ラプソードスが来たという設定です。

作者である私、黒山羊が原作を何度もやりなおし、登場人物を原作通りにしたつもりです。

ですが、解釈が幾らでも可能であるように、登場人物が皆様のご期待にそえるかどうかはわかりません。

まあ、CCFF7が分からなくても楽しめるように書いたつもりです。

また、作者は関西人なので、気をつけているつもりですが、セリフが関西弁臭くなってしまうかもしれません。

あらかじめご了承ください。

読者の皆様が楽しめたら幸いです。

 

 

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視点: 霞

 

よっしゃーー!袁紹戦や!

反董卓連合の時の鬱憤晴らさせてもらうで!

っちゅうても、補給拠点探しやねんけどな。あーあ、袁紹本軍に突っ込みたいわ。

 

ウチらは夜の闇に紛れて森林の中を移動中や。

袁紹のアホのことやから、伏兵なんかありえへんやろうけど、念のために注意せなアカンな。

ウチは前方と側面の兵に盾の装備を指示する。

松明を消して行軍したいんやけど、足場が悪いから無理やわ。斥候の話やとここらへんに伏兵が居る感じは無いって言ってたけど、念のため用心せなあかん。

 

まあ、要するにウチらは袁紹の補給地点を夜襲するっちゅう話や。

んで、ウチらの軍は一番行軍速度が速いっちゅう訳で選ばれた訳や。補給地点を探す方法は関からちょっと西に離れた上り坂を登って、この森の中から補給地点らしき場所を見つける。

森から出てまうと袁紹軍に見つかってしまう恐れがある。そうなると、大軍で囲まれない限り逃げきる自信はあるけど、兵達をそんな危険にさらすわけにはいかへんし、あの上り坂を登ってこっちに来たことがばれたら、あっこを封鎖されるおそれがある。それだけは何としても避けたいところや。

補給地点が大軍やったら、恋の手を借りなアカン訳やし。

 

ウチは軍を幾つかに分けて補給地点の捜索を始めさした。

捜索時間は1刻。1刻後にこの森の中の広場に各隊長が集合。補給地点が分かれば、襲撃。

補給地点を見つけた場合、警備が厳重やったらこの広場に戻って誰も居なかったら、恋の軍に応援を頼むように各隊長に言っておいた。そうせえへんと伝令が被るかもしれへんからや。

 

さあて、ウチも探すか。袁紹の軍の補給地点。

ウチの担当は此処から一番離れたところや。山道を進んで北へと向かう。四半刻(30分)で目的の場所に辿り着いた。

 

 

 

 

 

 

「あれやな。」

 

東に大きな補給地点と思しき天幕の集団があった。ちょうど道が交差するところだった。

よう見たら、天幕の周りで兵士が座り込んで飯食ってる。決まりやな。

武器も持ってないみたいやし、完全に油断しているとは言え大軍や。恋の応援が必要やな。

ウチは先ほどの広場に戻る。もう、すでに東に行ってた連中が戻っていたらしく、すでに恋に伝令は行かせたそうや。恋達を待っている間、ウチらは休憩しておく。これからあの時の恨み晴らすんや。疲れてて満足に戦えませんでしたってのは、完全アホのすることや。

 

 

 

仮眠を取ってたら、恋達が来た。

 

「霞……敵何処?」

 

「ああ、恋おはよう。東っ側や。さっき見たら、飯時やったみたいやし、腹が膨れて動きが鈍い筈や。」

 

「では、作戦の最終確認なのです。恋殿と霞殿は補給地点を襲撃後、関に籠る袁紹軍の背後を叩くのです。

補給地点はどうか分かりませんが、関を守るのは袁紹軍の中でも精鋭なので、遠慮はいらないですぞ。

関陥落後、霞殿が関の護りをして、恋殿が関を防いでいる土嚢を撤去します。

これで曹操軍は関を通過し袁紹の領地へと侵攻するというわけです。追撃には恋殿と霞殿も参加とのことです。」

 

「了解。補給地点と関に籠る敵の背後を襲っただけじゃ、暴れたりへん。」

 

……コクッ

 

「では、行きますぞ!」

 

ウチらは森を飛び出し、袁紹の籠る関と補給地点の間を塞ぎ、北上して補給地点を奇襲。

やっこさんはウチと恋の牙門旗を見て、北へと逃げだしよった。何ともおもんないやっちゃ。

まあ、仕方が無いか。顔良や文醜は関を守りと袁紹のお守をしている言うし、それに袁紹軍は農民出身者が多く錬度が低いし、忠誠心も低いっちゅう話や。そのせいで黄巾の賊にも劣る軍隊になるんやで。

 

 

ねねの進言で補給地点は燃やさず、後ろから袁紹軍を不意打ちすることになった。

ウチ的には正面切って戦う方が好きやったけど、袁紹は張譲のクソガキのせいとは言え、月を暴君に仕立て上げて洛陽攻めた事があったから、罰が当たることは無いし、それぐらいしてやりたいとねねが言った。

 

ウチもそう言われて納得。恋もねねの言葉で思い出し怒り状態や。

ひさしぶりちゃう?恋が怒るの?

 

ウチらは南下し、袁紹が籠っている関の背後へと奇襲を掛けた。

華琳や秋蘭が関を攻撃していたおかげで奇襲には成功。完全な挟み撃ちや。

 

 

 

「たーーーまやーーーってこういう時に言えばええんかな?」

 

一刀から教えてもらった天界の言葉をとりあえず言ってみる。

適切な使用方法は夜の空にハナビっちゅう花が咲いた時に言うらしい。でも、この世界にはハナビなんてものはあらへん訳やから、使い道ないんちゃうんかって言ってたけど、今は恋の方天画戟で袁紹軍が吹っ飛ばされて夜空に袁紹軍が舞う。

でも、たーーーまやーーーという場面ではなさそうだ。

ああ、もう1つのほうが正しそうだ。

 

 

 

 

 

 

「見ろ!人がゴミのようだwwやっけ?」

 

うん、こっちの方がしっくりくる。

ああ、飛んでる飛んでる。なあ、あれって袁紹と文醜と顔良ちゃうの?

3人とも飛んでるわ。あの高さやと死ぬな。

あれ?でも、なんか関の横の森の中に飛んで行ったわ。あれやと助かるんちゃうん?

ああ、嫌やで、探すん。もう、見てないことにしとこうか。

どうせ、馬鹿と猪と知力34らしいし、放っておいても害は無いやろ。

 

そのあと、恋が土嚢を全部吹っ飛ばして、関の扉が開くようになった。

華琳達は袁紹軍の兵糧を手に入れ、北へと侵攻した。

北を治めていた袁紹に従っていた豪族は袁家の名の恩恵を受けていたヘタレばっかりで北の平定の障害はなく、簡単に華琳の領土になった。

 

次の目的は馬騰のおっちゃんの涼州や。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、宣戦布告と同時に馬騰のおっちゃんは涼州を捨てて益州へと向かったという情報を聞いた。

 

 

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視点:翠

 

袁紹に攻められた公孫?があたし達の涼州に助けを求めてきた。

お父様はそれを二つ返事で受け入れた。何でも公孫攅の筋肉から悪人の匂いがしないからだそうだ。あたしも白蓮は反董卓連合のこともあり、真名を許し合った。

お父様は白蓮のことをあたしのように、娘のように可愛がってくれた。

それから、少しの後に袁紹が曹操の領地に侵攻。返り討に会い、袁紹と将2人は行方不明だそうだ。

こうして、曹操はこの大陸は袁術とその客将孫策、曹操、劉備、あたし達の4つになった。

 

そして、先日曹操から宣戦布告の使者が来たのだが、お父様は涼州を出て南へと向かった。

 

「なあ、お父様、どうして益州に行こうとしているんだ?」

 

「……筋肉が南に行けって言っている。」

 

「またかよ。涼州捨てたのも筋肉が言っているのか?」

 

「…………筋肉が捨てろと言った。」

 

明らかにおかしい。普段のお父様じゃない。

何と言うか覇気がない。いつもなら、筋肉筋肉と叫びそうなのに。明らか変だ。

 

攻める先はさっきも言ったが、益州北部。

劉備と知の御遣いの治める所だ。少し前まで劉備達は平原を治めていたのだが、北の袁紹に攻められて平原を捨て、曹操の領地を抜け、荊州北部と益州北部を手中に収めたらしい。

劉備の陣営には武の御遣いも居る。

お父様はどうやらこの武の御使いと戦いたいらしいが、それだけじゃない様な気がする。

だから、変な気しかしないのだ。

 

『劉』の牙門旗が見えてきた。どうやら、もう劉備が出てきたらしい。

 

「全軍停止!」

 

お父様は軍を止めた。口上戦に行くつもりか?

お父様は振り返り、私達を見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

「今まで、俺に仕えてくれてありがとう。皆……じゃあな。」

 

「え?どういうことだよ。お父様!」

 

「俺、病気なんだ。もう長くない。

俺は戦人だ。寝台の上で最期を迎えたくはない。この命の最後は戦場が良い。

後に残るのはお前たちだが、どう考えても翠も蒲公英も君主の器じゃない。涼州を捨てたのも、誰かにお前たちを預けるつもりだったからだ。

曹操の所に行っても良かったんだが、どうもアイツと俺の意見は合わん。だから、俺は劉備を選んだ。

それに武の御遣いが居るしな。俺の最後には丁度良い相手だ。

ワリいな。翠、蒲公英、白蓮。こんなわがままなクソ親父で…。

 

お前らそこから絶対に動くなよ!これは俺の最後の命令だ!!」

 

 

 

そう言うとお父様は輜重隊の荷車に乗った愛用の大剣を取りだした。

名を苦義罰斗(くぎばっと)。大きさは刀身5尺(約1,5m)で、刃は無く、代わりにごつごつとした棘がまんべんなく付いている。重さは10貫(約38kg)あり、常人では振りまわせないが、筋力のあるお父様はこれを軽々と振りまわし、相手をひき肉にしていった。1000人の黄巾党が暴れて居た所に単独で突っ込んで行き、黄巾党が暴れていた所をひき肉の野原に変えてしまったことがあった。

 

「武の御遣い!俺は馬騰だ!俺と勝負しろ!」

 

武の御遣いはすぐに現れた。

この前に…反董卓連合に会った時のような脱力感は微塵も感じられなかった。

お父様はニヤリと笑うと苦義罰斗を構え、一人突っ込んで行った。

あたしはお父様を止めたかったが、あそこまで真剣なお父様を見たのは初めてで、その場から動くことが出来なかった。

 

武の御遣いはその場で構える。

武器はあの細くて赤い剣。あの赤さは不気味で返り血で赤くなったのではと思ってしまうほどだった。

赤いのは剣だけでは無い、着ている服も赤い。目は冷たい。つららのように鋭く、冷たい。

 

お父様が苦義罰斗でなぎ払いをする。武の御遣いはぎりぎりの所で後退しかわす。

そして、突きを入れようと、剣を突きだす。お父様は苦義罰斗を引き、武の御使いの攻撃を防ぐ。

だが、武の御使いの突きは重たかったようで、お父様は押された。砂埃が舞う

あのお父様が押される。私には想像できなかったが、実際に起こっている。

お父様の強さは私と蒲公英が組んで何とか倒せる次元の話。

 

だが、お父様もやられっぱなしではない。

お父様は苦義罰斗で攻撃する。武の御遣いは後退しまた同じように突いてくるが、それをお父様はそのまま回転し、もう一度なぎ払いをする。武の御遣いは咄嗟に後ろに回転しながら跳躍してお父様の攻撃を避ける。着地を狙いお父様は苦義罰斗で更なる攻撃をする。

武の御遣いは防御の姿勢を取りお父様の攻撃を防ぐが、宙に浮いていたので武の御遣いは飛んで行った。

武の御遣いは頭から地面にぶつかりそうだったので、剣を持っていない左手で地面を押し、その勢いで体を起こし両足で立つ。そこから武の御遣いは跳躍し、お父様に近づく。

人間はあそこまで長距離を跳躍することは出来るのだろうか?

お父様も武の御使いに向かって走って行く。

上段の構え。あれをまともに食らって無事ですんだモノは居ない。

 

そして、お父様の苦義罰斗と武の御使いの剣がぶつかった。

互いの剣がぶつかり、その勢いで2人の間から砂埃が飛ぶ。そして、飛ばされた。

 

 

 

 

 

 

お父様だけが……。

武の御遣いはその場に着地した。

 

「まだまだ!」

 

お父様は口から血を吐きながら、武の御遣いへと向かって行く。

病と言うのは本当だったらしい。

 

お父様はまた同じようになぎ払いをし、かわした武の御遣いに違った手で追撃するつもりだったのだろうが、武の御遣いは真上に跳んでお父様の攻撃をかわすと左足でお父様の右頬に蹴りを入れようとする。

お父様は左手で武の御使いの蹴りを防ぎ、武の御使いの足を掴んだ。そして、右手の苦義罰斗で攻撃しようとするのだが、それよりも速く、武の御遣いは右足でお父様の顎を蹴りあげた。

顎を蹴りあげられたお父様は左手を放し、ふらつく。

武の御遣いはその場に下りた。

 

だが、お父様はまだ諦めない。大声を上げ、自分の意識をハッキリさせると、武の御遣いに頭突きをかます。

初めて、お父様の攻撃が入った。武の御遣いは左手で額を抑え、後退する。

あたし達の軍に歓声が上がる。やったお父様が勝てるかもしれない。

 

「何故俺を相手に指名した?」

 

「俺の最後にお前が相応しそうだったからだ。」

 

「負けるつもりだったのか?」

 

「そんなつもりはねぇよ。勝って燃え尽きて死ぬつもりだ。」

 

「お前の娘はどうするつもりだ?」

 

「劉備の所に預ける。」

 

「そうか。……だったら、アンタはここで死ぬには相応しくない。

みじめに無様に病気と闘いながら、生きてもらう。」

 

「何だと!?」

 

「それから剣士としてさっきまでは戦ったが、今からはソルジャーとして戦わさせていただく。

要するに…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今から本気で行こう。」

 

今までは遊びだったらしい。

 

 

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視点:ジェネシス

 

「今から本気で行こう。」

 

俺は後ろに跳び着地すると、剣を右手で前に出す。

左手をレイピアの刀身の鍔の方に添え、魔力を込める。左手を剣先へとスライドさせていく。

手で触った刀身には白い模様が浮かび上がる。左手が剣先を触り終えると、レイピアの刃に浮かび上がった文字を打ち消すほどの光を帯びる。刀身は白く光り、刃は赤く光る。

 

「今まで、お遊びだったのかよ。

まあ、お前が本気になっても、俺の勝利は揺るがないがな。」

 

「その余裕 いつまで持つかな?」

 

 

 

ダンシングソード

 

 

 

この技の剣の振り方に定義は無い。

ひたすら相手を攻撃し続ける。防御の姿勢は取らない。

攻撃された時は避けるか相手より強い攻撃で相手の攻撃を潰す。

ただ、それだけ。

「そんなものは技とは言わない」と言う奴も居るがそんな奴は所詮雑魚だ。

攻撃の時の心構えがまるで分かっていない。

 

 

俺は剣を後ろで持ち、馬騰へと間合いを詰める。

そして、最適の間合いで目一杯の力で斬りおろす。馬騰は防がず、後ろに跳ぶ。だが、少し判断が遅れたな。

馬騰の大剣を剣先から5cmほど斬る。馬騰は顔を歪める。

俺はそこから屈伸運動と体の捻りを使い、切り上げをする。軌道は左下から右上に向かって。

馬騰は体を逸らして避けるが、服と左腕が斬れる。馬騰の腕からは血が出る。

俺は右腕を右方に振り切ってしまっているので、そこから体を時計回りに回転させながら、剣を体の左方に持って行き、左上から右下に向かって渾身の力で斬り下ろす。

馬騰は大剣で俺の攻撃を防ぐ。俺のレイピアは馬騰の大剣を真っ二つに斬ろうとしたが、途中で止まった。

馬騰は俺の斬撃の運動エネルギーを上手く往なしたようだ。そうでなければ、この大剣なぞ。普通は真っ二つだ。

 

馬騰と目があった。

馬騰は口を引きつりながらも笑っている。

この状況で笑って居られるとは面白い。

 

馬騰は力任せに大剣を回転させ、俺の剣持って行こうとするが、俺は力を込めて阻止する。

普通の剣なら、折れてもおかしくないのだが、魔力を込めた俺のレイピアは強度、斬れ味が増す。

だから、この程度の力比べでは折れない。だが、馬騰の剣は違う。馬騰は斬られた所で俺のレイピアを絡めようとしているのだ。強度は俺のレイピアの方が上なので、馬騰の剣はヒビが入って行く。

馬騰は俺のレイピアを抜き、力比べを止めようとするが、俺はそうはさせない。

俺は馬騰に合わせて力を入れる方向を変え、そのまま馬騰の大剣を折った。いや、割れたの方が表現的には正しいのだろうな。馬騰の大剣は刀身の半分が割れた。

 

馬騰はそこから、なぎ払いをしてくるが、俺は屈んで攻撃を避け、馬騰の鳩尾に柄頭を叩きこむ。

馬騰はせき込み、血を吐く。俺は吐血を避けて、一度間合いを取る。

 

剣を右方にし、再度馬騰に迫る。

馬騰は俺が剣を右方に持っている事から攻撃が右から来ると読んだのか、大剣を左手に持ち替えた。

だが、俺は右からのなぎ払いをするつもりなど、さらさら無く、突きをする。

馬騰は驚き、大剣を自分の前に持ってきて、俺の突きを防ぐ。

だが、ボロボロの剣に俺のダンシングソードを防げるはずも無く、大剣は貫通する。

馬騰は咄嗟に体を逸らし、大剣を貫いた俺の剣を避けた。

俺はそこから馬騰の大剣に近づき、てこの原理で馬騰の大剣を更に割る。

 

刀身はもう、50cmほどしかない。

だが、ここで詰めを甘くすると相手が調子に乗る。

 

俺はそこからただ刺突をしただけだ。

回数とスピードだけは本気でさせてもらったが。

 

馬騰は俺の刺突を大剣で防ごうとする。

俺は刺突で馬騰の大剣を削って行く。

まるで彫刻刀で木を削って行くように…。

 

 

 

 

 

 

そして、馬騰の大剣から刀身は無くなった。

 

俺は馬騰にレイピアを向ける。

馬騰は観念したのか、柄だけになった大剣を捨てる。

 

「俺の負けだ。殺してくれ。」

 

「断る。」

 

「何だと?」

 

「自ら死を懇願するなら、何も残すな。」

 

「俺は何も…。」

 

「だったら、アレは何だ?」

 

俺はレイピアを馬超たちの方に向ける。

 

「お前の家族と部下だろ。」

 

「あぁ。だが、それ以上に武人だ。死ぬ場所は戦場と決めている!」

 

「死ぬ場所が何だ!

そういうのは微塵のかけらもこの世に残せないと分かったか、全てを捨ててから言え。」

 

「家族も部下も捨てた!」

 

「アンタが死んでからのアイツらのことを、何故アンタは考えている?」

 

「それは……。」

 

「理想を求めて足りず、思いを重ねてまだ足りず、命を賭してもなお届かず、全てを賭けても至らない。

これが現実なのだと絶望したのなら来い。俺が殺してやる。」

 

「………。」

 

馬騰は沈黙する。

馬超と馬岱、公孫?が軍を率いて俺を囲んだ。

誰もが俺に対して敵意を向けている。

 

「安心しろ。馬騰を殺すつもりはない。」

 

俺の言葉を聞いて安心したのか、馬超たちから敵意が無くなる。

俺は自軍へと戻り、『LOVELESS』を読む。

 

後で聞いたのだが、馬騰達は桃香に降った。

馬騰の病気は末期で手の付けようが無かったという。数日後、馬騰は馬超たちに見守られて息を引き取ったらしい。

この話は馬超から聞いた。

馬超から礼を言われた。

 

武人として馬騰に憧れていたが、死ぬ時は家族で居て欲しかったらしい。

 

 

 

………家族か。

 

俺には家族は居ない。

あの世界にも両親は居なかった。形式的な両親は居たが、2人は俺を裏切り続けてきた。

 

俺には家族は居ない。

 

これまでも、これからも。

 

 

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へぅ( ゚∀゚)o彡°黒山羊です。

こっちを投稿するのは久しぶりですね。

最近桔梗√を書きはじめましたので、長編2本になってしまいました。

 

今回の話は如何だったでしょうか?

袁紹がお笑い要員じゃないかって?

すみません。官渡の戦いの頭でお笑い要員にしてしまったので、戦いが終わるまでそのままにしようと思いました。

 

それから何処かで聞いた事のある台詞があるって?

はい有ります。

fortissimo EXAでオーディーンというおっちゃんが言ってた台詞です。

 

理想を求めて足りず、思いを重ねてまだ足りず、命を賭してもなお届かず、全てを賭けても至らない。

これが現実というものだ。

 

という台詞。

自分的にはかなりのジェネシス向きではないかと思っています。

という訳で台詞そのままパクりましたww

 

おっと、明日からまた学校なので今日はこの辺で、

では、最後になりますが、いつもので閉めましょう。

それでは、御唱和下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

へぅ( ゚∀゚)o彡°

 

 

説明
へぅ( ゚∀゚)o彡°黒山羊です。
『第1回同人恋姫祭り』お疲れさまでした。
次回もやるつもりなので、ユーザーの皆様楽しみにしていてください。
後、楽しめたのなら、皆様のブログやツイッター等でつぶやいてくれると嬉しいです。

最後になりますが、
現在私は2本長編作品を書いています。
『真・恋姫†無双 武と知の2人の御遣い伝』を読まれる方はこちらの第1話から読んだ方が話が分かると思います。

第1話
http://www.tinami.com/view/201495

『桔梗√ 全てを射抜く者達』を読まれる方はこちらの第1話から読んだ方が話が分かると思います。

第1射
http://www.tinami.com/view/219495
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コメント
へう! 3pの2行目の公孫?が「公孫酸」になってます。  1対1ができるとはさすがに強いですねえ。(ZERO&ファルサ)
馬騰、この世界で本気のジェネシスと1対1で戦ったのは貴方が初めてです…しかも、病に侵された身で。惜しい方を亡くしました…。(ノワール)
ジェネシスさん かっけぇ〜♪ そして、馬騰・・・南無ぅ〜 でも、家族に看取られたのはイイと思うよ。(トトクロ)
へぅ( ゚∀゚)o彡°(cuphole)
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