仮面ライダーディケイド×新・恋姫†無双 feat戦国乙女 新たなる外史への扉 第10話 心男中女 |
西国から帰る中、夜道は危険としてノブナガ達は途中にある寺へと立ち寄る。
そこでヒデヨシと一刀が見たものは……。
「本能寺」
(きちまったか……)
「どっかで聞いたような……」
「小学生でも分かるぞ!」
一刀がヒデヨシにツッコミを入れる。
ヒデヨシは寺に入ってすぐに持っていた歴史の教科書を開いて調べた。
「天正十年、天下統一を目の前にした織田信長は京都にある本能寺にて家臣明智光秀の謀反に遭い、その…嘘っ!」
ヒデヨシは思わず大きな声を上げる。
それがノブナガとミツヒデに聞かれてないか、慌てるもひとまずは聞かれてなかった。
「明智光秀の謀反に遭い、その命を……落とした!? これを本能寺の変と言う…」
「そういうことだ」
「一刀さんは知ってたの?」
ヒデヨシが小声で一刀に尋ねる。
「そんなもん小学6年生で習うことだぞ。中学生のお前が知らないでどうする」
「で、で、で、でも……」
「とりあえず今の二人を見てみるか」
一刀とヒデヨシがノブナガとミツヒデの方を見る。
「お館様、まずは旅の汗をお流しください、着替えはここに…」
「うむ、ヒデヨシ、お主も一緒に入るか?」
ノブナガが風呂にヒデヨシを誘う。そのことを聞いてミツヒデの顔がわずかにだがこわばった。
「へっ、あ、あたしご飯の用意手伝わなきゃいけないので……」
本能寺の変を知ってヒデヨシは慌てて断る。
「なんだつまらぬの〜。ならばミツヒデ、お主が一緒に入るか?」
「私は風呂釜の方を見ておりますので、ごゆるりと」
「そうか。では入らせてもらおう」
ノブナガとミツヒデは風呂の方へと向かった。
「いつもと同じ……だよね?」
ヒデヨシが一刀に尋ねた。
「お前にはあれがいつも通りに見えるか?」
一刀にはそれがいつも通りには見えなかった。
「え? それってどういうこと?」
「ミツヒデが風呂の誘い、断ると思うか? いつもの……いや、前々でのあいつだったら断ってない。
風呂釜の方なら俺がやればいいと言ってくるはずだ。事実、前までそうだろ」
一刀がヒデヨシに尋ね返す。確かに一刀の言うとおりである。一刀は何度か一緒に風呂に入らぬのなら風呂釜を見ろとミツヒデに言われていたのだ。
「けど…今日はその気分が悪いとか…」
「可能性は否めないが、俺からしたらそうとは思えない」
「じゃあ、どうするの〜」
「俺がどうにかするさ。この世界を教科書……正史通りにはさせねえよ」
一刀が笑顔をヒデヨシに向ける。
「とりあえず俺も周りを見てくるか…」
一刀もいったん部屋を出て行った。
(一刀さん……そうだよね。教科書通りにならないよね)
風呂場ではノブナガが湯につかっていた。
「お館様、湯加減はどうでしょう?」
「うむ、ちょうどいいぞ。極楽とはこのことだな」
「それは、ようございました」
ミツヒデは燃え上がる炎を見て思う。
(私はこれまでずっとお館様に尽くしてきたのに……。己のすべてをあの方に捧げてきたのだ。
なのに……この気持ちさえ、届いていないというのなら……いっそお館様をこの手で殺し、私も……)
第10話 心男中女
「それで何の用かしら?」
本能寺近くにいた伊達先生を一刀は見つけて話していた。
「あんた、ミツヒデに変なことを吹き込んでないだろうな」
「変なこと?」
「本能寺の変につながることだ。今のあいつは情緒不安定だ。下手すれば何かの拍子にノブナガ殺しちまうからな」
「気づいてたの?」
「悪いがこう見えても長く旅してるんで、色んな人間を見てきたつもりだ」
「さすが破壊者ね」
「そんで念のため、あんたを探すことにした」
「私がミツヒデに本能寺の変をさせるとでも?」
「思ってるから言ってるんだよ。まだあんたが外史の管理者じゃないって疑いは晴れてないからな」
「それは残念ね」
「ヒデヨシの奴もすごく心配してたぞ」
「日出さんが?」
「ああ。あいつの性分は俺よりも担任のあんたがよく知ってるはずだけどな」
伊達先生はその言葉を聞いて色々思い出す。
「あいつとの付き合いが短い俺でも分かるぜ。あいつはバカだ。だが、それ以上に優しい現代人だ。
この前戦ったモトナリ達のことも少し心配してたし、俺があの三人を殺さないか不安だったらしいぜ」
「そう……」
「もしここで、ミツヒデがノブナガを殺すようなことがあったら、あいつが黙ってはおけないだろうぜ。
てか、そうはさせまいと止めるだろうぜ」
「……」
「その時、あんたはどうするんだ? 生徒を見殺しにするのか?」
「……」
伊達先生は黙り込んでしまう。
「まあ、俺が何とかしてやるけどな。
話はひとまずそれだけだ。釘はさしておいたからな」
一刀がその場を去る。
「日出さん……」
黙って本能寺を見る伊達先生。
その頃、ヒデヨシはミツヒデに外に連れて行かれ、木に縛りつけられていた。
「これは一体、どういうこと? あけりんってば…、ねえなんでこんなことするの? あけりんってば!」
黙っていたミツヒデはようやく答える。
「これは賭けだ。私とお館様の運命を確かめるための…」
「賭け? 運命?」
ミツヒデは去っていく。
「待ってあけりん! 何言ってるのか分からないよ、あけりん!」
ミツヒデはヒデヨシの言葉を聞かずに去る。
「あけりん……」
ヒデヨシはふと頭にあることがよぎる。
「まさか、本能寺の変! ダメ! そんなことさせちゃ!」
ヒデヨシはもがくも縄はきつく縛ってあった。
「誰かこれ、ほどいて! 一刀さーーーーーーん!!」
「静かだな〜、寺の者はどうした?」
部屋にはノブナガとミツヒデの二人しかいなかった。
「はなれに向かわれました。断ったのですが、旅の疲れを癒すには静かな環境が良いと言って頑なに…」
「う〜む、それは悪いことをしたな」
「ですが、ご厚意を無碍にすることもできず…」
ミツヒデはあるものを取り出す。
「それは?」
「近くの村のものがぜひお館様にと」
ミツヒデが取り出したものは瓢箪で、中には酒が入っていた。
「全ての甲冑を集めた祝いになると思い、私が受け取りました」
「そうか」
ノブナガが酌を求めるが……。
「どうした? なぜそのような固い顔をしておる?」
「は…ようやく甲冑が全て集まり、これまでのことを思い出して、自然と……」
「お主には苦労かけたな」
「いえ、恐れ入ります」
「そういえば、ヒデヨシはどうした? それに一刀もおらぬの」
ミツヒデがわずかに動揺する。一緒に旅していたものがいないので尋ねるのは当たり前である。
「まさか奴らもはなれに行ったのではあるまい」
「ヒデヨシなら、台所で酒の肴を用意しております。任せろと言うので私がお館様のお相手をと思い…。ただ、一刀殿は分かりませんが」
「そうか。まあ一刀なら何があっても大丈夫であろう」
「はい、さあお館様、どうぞ一杯」
「いただこう」
ノブナガは酒を飲む。
「ぷはー、うまい!」
そうしてノブナガは何度も酒を飲んだ。
その頃ヒデヨシはまだ縄に縛られていたが、お腹がすいたために腹がへこみ、縄が緩んだので脱出出来ていた。
「とにかくあけりんを止めなくちゃ…一刀さんはどこに……」
ヒデヨシが戻っていく中、ミツヒデは火を用意し、たいまつを持った。
「ずっと……お慕えして参りました。お館様、ミツヒデはいつまでもあなたと一緒です。
お館様、すぐに私も参ります」
ミツヒデが火をつけようとしたその時であった。
突如とミツヒデの持っていた松明の火が消えた。
「これは?」
ミツヒデが突然のことであたりを見回す。
そして近くに仮面ライダーオーズシャウタコンボの姿になっていたディケイドがいた。
先ほど火が消えたのはディケイドオーズがシャウタコンボの力で消したのだ。
「お前は……」
「ふん」
ディケイドが変身を解く。
「待って! ……あけりん」
そこにヒデヨシもやって来る。
「一刀いたのか」
「ああ。隠れてたよ」
「それにヒデヨシ……どうやってあの縄を?」
「お前、捕まったのか?」
「まあ……。あけりん、何しようとしてたの?」
「火、つけてノブナガと一緒に死のうとしてた。それが正解だろ」
「立ち去れ、貴様らには関係ない」
「関係ない?」
「ねえあけりん、一つ教えて、お館を殺しちゃったの?」
ミツヒデは黙る。
「答えて! あけりん!」
「眠られてるだけだ。…もういいだろ、行け」
「それでまた火、つけようとしたらたまんないだろ。ノブナガだけじゃなくて寺の人達もさ……」
「いけ!」
ミツヒデがクナイを二人の足元に向けて投げる。
「嫌だ!」
「ああ!」
一刀はライドブッカーをソードモードにしてミツヒデに突きつける。
「いい加減にしな」
今の一刀はモトナリ達に見せた怒り以上に怒りを顕わにしている。
そんな時であった。突如と寺が燃え出したのだ。
「何!?」
「え、何!?」
「これは一体……」
「(先生の仕業か? だが気配はなかった。となるとこれは外史自身が望んでるのか? だとしてもだ……)ヒデヨシ!」
「は、はい!」
「いくぞ!」
「え?」
「させん!」
ミツヒデが再び二人にクナイを投げる。
「手前……」
「もう放っておいてくれ……。もう手遅れなんだ」
ミツヒデは諦めたような口ぶりをする。
「まだ間に合うよ! もうやめようよ! どうしてこんなことを望んでるの!?」
ヒデヨシがミツヒデに近づく。
「どうして…」
「貴様がそれを言うな!」
ミツヒデはヒデヨシを押し倒す。
一刀はその行動を見て、激情に走った!
「カメンライド、ディケイド!」
一刀はディケイドに変身する。しかしそれはただのディケイドではなかった。
仮面ライダーディケイド激情態。変身者の高ぶる感情に反応し、変わったディケイドの姿である。
「ふざけるな!」
ディケイドがミツヒデに再びライドブッカーを突きつける。今度はミツヒデの首元である。
「なんでこんなこと望んでるんだ。手前……」
「貴様らが……貴様らが現れたからだ」
「何?」
「私はお館様と二人で幸せだった。私だけを気にかけ、私だけに微笑みかけてくれた。
それなのに……貴様らが勝手に私達の中に入り込んで! 特にヒデヨシ!
お前は私の大切なものを奪った!」
その言葉を聞いて、ディケイドは思わずライドブッカーでミツヒデを斬る!
「!」
「一刀さん!?」
ミツヒデはその場に倒れる。
激情態になっても基本が変わらないため、ミツヒデに怪我はない。
「な、なぜ……最後まで邪魔を……」
「ふざけるんじゃねえ!」
ディケイドがミツヒデの襟元を持つ。
「そうだよ! そんなの間違ってる!」
「何?」
「あたしが邪魔だったら謝るけど、でも…でもそれでお館を殺していい理由になんかならない!」
「そうだ」
「知った風な口を……」
「知らねえさ。けどな、一人の笑顔は誰か一人のものじゃない。皆のものなんだよ! ノブナガの笑顔は自分だけ? それこそ手前はふざけてやがる!」
「あけりんは……あけりんはお館が笑ってるところをもう見られなくていいの?
一緒に笑えなくていいの? あたしは嫌だよ!」
ヒデヨシは泣きながら訴えかける。
「貴様!」
「あけりんはお館が好きじゃないの? 自分だけを見てくれるお館じゃないとあけりんは好きになれないの!? あけりん!」
「………」
ミツヒデは黙り込む。
「もういい!」
ヒデヨシは燃える寺の中に入っていく。
「お前じゃ危険だ!」
ディケイドも寺の中に入っていく。
「あいつら……また邪魔を……」
ミツヒデは立ち上がり、寺に入った。
「お館!」
ヒデヨシは必死にノブナガを探す。
そんなさなか、ミツヒデはヒデヨシと一刀を止めようと探していたが……。
(さっきまで死のうと思っていたのではないか……)
ミツヒデはこのままでは自分の命も危ういと考えていた。
そしてヒデヨシの言葉を思い出していた。
そんな時であった。
「ミツヒデーーーーーー!!」
起きたノブナガがミツヒデにめがけて矢を放ったのだ。
その矢の目標はミツヒデ……ではなく、ミツヒデの上に落ちそうになった瓦礫であり、矢は瓦礫を完全に粉砕した。
「見つけた!」
「アタックライド、クロックアップ」
ディケイドはすぐにクロックアップを使い、ノブナガの元に来た。
「一刀か」
「ああ」
「敵はどこか!?」
「…」
ノブナガはこの火の原因がどこかの敵かと勘違いしていたのだ。
もっとも最初に火を放とうとしたのはミツヒデだが、現在の火の原因は不明である。
「とにかく、脱出だ!」
ディケイドがノブナガの体をつかみ、前にいたミツヒデの体もつかんで寺の外に出る。
「ごほっ、ごほっ」
「じゃあ、俺はもう一度行ってくる。あのバカ、助けないといけないからな」
そう言ってディケイドは再び燃える寺の中に入っていった。
「ミツヒデ! 大丈夫か?」
ノブナガが放心状態にミツヒデに尋ねる。
しかしミツヒデは答えない。
「敵は……本能寺……私の心の中に……申し訳ございませぬ!」
ミツヒデは涙を流しながら、ノブナガの前に跪く。
「私は……家臣にあるまじき不忠義者! この罪、私の命で!」
ミツヒデはクナイを持ち、自害を図るが、ノブナガは大剣でそれを払う!
「……お館様……」
ノブナガは大剣の柄の部分をミツヒデの前に突き刺す。
「読め」
「…………」
「読んでみろ!」
ノブナガの大剣にはある文字が刻まれている。
「天下……布武…」
「そうよ、天下布武!」
ノブナガはミツヒデの襟をつかむ。
「ふざけるなよ、ミツヒデ。天下統一はわしが無双し、お主がついてきたからこそここまでたどり着いたのじゃ。
その実現を前にしてたわけたことをぬかすな! お主とわしは一心同体、それはこれからも決して変わらぬ」
「あ……ありがたき……幸せ……」
ミツヒデは意識を失う。
「お館ーどこにいます!」
ヒデヨシが懸命にノブナガを探していた。すでにノブナガはミツヒデとともに脱出したと知らずに……。
「苦しい……でもお館を見つけないと……」
ヒデヨシは一番いそうな部屋に行ってみる。
その部屋は真紅の甲冑が置いてある部屋である。
「お館!」
するとそこには真紅の甲冑が入った箱を持っていこうとする伊達先生がいた。
「マサムネさん? それ……どこに持っていこうと……」
ヒデヨシが尋ねようとした時、ヒデヨシの上から瓦礫が落ちてくる!
「日出さん!」
伊達先生がそれに気づいてヒデヨシを助けようとするが、ぎりぎり間に合いそうにない。
「アタックライド、スラーーーーッシュ!!」
ディケイドがギリギリのところでディケイドスラッシュを発動させ、瓦礫を壊す。
「たく……!」
するとディケイドの上からも瓦礫が落ちてくる。
「くそ! またかよ!」
ディケイドは対処しようにも思ったよりも多いため、対処しきれない。
「ぐわっ!」
ディケイドは瓦礫に埋もれてしまう。
ディケイドが助けたヒデヨシは伊達先生がかばおうとしたショックで頭を床にぶつけ、気を失いかける。
「日出さん……日出さん!」
伊達先生が必死にヒデヨシに声をかける。
「あれ? 伊達先生……」
ヒデヨシは気を失う前に眼帯が取れた伊達先生を見て、自分の知っている先生像と合わせる。
「今……日出さんって……」
ヒデヨシは気を失ってしまう。
「とりあえず助けないと……」
伊達先生はヒデヨシを抱える。
「あなた、この子のこと、後で頼むわよ」
伊達先生はディケイドが埋もれている場所にそういって去って行った。
それからヒデヨシが目を開けるとすでに朝になり、外に出ていた。
「ヒデヨシ、気分はどうだ?」
ノブナガがヒデヨシに問う。
「頭がまだ…ぼう〜として……、あたし……どうして?」
「寺の外に倒れていたのだ。だが無事で何よりだ。お主はもう少し休め」
ノブナガがヒデヨシの頭をなでる。
次にミツヒデがやって来た。
「ヒデヨシ…昨夜のことは許せ。私は血迷っていたようだ。もう二度とあのようなことはせぬ。すまぬ」
ミツヒデは大いに反省していた。
「あけりん」
「だが、貴様は一回。私は十二回だ」
「はい?」
実はミツヒデは大量に煙を吸い込んで気を失ってしまい、その時にノブナガに人工呼吸をしてもらったのだ。
十二回と言うのは人工呼吸をしてもらった回数である。
(……ま、いっか。あけりんの気も変わったみたいだし…。めでたし、めでたしだよ。
でもなんか大切なことを忘れてるような〜)
そんな時であった。
燃え尽きた寺から一つの手が突然現れた。
『!!』
寺の人間やノブナガ達は驚く。
「な、なに!?」
「くそ!」
手だけでなく、体も現れる。そこから現れたのはロボライダーであった。
「何者だ!?」
「くそ! 先生め! あんなこと言い残しやがって!」
「その声……一刀か?」
「そうだよ、こいつはロボライダー。火に強い姿でな。ギリギリのところでこいつになったから助かったぜ……」
実はディケイドは瓦礫に埋もれる直前にロボライダーになったのだが、頭を打ってしまい、気を失っていたのだ。
「おい! 先生はどこだ!」
「先生……あーーーー!!」
一刀の言葉でヒデヨシは大事なことを思い出す。
それは伊達先生が真紅の甲冑を持っていったことである。
「もしかしたら、マサムネさんって伊達先生かもしれない!」
ヒデヨシはようやく答えにたどり着いた。
その頃伊達先生は馬を走らせていた。
「やった、やったわ。これで安土城にある甲冑も手に入れれば、全てが揃う。
これで伊達家の悲願も……」
「ご苦労様、奥州の田舎侍」
伊達先生の前に立ちふさがるのはイエヤスとハンゾウであった。
「それをこっちに渡しなさい。あなたが持っててもしょうがないでしょ」
「イエヤス殿……」
「私が天下を取る。その手始めに…あんたを殺してやるよ」
イエヤスが本性を顕わにする。
同じころ……。
ここは仮面ライダーディケイドに変身する一刀がいた外史。
そこに存在する月の写真館にある男がやって来た。
「いらっしゃいませ」
月が入ってきたお客さんにあいさつをする。
「やあ、久しぶり」
入ってきたのは東王父。外史の管理者の一人であり、仮面ライダーディエンドに変身することができる人物である。
「東王父さん」
「あんた、最近見ないと思ってたけど何してたの?」
詠が尋ねる。
「ちょっと、管輅の手伝いとカードの更新してたところだ。一刀の方はどうだ? 元気にしてるか?」
「一刀さんから定期的に連絡は来てます。元気にしてるみたいですよ」
「まあ、あいつ自身がやばいってことはまずないだろ。そんで、コーヒーくれ」
「あんたねえ、ここ喫茶店じゃないのよ」
「コーヒー豆は送ったはずだけど」
「それはあんたが勝手にやったんでしょ」
「少し待っててください」
月はすぐにコーヒーを用意する。
「ありがとう」
東王父はコーヒーを飲む。
「ただいま〜」
そこに破国の将が帰ってくる。
「あ、東王父さん。久しぶりだね」
「ああ、久しぶり蒲公英」
「やっと来てくれましたか」
稟がため息をつく。
「やっと?」
「はい、お兄さんから東王父さんに調べて欲しいことがあると連絡があったのですよ〜」
風が理由を言う。
「調べて欲しいこと?」
「はい。今一刀殿のいる世界の住人の徳川イエヤスと伊達マサムネのこと。そして真紅の甲冑です」
「ふぅ〜ん…」
「なんやかんやであいつもあの世界のこと分かってないみたいだな〜」
東王父はあまり気にせずに再びコーヒーを飲もうとするが……。
「うん? 今、なんて言った」
「徳川イエヤスと伊達マサムネと真紅の甲冑のことについて調べてほしいのです」
「真紅の……甲冑……」
真紅の甲冑と聞いて、東王父はコーヒーカップを持とうとするも倒してしまい、コーヒーをこぼす。
「東王父さん?」
東王父の反応に明命が心配そうに尋ねる。
「なんで一刀はそれを知っている?」
「織田ノブナガと言う人がその真紅の甲冑を集めていて、一刀さんはその集めるのを手伝ってるからです」
凪が丁寧に教えた。
「くそ!」
東王父は突然立ち上がる。
「東王父さん?」
「それで一刀……ノブナガはどのくらいまで集めた?」
「一刀の話やと後3つで全部揃う言うとったけど…」
「その残りの3つを手に入れるために西国に行くって言ってたの〜」
「3つともそっちに揃ってるのかよ! くそ!」
東王父はいらだちを見せる。
「電話する!」
東王父は写真館にある電話を使って一刀の携帯に連絡しようとするも、つながらない。
「くそ! あいつ出ないのか! それとも……」
東王父はすぐに写真館の出入り口へと行く。
「東王父さん、どこに?」
「俺もその世界に行く! お前達は常に一刀に連絡しろ!」
「いったい何があったの?」
「話す暇が惜しい。とにかく一刀に連絡が取れたらこう伝えろ。『真紅の甲冑をすぐに壊せ』ってな!」
東王父は写真館の玄関を開けて、すぐに出て行った。
「東王父さんのあの表情、初めて見ました」
「うむ。あれは本気で焦っているものの顔だ」
「あの人があんなに焦るほど危険なものってこと?」
「単純に考えるとそういうことですね」
「一刀さん……」
その場にいる皆が一刀の無事を祈るのであった。
仮面ライダーディケイド×新・恋姫†無双 feat戦国乙女 究極完結編へ続く
おまけ
作者「第10話の投稿だ」
一刀「お前確か『究極完結編』としてまとめるんじゃなかったのか?」
作者「最初はそのつもりだったが、戦国乙女のアニメが全13話だったことと第10話の内容、第11話から最終話までのあらすじを見て普通に第10話を投稿してそして残りの3話を『究極完結編』にすることにした。コマンドー的に言えば『次が究極完結編と言ったな。あれは嘘だ』になる」
一刀「まあそうなってもいいように、予告の後のおまけに嘘だって書いたんだよな」
作者「そうだな、どうなるかわからないもん。しかし一度嘘をついた以上今度はつきたくないな。雑誌あらすじを見る限りじゃ残りの3話で究極完結編で大丈夫のはず…」
一刀「そういえばこのシリーズよりも一度終わってやった『アクセル全開!』の方が閲覧数多いよな」
作者「正直俺もビックリ、『そらのおとしもの』シリーズが閲覧数少ないのは仕方ないことだけど、まさか同じ恋姫系なのにあっちの方が多いなんて…」
一刀「とはいってもこっちは『戦国乙女』、あちらは『仮面ライダーアクセル』が基で恋姫本編とはほとんど関係ないけどな」
作者「それでもここの読者がいかに恋姫系の閲覧者かよくわかるよ。
っても現時点で恋姫系の新作は考えてないからな。一応、魏、呉、蜀、アニメ、オリジナル、すべてやりきったし…」
一刀「全部やれた時点ですごいと思うよ」
作者「苦労はしたけどな。そして次回こそは究極完結編にしたいと心の中で思う俺であった。
それでは!」
説明 | ||
この話は作者が書いていた「仮面ライダーディケイド×新・恋姫†無双」の続編とされるものですが、舞台は「戦国乙女(アニメ版)」となっています。また話によっては主人公である一刀があまり出番がないことがあることをご了承下さい。 今回は原作とは部分部分違う場面が存在します。 |
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コメント | ||
ついにイエヤスが本性を!! バイオライダーも大好きだけどロボライダーも大好きなんで出してくれて嬉しいです!!(tukasa) 真紅の甲冑になにがあるんだろう?真紅の甲冑で思い出すのがロト紋の鎧なんだけど(VVV計画の被験者) |
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