真・恋姫†無双異伝 天魔の章 第二章 黒の猟兵団
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 こんばんわ。海平?と申す者です。

 

 この作品は、基本思いつきで進行していきます。なので、随所に矛盾や不可解な点が多数発生すると思われますが、そういった個所を発見した場合には、お知らせいただけると嬉しいです。

 

 やむを得ぬ場合を除いて、修正なり弁明なりさせていただいています。

 

 では、新章をお楽しみください。

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4 軍事顧問団

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霞らに連れられてやってきたのは、涼州の州都、天水であった。

 

 

一刀

「ふぇ〜!さすが州都だけあって賑わってんなぁ〜」

 

 

華雄

「当然だ。何せ我らが董卓様が治めておられるのだからな」

 

感嘆の息をこぼす一刀に応えたのは、華雄であった。

 

天水の街は、一目見ただけでわかるほど大変賑わっていた。

 

大通りには様々な店が軒を連ね、屋台や露店も点在している。さらに行商が通りを行き交い、様々な品物を売買している様も確認できた。

 

 

華雄

「それより、着いたぞ北郷。ここが我が主、董卓様のおられる天水城だ」

 

 

一刀

「おぉ、これが・・・」

 

華雄に言われて、大通りの先を見た一刀は、その先にある巨大な建造物に一瞬目を奪われた。

 

涼州州都の中心部に建造された主城、天水城である。

 

だが、落ち着いてみてみると、日本の城よりむしろ首里城に代表される琉球王朝の建築様式に似ているため、一刀は、少々冷めた。

 

やはり、生え抜きの日本男児にとって城とは、城塞のように重厚だが、それでいて機能的な美を醸し出す、日本式の城でなければ違和感が芽生えるらしい。

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とまれ、そんなことをおくびにも態度に出すことなく、一刀は部下達を中庭に預け、張遼と華雄の二将軍に先導されて玉座の間に案内された。

 

 

???

「あなたが ムゥ 殿ですね?私は涼州領主、董卓と申します。この度は我が臣、張遼さんと華雄さんの危機を救ってくださったこと、心から感謝いたします」

 

 

一刀

「義勇軍『黒の猟兵団』団長の、 ムゥ でございます。名君と名高き董卓様よりのお礼、まことに光栄の至りにございます」

 

そこで面会した董卓は、一刀の知る暴王董卓とは似ても似つかない、純粋な、そしてどこか儚げな雰囲気を纏う少女であった。

 

かなり鯱張った挨拶を返したのも、予想の斜め上を行く彼女の淑やかさと優しさに触れ、柄にもなく緊張していたからである。その証拠に、一刀の声は注意深く聞かねばわからぬほど僅かとはいえ、震えていた。

 

 

???

「それと私は、姓は賈、名は駆、字は文和。董卓軍筆頭軍師よ。私からも、戦友の命を救ってくれ

たことにお礼を言わせてもらうわ。ありがとう」

 

 

一刀

「賈駆様ですね。張遼・華雄両将軍を救ったのは、武人として、人として当然のことをしたまでです。そこまでかしこまってお礼を言われるほどの事ではございません」

 

もう一人の、かなり高位の者と思われる――実際は本当に高かったが――文官の少女にも、同じように名乗り返す一刀。

 

一歩間違えば嫌味ととられかねない彼の態度も、彼が纏う雰囲気としっかりとした口調、何よりもそのまっすぐな瞳は、そんなことを微塵も感じさせることはなく、逆に彼女達に好感を与える結果となった。

 

 

賈駆

「あら、随分と謙遜するのね。でも、人の礼は素直に受け取っておきなさい。お礼言われたのにそんな態度とってちゃ、その人に対して失礼になるわよ」

 

 

一刀

「・・・肝に銘じておきます」

 

が、やはりそこは董卓の懐刀、賈駆。好意的評価を下しながらも、彼の態度を叱責し、彼はそれに対して謝罪すると共に素直に二人の礼を受け取った。

 

 

賈駆

「それと ムゥ 殿、紹介するわ。我が軍の筆頭武将であり、戦国無双の異名をとる我が軍最強の将、呂布よ。恋、あいさつしなさい」

 

賈駆に紹介された、霞や華雄と同じ列に並んでいるもう一人の少女は、一刀を見ながらゆっくりと自己紹介した。

 

 

呂布

「ん。恋は、姓は呂、名は布、字は奉先。真名は恋」

 

 

一刀

「何と、初対面の私に、真名まで預けてくださるのですか!?」

 

 

「ん、お前、霞と華雄を救ってくれた。そのお礼」

 

 

一刀

「呂布将軍・・・わかり申した。謹んで、あなた様の真名を、預からせていただきます。私は、義勇軍『黒の猟兵団』団長、魔人の ムゥ 。本名は姓は北郷、名は一刀と申します。この本名は、こちらでいう真名に相当するものです。お受け取りください」

 

 

「ん、じゃあ、これからは一刀って呼ぶ。一刀も、恋のこと呼び捨てでいい」

 

 

一刀

「承知しました。よろしく、恋」

 

そう言うと一刀はまた深く一礼し、対する恋もわずかながら返礼してくれた。

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その後一刀は、ごく短時間であるが恋を見つめ、そして驚いた。

 

燃えるような赤髪に、体中に浮かぶ刺青、そして無表情だが、明らかに武人であることを示す、抑えられているが圧倒的な質量の闘気。

 

間違いなく、本気になった自分と拮抗するであろう実力者であると一刀は見抜いたのだ。

 

 

一刀

「(ふむ・・・この世界にもこれほどの戦士がいるのか)」

 

そう言いながら一刀は顔を綻ばせた。

 

 

董卓

「 ムゥ 殿。私のことも、月(ゆえ)と呼んでくださいね」

 

 

賈駆

「ちッちょっと月ぇッ!?」

 

 

一刀

「ほぅ、ありがたいことですが、理由をうかがってもよろしいでしょうか?」

 

その直後、董卓から投げられた突然の言葉に、賈駆は狼狽え、一刀も多少驚きを湛えながら尋ね返した。

 

 

董卓

「だって、恋さんが真名を預けたんですもの。それに、霞さんや華雄さんを救っていただいたお礼もしたかったですし」

 

二人の疑問に、彼女はそう答えた。

 

 

一刀

「・・・わかりました。では月さん、それに賈駆様も、私のことは本名の一刀でお呼びください。北郷でも構いません」

 

 

「はいッ!一刀さん!」

 

 

賈駆

「あなたまで・・・はぁ、わかったわよもぅ。霞達の礼は僕からもしたかったし、それに月が預けたんだし、預けられちゃったんだから、ボクも預けなくっちゃ不公平よね。と言うわけで、私の真名は詠よ。これからはそう呼んで頂戴、一刀。勿論、敬語を使わなくて結構よ」

 

 

一刀

「賈駆殿も・・・わかりました。よろしくな、詠」

 

そう言うと一刀は、詠に右手を差し出した。

 

その意図を察した詠もまた、右手で握り返す。

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固く握手を交わした二人は、その後、ほかのメンバーも交えて、董卓軍と黒の猟兵団の関係についての協議に移った。

 

董卓軍側からの出席者は、君主である月と筆頭軍師である詠の他、筆頭武将である恋、次席の霞、華雄の合わせて五人。

 

対して猟兵団側は、団長の一刀以外誰も出席していない。その理由を一刀に正すと、一刀曰く『猟兵団の行動指針の決定はすべて自分に任されているので、問題ない。第一、副団長も参謀長も、自分が言うのもなんだが口下手で誤解を招く発言を多々するため、このような場に出すと却ってややこしい事態になりかねない』とのことだったので、詠達も納得して会談は始まった。

 

 

「・・・で、これからの貴方達の扱いなんだけど・・・」

 

改めて全員の自己紹介が終わったところで、詠が早速そう切り出した。

 

 

「北郷、あなた、うちに仕官する『無い』気は・・・って、最後まで言わせてくれたっていいじゃないッ!?」

 

しかし、話の初っ端から腰を折られた詠は悲痛な叫びをあげた。

 

 

一刀

「ごめん。だけど、それだけは出来ない。詳しく語ることは出来ないが、俺達にはやらなければならないことがあるんだ。だから、残念ながらここに腰を落ち着けるということは、できれば勘弁していただけるとありがたい」

 

 

「・・・そぅ」

 

しかし、真剣な目でそう打ち明けた一刀を見て、悲しそうに目を伏せてそれ以上の反論を呑み込んだ。

 

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一刀

「・・・だが、まぁ」

 

しかし、そんな彼女に対して微笑みながら、一刀は続けた。

 

 

一刀

「客将、あるいは、軍事顧問団としてなら、逗留することも不可能じゃない」

 

 

「え?・・・じっじゃあッ!」

 

 

一刀

「それで差し障りないのだったら、その条件で雇ってもらえるとありがたい。・・・どうかな?」

 

そう言うと一刀は月や詠など、董卓軍の反応を待った。

 

 

「私はいいと思うけど・・・みんなはどう?」

 

 

「ウチは大賛成やで!まだあの時のお礼が完全に済んどらへんし、何より一刀とは一遍真剣でやりおうてみたいしな!」

 

詠の問いかけに真っ先に反応を示したのは霞だった。彼女は瞳に星でも浮かんでいそうなほどキラキラと輝く目を一刀に向けながらそう答えた。

 

 

華雄

「私も異論はない。・・・絶対に霞より私の方が上だとこいつらにわからせてやりたいしな」

 

 

「ん?何か言った華雄?」

 

 

華雄

「いや、何も言ってないぞ?」

 

 

「そう?ならいいけど、不満があるのならはっきり言って頂戴ね?」

 

 

華雄

「わかっている」

 

そう言って華雄は何か思いつめたような目で一刀を一瞥し、腕を組んで腰かけ直した。

 

 

「恋も・・・異議なし」

 

華雄に続いて、恋もそう言って賛同の意を示した。

 

口数は少ないが、そこがまた彼女の可愛らしさを引き立てている。一刀はそのことをこの短時間で見抜いていた。なので、舌足らずな言葉で『異議なし』と言った恋を見て、一瞬だらしなく顔を弛緩させかけた。が、あまりにそれは不謹慎だと思ってすぐに引き締め直したが。

 

 

「では、満場一致と言うことで。一刀さん、客将と軍事顧問団の件、どうかよろしくお願いしますね」

 

 

一刀

「(ズキューンッ!!)うん、どんとお任せあれ///」

 

最後に月に微笑みかけられながらそう頼まれた一刀は、傍目にはわからない程度にだが頬を染め、自信満々にそう答えた。

 

後ろの方では、一刀が突然、妙に気迫の籠った声で月にそう答えたのを見て怪訝そうに眉を寄せる、ごく一部を除いた董卓軍のメンバーがいたが、一刀は全くそのことには気づいていなかった。

ともあれ、こうして黒の猟兵団は、客将兼軍事顧問団として、しばらくの間董卓軍の下で厄介になることが決定したのであった。

 

 

 

 

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 恋姫†無双異伝 天魔の章 いかがだったでしょうか?

 

 ここ数日、大学生協の仕事やらレポートやらでずいぶん苦労しているうえ、前期中間考査の時期なので一層勉強が忙しくなり、おそらくまたしばらく間が空いてしまうと思われますが、一人でも私の駄文を支援してくださる方がいらっしゃられる限り、完結を目指して頑張っていきたいと思っております。

 

 これからもどうか、生温い目で見守っていただきますよう、お願いいたします。 

 

 では、今日はこの辺で失礼します。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

 

説明
 懲りずにやってきました。海平?と申す者です。
 最近、他の作者様達の作品を見ながら小説の勉強をしていますが、なかなか自分の思った通りの作品が書けなくて少々どん詰まり気味です。
 誤字脱字のほか、本小説に対する要望やご意見などございましたら、遠慮なくコメントいただけると励みになります。
 どうか、よろしくお願いします。
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