side詠
僕が手を降ろすと試合が始まった
どんな試合になるか楽しみね
僕は座っていた場所に戻った
最初に動き出したのは霞だ
霞の獲物“飛龍偃月刀”が刃を襲う
だが、刃は霞の偃月刀を避けたり受け流したりしている
霞の攻撃が激しいのか、なかなか攻めることができないように見える
「関轟が押されているな……力で押せばいいものを」
「隊長は、あなたのような力任せの人じゃないんですよ？」
「なんだと〜
まるで私が力だけしかないと言いたいのか！」
「…………違うんですか？」
「き〜さ〜ま〜！表に出ろ！！」
………いつのまにか、華雄と副長の試合も始まっている
二人とも何をやっているのよ
とりあえずあの二人よりも霞と刃の試合に目を向ける
…………刃が霞を押していた
………なんで？
あの二人のせいで試合が途中見れなかったじゃない！
side霞
ウチは今、関轟と試合をしているんや
最初見たときは、真面目な奴で口だけの奴やと思ったけど………
実際に戦うと思っていたよりも強いやんけ
関轟の獲物が剣か………普通の剣より少し細い感じやな
ウチの偃月刀を受けるには、その剣やと………折れるで？
詠には最初っから全力で行くように言われているし
ウチは楽しむつもりやったから関係ないけどな
それに、華雄より強いって詠が言っとたから全力で行くつもりやったしな！
詠の合図で試合が始まる
とりあえず最初は様子見ぐらいの攻撃でええか
…………避けられた
簡単に言っておるけど難しいんやで？
しかもウチの攻撃の殆どが流されて全然当たらんわ！
外野は何か騒いでいるし！！
「いい加減攻撃したらどうや！」
関轟は受け流したり避けたりしてるから攻めていない
偃月刀を受け流すのは難しいハズなんやけど
………っと思っていたらいきなり剣が目の前に！？
「！！！」
………何とかギリギリ防げたわ
安心したけど攻撃が続いとるから
ウチは防ぐだけで手一杯や！
「結構耐える………っね！」
「ウチやって負けたくないから………っな！」
お互い獲物を振るうけど
ウチの攻撃は流されて関轟がその隙に攻撃を何回もしてくるから
ウチが何もできなくて関轟が攻撃を続けて………鬱陶しいわ！！
「はぁ、はぁ………
（思ってたより強くてびっくりしたやんか
しかもウチの攻撃が流されて思うように攻撃できへんし
華雄が負けたのも納得できるで……）」
「（やっと目が慣れてきたから反撃ができた
最初は速くて驚いたけど………
愛紗と比べると速いけど………力が少し弱いかな？）」
このままやってもウチの体力がなくなる………
こうなったら………ウチの神速の一撃を喰らわせたる！
偃月刀を薙ぎ払って距離をとる
「ウチの神速の一撃受けてみいや！！」
関轟はウチの一撃を剣で防ぎ……
…………偃月刀を弾き飛ばされた
「勝者、関轟！」
ウチの負けかいな……
けど、思いっきりできて楽しかったわ
Side刃
「勝者、関轟！」
やっと終わった
今回の試合はいろいろと危なかった
「ウチの負けかいな
勝てると思ったんやけどな」
「張遼は十分に強いよ
今回はギリギリ俺が勝ったけど
次戦ったら俺が負けるかもしれない」
「せやったら次はウチが勝つで！
あとウチのことは、霞でええよ」
「俺も刃でいい
これからよろしく霞」
「これからよろしゅうな刃！」
張遼対関轟の試合は関轟の勝利で終わった
「………霞、一つ聞いていいか？」
「……なんや？」
俺は霞の後ろの方に指を向けて………
「…………なんで副長と華雄が試合をしている」
ちなみに俺と霞との試合
最後まで見ていたのは月だけで
それ以外は副長と華雄の試合を見ている
「ウチ聞かれてもわからんわ」
「う〜ん……月どうすればいいと思う？」
「…………どうしましょうか？」
「………ほっといてもええか？」
「えっと………大丈夫だと思います
お二人ともお疲れ様です、今日は休んでください」
「そうするわ」
「お言葉に甘えさせてもらうよ」
さて自室に戻ろう………
「だから力押しだと言っているだろう！！」
「いいえ違います！
隊長のように考えて戦うのです！！」
「いいや力だ！！！」
「話を少しは聞いたらどうですか！
あと、考えて戦わないから猪と言われるんですよ！！」
「私の何処が猪だと言うのだ！」
「何でそこだけ聞くんですか！？
だいたい…………」
………巻き込まれる前に自室に行こう
関轟は早足で自室に戻った
「ぐべぇ！！」
横に移動した
避けた結果、貂蝉は床に思い切りぶつかった
「酷いわ
普通、男の子は漢女を受け止めるものでしょ！！」
「いったい何の用なんだ貂蝉」
「無視するのは酷くないかしら！？」
「お前なら大丈夫だろ」
「あら、信用されて嬉しいわ
実は、今回は話があるのよ」
「話し？俺に関する事か？」
「そうよ
関轟ちゃん、これから言うことをよ〜く聞いてちょうだい
まず、一つ目
関轟ちゃん、記憶はどう？」
記憶か………
「なんにも思い出していない
むしろ、記憶のことを忘れていたよ」
「それは忘れちゃダメでしょ、けど大丈夫そうね
次のことなｎ「…私から話そう」あら居たの」
貂蝉の後ろに女の子がいた
ねねよりは身長が少し高く占い師のような格好をしている
「えっと……君は？」
「…私の名は“管輅”」
「管輅？」
管輅………しか噂では
大陸一の占い師だっけ？
「そちらの外史では占い師をしていたな………
今から話すことは私がそちらの外史で行うことだ」
「行うこと？」
「詳しくは言わないが、いずれ分かる
噂を流すだけだ………」
「噂を流す？どんな噂を流すつもりだ？」
「いずれ分かるといったばかりだろ、楽しみに待てばいい
……少々話しすぎたな、そろそろお前を返すか」
管輅が指を鳴らすと意識を失った………
……
…
目が覚めると
見慣れた天井がある
「はー………どうしよう？」
俺は管輅が言った言葉が気になっていた
『噂を流すだけだ……』
いったいどんなことを………
考えても何もわからないからな
とりあえず、しばらくはいつも道理に過ごすか
……無理だろうけど
あれから数カ月
……特に何も起きていない
管輅が噂を流すと言っていたが
何も噂なんて流れていないし、どういうことだ？
最近じゃ戦も多くなり黄巾党という賊も出ている
とりあえず今は、兵の調練に向かうか………
……
…
そして着きました訓練場！
途中？特に何もなかったよ
「………………」
副長たちが見えたが……
何か話しているように見えるな
とりあえず………
「副長、何をしているんだ？」
「た、隊長！？」
副長の後ろから声を掛けてみた
副長の顔を見ると真っ赤になって………って
「お、おい頭から煙が出ているぞ！大丈夫なのか！？」
「別に大丈夫ですよ？
偶になりますし………今回はいつもより煙の量が多いですね」
「冷静に分析するの！？」
「いつものことなので」
隊員たちが慣れているだと！？
「副長が何か話していたみたいだけど何を話していたんだ？」
「実は………」
話を聞くと何でも副長がおもしろい噂を聞いたらしい
それをみんなに話している途中に俺がー……的な感じだな
……副長に悪いことをしたか？
しかし……噂ねぇ？もしかして……管輅が言っていたことか？
「どんな内容だ？」
「えっと……たしか……
………「天の御遣い」が流れ星と共に
この世界にあらわれ乱世を納める………と言っていたと思います」
歴史が今、大きく動き始める………
Side副長
「…………ハッ！此処は……」
私はたしか……肩に手を置かれたので
振り返ったら隊長の顔が目の前に………
〜回想〜
刃が副長に声を掛けて副長が振り返った場面
ち、近いです！顔が近いです！接吻ができる距離ですよ！？
いっそしてしまえば………ってだめです！恥ずかしすぎます！！
いや、だけどこんな機会は次ないかもしれませんし………
なんだか顔が赤くなっているのがわかります
そして、だんだんと意識が………
〜回想終了〜
「思い出した！」
私……またやった？
最近、隊長を見ると想像して……気絶が増えています
どうすれば………
「お！副長、目が覚めたか？」
「え？た、隊長！？」
隊長が私のすぐ近くに……
「す、すみません！」
「俺も悪かったから気にするな」
「は、はい！」
あぁ〜私のために………
「おぉ〜い副長、起き………はぁー…また妄想の世界に入っている」
私は隊長のためにがんばります！