正史と外史の狭間で〜拠点・三君主の会議?〜その1 |
洛陽の庭園。桃香の提案で、三君主だけの話し合いが持たれていた。
議題は、天の御使いをどの国による統一世界に連れ帰るか。
「うーっ、華琳さんの国はご主人様がいなくても、ちゃんと動くじゃないですかー」
「だから、一刀を諦めて、蜀の世界に譲れと?」
「だって、ご主人様は王なんだよ、王! 華琳さんや蓮華さんのところみたいに、王を支える家臣の立場じゃない・・・
替えの利かない存在なんだよ!?」
「じゃあ、桃香はいったい何をしてるんだ・・・」
「・・・象徴みたいなもの、かな?」
ほんわかと桃香は微笑む。
しかし、閨無双の一刀から、華琳や蓮華が情報を聞き出していないはずはなく。
「逆でしょ。象徴は一刀。王はあ・な・た」
「うっ・・・」
「さすがにあざと過ぎるぞ・・・調べればすぐに判る嘘をつくな、桃香」
そうは問屋が下ろさないと、即座に切り捨てる女王二人組。一刀が欠かせぬ存在なのは、どの国でも一緒なのだ。
「それに、各世界を回った一刀は、知略、政治、軍略の多岐に至るまで、将の中でも群を抜く存在になっている。
私も華琳も、そう簡単に譲るわけにはいかない」
「・・・武術はからっきしだけどね。さすがに分隊長程度は相手にならなくなったけれど」
ため息をつきながら、幸せそうに言葉を紡ぐ、愛情表現の屈折した覇王様の発言に、
あえて空気を読まずに、桃香がここぞとばかりに攻勢をかける。
「でしょ!? 武術がからっきしだったら、魏では生き残れないだろうし! だから、ご主人様は蜀でちゃんと」
「それは呉でも同じが言えるぞ、桃香。それは通じない。
華琳の愛情表現を判っていながら、無理やり筋道を引こうとしないのだな」
「あうぅ・・・」
だが、桃香の愛情表現は真っすぐで、それゆえ、すごく眩しく見える。
彼女の掲げる理想も、一刀の支えもあって、
今では夢想ではなく、現実を一歩一歩見据えて進む、しなやかな強さを持っていて、より輝かしいものに映る。
「ただ、桃香が本当に一刀が好きだというのは、よく伝わるわ」
蓮華の口調が王としてではなく、親しい友人へのものへと変わる。
ただ、華琳がぴくりと眉を動かすばかりで、本人は気が付いていない。
「でしょ〜。ご主人様無くして、幸せに生きていけないもん♪」
「それは私もよ。一刀がいない生活など、考えたくもない。いえ、考えもつかない」
自らの発言に寒気を覚え、蓮華は自身を抱きしめる。
「蓮華さん・・・」
「王としては情けない限りだと思うけど、一刀がいない状態で、私は王として、まともに立っていられなかった。
姉さまや冥琳を失い、一刀までいなくなった後の私は、抜け殻そのものだったのよ」
何の因果か、この世界には幸い、姉も冥琳もいる。皆、一緒に子の待つ、あの国へ帰れたら。
それは祈りであり、切なる願望であった。
「だから、譲れない。一刀を。国のためもあるけど、なにより私は、一刀がいなくては、生きていけない」
「情けないことね、蓮華」
「えぇ、華琳、情けないわ。私は、貴女や桃香のように、一刀を失ってなお、王ではいられなかった」
でもね、と蓮華は続ける。
「それだけ、一刀を深く愛していられる、自分を嫌いじゃないの」
蓮華と病華の間とは誰が言った言葉か。
少なくとも、一刀が傍に存在する今の蓮華は、実際に一刀の後宮(のような状態)を取り仕切っており、
正史・曹孟徳の正妻、卞夫人を彷彿とさせるものがある。
「・・・あう、蓮華さんの正妻ぱわぁが」
「ぱわぁ?」
「力というか、覇気というか、オーラ力というか」
「桃香、何を言っているの?」
「ご主人様の受け売りだもん・・・とにかく、見えない力がすごいって言いたいの」
「・・・そう言われると判る気がするわ」
呂布軍において、軍略、政略全てに才があり過ぎるが故、
常に軍事に引っ張られがちの華琳に比べ、蓮華は内政面の責任を担うことが多い。
もともと、国を富ませることに遣り甲斐を強く感じる彼女の性格と内政能力、一刀の知恵を取り入れた統治手法は、
幕僚陣からも民からも支持を得ていた。
加えて、月を筆頭とした侍女たちのような、城仕えの者たちの統括も、蓮華の担当。
つまり、蓮華は城にいる=家を守ることが、結構多いわけで。
「気づけば、料理の腕も、桃香とも段違いになっていたものね・・・」
「うぅ・・・言わないで、華琳さぁん・・・」
瞳から、本当に滝のような涙を流す桃香。
お笑い役そのもののようだが、不思議と女性としての魅力を損なうことがない。どこか微笑ましくすら見える。
それが桃香の女性の武器の一つであるのだが、華琳は悔しいから言ってやるつもりはない。
「男性は胃からしっかりと落とすことだと、祭も言っているもの」
「あら、その点でいえば、私が一番秀でているわね」
「だけど、華琳は、相手にも同じ味覚感覚を求めるから、緊張してしまうきらいがあると思うわ。
その点、私は食べてもらえれば幸せだから、ゆったりとした時間を過ごしてもらうことができる」
「へぇ・・・蓮華、言ってくれるじゃない?」
「あぁ、ふ、二人とも落ち着い・・・」
『『桃香は黙っていてちょうだい』』
「はいぃ・・・」
二人のどす黒いオーラに、尻込みしてしまう桃香が辺りを見回したその時。
「あら〜? 楽しそうな話をしてるじゃない? 私も混ぜてよ」
「雪蓮さん!(た、助かった、の?)」
「姉さま!」
「あら、雪蓮に冥琳」
「三君主が混じって、何の話をしているのかと思えば・・・」
「重要な話よ? 一刀をどの世界に連れ帰るかで、それぞれの世界が大きく変わるのだから」
「ふむ・・・」
「そんなの簡単よー。三つの世界をくっつけちゃえばいいじゃない? もしくは一刀を三つに割・・・」
「後者は北郷が死ぬぞ・・・」
説明 | ||
動画作成から逃げるように作成。 状況:三国志9英雄集結の呂布傘下に恋姫勢の一部が集合中。 ヒロイン勢は真・恋姫無双の各ルートエンディング後からやってきた。 一刀は、差はあるものの、それぞれ各世界からいなくなっている。 一刀だけ、各ルートの記憶持ち。 上記前提の話なのをご了承ください。 うん、ドタバタが書きたかっただけなん(ry あとは各キャラをつかみ直したいという意図もあり。 とりとめもなく書いているので、続きものになりました。 |
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コメント | ||
ただ、雪蓮はどうしてもこういうぶっとんだ発言に落ち着いてしまう。冥琳の胃のストレスがマジでマッハですね・・・(通り(ry の七篠権兵衛) 三君主の考え方の違い、を自分なりに再消化したくてこうなりました。ただ、蓮華については嫁&病華補正がかかっているので、ちょっと優遇している部分がありますが。(通り(ry の七篠権兵衛) 後者を選んだら一刀の本体をモイデそれを3つに分けるんですね!!(中原) 相変わらず雪蓮はぶっとんでるよww(アロンアルファ) こういう話良いなあ。(readman ) |
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真・恋姫†無双 華琳 蓮華 桃香 | ||
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